日本最北端に位置する北海道は、日本でも人気の観光地。春から夏にかけて色とりどりの花々が咲き乱れ、秋は紅葉が美しく、冬は真っ白な雪が大地を覆い、四季折々に美しい大自然が魅力です。また食材の宝庫としても知られ国内外から多くの旅行者が訪れています。北海道で人気のスポット、春夏秋冬の見どころ、味わいたいグルメ、観光における交通手段など、北海道旅行に役立つ知識と情報とまとめて紹介します。
- 目次
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- ■北海道とは
- ■北海道の交通手段
- 東京からのアクセス方法
- 北海道周遊の交通手段
- ■北海道でホテルを選ぶポイント
- 繁華街を楽しみたいなら「札幌」に泊まる
- ゆっくり旅を楽しみたいなら温泉地のある「函館」に泊まる
- ラベンダー畑や大自然を楽しみたいなら「旭川・富良野」に泊まる
- スキーなどのアクティビティを楽しみたいなら「ニセコ」エリアに泊まる
- ■北海道の春 3月~5月
- 春のおすすめイベント
- 春のおすすめの観光地
- ■北海道の夏 6月~8月
- 夏のおすすめイベント
- 夏のおすすめの観光地
- ■北海道の秋 9月~11月
- 秋のおすすめイベント
- 秋のおすすめの観光地
- ■北海道の冬 12月~3月
- 冬のおすすめイベント
- 冬のおすすめの観光地
- ■「道央」観光スポット
- 札幌
- 小樽
- ニセコ・ルスツ
- 登別・洞爺湖
- ■「道北」観光スポット
- 旭川
- 富良野・美瑛・層雲峡
- 稚内
- ■「道南」観光スポット
- 函館
- ■「道東」観光スポット
- 帯広
- 釧路
- 網走
- 知床
- ■北海道の自然アクティビティ
- グリーンシーズン
- スノーシーズン
- ■北海道でのスキー・スノボ
- ■北海道のグルメ
- 札幌のグルメ
- 小樽のグルメ
- 函館のグルメ
- 富良野・美瑛のグルメ
- 旭川のグルメ
- 釧路のグルメ
- 帯広のグルメ
- ■北海道のお土産
- ■北海道の旅はテーマを絞って楽しむのがベスト
■北海道とは
北海道は、日本を代表する観光地として海外からも人気を集めています。北海道が魅力的な理由のひとつに、大自然が多く残されていることが挙げられます。森にはヒグマやキタキツネなどが生息。都会でも野鳥やリスなどを見ることができます。
また、北海道には国が管理する6つの国立公園があり、様々な野生の動植物が生息しています。そのひとつである知床国立公園は、今なお手つかずの大自然が残されており、世界自然遺産にも登録されています。
こうした北海道ならではの大自然の中で、夏はラフティングやカヌー、冬はスキーやスノーボードといったウィンタースポーツもでき、一年を通して様々な自然アクティビティが楽しめます。
また富良野のラベンダー畑をはじめとした花畑や、きらきらと輝く雪景色、登別や洞爺湖などの温泉街、函館や小樽の情緒あふれる港町など、年間を通して見どころがたくさんあり、海外からも人気であることがうなずけます。
また、魚介類や野菜、果物、乳製品など食材の宝庫としても知られ、ジンギスカン、ラーメンやスープカレーや海鮮料理など、おいしい食べ物が盛りだくさんであることも旅行者に人気の理由です。
北海道は日本の中でも固有の文化や歴史を持つエリアでもあります。なかでも北海道の先住民族であるアイヌ民族は、北海道の歴史を語る上では欠かせない存在です。2020年には白老町に「ウポポイ民族共生象徴空間 」がオープンし、アイヌ民族の歴史や文化を体験することができます。
北海道へのアクセスは、国際線や全国主要空港への便が発着する新千歳空港経由が一般的ですが、訪日外国人旅行者を対象にJRグループが発行する「ジャパン・レール・パス」を利用して新函館北斗駅まで新幹線で移動するのもよいですし、本州各地からフェリーが就航しているのでクルージングを楽しむのもおすすめです。
■北海道の交通手段
東京から北海道へのアクセスは、飛行機、鉄道、フェリー、レンタカーなど複数あります。道内の周遊はレンタカーが便利ですが、道内主要都市を結ぶ飛行機や鉄道と組み合わせて使うことで、時間短縮になり、行動範囲も広がります。
