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空中に浮いてるみたい!山形県「山寺」の絶景ポイントや見どころをレポ

空中に浮いてるみたい!山形県「山寺」の絶景ポイントや見どころをレポ

更新日: 2022/11/18

日本の北部、東北地方の日本海側に位置する山形県。その東部・山形市にある「宝珠山立石寺(ほうじゅさんりっしゃくじ)」は、山の斜面に張り付くようにお堂が点在することから、「山寺(やまでら)」と呼ばれています。周囲の豊かな自然と空中に浮かぶように建つお堂の姿が美しいと、日本はもとより、海外からも観光客が訪れる山形の人気観光スポット。今回は、山寺の見どころをめぐる散策ルートと、絶景フォトスポットをご紹介します!

目次
  1. 断崖絶壁に建つ寺・「宝珠山立石寺」
  2. 俳聖・松尾芭蕉も立ち寄った名刹
  3. 山寺へのアクセス
  4. 季節や天候によって変わる装備をチェック
  5. おすすめ散策ルート
  6. おすすめ散策ルートの見どころ
  7. 御朱印・おみくじ・お守りを購入
  8. 山寺グルメを堪能
  9. 自然と調和する山寺の景色

断崖絶壁に建つ寺・「宝珠山立石寺」

断崖絶壁に建つ寺・「宝珠山立石寺」

「宝珠山立石寺(ほうじゅさんりっしゃくじ)」(以下、山寺)は、860年に慈覚大師・円仁(じかくたいし・えんにん)が開山したと伝わる天台宗の寺。山全体が修業と信仰の場になっていて、古来、参拝することで悪縁を断ち切ってくれると言われています。山頂へ続く参道は1,015段ある急勾配の石段。途中には、大小さまざまなお堂や塔が並びます。

俳聖・松尾芭蕉も立ち寄った名刹

俳聖・松尾芭蕉も立ち寄った名刹

山寺は、俳句を詠みながら日本全国を旅した俳聖・松尾芭蕉(まつおばしょう)(1644年~1694年)が1689年に訪れたことでも知られています。その際に詠んだ『閑(しずけ)さや 岩にしみ入る 蝉の声』は、日本を代表する紀行文『おくのほそ道』に収録している名句。境内には、その句を刻んだ句碑や芭蕉とその弟子・河合曽良(かわいそら)(1649年~1710年)の銅像もあります。

山寺へのアクセス

山寺へのアクセス

山形県の主要駅・山形駅から、山寺の最寄り駅・山寺駅へのアクセスは、JR仙山線で約20分。東北最大の都市・宮城県仙台市の仙台駅から訪れる場合も、JR仙山線に乗車。約1時間 で到着します。山寺駅から山寺の参道入口までは500メートルほどなので、歩いて向かうことができますよ。

季節や天候によって変わる装備をチェック

季節や天候によって変わる装備をチェック

参道の入口には「登山口」と書かれた目印が立っています。参道は急勾配の石段が続くため、“参拝”というより“登山”という方が合っているかもしれません。往復に1時間30分、ゆっくり歩きたいなら2時間はみておくと良いでしょう。頂上まで行かずとも見どころはあるので、足腰に自信のない人は無理することなく楽しんでください。

登山とはいえ、重装備をする必要はありませんが、季節を問わず動きやすい服と運動靴、水分は必須。春夏は日差しも厳しくなるので、日よけの帽子やサングラス、汗を拭うフェイスタオルを用意してください。雪が降りはじめる11月頃からは、もう少し装備が必要。雪が参道に積もり、歩きにくくなります。靴は滑りづらいブーツか運動靴、服は防寒着、バッグもリュックサックなど、両手が空くタイプが良いです。

おすすめ散策ルート

おすすめ散策ルート

装備を整え、山門で入山料を支払ったら、いよいよ散策のスタートです。 山寺には大小30余りの塔やお堂があり、すべてを鑑賞すると時間がかかってしまうので、見どころをおさえるのがポイント。ここからは、東北在住ライターのおすすめルートをご紹介します。

散策ルートを考えるうえで、山寺の観光スポットパンフレットや散策ルートの地図はあると便利。現地でも手に入りますが、「山寺観光協会」のホームページから事前にダウンロード(日本語・英語)して、自分でプランニングするのも楽しいですよ。
https://www.yamaderakankou.com/pamphlet/index.html

【おすすめ散策ルート】
1.根本中堂
2.芭蕉・曽良像
3.せみ塚
4.仁王門
5.中性院
6.奥の院・大仏殿
7.開山堂・納経堂
8.五大堂

おすすめ散策ルートの見どころ

根元中堂
根元中堂

まずは登山口から数十段上がったところに建つお堂「根本中堂(こんぽんちゅうどう)」へ。ブナ材では日本最古と伝わる建築物です。その並びにある「宝物殿」の向かいには、「芭蕉・曽良像(ばしょう・そらぞう)」の銅像があります。

