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富士登山パーフェクトガイド!2024年の最新情報、登山情報、服装、持ち物、安全対策、アクセス、観光情報もご紹介

富士登山パーフェクトガイド!2024年の最新情報、登山情報、服装、持ち物、安全対策、アクセス、観光情報もご紹介

更新日: 2024/08/01

富士山は、静岡県山梨県にまたがる活火山で、標高3776m、日本最高峰の山です。そののびやかで美しい形から、気軽に登ることができる山と思われがちですが、山登り初心者は1泊2日の日程を組み、しっかり装備をしていかなければ安全に登ることはできません。
当記事では、富士登山にチャレンジしたい人に向けた基本情報から、登山前&登山後に立ち寄りたい近郊のおすすめスポットまで、富士山にまつわる実用的な情報をご紹介します。

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目次
  1. 2024年の富士登山に関する最新情報
  2. 富士山に登ってみよう
  3. 富士山の天気・気候・気象
  4. 4つの登山ルートについて押さえておこう
  5. 富士登山に必要な準備
  6. 富士山を安全に登るために知っておきたいこと
  7. 初心者には登山ツアーもおすすめ
  8. 高山病には特に注意が必要
  9. 富士登山でのマナーについて
  10. 登山口までのアクセス
  11. 富士山周辺の宿泊施設
  12. 富士山周辺の観光スポット
  13. 富士山に登って、一生の思い出作りを

2024年の富士登山に関する最新情報

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富士山登山シーズン日程

富士山は、静岡県山梨県にまたがっています。登山ルートは4つあります。静岡県側に3つ(須走ルート、御殿場ルート、富士宮ルート)、山梨県側には1つ(吉田ルート)です。

富士登山のルート(出典:静岡県GIS)
富士登山のルート(出典:静岡県GIS)

富士登山は、1年中いつでもできるわけではありません。山梨県側の「吉田ルート」は例年、 7月1日〜9月10日頃まで、静岡県側の「須走ルート」「御殿場ルート」「富士宮ルート」は例年、7月10日〜 9月第10日頃までが開山シーズンとなります。

また7月中旬以降、週末やお盆休みを中心に登山者が増加します。混雑している中で慣れない登山をすると、ケガをするリスクが高まります。特に初心者は、混雑日・混雑時間帯を避けた登山計画を立てましょう。

吉田ルートでの富士山登山に関する重要な変更点

4つのルートの中でも、最も利用者の多い山梨県側の「吉田ルート」について、2024年シーズンは大きな変更点があります。

2024年7月1日から、五合目にゲートが設置され、入山時間や人数制限をすることとなりました。目的は富士山五合目を夜間に出発し、山小屋に泊まらず一気に富士山を目指す「弾丸登山」と、混雑を減らして安全登山を行うためです。

■登山時間の時間制限 
16:00~翌日3:00までは、五合目登山道入り口ゲートが閉鎖されます。

■登山人数の制限 
1日の登山者が4,000人を超えた場合も、五合目登山道入り口ゲートを閉鎖します。

■支払いについて 
通行料(施設使用料)として、1人1回につき2,000円を支払う必要があります。支払い方法は、現地または現地での混雑緩和のために「山梨富士山吉田ルート通行予約システム」サイトで受付ています。以前から実施している、任意の富士山保全協力金1人1,000円とあわせると3,000円です。五合目で支払いが確認されると、通行証のリストバンドが渡されゲートを通過することができます。
現地で当日に支払う場合、現金を用意していくと安心です。
クレジットカードや電子マネー、QRコード決済にも対応する予定ですが、通信状況によってはこれらの使用が難しい場合もあります。

■注意事項 
山小屋に宿泊予約をしている人は、16:00~翌日3:00の規制されている時間帯でも通行できますが、安全登山のため、16時前に五合目登山道を通過するようにしてください。

詳しくは以下のサイトをご覧ください。

静岡側の3ルート(須走ルート、御殿場ルート、富士宮ルート)で富士山に登る場合の主な変更点

2024年シーズンから、静岡県側の須走ルート・御殿場ルート・富士宮ルートについても注意するポイントがあります。静岡県側の3ルートから登山されるすべての方を対象に、ルール・マナーの事前学習(e-ラーニング)と、登山情報の登録が必要になりました。これも、安全登山と自然環境への配慮のためです。

まず、事前にWeb登録システム(英語、繁体字、簡体字、韓国語、ベトナム語、タイ語対応)へアクセスし、登山する上でのルール・マナーの事前学習(e-ラーニング)を行います。次に、登山の日程や山小屋での宿泊の有無など、登山情報の登録を行います。そして、登録後にQRコードがメールで送られてくるので、それを現地で提示します。16:00以降に登山する人に対しては、山小屋の宿泊予約の有無を現地で改めて確認されます。山梨県側の吉田ルートと同様、富士山保全協力金として、1人1,000円を用意しましょう。

富士山に登ってみよう

画像素材:PIXTA
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富士山の標高と基礎知識

富士山は、標高3,776メートル。日本で最も高い山で、裾野がとても長く美しい姿の活火山です。

富士山は、ここ5,600年間あまりで約180回もの噴火を繰り返しています。噴火をして標高が高くなるたびに山腹の斜面の勾配も生まれ、美しい円錐形を描くようになりました。2013年6月、「富士山ー信仰の対象と芸術の源泉」という名称で、念願の世界文化遺産へ登録されました。

どんな景色を楽しむことができる?