東京からのアクセス方法
飛行機を利用
最もスピーディーに移動するなら飛行機が一番のおすすめ。羽田・成田~新千歳間は数多くの便が就航。約1時間30分のフライトで新千歳空港 に到着します。
北海道の玄関口、新千歳空港の空港ターミナルビルでは、お土産店や飲食店などのほか、「ドラえもんわくわくスカイパーク」、「ロイズ・チョコレートワールド」などのテーマパークや、映画館などのエンタメに富んだ施設があります。また、空港ターミナルビル内にはスパ施設「新千歳空港温泉」があり、早朝便がある場合、深夜でも利用できます。
新幹線を利用
東京駅から函館まで新幹線で行くことができます。所要時間は約4時間半。飛行機に比べて時間がかかりますが、「ジャパン・レール・パス」を使えば北海道までの移動が可能です。道内の周遊には「北海道レールパス」「札幌-登別エリアパス」「札幌-富良野エリアパス」など、訪日外国人向けのフリーパスが多数あるので目的地に応じて利用してください。
フェリーを利用
茨城県の大洗港から北海道・苫小牧港まで日曜日以外毎日フェリーが就航しています。所要時間は約17~19時間。東京発着バスとセットになったお得なプランも用意されているので、船旅を楽しみながら移動したい人に最適です。
レンタカーを利用
レンタカーを借りて東京から東北や新潟を経由して北海道に移動するのも楽しいでしょう。北海道へは新潟・仙台・秋田・宮古(岩手県)・青森・八戸(青森県)・大間(青森県)からフェリーが就航しているので、レンタカーと組み合わせることで無理なく移動できます。
北海道周遊の交通手段
鉄道&バスを利用
札幌から道内各地に鉄道網や高速道路が整備され、列車や高速バスが都市間を結んでいます。スピーディーに移動するなら列車、夜間に移動するなら都市間バスの深夜便など、使い分けることで効率よく移動できます。
<フリーパスを使うともっとお得に>
全道や指定エリアをバスで移動できる「訪日外国人旅行者専用のフリーパス」のほか、誰もが使える「エリア内乗り放題切符」など、さまざまなフリーパスがあります。
札幌市内の観光は、「地下鉄専用1日乗車券(大人830円)」や、「路面電車1日乗車券(大人500円)」のほか、土日祝限定で発売される地下鉄限定乗り放題の「ドニチカキップ(大人520円)」、函館観光は「市電1日乗車券(大人600円)」や、空港への移動や函館山観光に最適な「市電・函館バス1日乗車券(大人1,000円)」などが販売されています。上手に使いこなしてお得に観光しましょう。
レンタカーを利用
公共交通機関が充実していないエリアの観光は、レンタカーが便利。道内の各空港及び主要な駅の近くに、大手レンタカー会社があり、ほとんどの会社で借りた拠点と返却拠点が異なることを認めた「ワンウェイシステム」を採用。列車や飛行機と併用することで利便性が向上します。
飛行機を利用
新千歳空港や札幌丘珠空港から道内各地は空路で結ばれています。列車なら約3時間30分かかる札幌〜函館間の移動も、飛行機なら約30分で到着。行動範囲が広がります。
■北海道でホテルを選ぶポイント
環境庁や北海道庁の報告によると、2019年に北海道を訪れた外国人観光客の平均滞在日数は約5日。北海道は広大のため北海道を周遊するには、札幌やニセコを含む「道央圏」の交通に便利な場所を宿泊地に選ぶと良いでしょう。
あまり移動せずひとつの観光地をゆっくり楽しみたいなら、その土地ならではの食事が楽しめる旅館や、温泉施設に泊まるのもおすすめです。以下に、エリアごとに宿泊のポイントをご紹介します。
繁華街を楽しみたいなら「札幌」に泊まる
「繁華街を楽しみたい」「新千歳空港の近くに泊まりたい」という人は、札幌に泊まるのがおすすめ。ラグジュアリーなホテルからリーズナブルなゲストハウスまで、予算に合わせて宿を選ぶことができます。
ナイトライフを過ごしたいなら、札幌の中心部にある繁華街・すすきの周辺に宿泊を。格安のビジネスホテルやハイクラスのホテルなど多種多様なホテルが集まっています。
また、札幌市内には温泉宿も多数あるほか、札幌の中心部から車で1時間ほど行くと、人気の温泉地である定山渓温泉もあります。
