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日本のなかでも北に位置する青森県は、全国トップクラスのリンゴの名産地。涼しい気候がリンゴの栽培に適しており、「ふじ」や「つがる」といった青森県原産のリンゴが数多く開発されました。早ければ8月頃から店先に並び始めますが、種類が最も豊富なのが10月~11月です。この頃に地元の産直所を訪れると、フレッシュなリンゴがずらり。
今回は、栽培が盛んな弘前市や青森市で味わえる、リンゴを使ったスイーツ、グルメをご紹介します。
青森といえば、リンゴの名産地
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年間約70万トンを超えるリンゴが流通する日本。東北地方の最北端に位置する青森県は、そのうち50%以上ものシェアを誇る(2017年調査-青森県りんご課)、リンゴの一大産地です。
なかでも生産量が高いのが、青森県北西部に広がる津軽地方の弘前市。地元の飲食店では、アップルパイやタルトタタンといった定番のリンゴスイーツから、ガレット、スープなどのグルメまで、さまざまなメニューを味わえます。
1.ウィーン菓子 シュトラウス(青森市)
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青森駅から、大通りを6分ほど歩いた先、夜店通りの一角に店を構える「ウィーン菓子 シュトラウス」は、ウィーンの本格的な伝統菓子を味わえる洋菓子店。オーストリアで7年間洋菓子について学び、オーストリア国家公認の製菓マイスターの資格を取得した、前オーナーのレシピをもとに作る伝統のウィーン菓子を味わえます。
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シュトラウスで味わいたい「アップフェルシュトゥルーデル」は、ウィーンを代表する伝統菓子。青森リンゴとレーズン、くるみを、薄く伸ばした生地で幾重にも巻き、焼き上げます。
生地とリンゴはしっとりとした食感。リンゴがぎっしりと詰まって重厚さがありますが、甘酸っぱいリンゴとスパイシーなシナモンの香りがアクセントになっています。お好みで、生クリームをトッピングできます。
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シュトラウスは新青森駅内「あおもり旬味館」にも出店しており、こちらではテイクアウト用の「アップフェルシュトゥルーデル」を購入できます。
持ち帰りやすいように少し厚めの生地になっていて、表面がパリッとした食感です。イートイン用と同様に、青森県産リンゴがぎっしり。ブース内に簡易な厨房があるので、こちらでは焼きたてを持ち帰ることができます。
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ウィーン菓子 シュトラウス 本店
- 住所 〒030-0801 青森県青森市新町1-13-21
- 電話 017-722-1661
営業時間:10:30~18:30、2階サロンは10:30~17:30(L.O.~17:15)
定休日:無休、2階サロンは月曜(祝日の場合は翌日休)
※2階サロンは2021年11月現在、当面の間休業中。
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ヴィーナー・カフェ・コンディトライ シュトラウス
- 住所 〒038-0003 青森県青森市大字石江高間140-2 新青森駅ビル
- 電話 017-752-6530
営業時間:9:00~20:00
定休日:無休
2.サロン・ド・カフェ・アンジュ(弘前市)
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街なかに多くの洋館が建ち並ぶ弘前。1900年に外国人教師専用の住居として建築された「旧東奥義塾外国教師館」もそのうちのひとつです。現在、中は資料館になっており、その1階に「サロン・ド・カフェ・アンジュ」があります。
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人気のアップルパイは、濃厚な甘さと高い酸味を合わせ持つ、弘前で生まれたリンゴ「栄黄雅」を使用。生地に敷かれたレーズンとりんごの芳醇な香りが食欲をそそります。
しっとりとしながらも歯ごたえの残るリンゴをかじると、口の中には爽やかな酸味が広がります。パイの表面にあしらわれたアーモンドも香ばしく、サクサクの食感をプラス。
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もうひとつ、このカフェを訪れたらぜひ味わいたいのが「津軽藩再現コーヒー」です。日本で初めてコーヒーを飲んだとされているのが、弘前に住んでいた武士なのだそう。こちらでは、外国から日本に伝来したころの味と淹れ方を再現して提供しています。
挽いたコーヒー豆が入った茶巾を土瓶に入れ湯を注ぎ、少し時間を置いたら茶巾を搾り好みの濃さに調整。搾り具合にもよりますが、色味は濃すぎず渋みは少なめで、すっきりと味わえます。
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サロン・ド・カフェ・アンジュ
- 住所 〒036-8356 青森県弘前市大字下白銀町2−1 旧東奥義塾外人教師館1F
- 電話 0172-35-7430
営業時間:9:30~17:30、ランチタイムは11:00~15:00※時期により異なります
定休日:無休
3.藤田記念庭園「大正浪漫喫茶室」(弘前市)
