東京・浅草から北へ行くこと2時間。栃木県日光市には、修学旅行生も多く訪れるほど観光スポットがたくさんあります。そのなかのひとつが、世界文化遺産にも登録され、訪日外国人観光客からも人気の“日光東照宮”。
今回は、参拝の仕方から見逃せない参観スポットまで、日光東照宮を徹底ガイド! 東京からアクセスもしやすく、自然の中で日本の歴史や文化にもっと触れたいという方は必見です。
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日本の歴史的人物・徳川家康公が祀られた「日光東照宮」とは
日光東照宮は、江戸時代に260年以上も続いた徳川幕府の初代将軍・徳川家康を御祭神として祀った神社です。徳川家康は、はじめて幕藩体制を確立させ近代日本の発展に貢献した人物。その家康公が75歳でその生涯を閉じた後、静岡県の久能山の神葬を経て、この日光の地に祀られることとなりました。
現在の社殿群は、三代将軍家光公によって造替されたもの。社殿群には陽明門(国宝)など55棟あり、名工によって莫大な費用をつぎこまれて作られたのだとか。
それぞれの建物には、漆や極彩色が施され、柱などには数多くの彫刻が飾られています。きらびやかで豪華な建物はまさに圧巻。1999年12月には“世界文化遺産”にも登録されています。
日光東照宮へは「世界遺産巡りバス」を利用して
日光東照宮は、東京から日帰りで行けるアクセス抜群の場所にあります。浅草、北千住から出ている東武線の特急に乗れば、約2時間で東武日光駅に到着します。また、JR新宿からも東武鉄道に乗り入れている特急列車があるので便利です。
東武日光駅に着いたら、目の前にあるバス停のりば・2Bより、『世界遺産めぐりバス』に乗って行くのが便利。所要時間はおよそ10分。運賃はバス停「日光東照宮表参道」の場合、大人350円、子ども180円です。
日光東照宮の境内に一番近い停留所は“表参道”です。駅を出発すると割りとすぐに外の景色に参道が見えてくるため、どこで降りるか迷ってしまいますが、間違えないように注意してくださいね。
まずは拝観受付所で拝観券を購入。自動券売機は4か国語に対応
バス停を降りて少し歩くと、大きな“石鳥居”が見えてきます。さらに真っすぐ行くと、表門がありその左手に拝観受付所があります。
まずはここで拝観券(大人・高校生1,600円 小・中学生550円)を購入しましょう。
自動券売機があり、日本語以外に英語、中国語、韓国語が対応。現金だけでなく交通系電子マネー『Suica』『PASMO』を使って購入することもできます。
詳しい解説を聞きたいなら、「音声ガイド」の利用がオススメ!
拝観受付所では“境内音声ガイド”(500円/一式)も販売しています。音声ガイドは、境内の29の建造物を順路に沿って解説してくれるもの。家康公の名言集も収録されています。
日本語(大人・子ども)・中国語・英語の3か国語に対応しているので外国人観光客にも安心。日光東照宮への理解をしっかり深めたいという方は、ぜひ利用してみるのをオススメします。
貸出場所は表門を抜けた正面にあります。
このようなオーディオ機器を貸してくれるので、イヤホンを装着しガイドに従って回ってみてくださいね。
写真映えスポットもあり!ここだけは外せない「参観ポイント」7つ
(1)五重塔
石鳥居を抜けた左手すぐに目に飛び込んでくるのが、重要文化財にも指定されている“五重塔”。高さは35メートルあり、赤を基調とした外観と豪華な装飾が特徴です。
元々は1650年に奉納された五重塔ですが、1815年に火災により焼失。1818年に再建されたのが現在の五重塔です。江戸時代後期の工法が用いられており、地震や風による振動を調整する機能もあるのだとか。
紅葉シーズンになり周辺の葉が赤く色づくと、五重塔の赤さと調和してさらに美しい光景を眺めることができます。
(2)神厩舎・三猿
表門を抜けて左手を行くと見えてくるのが神厩舎・三猿(しんきゅうしゃ・さんざる)。神厩は、ご神馬をつなぐ厩(うまや)のこと。御鎮座の際、御祭神家康公の御乗馬が神馬とされました。
猿が馬の健康安全を守るという古くからの信仰にもとづき、建物の欄間には人間の一生を風刺した8つの猿の彫刻が施されています。なかでも三匹の猿が手で耳と口、目を隠した「見ざる・言わざる・聞かざる」の“三猿”は有名。
近くには三猿のキーホルダーのお守やストラップも売られています。猿の姿がとてもキュート。
(3)陽明門
東照宮のシンボル的存在である国宝“陽明門”。高さ11メートル、508体の彫刻でおおわれており、金箔が施された豪華絢爛なその姿は息をのむ美しさです。