じっくり観光するためには数日滞在する必要がありますが、ナイトスポットだけでも十分楽しく過ごすことができます。
ゆっくり旅を楽しみたいなら温泉地のある「函館」に泊まる
函館は異国情緒漂う人気の観光地。ゆっくり旅を楽しみたいなら函館に泊まるのがおすすめ。ゆったり過ごせる温泉地や食事が楽しめる施設がたくさん集まっています。
なかでも「湯の川温泉」は海岸沿いのホテルの露天風呂から津軽海峡が見渡せ、夜はイカ釣り漁船の漁火が幻想的に輝きます。夕食は新鮮な魚介に舌鼓。至福の時間が過ごせますよ。見どころが多いので、2、3日泊まってゆっくり観光するのがよいでしょう。
ラベンダー畑や大自然を楽しみたいなら「旭川・富良野」に泊まる
旭川や富良野エリアは、黒岳・旭岳など大雪山系の山々がそびえ、夏は登山、冬はバックカントリーが楽しめます。7月にシーズンを迎える富良野・美瑛の丘陵は、ラベンダーをはじめ、さまざまな花が咲き誇り、夏を鮮やかに彩ります。
宿泊施設はハイクラスのリゾートホテルから、民宿までバラエティに富み、農業やヨガができる宿もあるなど、珍しい体験も可能。ひとつの宿を拠点にして周囲を巡るのも良いですし、毎日宿を変えても楽しいものです。見どころが多いので最低でも3日は滞在したいものです。
スキーなどのアクティビティを楽しみたいなら「ニセコ」エリアに泊まる
アウトドア派にはニセコエリアに泊まるのがおすすめ。夏はラフティングや乗馬、冬はスキーやスノーボードなどのウインタースポーツが楽しめるうえに、温泉で疲れを癒すことも可能。外資系のハイクラスなホテルが多く、外国語が通じるなどホスピタリティが充実しています。長期滞在者には、コンドミニアムタイプが人気。美しい自然をアクティブに楽しんでください。
■北海道の春 3月~5月
北海道の気候は3月から4月にかけて一気に変化します。3月中旬まで降雪(年によっては4月に雪がちらつくことも!)がありますが、例年は4月に入ると雪解けとともに、草花が息吹はじめます。5月初旬は道内各地で桜が満開に。そのあとも日中の気温が上昇し、夏に向かっていることが実感できます。
気象庁によると、札幌市の3月の平均気温は1.1℃、4月7.3℃、5月13.0℃であり、釧路は年間平均気温が6.2℃など、時期や地域によって寒暖差が激しいので、冬に準じた服装が必要です。
春のおすすめイベント
五稜郭公園 夜桜ライトアップ(函館市)
函館市の「五稜郭」には、毎年4月末~5月中旬に約1,600本のソメイヨシノやヤエザクラなどが開花します。園内の五稜郭タワーから桜と城郭が一望。桜の期間中は例年19時~21時までライトアップされています。
さっぽろライラックまつり(札幌市)
札幌に初夏の訪れを告げる祭りとして。毎年5月中旬から下旬にかけて開催しています。中心部の「大通会場」と郊外の「川下会場」のニ2か所で実施され、大通会場ではライラックの植樹や音楽祭、写生会などが行われます。飲食ブースも充実しており、地元グルメを味わうことができます。
春のおすすめの観光地
春の北海道の見どころは、何といっても桜に尽きるでしょう。特に「札幌市・円山公園」、「函館市・五稜郭」、「新ひだか町・二十間道路桜並木」は名所として知られています。北海道では固有種「エゾヤマザクラ」が咲き乱れ、街が鮮やかなピンクに染まります。
■北海道の夏 6月~8月
気象庁によると、札幌市の6月の平均気温は17.0℃、7月21.1℃、8月22.3℃と低く、本州に比べて過ごしやすいと言われていますが、時には30℃を越える猛暑が続くことがあります。熱帯夜になることはほとんどなく、むしろ寒さを感じるほど。天候や昼夜の寒暖差が大きいので、フーディなど羽織れる服を用意した方がよいでしょう。
夏のおすすめイベント
YOSAKOIソーランまつり(札幌市)
高知県の「よさこい祭り」に、北海道民謡の「ソーラン節」を取り入れたダンスイベントです。毎年6月下旬に大通公園をメイン会場に札幌市内各地で開催。個性的な衣装を身にまとい、鳴子を手にした踊り手たちの躍動感あふれる演舞が人々を魅了します。
おたる潮まつり(小樽市)
小樽港第三埠頭を会場に7月下旬に3日間開催されます。メインは「おたる潮音頭」や「潮おどり唄」を踊りながら市街地を練り歩く「潮ねりこみ」で、飛び入り参加も受け付けています。フィナーレは、たくさんの花火が夜空を飾り、賑わいに幕を下ろします。