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岩木山を眺められる、美しい日本庭園が魅力的な藤田記念庭園の門をくぐると、見えてくるのが「大正浪漫喫茶室」。1階はカフェ「大正浪漫喫茶」と、建築当時にこの館の持ち主だった実業家・藤田謙一の資料館になっています。
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おすすめは、大きくカットされたリンゴが幾重にもなった「タルトタタン」。1ホールで18個もの青森県産リンゴ「ふじ」を使用します。ツヤツヤと飴色のリンゴは、水を使わずに砂糖と煮詰めてから焼き、旨みをキュッと濃縮した証。一口食べると、リンゴ本来の甘みと酸味、そして、カラメルの香ばしさが口の中に広がります。
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青森県産リンゴを使った発泡酒・シードルとペアリングで味わいたいのが、「りんごとバニラアイスのガレット」です。甘さを控えたガレットの上に、カラメリゼしたリンゴのソテーとバニラアイスが乗っています。
もちもちの生地とシャキシャキ食感が残るリンゴの歯触りは絶妙。リンゴのフレッシュさとやさしい甘みを合わせ持つシードルが、ガレットの香ばしさを引き立て、より大人な味わいを楽しめますよ。
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藤田記念庭園「大正浪漫喫茶室」
- 住所 〒036-8207 青森県弘前市大字上白銀町8-1 藤田記念庭園洋館内
- 電話 0172-37-5690
営業時間:9:00~17:00
定休日:無休
4.レストラン山崎(弘前市)
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「レストラン山崎」は、弘前を代表するフレンチレストラン。地元の食材をふんだんに使った本格的なフランス料理が魅力です。レストランと同じ通りに並んで建つ「カフェ山崎」と「パティスリー山崎」でも、完全無農薬栽培で作られた「奇跡のりんご」を、スイーツやグルメで味わうことができます。
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レストランでは「奇跡のりんごフルコース」で、リンゴグルメを存分に堪能しましょう。旬の魚介とリンゴを使ったサラダや、リンゴソースを掛けたホタテ貝のポワレなど、さまざまな料理が並びます。
なかでもイチオシなのが、「奇跡のりんごの冷製スープ」です。リンゴの種も皮もまるごと使いながら、仕上がりはなめらかでクリーミー。ほのかな塩味で、リンゴの爽やかな風味が引きたちます。
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単品から気軽にリンゴグルメを味わうなら、カフェで提供する「奇跡のりんごすりおろし豚肉のカレー」をどうぞ。青森県産の熟成した豚肉を、すり下ろしたリンゴの汁でじっくりとやわらかく煮込んでいます。
味はコクがありまろやかで、スパイスの香りがアクセントに。テイクアウト用のパッケージがあるので、おみやげにすれば家に帰っても同じ味を楽しめます。
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レストラン山崎
- 住所 〒036-8191 青森県弘前市大字親方町41
- 電話 0172-38-5515
営業時間:11:30~15:00(L.Oは14:00)、17:30~22:00(L.Oは20:30)
定休日:月曜
5.A-FACTORY(青森市)
「A-FACTORY」は、青森駅から歩いて3分ほどの海沿いにある商業施設です。工場のような外観が特徴的で、青森県産のリンゴを使ったシードルの工房を併設。アクセスがよく、青森のおみやげ探しに重宝するスポットです。
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館内1階にある「Gelato Natura Due」では、紅玉やふじなど6種類もの県産リンゴを使ったジェラートを味わえます。サイズは、シングル、ダブル、トリプルの3種類。いろんなフレーバーを試したい人は、1つ1つを小さくして3種類を盛り付けたトリプルで食べ比べをしてみましょう。
リンゴをそのままジェラートにしたようなフレッシュさで、種類による味の違いをはっきりと感じられます。チョイスに迷ったら、カウンターにあるリンゴごとの甘みと酸味を記したパネルを参考に選びましょう。
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青森で味わいたいお酒といえばリンゴの発泡酒・シードル。2階にありテイスティングマシーンでは、気軽にシードルの試飲を楽しめます。その数は、「アオモリシードル」や「ニッカシードル」のスイートやドライなど合わせて8種類です。
手順は、同じフロアのレストランでプリペイドカードを購入し、シードルの種類と試飲したい量を決めてマシーンにカップをセットしてボタンを押すだけ。マシーンにセットされているシードルは1階の土産店「FoodMarchè」で同じものを購入できますよ。
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A-FACTORY
- 住所 〒038-0012 青森県青森市柳川1-4-2
- 電話 017-752-1890
営業時間:9:00〜20:00、レストランとフードコートは11:00〜20:00
定休日:不定休
Text by:株式会社シュープレス
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