日本を代表する文化・芸術として知られ、精巧で奥深い世界に魅了される外国人も多い「盆栽」。その価値は、数万円のものから1億円という超高級なものまで幅広く、ちょっと見ただけでは日本人でもその価値を見極めることは難しい!今回は観光スポットとしても大人気の○○にある「春花園BONSA美術館」を訪れ、盆栽の格付け方法をご指南いただいた。
そもそも盆栽って何?

盆栽とは陶磁器などの鉢(容器)に草木を植え、自然のままの姿を留めるようにさまざまな手工を凝らして小さく育成する日本独特の園芸手法のこと。鑑賞用として主に屋内に飾ることを目的とし、ミニチュアのような小さな世界に大自然の姿を感じさせるものほどよいと言われる。松や真柏といった針葉樹をはじめ、梅、桜、楓、皐月など多種多彩な草木を使用。代々の盆栽師が受け継ぎ、数百年という長い歳月をかけて育てられたものもある。
盆栽格付けチャンレンジ「黒松」編 どっちが1億円?

それでは実際に盆栽の見極めにチャレンジしてみよう。
上の写真で示した盆栽AとBのうち、ひとつが1億円、もうひとつは3000万円だ。どちらが1億円かパッと見て分かるだろうか?どちらも樹種は「黒松」で、盆栽に使われる樹木のなかでもメジャーなものだ。挑戦するのは日本在住のアメリカ人編集者・ティモシーだ。盆栽については事前にちょっと予習してきたものの、実際に分かるかどうか・・・

ティモシーが出した答えはこちら!

2つの盆栽の間を行ったり来たりして悩むこと10分、ティモシーが選んだ盆栽は「A」。その理由を聞いてみると、「Aの盆栽は幹が太く、ずっしりと横に伸びていて、とても堂々としている・・・きっと樹齢も長いはず」ということ。では、いざ判定は・・・・
残念!正解の1億円の盆栽はB

正解はBの盆栽! 「春花園BONSAI美術館」の国際課で主に外国人客をアテンドしている盆栽師の神さんに見極めのポイントを聞いてみた。基本的には下記のようなポイントで盆栽の格付けが行われるという。
1:幹=グルッと捻転していながら自然なバランス
2:幹の樹皮=何層にも重なり、剥がれかけ、樹齢の長さを感じさせる
3:根張り=土の上に剥き出しになりながら力強く伸びている根
4:枝張り=幹から伸びる枝の角度がそれぞれ微妙にことなり、自然の摂理に適っている
5:コケ順=「コケ順」とは盆栽の専門用語で、幹や枝などが末端へ行くほど細くなっていくほど自然でよい
もちろん全体のバランスも大事。あくまで自然の中に生えている古木のような風格を備えていることがよい盆栽のポイントとなるということだ。ちなみに1億円の価値というBの盆栽は樹齢500年。対するAの盆栽は3000万円で樹齢は200年ということ。

盆栽格付けチャンレンジ「真柏」編 3つの盆栽の価格順位当て

次に黒松と並んで人気が高い「真柏」の盆栽で格付けにチャレンジしてみよう。「真柏」とは正式には「ミヤマビャクシン」というヒノキ科の植物(英名:Chinese Junuiper)で、枝枯れして白骨化した幹や枝が特徴的だ。上記の写真A~Cを見て、価値が高いものから順に1・2・3位を当ててみよう。

ティモシーが選んだ順番はこちら!

ティモシーは3つの順位を、1位=C、2位=A、3位=Bと回答。「Cは幹の曲がり方が面白いし、樹齢も古そうだ。Aは小さいがユニークな姿をしていて、意外とこういうのが高いのかもしれない・・・・Bは高そうだけどちょっとシンプル」ということ。
1位はCの盆栽で価格は8000万円!

1位は正解! ただし2位と3位の順位は逆という結果に。春花園BONSAI美術館の神さんによると、「真柏」の見極めは白く白骨化した幹(シャリ)の捻転が複雑かつ自然かどうか、同じく白骨化した枝(ジン)のバランスなどがポイントで、根は基本的に地中なのであまり重視されないという。Cの「真柏」樹齢800年以上で、グルッと一周捻転しながら伸びる幹が見事。お値段も8000万以上という超高級品だ。2位のBは樹齢500年、価格は3000万ほどで、Bに比べると捻転の仕方がシンプルだとか。なおAの幹は確かにユニークな姿をしているが、まだまだ樹齢が若い(といっても樹齢120年、180万円)ということだ。

どんな樹木が使われるの? 盆栽カタログ

1:黒松 灰黒色をした厚い樹皮が特徴的な松の一種で、盆栽用の樹木として高い人気を誇る。荒鷲が翼を広げたような姿を連想させる。
2:楓 カエデ科の落葉高木で、盆栽では細かい枝に小さな葉を密につける。新緑や紅葉と季節ごとに楽しめる。
3:山茱萸(サンシュユ) ミズキ科の落葉小高木で、春先に枝先に黄色い小花をつける。
4:真柏 ヒノキ科の常緑低木で黒松と並ぶ人気の樹木。捻転しながら伸びる白く枯れた幹が古色を感じさせる。

5:緋梅 梅の一種で流れるような幹の躍動感が特徴。早春に鮮やかなピンクの花をつける。
6:野梅 花ものの盆栽として古くから人気で品種も多い。より原種に近い梅。
7:緋寒桜 葉や花が小さく盆栽に適した桜の一種。2月ごろに鮮やかなピンクの花を咲かせる
8:錦糸南天 江戸時代の後期に大流行したという古典園芸植物で、糸のような細い葉が特徴
まとめ

やはり奥が深い盆栽の世界だが、格付けの基本を知っていると鑑賞の楽しみもきっと倍増するはず。春花園BONSAI美術館では、名人・小林國雄先生による作品の数々が見られるので見学に訪れ、盆栽の美しさを見極める審美眼を見に付けよう。
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