登別地獄まつり(登別市)
「登別地獄まつり」は、このエリアを代表するイベントです。毎年8月の最終土曜日・日曜日に開催。約1tの赤鬼みこしを約100人の若者が勇猛に担ぎあげる「みこし暴れ練りこみ」の迫力は圧巻。フィナーレは地獄谷爆裂花火で締めくくり。地獄谷の空に大輪の花が咲き誇ります。
なかふらのラベンダーまつり(中富良野町)
毎年7月中旬に開催される「なかふらのラベンダーまつり(中富良野町)」は、このエリアを代表するイベントです。会場の「北星山ラベンダー園」は、まさに花の見ごろ。フィナーレはラベンダーをテーマにした花火が打ち上げられ、花畑を明るく照らします。
函館港まつり(函館市)
毎年8月初旬に開催される「函館港まつり」は、このエリアを代表するイベントです。初日は花火大会からスタート。函館港の小島から打ち上げられ、夜空を彩ります。「ワッショイはこだて」は、まつりのメインイベント。約2万人の市民がそれぞれの衣装をまとい、「函館港おどり」や「函館いか踊り」などを踊りながら街を練り歩きます。
夏のおすすめの観光地
夏の北海道の魅力はなんといっても雄大な大自然を楽しめること。7月頃からは富良野のラベンダー畑をはじめとした色とりどりの花畑に、毎年多くの観光客が集まります。草花の香りが爽やかに立ち込め、夏らしさを感じることでしょう。
また、北海道の大自然を肌で感じるアクティビティもおすすめ。知床ネイチャークルーズに参加すれば、クジラやシャチに出会えるほか、神秘的な釧路湿原をカヌーで巡ったり、ニセコの激流でラフティングをするもの思い出になりますよ。
■北海道の秋 9月~11月
気象庁によると、札幌市の9月の平均気温は18.6℃、10月12.1℃、11月5.2℃と一気に下がります。10月になると峠や山岳地帯では積雪が見られるなど、状況によっては真冬同様な服装が必要になります。
秋のおすすめイベント
さっぽろオータムフェスト(札幌市)
毎年9月下旬から10月上旬にかけて札幌で開催される食のイベントです。大通1丁目から11丁目にかけてテーマ別にブースを設置。「北海道・札幌の食」をテーマに、道内各地の旬の食材、ご当地グルメやラーメンなどが集結。道産のお酒なども味わえます。
まりも祭(釧路市)
「まりも祭」は、毎年10月初旬に阿寒湖で3日間にわたって開催されます。阿寒湖に生息する国の天然記念物のマリモの保護を目的に、1日目はマリモについての公演と観察会、2日目はマリモを迎える儀式やタイマツ行進やアイヌ民族舞踊の競演、3日目はマリモを送る儀式とアイヌ民族舞踊が行われます。
秋のおすすめの観光地
札幌の奥座敷「定山渓」の紅葉は一見の価値あり。特に豊平峡は緑と紅葉のコントラストが美しく、多くの人を魅了します。道北を旅行するなら、層雲峡の紅葉も見逃せません。柱状節理の断崖絶壁が朱色や黄色に染まる光景は感動的。グルメを楽しむなら、サンマがおすすめです。秋のサンマは脂がのり、焼いても刺身でもおいしくいただけます。
■北海道の冬 12月~3月
気象庁によると、札幌市の12月の平均気温は-0.9℃、1月-3.2℃、2月-2.7℃など、氷点下が続きます。寒さが厳しくコートやフリースなどのアウターは必須。また雪や氷で転びやすいので、滑りにくい靴が必需品です。屋外のイベントやアウトドアを楽しむ場合は、スキーウェアなどで防寒した方がよいでしょう。
冬のおすすめイベント
さっぽろ雪まつり(札幌市)
毎年2月上旬に札幌市内3会場で開催される世界的なイベントです。メイン会場となる大通公園1.5kmにわたり、200基以上の大雪像や氷像を建設。夕暮れからライトアップやプロジェクションマッピングも行われ、雪像や氷像が鮮やかに彩られます。すすきの会場には氷像が並び、つどーむ会場には巨大な雪の滑り台が登場。世代を問わず楽しめますよ。
千歳・支笏湖氷濤まつり(千歳市)
1月下旬〜2月中旬に支笏湖で開催されるイベントです。「氷濤(ひょうとう)」とは、水しぶきが寒さで凍る現象です。千歳・支笏湖氷濤まつりは、スプリンクラーで湖水を吹き付けて凍らせ、人工的に氷瀑のオブジェを作り出しています。昼間オブジェはブルーに輝き、夜はライトアップされて幻想的。週末は花火が打ち上げられ、冬の夜空を艶やかに彩ります。