せみ塚
せみ塚

鎌倉時代(1185年~1333年)に造られた山門をくぐると、いよいよ石段が急勾配になっていきます。山門から歩いて約15分。1751年に芭蕉の句をしたためた短冊が埋められ、その記念の石碑が立つ「せみ塚(せみづか)」に到着。芭蕉の弟子たちが山寺を訪れた際に、この場所で『閑さや 岩にしみ入る 蝉の声』の句を詠んだのではと推測した場所です。

奥の院・大仏殿
奥の院・大仏殿

「せみ塚」から約5分。ケヤキ造りの優美な門「仁王門(におうもん)」を通り、「中性院(ちゅうしょういん)」に着きます。ここには、なでると病気が治るといわれる「おびんずるさま」があります。

「中性院」からすぐ、「奥の院・大仏殿(おくのいん・だいぶつでん)」が参道の終着点。通称「奥の院」、正しくは「如法堂(にょほうどう)」には、慈覚大師が中国での修業中に持ち歩いたといわれる釈迦如来像と多宝如来像が本尊として祀られています。「如法堂」の左奥にある「大仏殿」には、黄金に輝く高さ5メートルの阿弥陀如来が安置されています。

開山堂・納経堂
開山堂・納経堂

「奥の院・大仏殿」の参拝後は、散策のハイライト「開山堂・納経堂(かいざんどう・のうきょうどう)」と「五大堂(ごだいどう)」へ向かいます。

「奥の院・大仏殿」から石段を少し降りたところにある「金乗院(こんじょういん)」の分かれ道を右手に進んで行くと、「開山堂・納経堂」が見えてきます。ここに建つのは、山寺を開いた慈覚大師を祀る「開山堂」と写経を納める「納経堂」。この2つが並ぶ姿は、山寺を象徴する風景としても知られています。きれいに写真に収めたいのであれば、建物から少し離れた遊歩道から、周囲の景色を入れて撮影すると良いでしょう。

五大堂
五大堂

「開山堂」の右側にある狭い階段を上り、「五大堂」へ。天下泰平(てんかたいへい)(世の中が平和な状態で穏やかなこと)を祈る道場として建てられたお堂です。

断崖に突き出すように設けられた舞台からは、息を呑むような美しい風景が広がります。ここは、山寺随一のフォトスポット。お堂には、山寺の門前町や周囲の美しい山々の絶景を撮影しようと、カメラを向けている人が多くいます。絶景を前にすると、石段を上がった疲れも吹き飛んでいくようです。

五大堂から眺める山寺の山里
五大堂から眺める山寺の山里

雪が残る水墨画のような里山の景色も趣きがあり、冬でも訪れる人が多くいます。

御朱印・おみくじ・お守りを購入

大きいお守り
大きいお守り

山寺では参道にあるお堂や神社を合わせて、8つの御朱印(寺や神社でもらえる印)がいただけます。「奥の院」では御朱印の書き置きがないため、欲しい人は必ず御朱印帳を持っていきましょう。

また、「根本中堂」の隣に建つ「日枝神社(ひえじんじゃ)」では、季節の花を浮かべた桶におみくじ浸すと文字が浮き出る「水みくじ」が楽しめます。健康や厄除けにご利益があるといわれる名物のお守り「大きいお守り」も人気。その名の通り、ビッグサイズのユニークなお守りです。

山寺グルメを堪能

山寺グルメを堪能

境内のふもとにある売店の名物は「力こんにゃく」。これを味わい、力をつけてから石段を登るのが定番になっています。大きなで煮た醤油味の丸いこんにゃくが串刺しになっているので、歩きながらでも味わえますよ。ほかにも、山寺駅周辺には、おいしい手打ちそばの店や和菓子店もあるので、行きや帰りに立ち寄ってみてください。

自然と調和する山寺の景色

雪景色の五大堂
雪景色の五大堂

山寺は、古いお堂や塔が山の自然と調和する風景が魅力。春は薄紅色の桜、夏は青々とした緑、秋は極彩色の紅葉 、冬は真っ白な雪景色と、訪れるごとに心惹かれる景色に出会えるでしょう。

紅葉時の山寺
紅葉時の山寺
緑が美しい山寺
緑が美しい山寺

“天空の古刹”とも呼ばれる山寺。心が洗われるような絶景を眺めにぜひ訪れてみてください。

  • 山寺(宝珠山立石寺)
    • 住所 〒999-3301 山形県山形市山寺4456-1
    • 電話 023-695-2843
    • 営業時間:8:00~16:00(1~3月は~15:00)
      料金:300円、中学生200円、小学生100円
      定休日:無休

Text by:株式会社シュープレス

※本記事の情報は2021年4月時点のもの一部更新しています。最新の情報は公式サイト等でご確認ください。

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