富士山を下から眺める! 
富士山の魅力はやはりその美しい姿。大きく均整のとれた姿に、多くの人が魅了されています。江戸時代の有名な浮世絵師・葛飾北斎が富士山を題材にして描いた「冨嶽三十六景(ふがくさんじゅうろっけい)」は世界的にもよく知られています。

富士山は、見る場所、季節、時間によってさまざまな表情を見せます。まず紹介したいのは、パンフレットなどでよく使われる「五重塔が映える、新倉山浅間公園(あらくらやませんげんこうえん)」です。この景色は山梨県富士吉田市にある「新倉山浅間公園」から見られる景色で、園内の展望デッキから見ることができます。「手前に朱色の五重塔、奥に富士山」の絶景を見ることができます。

次に、山梨県側の富士山麓に位置する5つの湖「富士五湖」で見られる「逆さ富士」も見事です。雲がなく快晴であること、無風で水面に波が立たないことなどの条件がクリアになれば見ることができます。湖の水面に、富士山の姿が鏡のように写り、それが逆さに見えるため「逆さ富士」と呼ばれます。

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■河口湖に映る逆さ富士 
そして、富士山頂に太陽が重なる瞬間、ダイヤモンドのように輝く「ダイヤモンド富士」も感動的です。場所、季節、時間(日の出と日没)など、気候条件がすべて揃わなければ見ることができない貴重な姿です。秋から冬の約4か月半の期間に、山中湖、河口湖、本栖湖など多くの場所で見ることができます。さらに湖面にダイヤモンド富士が映る「ダブルダイヤモンド富士」を見られたら、なおラッキーですね。

山中湖で望むダブルダイヤモンド富士 画像素材:PIXTA
山中湖で望むダブルダイヤモンド富士 画像素材:PIXTA

富士山の山頂から眺める! 
富士山の頂上からは、天気がよければ南アルプスや伊豆半島、さらには、東京ゲートブリッジや東京スカイツリーまでもはっきりと見渡すことができる日もあります。

■五合目からの景色も見逃せない! 
山頂だけでなく、五合目からの景色も見逃せません。富士スバルライン五合目にある展望広場からは、富士山の山頂方面をダイナミックに見渡すことができます。展望台に立って東を見ると、山頂に登らなくても御来光を拝むことができます。
五合目といえども、標高は約2,300mあります。雲海とともに、遠く街並みや海を見渡せることもあります。

どんなことができる?

富士山頂での楽しみがあるのも、他の山とは異なる点です。

写真提供:やまなし観光推進機構
写真提供:やまなし観光推進機構

■ご来光を拝む! 
富士登山の醍醐味ともいえるのが、ご来光を拝むことです。ご来光とは、富士山など山の頂上で日の出の瞬間を眺めることを意味します。

富士登山シーズンの日の出時刻は、4:30~5:30ごろです。登頂日の天気予報と日の出時刻を確認し、日の出の時間にあわせて登山計画を立てましょう。詳細なモデルプランは後述します。夜明け前の登山を乗り越えたあとに拝む「ご来光」は、一生忘れられない風景となることでしょう。

<日の出時刻>
7月10日 4:38
8月10日 5:01
9月10日 5:24

■お鉢巡り 
お鉢巡りとは、直径約800m・深さ約240mある富士山山頂の噴火口に沿って、ぐるりと1周することです。左周りでも右周りでも1周できます。1周は約3キロ、所要時間は約1時間半。天候が安定し、山頂に登ってもなお体力に自信がある人はぜひ体験しましょう。

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■山頂にあるポストに葉書を投函 
夏の山開きの時期に、2024年7月10日~8月20日の期間限定でオープンしている富士山頂郵便局(静岡側)。営業時間は6:00~14:00で、開設期間中に手紙やはがきを投函した人には、ここにしかない風景印を押してくれます。また、登山証明書や富士山シール、アクリルスタンドなどのオリジナル商品の販売も行っています。

富士登山の難易度は?

富士登山は、初心者からベテランまで多くの人が楽しめます。しかし、楽しむためには体力と入念な登山計画&準備が必要です。

まず大事なのは、高山病にかからないことです。高山病とは、血中の酸素濃度が下がって発症するもので、頭痛・めまい・吐き気・疲労感などを引き起こします。高山病を防ぐためには、以下のポイントが大切です。

●睡眠をしっかりとる
●休憩をとりながら一定のペースでゆっくり登る
●こまめに水分をとること など

食事は、頻繁に行動食(エネルギ―を補給するための軽食)を口にしましょう。

そして、登山前にできる大切な準備は、自分の力だけで登り降りできるだけの体力をつけることです。体力に自信がない人は、事前にスクワットや階段の上り下りといったトレーニングをしておきましょう。また、どのコースを選ぶのか、山小屋へは宿泊するのか、といった登山計画も立てましょう。

富士登山を行うのに、年齢制限はありません。ただし、子どもの場合は以下の点を確認しましょう。

●高山病になったときに、症状を具体的に伝えられるか
●長距離を自分の力で登り、さらに下山する脚力があるか

これらを考慮すると、「小学校高学年以上」が望ましいかもしれません。

また、年配の方は、ツアーガイドなどプロの同行者とともに挑戦したほうが安心です。ツアーでは、循環器疾患がある人、高度順応できない疾患・既往症のある人は、参加できない場合があるので確認しましょう。治療中の場合は、主治医とも事前に相談するようにしてください。

なお、70歳以上の方に限り、富士宮頂上の富士浅間大社奥宮で「高齢者登拝者名簿」に記帳すると、無料で御神酒(おみき、神様にお供えするお酒)をふるまわれ、盃(さかずき)と記念品を頂けるそうです。

富士登山のベストシーズンは?いつがいい?

富士登山の開山シーズンは、例年積雪がなくなった、7月1日頃から9月10日頃です。その中でもおすすめは、開山日から7月中旬までと、8月下旬から9月10日頃までです。この期間は、比較的混雑しにくいため、特に初心者におすすめです。また、土日祝日やお盆休み(例年8月13日~16日頃)は大変混雑するので、登山客が減る平日がベストです。

ただし、開山日すぐの7月上旬は、残雪の状況などによって登山道が開通していない場合があります。必ず公式サイトで開通状況を確認してから、計画を立てましょう。

初心者におすすめの時間帯、日にち、コースは?