冬のおすすめの観光地
真っ白な雪に覆われる冬は、他のシーズンと違った美しさがあります。夜の小樽運河は、ガス灯のほのかな光が雪に反射し、幻想的な世界を作り出しています。
アクティブ派は、スノーボードやスキーが楽しめるニセコエリアや、旭川・富良野エリアも外せません。パウダースノーはもちろん、気温が低い朝は、空気中の氷の粒が太陽光できらきら輝く「ダイヤモンドダスト」を見れることがあります。ゲレンデで北海道の大自然を堪能しましょう。
■「道央」観光スポット
広大な北海道は一般的に、道央、道南、道北、道東の4つのエリアに区分されます。
道央圏は道内面積の約30%を占めるほど広域で、札幌などの都市部や玄関口である新千歳空港を有するエリアです。またニセコ、支笏湖、洞爺湖など自然が調和したエリアで、観光客が多く訪れる北海道観光や産業の中心的存在です。
札幌
北海道の中心都市である札幌には、開拓時代から時を刻む「札幌市時計台」、市内を一望する「さっぽろ羊ヶ丘展望台」、北海道大学の「ポプラ並木」など、歴史ある数々の観光スポットがあります。
また、札幌のシンボルである大通り公園や、歓楽街・すすきのなどにも忘れずに訪れたいところです。
ウインタースポーツが好きな人には、1970年の冬季オリンピックの舞台にもなった「大倉山ジャンプ競技場」がおすすめ。リフトでスタート地点に上ることができ、基地内に冬季競技を紹介する「札幌ウィンタースポーツミュージアム」が併設されています。
また、道内各地からとれたての食材が集まる、食の宝庫・札幌。味噌ラーメン、スープカレー、ジンギスカンなどは全国的に有名でたくさんのお店がひしめく激戦区でもあります。北海道最大の市場である札幌市中央卸売市場の隣には、一般客が食事や買い物を楽しめる場外市場があり、観光客で賑わいます。
小樽
札幌から西に約40kmの場所にあり、小樽運河をはじめとしたレトロな情緒漂う歴史的建造物が多く集まる小樽市。かつては北海道経済の中心であり、歴史を感じる建物や倉庫、運河に当時の面影を残しています。
ガラスショップ、スイーツショップ、オルゴール堂などが並ぶ堺町通りは、かつて北のウォール街と呼ばれた場所。
市街地から少し離れた祝津(しゅくづ)地区にある、「おたる水族館」には、約260種の海洋生物を展示。夏季営業期間はイルカショーやペンギンショー、トドのダイブが実施されています。
ニッカウヰスキー余市蒸溜所がある余市方面や海外のスキーヤーからも大人気のニセコ方面への拠点となっているのも特徴です。
ニセコ・ルスツ
ニセコエリアでは、羊蹄山を望む大自然が美しく、夏はラフティングや乗馬、冬はスノーボードやスキー、スノーモービル体験などが楽しめます。なかでも「アンヌプリ」という標高1,308mの大きな山があり、横にも広がる地形を活かして4つのゲレンデが連なったニセコユナイテッドは世界的にも有名。国内外から訪れる長期滞在者が多く、コンドミニアムが立ち並んでいます。北海道を代表する一大リゾートです。
登別・洞爺湖
登別は北海道を代表する温泉地です。登別の「地獄谷」は谷底から水蒸気が吹き出し、地獄を思わせる光景は迫力満点。
また、独創性の高い展示が人気の水族館「登別マリンパークニクス」、和を味わえるカルチャーパーク「登別伊達時代村」、北海道固有のエゾヒグマにであえる「のぼりべつクマ牧場」など、ユニークなテーマパークもあります。
洞爺湖は火山によってできたカルデラ湖で、遊覧船に載ったり、手漕ぎボートを楽しむことができます。
■「道北」観光スポット
道北圏は日本海とオホーツク海に挟まれた、北海道の北端に位置し、旭川や富良野・美瑛など、北海道を代表する観光地を有するエリアです。
旭川
道内第二の人口を誇り旭川空港を有する旭川。特に夏は国内外から多くの観光客が訪れる人気観光エリア「富良野・美瑛」の玄関口でもあります。
日本最北の動物園として知られる「旭山動物園」は、動物たちの生き生きした姿が見れることで一躍人気動物園の仲間入りを果たしました。じっくり見たい方のために、2日間有効な入園券も用意されています。