細かなところにも彫刻がたくさん。いつまで見ていても飽きないところから“日暮らしの門”とも呼ばれているそう。
恰好の写真スポットでもあり、10名未満であれば、手持ちのカメラまたはスマートフォンを使って、スタッフが無料で写真撮影をしてくれます。
日本を代表する美しい門で、思い出の1枚をぜひ撮影してみては。
(4)眠り猫
陽明門をくぐり、右手の奥宮へ続く東回廊を進むとあるのが“眠り猫”。三猿に続く有名な彫刻で、その名の通り、眠っている猫の姿が彫られています。
彫刻は意外と小さいため、うっかり見落とさないよう気を付けてくださいね。
日本の寺社仏閣のなかでも眠っている猫の彫刻は珍しいそうですが、一説によると、太陽の光を浴びてうたたねをしている姿を、“日光”の地名にちなんで作られたと言われています。江戸時代の有名な彫刻師・左甚五郎が作者だと伝えられていますが、こちらも諸説あるそう。
(5)御本社
陽明門の目の前には、日光東照宮の中でも要の場所“御本社”が見えます。御本社は、本殿・石の間・拝殿からなり、一年中さまざまな祭典が行われます。
残念ながら撮影はできませんが、その姿は陽明門と同様に豪華絢爛そのもの。きらびやかで手の込んだ装飾は、国宝に指定されているのもうなずけます。
一般の参拝客は、唐門ではなく向かって右手の脇から靴を脱いで見学可能。祭典に合わせて訪れるのもいいかもしれませんね。
(6)徳川家康墓(奥宮・奥宮宝塔)
徳川家康の墓へは、眠り猫がある坂下門を通り、石でできた長い道と長い階段を通って向かいます。
石段は207段もあり、想像以上の急こう配。
息が上がってしまうほどなので、体力に自信のない方は焦らずゆっくりと登ってくださいね。雨の日は滑りやすいので足元にもご注意を。
途中にはこんな看板が。「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くが如し 急ぐべからず」というのは、徳川家康の名言。この言葉をしっかり噛みしめながら石段を登り切るとまた違った景色が見えそうです。
頂上に到着すると目の前に奥宮拝殿が見えます。一息ついたらここでお参りを。
おみくじは英語で書かれたものもありますので試してみてくださいね。
さらに奥に進むと、徳川家康の墓所・奥宮宝塔が。8角5段の石段と3段の青銅でできた段の上に、重厚感あふれる“宝塔”が乗っています。なんともいえない荘厳な雰囲気を醸しだしています。
宝塔の周りを歩いていくと、“叶杉”と呼ばれる樹齢600年の杉が祀られています。ほこらに向かって願いを唱えると叶えてくれると言われているので、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
(7)薬師堂・鳴き龍
陽明門の手前左手にあるのが“薬師堂(本地堂)”。東照宮の中にありますが、輪王寺の管轄のお寺です。
ここでは有名な“鳴き龍”に出会うことができます。鳴き龍とは天井に描かれた龍の絵のこと。一見普通の龍の絵ですが、なんとこの下で拍子木を鳴らすと、龍の鳴き声が聞こえてくるのです。
この鳴き声の正体は、床と天井の反響音。龍の絵の描かれた天井がへこんでおり、音が拡散しにくいという条件も重なって、このような音に聞こえるのだそう。撮影は禁止のためお見せできませんが、日光東照宮の中でも見逃せないスポット。日本語とあわせて外国語での説明も行ってくれるので、ぜひ立ち寄って龍の鳴き声をその耳で確かめてみてくださいね。
薬師堂では“鈴鳴龍守”と言われる、鈴のような音がなる綺麗なお守りが販売されています(1個1,000円 赤、緑、紫など全8色)。運が開ける・願い事が叶うと言われているので、ぜひ購入してみてはいかがでしょうか。
以上、日光東照宮の見逃せない参観ポイントをまとめました。
じっくり見どころを押さえると、2時間近くかかってしまうので、時間に余裕を持って回ることをオススメします。
また境内の外には、“東照宮宝物館”や“東照宮美術館”が、そして日光東照宮周辺には飲食店やお土産屋さんもたくさんあり、1日中楽しめます。
『江戸ワンダーランド日光江戸村』へも、無料送迎バスを使えば約40分で行けますので、日光観光の計画を立てる際の参考にしてくださいね。
※ この情報は2024年9月に更新したものです。最新の情報は公式サイト等をご確認ください。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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