初心者におすすめの時間帯は、混雑を避けられる平日の昼間スタートです。

富士登山のシーズンは短く、約2か月です。シーズン中は登山客が集中するため、特に、土日祝日、お盆休みは混雑します。初心者は可能であれば、これらの日を避けた、安全に登れて山小屋の予約が取りやすい日を選びましょう。

初心者におすすめのコースは、山小屋や売店、公衆トイレ、登山情報提供施設、救護所などが多くある「吉田ルート」です。登山道と下山道が異なっており、登りやすく下山しやすいのもポイントです。ただし、吉田ルートは富士登山者の半数以上が利用する人気ルートです。混雑の少ない日程を選ばないと、山小屋やツアーの予約が取れない場合もあります。八合目以上は静岡県側の「須走ルート」と合流するためさらに混雑します。

登山ガイドを頼んだ方が良い?

初心者の場合、登山ガイドが付き添った方が間違いなく安全です。登山ガイドがいれば、ぺースメーカーとして、歩くペースをコントロールしてくれます。高山病や低体温症を予防し、安全に登山できるようにサポートしてくれるでしょう。緊急時や救護が必要なときも安心です。

またガイドによっては、富士山の歴史や自然環境などについて、解説してくれることもあります。

山小屋はどんなところ?

富士山の山小屋は、各ルートともに五合目以上にあります。宿泊場所といっても、ホテル旅館のようなところではありません。あくまで仮眠をとるための簡易宿泊場所と考えておきましょう。

富士山では水が貴重なため、トイレや手洗い用の水、お風呂はありません。客室はもちろん個室ではなく、男女相部屋です。週末や連休、お盆休みは混雑している事が多く、宿泊できないこともあります。登山日が決まったら、事前に予約しましょう。(吉田ルートは、週末完全予約制です)。支払い方法は、現金のみの場合がほとんどです。ATMはないので、登山の前に現金を準備していきましょう。

富士山山頂に登るなら、こんなスポットも外せない

富士山頂上浅間大社奥宮(せんげんたいしゃおくみや) 
表口(富士宮口)の登山道を上りつめたところにある、富士山の山頂にある神社です。実は、富士山8合目以上の敷地は、奥宮の境内(けいだい)地です。昔から富士山は、富士山本宮浅間大社の御神体(ごしんたい)として崇められる神聖な場所です。

7・8月の開山期には、神主(かんぬし)などの神職が奉仕し、登拝者の安全を祈念しています。また、お札・お守り、そして、参拝の証として押印される「御朱印(ごしゅいん)」の授与も行っています(日の出とともに対応開始)。

富士山頂郵便局 
富士山頂郵便局は、浅間大社奥宮の中にある、日本一高い場所にある郵便局です。2024年シーズンの営業は7月10日~8月20日で、期間中毎日営業しています。営業時間は6:00~14:00です。ここならではの風景印の押印や、普通通常郵便物の引き受け(外国宛てを含む)、普通切手などの販売を行っています。また、登山証明書やオリジナル商品の販売も行っています。ただし、ここからの郵便物は、届くまでに1~2週間程度の時間がかかる場合があります。

富士山頂郵便局>
場所:富士宮口頂上(浅間大社奥宮)
開設期間:2024 年7月10日(水)~8月20日(火)
営業時間:6:00~14:00(無休)

■剣ヶ峰(けんがみね) 
剣ヶ峰は、富士山の山頂にある8つの峰の一つで、富士山の最高峰です。体力に自信がある人は、標高が最も高い剣ヶ峰を目指してみるのも一案です。ペースを保ちながら辛抱強く歩きつづければ、標高3,776メートル、日本の最高地点に到着できます。剣ヶ峰には石柱が建っていて、ご来光の後などは記念撮影をする人で賑わいます。

富士山の天気・気候・気象

画像素材:PIXTA
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気温

富士山は標高3,000メートルを超える山です。駿河湾や相模湾からの風と、北側からの風が複雑に巻くため、気流が安定せず厳しい気象条件になることが特徴です。また富士山の天気といっても、五合目の山麓では晴れ、山頂では雨ということもあります。風が強い、雷が鳴るなど山の天気は急変しやすいことが多くあります。

そんな富士山で注意したいのは、気温の大きな変化です。標高差100mごとに約-0.6℃下がります。例えば、富士山周辺の平地の気温が30度あっても、五合目は15度前後、そして、山頂の気温は5度前後になります。同じ気温でも、風が吹くと体感温度が下がるので、さらに寒く感じます。下界は真夏、山頂は冬、と季節が真逆になるくらいの気温差があり、夏でも日の出前の気温が0度近くまで下がる時もあります。ご来光を待つ時間が長くなると、低体温症になる危険もあるので、防寒具の準備は必須です。

雷雨

夏の富士山は、雷が発生しやすくなっています。雷注意報が発令されることもありますので、気象に関する警報や注意報が発令されたら行動を控えましょう。

強風

富士山頂はとても強い風が吹きます。1年を通じて西北西または西風が吹き、8月の平均風速は7.4mです。一般的に、風速が1m強まると体感温度は1度下がるといわれています。
風が吹くと実際の温度より寒く感じるので、寒暖にあわせて脱ぎ着しやすい防寒具を持参ください。

4つの登山ルートについて押さえておこう

吉田ルート 画像素材:PIXTA
吉田ルート 画像素材:PIXTA

初心者にオススメ!富士登山の定番「吉田ルート」

4つある富士登山ルートの中でも、吉田ルートは最も多くの登山客が利用する人気のコースです。六合目まではほぼ平坦、七合目はやや平坦なジグザク道、七合目以上はやや岩場といったように、変化に富んだ登山道を登っていきます。登りには多くの山小屋がありますが、下りは山小屋がありません。登山道と下山道は完全に別の道をたどります。

総距離最短、体力がある方向けの「富士宮ルート」

富士宮ルートは、吉田ルートの次に登山者が多いルートです。4つのコースの中で、一番標高の高い地点から出発します。そのため、スタート地点から山頂までの距離が最も短いことが特徴です。全体的に傾斜が急で、岩場が比較的多いので、登山に慣れている人、体力に自信がある人におすすめです。また、登山と下山の道が同じなので、混雑している場合はお互い譲り合って登山しましょう。