このエリアでぜひ味わってほしいのが「旭川ラーメン」です。魚介豚骨ベースであっさりした味わい。寒い冬でも凍えた体を暖めてくれます。
富良野・美瑛・層雲峡
十勝岳を望むラベンダー畑の美しい風景が有名な富良野。「ファーム富田」などのラベンダー農園もあり、見ごろの6-8月頃は多くの観光客で賑わいます。美瑛はパッチワークの丘や青い池などの美しい景色で有名です。
また、大雪山系の旭岳、十勝岳など、登山者やバッグカントリーに人気の山々もあり、一年を通して美しい光景が楽しめます。
層雲峡は大雪山の自然が堪能できる黒岳ロープウェイや紅葉、上質な温泉、冬季は石狩川の水を人工的に凍らせて作る「氷瀑まつり」を開催するなど、さまざまな観光資源が魅力です。日本最大の国立公園「大雪山国立公園」も訪れたい場所のひとつです。
稚内
日本最北端の市として有名な稚内市。宗谷岬に最北端の碑があり、遠くロシア領サハリンを見渡すことができます。人気の離島、利尻島・礼文島への玄関口でもあり、フェリーが発着する交通の拠点でもあります。
アイヌ語が語源の絶景ポイント「ノシャップ岬」や日本最北端の地「宗谷岬」、日本最北端の国立公園「利尻礼文サロベツ国立公園」などがあり、美しい自然を堪能できます。
■「道南」観光スポット
道南エリアは、北海道の南に位置し、本州と最も近く、北海道・海の玄関口として、函館・大沼・松前などを有する地域です。
函館
約160年前から長崎、横浜と並んで外国と貿易をしていた港であり、今なお西洋建築や教会が多く建ち並んだ異国情緒漂う人気の街・函館は、北海道を代表する観光地です。
五稜郭、異国情緒あふれる元町エリアなど観光スポットが豊富で、なかでも函館山からの展望は「100万ドルの夜景」と呼ばれるほど美しく、世界三大夜景の一つとされています。
ほかにも毎分約5,000ℓの湯量を誇る「湯の川温泉」や、新鮮な活イカなどの新鮮な魚介を味わえる「函館朝市」など、魅力的なスポットが盛りだくさん。ゆっくり滞在して楽しみたいエリアです。
■「道東」観光スポット
北海道の東側の道東圏は、網走・十勝・釧路・根室を有し、世界自然遺産の知床半島、釧路湿原など手付かずの自然が残るエリア。人口は道内全体の20%ほどですが、道内面積の約40%近くを占める広大な敷地を誇ります。アウトドアやアクティビティに最適な環境で大自然を体感したい人におすすめ。
帯広
畜産・酪農・農業などが盛んで、十勝平野を有するグルメの街・帯広市。「帯広競馬場のばんえい競馬」は世界的にも珍しい競馬場として有名。「道産子」と呼ばれる大きな馬が、約1tのそりを引いて走る競馬「ばんえい十勝」が開催されています。
競馬場に隣接した「とかち村」では、帯広エリアの特産品を販売しているほか、ご飯の上に、甘辛いタレで味付けした厚切りの豚肉を敷き詰めた名物の豚丼を食べることもできます。
釧路
釧路市は、太古の自然が残る「釧路湿原国立公園」と「阿寒摩周国立公園」という2つの国立公園があり、道東最大の人口を擁する都市。釧路湿原国立公園と阿寒摩周国立公園は、タンチョウやマリモなど北海道独自の動植物が今も生息しています。カヌーで釧路川を下ると、野生動物たちの息吹を感じるでしょう。
炉端焼きや特製ソースをつけた食べる釧路ザンギ(唐揚げ)が人気のグルメです。
網走
オホーツク海の流氷と厳しい冬の寒さで有名な網走市。重要文化財にも指定されていて、刑務所だった施設を観光客に開放した「博物館網走監獄」は、一度は訪れてみたいスポット。
女満別空港から40分の場所に位置する「北海道立北方民族博物館」では先住民アイヌの文化を紹介した展示を見ることができます。1月下旬から3月中旬にかけて接岸する「流氷」も必見です。
知床
世界自然遺産にも登録されている知床半島には、ヒグマが多く生息し、クルーズ船に乗ればクジラやシャチが向かえてくれます。動物や自然が好きな方にはたまりません。
■北海道の自然アクティビティ
北海道は一年を通してさまざまなアクティビティが楽しめます。グリーンシーズンとスノーシーズンの人気アクティビティを紹介します。
グリーンシーズン
カヤック&トレッキング
北海道の大自然を肌で感じたいなら、自然の懐に入り込むのが一番。トレッキングやカヤックで森や川を下るツアーに参加してはいかがでしょうか。特に大雪山には氷河期時代からの生き残りと言われるナキウサギも生息。運が良ければ出会えるかも知れませんよ。
ラフティング
ニセコエリアでは、ゴムボートで尻別川を下るラフティングが人気です。クルーが力を合わせて激流を突破。羊蹄山に見守られてゴールを目指します。最後は感動が待っていますよ。
スノーシーズン
ワカサギ釣り
氷に穴をあけてワカサギを釣ることは北国だからこそできる体験です。ワカサギは直径2cmほどの淡水魚で、淡白な味でフライなどに最高。道具を貸し出している施設もあります。冬の北海道らしい感動が待ち受けていますよ。
バックカントリースキー&スノーボード
ゲレンデ外の雪山を滑る「バックカントリー」の人気が高まっています。雄大な景色の中で、パウダースノーを楽しめるニセコ山系や大雪山系は大人気。自然との一体感にワクワクします。一方でゲレンデよりもたくさんの危険が潜んでいるのも事実。ガイドが同行するツアーに参加して、安全を確保したうえで楽しみましょう。
■北海道でのスキー・スノボ
北海道は、ウインタースポーツ天国。さらさらの雪質や雄大な景観など魅力にあふれています。12月にオープンするスキー場が多いですが、ベストな状態を求めるなら、十分に積雪があり、気温が低くなる1月中旬から2月上旬がねらい目。道央エリアにはたくさんのスキー場があり、レベルに合わせてコースを選べます。一度は行きたいスキーリゾートをご紹介します。
ニセコユナイテッド
ニセコアンヌプリ山の裾野に広がる、4つのゲレンデの総称です。全山共通チケットを使えば、広大なエリアをまるごと滑走可能。標高1,308mからの素晴らしい展望とパウダースノーに魅了されること間違いありません。
ルスツリゾート
羊蹄山を望む3つのピークに4つのゴンドラと14のリフトを配置。37ものコースをレイアウトしたスノーリゾートです。札幌市内や新千歳空港から車で約90分とアクセスの良さも人気の理由です。
星野リゾート トマム
2つのタワーホテルが目を引く星野リゾートトマムは、上質のパウダースノーと、ハイレベルなホスピタリティで人気のスキーリゾートです。氷のBarや氷のアトリエなどがある「氷の街 アイスヴィレッジ」や、全てが氷で造られた「氷のホテル」で宿泊体験できるなど、冬を満喫できます。
富良野スキー場
十勝岳や大雪山連峰の雄大な景色が眺められ、内陸にあるスキー場ならではの良質な雪質が魅力です。最長滑走距離4kmのゲレンデなど全23コースあり、初心者から上級者まで楽しめるスキー場です。
ばんけいスキー場
札幌市中心部から車で約20分の都市型ゲレンデです。初心者から上級者まで楽しめる17コースのほか、キッズ向けコースも用意。スキーやウェアのレンタルや22時までナイター営業も行っているので、誰でも気軽に楽しむことができます。
■北海道のグルメ
北海道は酪農が盛んで、新鮮な牛乳や、それを原料にした乳製品もおいしいと評判です。そのほかオホーツク海を中心に水揚げされるカニなどの魚介類や、夕張メロンなどのフルーツなど食材の宝庫。各エリアごとに食べておきたいご当地グルメを紹介します。
札幌のグルメ
札幌ラーメン
全国的に知られる札幌のご当地グルメです。濃厚なスープと黄色い中太のちぢれ麺が特徴で、各お店が独自の味を追求しています。味噌ラーメンのイメージが強いですが、ほとんどの店で塩ラーメンや醤油ラーメンも提供されています。
スープカレー
札幌発祥のスープ状のカレーです。大きな具の入ったカレースープに白米をくぐらせて食べます。札幌市内に約200店舗の専門店があり、それぞれ味を競い合っています。
ジンギスカン
羊の肉を円形の専用の鍋、またはホットプレートなどで食べる北海道のご当地グルメ・ジンギスカン。好みや地方によって最初からタレに漬け込んでいるタイプと、焼いた後にタレをつける2通りの食べ方があります。札幌を中心に専門店がありますが、家庭でも好んで食べられる道民のソウルフードです。
小樽のグルメ
寿司
小樽は寿司を提供するお店が100店舗以上あると言われる「寿司の町」です。近海で水揚げされた魚介は新鮮そのもの。海鮮丼ランチなど、お得なメニューも多く、観光客だけでなく、地元のお客さんも訪れています。