樹林に囲まれた道のりが続く「須走ルート」

静岡県側から富士山に登る「須走ルート」は、7合目付近までの樹林に囲まれた道のりを登ります。樹林帯では日陰が続くため、暑い夏場におすすめしたいルートです。ただし、夜間や霧が濃い時は見通しが悪いため、注意して進みましょう。また、八合目以降は岩場が続きます。八合目~山頂区間は、登山道・下山道ともに吉田ルートと共用です。火山砂利の下山道を下る「砂走り」を楽しめますし、樹林帯を抜けると、どこからでもご来光や影富士を見ることができます。

上級者向け!傾斜は緩やかだが山頂までの距離が長い「御殿場ルート」

御殿場市の富士山南東側から、山頂を目指す御殿場ルートです。出発点の標高が低く傾斜は緩やかですが、山頂までの距離が長いため、富士登山に何度もチャレンジしたことがある上級者向けです。山小屋やトイレなど緊急時に対応できる施設は少ないことも特徴です。登りは、八合目付近まで緩やかな火山砂利が続きます。下りは、砂を滑っていくように進んでいく「大砂走り」を楽しめます。登山客は少ないため、静かにマイペースな富士登山が楽しめます。

ルートによって、どんな違いがある?

富士登山のルート(出典:静岡県GIS)
富士登山のルート(出典:静岡県GIS)

上記で紹介した4つのルートの違いを整理しましょう。

一番北側が「吉田ルート」、時計回りに「須走ルート」「御殿場ルート」、一番南が「富士宮ルート」です。4つのルートともに、全て富士山の東側に集中しています。登山口までの交通・アクセスはそれぞれ異なるので、事前に確認をしましょう。

以下に、登山口である五合目の標高、往復の距離、登頂時間の目安、山小屋やトイレ数など、各ルートの違いをまとめました。自分の経験などに合わせて利用するルートを選びましょう。

■吉田ルート
五合目標高:2305m
コースの往復距離:約13.8km(上り 約6.8km、下り 約7.0km)
登頂時間の目安:上り 約6時間、下り 約4時間
山小屋:登山道には山小屋多数、下山道には無し
施設:売店5軒、公衆トイレ、登山情報提供施設(山梨県富士五合目総合管理センター、六合目富士山安全指導センター)あり
救護・救助体制:救護所:五合目(登山期間中)、七合目(一部登山期間)、八合目(一部登山期間)

■富士宮ルート
五合目標高:2380m
コースの往復距離:約8.6km(上り 約4.3km、下り 約4.3km)
登頂時間の目安:上り 約5時間、下り 約3時間
山小屋:登山道・下山道ともに五合目以降、各合目ごとにあり
施設:仮設売店1軒、仮設トイレ、公衆トイレ、登山情報提供施設(富士山総合指導センター)あり
救護・救助体制:救護所:「富士山衛生センター」八合目(一部登山期間)にあり

■須走ルート 
五合目標高:1970m
コースの往復距離:約13.1km(上り 約6.9km、下り 約6.2km)
登頂時間の目安:上り 約6時間、下り 約3時間
山小屋:登山道・下山道ともに五合目以降、各合目ごとにあり
施設:売店2軒、公衆トイレ、登山情報提供施設(富士山須走口インフォメーションセンター)
救護・救助体制:なし

■御殿場ルート 
五合目標高:1440m
コースの往復距離:約18.9km(上り 約10.5km、下り 約8.4km)
登頂時間の目安:上り 約7時間、下り 約3時間
山小屋:少なく、大石茶屋(新五合目付近)から新六合目まで山小屋なし
施設:売店1軒、公衆トイレ、登山情報提供施設(Mt.Fuji TRAIL STATION)
救護・救助体制:なし

富士登山に必要な準備

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服装

前述の通り、気温は標高が100m上がると気温は0.6℃下がるといわれています。出発時、ホテル周辺では猛暑であっても、五合目は15度前後、山頂の気温は5度前後になります。さらに、雨や風の強い日は体感温度が下がります。つまり、山頂は首都圏の秋~冬と同じような気温になり、登山中に季節が変わる、と思っておきましょう。

ただし、登山口である五合目は、毎日涼しいとは限らず、日によっては暑く感じることもあります。また、登山中は体を動かし息も切れるので、汗をかいて暑く感じることもあるでしょう。長袖シャツなど、寒暖の差に対応できる服装を選びましょう。

これだけは用意したい!服装まわりのアイテム
  • アンダーウェア…汗をかくので、吸湿速乾性のものがおすすめ。綿は乾きにくいので避けましょう。
  • 長袖シャツ…気温の変化や紫外線対策のためにあると便利。着脱しやすい薄手のものがベスト。
  • 防寒具…フリース、軽量ダウンコートなど畳むとコンパクトになるものがベター。
  • 手袋…防寒や日焼け対策だけでなく、ケガの防止にもなります。
  • 長ズボン…足を動かしやすい伸縮性のあるタイプがおすすめです。ジーンズは非常に乾きにくいためNG。
  • 靴下…夏であっても、厚手の吸汗速乾性のある靴下を履きましょう。靴ずれ防止にもなります。
  • リュック…山小屋に宿泊するなら、30Lの大きさがベスト。肩への負担が少ないウエストベルト付きのものを選びましょう。
  • 登山靴…くるぶしまで隠れる、靴底が固いハイカットのトレッキングシューズを履きましょう。通常のスニーカーは、バランスを崩して足を痛めることがあり、サンダルでは安全に登ることはできません。古いトレッキングシューズは、履いているうちに靴底がはがれる可能性があるので、登山前に必ず状態のチェックをしましょう。

アイテム

■日焼け・紫外線対策グッズ 
紫外線量は、標高が1,000m高くなると約10%増加します。日焼け止め、帽子、サングラスは必須アイテムです。帽子は風で飛ばされないように、ハットクリップをつけると安心です。サングラスはUVカット機能があるものや、隙間から光の入らないスポーツタイプのものがおすすめです。

■雨具 
山の天気は非常に変わりやすいです。山で雨に降られると、雨が下から吹き上げてくることもあるので、セパレートタイプの山専用のレインジャケットを準備しましょう。折り畳み傘や、簡易なビニールのレインコートは控えてください。破れたり壊れたりしてゴミになることが多く、役に立ちません。

■ヘッドライド 
夜の山小屋やご来光を拝むため、夜明けの登山には必ずヘッドライトを持参しましょう。手で持つタイプの懐中電灯は両手が使えず、急な岩場などでとても危険です。ヘッドライトの中でも、明るくて消費電力が少ないLEDライトがおすすめです。夜間に移動する予定がなくても、天候の悪化などにより、暗い夜道を移動することになる可能性もあります。お守りだと思って持参しましょう。

■ヘルメット 
落石によって負傷する事故も、多く発生しています。落石だけでなく、転倒への備えや噴火対策のため、ヘルメットの持参をおすすめします。なお、吉田ルート、富士宮ルートではヘルメットの無料貸出を行っています。

<ヘルメットの無料貸出について>
・吉田ルート…富士山六合目安全指導センターで無料貸出。デポジット制(1個2000円)。数に限りあり。
・富士宮ルート…五合目富士山総合指導センターで無料貸出。

■モバイルバッテリー 
山小屋では、充電できるとは限りません。何があるか分からないので、スマートフォンやデジタルカメラなどと一緒にモバイルバッテリーを持参しておくと安心です。モバイルバッテリーはぶつけないように注意し、持ち運びや充電の際は熱がこもらないようしましょう。

■現金・小銭 
大半の山小屋ではクレジットカードは利用不可なので、必ず現金を持参しましょう。また、富士山でトイレを利用する際には、100~300円のトイレチップが必要となります。100円玉は取り出しやすいところに多めに(10枚以上)用意しておくと安心です。

■ビニール袋 
ゴミを入れる袋として、必ず持参しましょう。濡れた衣類を入れることもでき、雨から貴重品を守る際にも活躍します。

■タオル 
汗を拭いたり、雨でザックなどが濡れた時などに必要です。すぐに乾いて結びやすい、薄手の手ぬぐいも便利です。

■ティッシュ 
トイレに必ずティッシュがあるとは限りません。トイレットペーパーまたは水に溶けるティッシュを持参しましょう。トイレで利用する際は、場所によって使用方法が異なります。利用予定のトイレについて確認し、ルールを守って利用しましょう。

食べ物・飲み物

■水分(一人当たり1~2L以上) 
脱水症状や高山病を防ぐためには、こまめな水分補給が大切です。ただし、富士山に水道はありません。飲料水は一人ひとりに合った必要量を持参するか、割高ですが山小屋があれば購入もできます。また、登山ルートによっては、下山道に山小屋がないこともあります。下山をスタートする前に、必要な水を確保しましょう。水は、飲用以外にも、ケガをした場合の洗浄に使えます。

■行動食 
登山中は、手軽に摂取できる高カロリーな食べ物を持参しましょう。例えば、チョコレート、ナッツ、クッキー、キャンディー、羊羹(あんに砂糖と寒天を加えて、ねりながら煮つめたり蒸したりした、代表的な和菓子のひとつ。コンビニやスーパーでも購入できることが多い)などです。また、汗をかくので、塩飴など塩分が含まれるものもおすすめです。

そのほか、あると便利・安心なもの

■防塵マスク 
多くの登山客が同じタイミングで下山するので、砂埃が舞うことがあります。そのような場合に、防塵マスクが役に立ちます。突発的な噴火が起こった場合にも安心です。

■スパッツ・ゲイター 
特に、須走ルートと御殿場ルートを下山する際に重宝します。細かい砂が厚く積もった火山砂利を下る「砂走り」は、スパッツを履くことで、靴の中に砂利が入るのを防ぐことができます。また、雨を防いだり、防寒対策にも役立ったりします。

■スマートフォン用防水ケース 
登山中に雨に降られ、カバンの中に入れていたスマートフォンが濡れてしまうことがあります。そのような事態を防ぐために、用意しておきましょう。ケースが完全防水であれば、雨が降っていても、躊躇なくスマートフォンを取り出し、写真を取ったり情報確認をしたりできます。

■ストック 
ストックを使うと、膝への負担を軽減させることができます。ストックを使うことで、バランスを保ちやすくなり、転倒防止にもつながります。特に下山時に有効で、1本より2本の方がより安定します。登山道などを保護するために、キャップを付けることを忘れずに。

富士山を安全に登るために知っておきたいこと

画像素材:PIXTA
画像素材:PIXTA

山小屋

富士登山吉田ルート七合目にある山小屋「日の出館」 画像素材:PIXTA
富士登山吉田ルート七合目にある山小屋「日の出館」 画像素材:PIXTA
富士山吉田ルート七合目にある山小屋「トモエ館」 画像素材:PIXTA
富士山吉田ルート七合目にある山小屋「トモエ館」 画像素材:PIXTA

前述の通り、富士山の山小屋は、各ルート五合目以上にあります。山小屋はあくまで、登山のための宿泊・休憩施設です。トイレはありますが、洗面所や風呂はなく、寝室は男女混合の相部屋です。山小屋に用意された寝袋や布団で眠ります。

何合目の山小屋に利用するかによって異なりますが、ご来光を見るためには深夜に山小屋を出発します。そのため、山小屋で過ごす時間は夕方から深夜までの数時間となることもあります。夜間に到着しても利用できない山小屋や、混雑していて入れない山小屋もあります。事前に確認し、予約をしてから登山するようにしましょう。

山小屋には売店があり、水や食料などを購入できます。また、夕食や朝食に簡単な食事を頼める山小屋もあるようです。支払いは現金の場合がほとんどなので、必要な現金を準備していきましょう。

トイレ

富士山のトイレは、水洗ではありません。オガクズやかき殻を使った、環境に負荷をかけないバイオ式の環境配慮型トイレ(非放流トイレ)です。場所によってトイレの処理方式が異なるので、利用する際は使い方を確認しましょう。また、富士山にあるトイレの数は限られています。混雑時に行列ができることも多いため、携帯トイレを持参してもよいでしょう。トイレを利用する際は、100円~300円程度の協力金(チップ)が必要です。