あんかけ焼そば&鶏の半身揚げ
魚介や野菜、豚肉がたっぷり載った「あんかけ焼そば」は、小樽市民のソウルフード。麺のパリパリした食感にとろみがかかった餡の組み合わせが最高です。小樽名物「鶏の半身揚げ」も外せません。鶏の半身を油で揚げて塩コショウで味付けしたシンプルな料理です。1952年に創業し、いまや全道にチェーン展開しています。
函館のグルメ
イカ
函館は「イカの町」として知られ、津軽海峡で新鮮なイカが水揚げされています。鮮度が高いイカは、透明で臭みがありません。刺身でいただくと、そのおいしさに驚くことでしょう。
塩ラーメン
札幌の味噌、旭川の醤油と並び、北海道三大ラーメンのひとつに数えられています。すっきりと透明なスープが特徴で、あっさりした味わいです。函館市内には約150店のラーメン店があり、それぞれテイストの異なるラーメンを提供しています。
富良野・美瑛のグルメ
富良野オムカレー
日本人が大好きなカレーとオムライスを組み合わせ、地元食材や提供方法にこだわった新ご当地グルメ。「ふらの牛乳をつける」、「料金は統一価格で提供する」など6項目のルールが設られています。
旭川のグルメ
旭川ラーメン
旭川ラーメンは魚介豚骨スープのWスープと中細麺が特徴です。醤油ラーメンがメインで、スープに張ったラードの膜は、真冬に零下30℃を下回る旭川においてラーメンを冷めにくくする工夫と言われています。
釧路のグルメ
炉端焼き
店員が炭火で焼いた魚介類や野菜を、大きなへらで客に運ぶシステムの居酒屋です。釧路港は日本有数の水揚げを誇り、サケ、スケトウダラ、サンマ、イワシなど一年を通して豊富な魚介が水揚げされています。釧路の味覚を堪能してください。
帯広のグルメ
豚丼
豚丼は甘辛いタレを付けて焼いた豚肉を白米に載せた丼物です。1930年代ごろに帯広市内の食堂が、炭火焼きした豚肉にうなぎの蒲焼き風のタレを使用した丼を考案したのが始まりと言われています。
帯広スイーツ
帯広を含む十勝エリア全体が農業・酪農地帯で、小麦粉・牛乳・砂糖・卵・小豆など、お菓子の材料がすべて揃ってしまうほど。良質な素材を活かした「帯広スイーツ」として、甘党を魅了しています。
■北海道のお土産
北海道には地元食材を使ったお菓子やスイーツも盛りだくさん。空港やホテルの売店で購入でき、お土産にもぴったりな北海道で人気のスイーツを紹介します。
白い恋人
石屋製菓を代表する商品で北海道土産の定番「白い恋人」。ホワイトチョコレートをクッキーでサンド。上品な甘さで、多くの人に好まれるおいしさです。札幌市西区の白い恋人パークでは、製造過程を見学できるほか、お菓子づくりが体験できます。
ロイズ
ロイズは、「北海道で本場・ヨーロッパに負けないチョコレートをつくりたい」という想いのもと創業されました。なめらかな口どけの生チョコレートは、その意気込みが伝わる商品です。新千歳空港で製造過程が見学できます。
ルタオ
小樽の洋菓子ブランドで、「ルタオ」の名前はフランス語の「小樽の親愛なる塔」(La Tour Amitié Otaru)の頭文字に、「オタル」をアレンジしてつけられたそうです。人気商品「ドゥーブルフロマージュ」は、口当たりの良いレアチーズケーキと、コクのあるベイクドチーズケーキのコントラストが絶妙です。
六花亭
「マルセイバターサンド」も観光客から人気を誇る北海道土産のひとつ。専用の小麦粉でつくったビスケットに、ホワイトチョコレートと北海道産生乳100%のバター、レーズンをあわせたクリームをサンド。六花亭を代表する人気商品です。
■北海道の旅はテーマを絞って楽しむのがベスト
広大な北海道には、素晴らしい景色やおいしい食べ物があふれています。目的を決めずにふらりと旅をするのも良いですが、アクティビティやグルメなど、旅行のテーマを絞った方が楽しみが広がると思います。一度では物足りず何度もリピートする人が多いのも納得。思う存分北の大地を満喫してください。
Text by:Masakazu
※本記事の情報は2021年7月時点のものです。最新の情報は公式サイト等でご確認ください。
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