なお、7月1日~9日は全ての山頂トイレが使えません。この期間に登山計画をしている場合は、携帯トイレを持参しましょう。

救護所

富士登山吉田ルート七合目風景 夏山診療所 画像素材:PIXTA
富士登山吉田ルート七合目風景 夏山診療所 画像素材:PIXTA

吉田ルートには3つの救護所があります。

●五合目救護所(山梨富士山五合目総合管理センター内)
●七合目救護所(鎌岩館下)登山道沿い
●八合目救護所(太子館内)登山道沿い

※吉田ルートの下山道沿いには救護所はありません。

富士宮ルートには1つの救護所があります。

●八合目救護所(富士山衛生センター)

緊急連絡先

ケガや体調不良など自力で下山できない場合は、早めに救助要請をしましょう。近くに山小屋があれば、山小屋に助けを求めてください。それ以外の場合は、以下に電話をします。

【吉田ルート】 
110番 または 119番
富士五湖広域行政事務組合 富士五湖消防本部:0555-22-0119
山梨県警察本部富士吉田警察署:0555-22-0110
山梨富士山五合目総合管理センター(五合目):090-5190-0167

【須走・御殿場・富士宮ルート】 
110番 または 119番

<須走ルート・御殿場ルート>
静岡県警御殿場警察署:0550-84-0110
御殿場市・小山町広域行政組合 消防本部・本署:0550-83-0119
 
<富士宮ルート>
静岡県警察富士宮警察署:0544-23-0110
富士宮警察署富士山富士宮口臨時警備派出所(富士山総合指導センター内):090-2182-2239
富士宮市消防本部:0544-22-1198

初心者には登山ツアーもおすすめ

画像素材:PIXTA
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初心者は、一人で登るのではなく、ガイド付きの団体ツアーを利用するのもおすすめです。プライベート用のガイド付きツアーもあるので、予算、スケジュールに応じて選んでみましょう。また、初心者専用のツアーや1名参加にも対応しているツアーなど、さまざまな種類があります。

ツアースケジュールの例

■1泊2日「富士登山」コース(富士吉田ルート利用) 

11:00 五合目:登山スタート
14:20 六合目~七合目
16:00 七合目~八合目
16:30 八合目:八合目の山小屋で夕食・仮眠。
23:30 山頂目指して真夜中に出発
4:00 山頂に到着
4:30~5:00 ご来光 
6:00 下山スタート
10:00 五合目到着

高山病には特に注意が必要

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富士登山を途中で断念しなければならない、最も多い理由は高山病です。高山病とは標高が高くなることで気圧が下がり、体内の血中酸素濃度が低下することで引き起こされる病気のことです。症状は、呼吸困難・頭痛・吐き気・めまい・食欲不振・手足のむくみ・脱力などです。 高山病になったら、しばらく安静にして様子をみましょう。高山病は、高度を下げると症状が落ち着きます。症状が治まらない場合、高度を下げるために下山せざるをえなくなります。

高山病にかかりにくくするためのポイントを以下に挙げます。

  • 出発前に、高度に順応する時間を作る。
    登山出発地点である五合目で1~2時間ほど体を慣らすことが大切です。散歩・軽い運動などを行います。
  • 少しずつ、頻繁に水分をとる。
    トイレが見つからないことを考えて、水分摂取を控える人もいますが、水分を控えると新陳代謝が低下して高山病の症状が強くなることがあります。こまめに水分を取りましょう。
  • 富士登山の数日前から、十分な睡眠をとる。
    前日はゆっくり身体を休めて充分な睡眠を取り登山に備えましょう。

富士登山でのマナーについて

画像素材:PIXTA
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登山中

富士山とその山麓のほとんどは、世界文化遺産などに登録されており、貴重な自然史跡が多くあります。特に五合目より上は、国立公園特別保護地区に指定され、自然保護のための以下のような厳しい規制がかけられています。

■法律で禁止されている行為 

●動植物採取の禁止
花や実を採ったり、昆虫採集などはNGです。また、登山道ではない道を歩くと生態系に影響を及ぼすことがあるので、整備されている登山道を歩きましょう。

●石や溶岩の持ち出し禁止
小石や溶岩などの持ち出しは禁止。そこから移動することも禁止されています。

●落書きの禁止
建造物だけでなく、石など自然物への落書きもご法度です。

●テント設営やたき火の禁止
富士山での宿泊は山小屋で。もしバーナーやコンロを使いたい場合は、山小屋のそばや人の多い場所を避けましょう。

■そのほか気を付けたいこと 
富士山に限らず、登山道で人とすれ違う場合には、「こんにちは!」「ありがとう!」と声を掛け合いましょう。また、混雑するシーズンは、登山道が渋滞する場合がありますが、無理に追い越すことはやめましょう。万が一登山道を外れてしまうと、転倒や落石の原因ともなるため大変危険です。

また、他のエリアに生育する植物が富士山に持ち込まれると、富士山特有の生態系に影響を及ぼすおそれがあります。登山前に靴や衣服などをブラッシングして、他エリアの種子を持ち込まないよう気をつけましょう。

ごみのないきれいな富士山にすることを忘れずに

富士山世界遺産に登録されないのはごみのせいだ」とささやかれていた時があるくらい、富士山のごみ問題は課題になっていました。しかし、ボランティアや山小屋スタッフの努力により、徹底した清掃が行なわれました。また、登山者がごみ袋を携行してごみを持ち帰るというマナーも守られるようになり、今では、五合目以上の登山道周辺では、ごみをみかけることはほとんどありません。

これからも、きれいな富士山を残すために「ごみは自分で持ち帰る」ことを徹底しましょう。

登山口までのアクセス

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首都圏から、公共交通機関を利用して各登山口までアクセスするには、高速バス・電車&登山バスの2つの方法があります。また、レンタカーやタクシーなど車を使ってアクセスすることも可能です。

高速バス

1つ目の方法は、バスタ新宿から高速バス(富士急行バス:富士五湖~新宿線 富士山五合目・本栖行)でアクセスする方法です。大人1人の料金が片道3,800円(Web予約の場合は3,500円)で、新宿から乗り換えなしでアクセスできます。乗車時間は約2時間30分ですが、高速道路で渋滞が起きた場合は大幅に遅延することがあります。

また、羽田空港から「富士山」駅まで高速バスも運行しています。空港から直接富士山方面へ行きたい人は、富士急行バスに乗車し、終点の「富士山」駅へ(土・日曜、祝日のみ運行、1日1本、所要時間約3時間)。その後、富士スバルライン五合目行きのバスに乗車してください。

電車&登山バスの組み合わせ

2つ目の方法は、登山口の最寄り駅まで電車に乗り、その後、登山バスに乗り換えて登山口までアクセスする方法です。電車、登山バスともに、便数が多いので自分のスケジュールに合わせて調整できます。また、渋滞などに巻き込まれる心配も少なくなります。

■富士宮ルート(富士宮口五合目) 
<最寄りの駅>
JR東海道新幹線「三島」駅・「新富士」駅、JR東海道本線「三島」駅、JR身延線「富士宮」駅
<登山バス>
三島駅―富士宮口五合目:富士急シティバス、約2時間
新富士駅―富士宮口五合目:富士急静岡バス、約2時間5分
富士宮駅―富士宮口五合目:富士急静岡バス、約1時間20分

■須走ルート(須走口五合目) 
<最寄り駅>
JR御殿場線「御殿場」駅、小田急線「新松田」駅
<登山バス>
御殿場駅―須走口五合目:富士急モビリティ、約1時間
新松田駅―須走口五合目: 富士急モビリティ、約1時間30分

■御殿場ルート(御殿場口五合目) 
<最寄り駅>
JR御殿場線「御殿場」駅
<登山バス>
御殿場駅―御殿場口新五合目:富士急モビリティ、約30分

■吉田ルート(富士スバルライン五合目)
<最寄り駅>
富士急行線「河口湖」駅・「富士山」駅、富士山パーキング(山梨県立富士北麓駐車場)
<登山バス>
河口湖駅―富士山スバルライン五合目:富士急バス、約55分
富士山駅―富士山スバルライン五合目:富士急バス、1時間5分
富士山パーキング→富士山五合目:富士急バス、約45分

※夏期限定の便や、便により運行日が異なる場合もありますので、事前に公式サイトで確認しましょう。

車でのアクセス

3つ目の方法は、レンタカーやタクシーなど車を利用してアクセスする方法です。富士山の開山期間中は、毎年マイカー規制が行われます。

富士山のマイカー規制とは
富士山は開山期間が限られており、その期間に国内外から多くの登山客が訪れます。快適で安全に登山をし、そして富士山自然を保全していくために、公共交通機関以外の自動車の乗り入れや駐車を禁止しています。麓(ふもと)の駐車場でシャトルバスに乗り換えてください。

主要高速道路からのルートと、マイカー規制の詳細は以下の通りです。

富士宮ルート:富士宮口五合目
東名高速道路御殿場ICから「富士山スカイライン」(無料)を利用、約1時間
東名高速道路裾野ICから「南富士エバーグリーンライン」(有料)、「富士山スカイライン」(無料)を利用、約1時間
東名高速道路富士ICまたは新東名高速道路新富士ICから「西富士道路」(無料)、「国道139号」、「富士スカイライン」(無料)を利用、約1時間

須走ルート:須走口五合目
東富士五湖道路須走IC、または国道138号から「ふじあざみライン」(無料)を利用、約20分

御殿場ルート:御殿場口新五合目
東名高速道路御殿場ICから「富士山スカイライン」(無料)を利用
東名高速道路富士ICまたは新東名高速道路新富士ICから「西富士道路」(無料)へ。その後、国道139号、「富士山スカイライン」(無料)を利用、約40分、
東名高速道路裾野ICから「南富士エバーグリーンライン」(有料)へ。「富士山スカイライン」(無料)を利用、約30分

吉田ルート:富士スバルライン五合目へ
高速道路中央自動車道河口湖IC、東富士五湖道路富士吉田ICから「富士スバルライン」(有料)を利用、約40分

富士山スカイライン(富士宮口ルート)
2024年7月10日(水) 9:00~9月10日(火) 18:00
水ヶ塚駐車場にてシャトルバスに乗換(片道1320円))
駐車場料金:1台1回1000円

ふじあざみライン(須走口ルート) 
2024年7月10日(水) 9:00~9月10日(火) 18:00
道の駅すばしり北側 須走多用途広場(乗換駐車場)にてシャトルバスに乗換(片道1370円)
駐車場料金:無料

県道富士公園太郎坊線(御殿場口ルート) 
規制なし

富士スバルライン(吉田口ルート) 
2024年7月5日(金) 18:00 ~ 9月10日(火) 18:00
富士山パーキング(旧名. 富士北麓駐車場)にてシャトルバスに乗換(片道2500円)
駐車場料金:1台1回1000円

富士山周辺の宿泊施設

画像素材:PIXTA
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富士登山の前後でもう1泊、周辺エリアに宿泊して、富士山を下界から眺めるのもおすすめです。ホテル敷地内から富士山の雄大な景色を満喫できるホテルや、温泉に入りながら富士山をゆっくり臨むことができるホテルもあります。春は桜と富士山、秋は紅葉と富士山といったように、四季折々で違う表情を見せてくれます。

富士山周辺の観光スポット

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富士山周辺には人気の観光スポットがたくさんあります。富士登山を目的としない多くの人も訪れる、魅力あるスポットばかりです。

おすすめは富士山近くの河口湖、西湖、精進湖、本栖湖、山中湖の5つの湖の総称「富士五湖エリア」。河口湖では遊覧船に乗ったり、「富士急ハイランド」で絶叫アトラクションに乗ったりと、楽しみ方は色々です。富士急ハイランドは園内にテーマパーク「トーマスランド」と「リサとガスパールタウン」などを併設しており、ファミリーにもおすすめです。

見るだけじゃない!「体験」もおすすめ

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富士山を目の前に望む立地では、アウトドアや温泉など、富士山をキーワードに楽しめるアクティビティがたくさんあります。特に富士五湖では、観覧船、スワンボート、カヌー、SUPなど雄大な富士山を望みながら体験できるレイクアクティビティなどが充実。ほうとう作り体験など、悪天候時も楽しめるインドアアクティビティもありますよ!

遊園地もある!富士急ハイランド

画像素材:PIXTA
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山梨県富士吉田市にある「富士急ハイランド」は、ギネス級の絶叫アトラクションやお化け屋敷などがあり、外国人旅行者にも人気です。アトラクションに乗りながら、富士山を思う存分望めることも魅力のひとつです。最上階の展望台『FUJIYAMAスカイデッキ』からはダイナミックな富士山を思う存分、堪能できます。

アウトレットでのショッピングも外せない

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静岡県御殿場市にある日本最大級のアウトレット「御殿場プレミアム・アウトレット」。日本のアウトレットの中でも、GucciやBalenciagaなどのハイブランドが充実しています。また、AdidasやNikeといった有名スポーツブランドも目白押し。富士山を望むおすすめスポットは、各ショッピンクエリアをつなぐ「希望の大橋」です。買い物をしながら富士山を望むなんて最高ですね。

  • 御殿場プレミアム・アウトレット
    • 住所 静岡県御殿場市深沢1312

スキーシーズンも楽しめる

画像素材:PIXTA
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富士山は山開き中のサマーシーズンだけでなく、スキーシーズンの観光もおすすめ。例えば、富士山の麓、二合目にある「スノーパークイエティ」は、「新宿」駅から直行バスで2時間半。日本で一番早くオープンする屋外スキー場として知られています。そのほか、リフト山頂には富士を間近に感じられる展望デッキもある「ふじてんスノーリゾート」などがあります。

モデルプラン

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富士山周辺を観光したいときは、以下のモデルプランを参考に計画を立ててみてください。

●富士五湖を巡るおすすめプラン
富士急行バスが発売している、2日間有効のフリーパス「富士山・富士五湖パスポート」を利用すると便利です。

「河口湖」駅を9:00に出発し、「大石公園」で河口湖越しの富士山を一望。その後、「河口湖 富士山パノラマロープウェイ」で標高1,075メートルから望む大パノラマを満喫しましょう。ロープウエイの次は、日本屈指の名水の里「忍野八海」で池巡りへ。水陸両用バス「YAMANAKAKO NO KABA」に乗って、富士五湖最大の山中湖をダイナミックに楽しむのもおすすめです。16:00台の路線バスに乗って、「河口湖」駅へと戻ります。

また、富士山とその周辺には、春夏秋冬、それぞれ違う魅力があります。

春は「新倉山浅間公園」や忍野八海の近く「新名庄川沿い」などの桜スポットを巡るコース。秋は、コキアの紅葉で知られる「大石公園」や「河口湖もみじ回廊」などの紅葉スポットを巡ります。冬は、西湖の冬の恒例イベント「西湖こおりまつり」で樹氷観賞し、「富士眺望の湯ゆらり」で雄大な富士山を眺めてリラックスするなど、その季節ごとの魅力を楽みましょう。

富士山周辺への日帰り旅行も可能

画像素材:PIXTA
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バスタ新宿発着の高速バスを使えば、日帰り観光も可能です。例えば以下のようなプランがあります。

バスタ新宿から高速バスに乗車後、バス停「新倉山浅間公園」下車。富士山と五重塔「忠霊塔」が撮影できる「新倉山浅間公園」へ。

その後、富士急行線で「河口湖」駅へ。下車後は、西湖周遊バスなどの富士五湖を周遊するバスで観光スポットを回ります。富士山の絶景を堪能し、最後は河口湖の眺望を楽しむロープウェイ「河口湖 富士山パノラマロープウェイ」で締めくくり。

河口湖から高速バスに乗り、バスタ新宿へ戻り、1日が終わります。

お土産も買おう

富士スバルライン五合目ロータリー 画像素材:PIXTA
富士スバルライン五合目ロータリー 画像素材:PIXTA

富士山とその周辺エリアには、富士山をモチーフにしたお土産やお菓子がたくさん揃っています。富士山をかたどったひとくちサイズのおせんべい、富士山の形をしたショコラクッキーなど、和菓子も洋菓子も多数販売されています。また、頂(いただき)の形がプリントされた「富士山いただきTシャツ」、ポケットティッシュを少しだけつまみ出すことで、標高3,776メートルの富士山の形を完成させることができる「ティッシュケース」など、実用的でユニークなアイテムもあります。

山頂でしか買えない登頂記念のお土産としては、「富士宮本宮浅間大社奥宮」のお守りや御朱印などがあります。

お土産を購入するなら、下山後の五合目がおすすめ。富士スバルライン五合目には「富士山みはらし」などの休憩スポットがあり、お土産も購入できます。

富士山に登って、一生の思い出作りを

画像素材:PIXTA
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世界に誇る日本の名峰「富士山」。日本人にとっても一度は登ってみたいと思う山です。
眼下に広がるあたり一面の雲海、頂上で日の出の瞬間を望む「ご来光」、そして、満天の星や遠く煌めく夜景など、魅力的な絶景がそこにあります。決して楽とはいえない1泊2日の富士登山をしてこそ、より思い出深くなるでしょう。ぜひ、富士山に登って、一生の思い出作りをしませんか。

Written by:
木村かおり
木村かおり

約20年、旅行ガイドの編集・出版に携わってきた日本人トラベルライター。大学卒業後、出版社にて約10年、旅行ガイドの編集・出版に従事。パリ、台湾、などの海外取材、国内は北海道、九州などの取材も数多くこなす。その後、中国・広州に2年ほど駐在妻として暮らし、現地メディアにて経済・旅行ガイド記事で執筆等を担当。帰国後は、ウェブメディアにて編集・執筆を経験。インバウンド、アウトバウンド両方の旅行ガイドの記事制作に携わってきたことが強み。中国政府認定の中国語能力試験HSK6級(最高級)、実用フランス語技能検定試験準1級、英語検定準1級取得。

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