こけしは、海外でも人気の高い日本の伝統工芸品。主に東北の温泉地で作られ、なかでも宮城県大崎市の鳴子温泉郷は、“こけしの里”と呼ばれる一大産地です。温泉街にはこけし工房が点在し、こけしの表情や模様を描く絵付け体験ができる工房も!今回は鳴子温泉の老舗工房「桜井こけし店」で、絵付け体験にチャレンジ。自分で描いたこけしは、想像以上にいとおしく感じますよ!
鳴子こけしとは?
東北地方の伝統工芸品「こけし」。その歴史は古く、江戸時代後期(1750~1850年頃)に、椀や盆などの生活用具を作る木地職人が、子どものおもちゃとして作ったことがこけしのはじまりとして知られています。当時のこけしは子どもの手のひらに収まるほどのサイズで、球形の頭に円筒状の胴体は、おしゃぶりとして使われていたから…という説も。土地によって顔立ちや胴体の模様が異なり、産地ごとに11の系統に分類されています。
老舗工房「桜井こけし店」を訪れました
JR鳴子温泉駅から徒歩3分程の場所にある「桜井こけし店」は、鳴子温泉でも特に歴史のある老舗のこけし工房。鳴子こけしの創始者といわれる大沼又五郎さんより、代々こけし作りを受け継いでいます。
こちらのお店では、こけしの購入はもちろん、こけしに顔や模様を描く絵付け体験も実施。所要時間は人によって異なりますが、概ね30分ほど。料金は1,980円で、5名以上で行う場合は3日前までの事前予約が必要です。
今回は、日本ならではの思い出を作りたいという人に最適なこけしの絵付けを実際に体験してきました!
こけしの絵付け体験にチャレンジ!
それではさっそく挑戦! まずは木地を選ぶところからスタートします。木地は、伝統の形をした「鳴子こけし」と、普段使いにぴったりの「ペン立てこけし」の2種類から好みの形をチョイス。今回はスタンダードな「鳴子こけし」にしました。
木地も選んだことだし、さっそく絵付け…といきたいところですが、焦りは禁物。丸みのあるこけしに筆で線を描くのはコツがいるため、はじめに紙で練習をします。目を描き、次は眉…と、描きたい表情や模様を思い浮かべながら、筆を走らせましょう。どんなこけしにしようか迷ったときは、店内を見渡してみて。ずらりと並ぶこけしを見れば、イマジネーションがどんどん広がるはず。
練習を終えたらいよいよ本番です。使う染料は鳴子こけしの伝統でもある赤・黒・緑の3種類。紙とは違う筆先の感覚にドキドキしてしまいますが、「思い切って線を引くといいよ」というスタッフの言葉を信じ勢いをつけて筆を動かすと、意外にもきれいな弓なりの線に! 筆につける染料の量は、欲張らず少量を心がけましょう。多くつけすぎてしまうと木地に染料がにじんでしまいます。コツが分かれば怖いものなし。楽しく大胆に描いていきましょう。
絵付けが完成したら一度こけしをスタッフへ。ろうでコーティングをしてもらったら完成です!その日中に持ち帰れるのもうれしいポイント。お店のこけしを見本にしたつもりが、できあがったこけしはなんだかひょうきんな印象。お手本通りとはいかないものの、自分らしさが見え隠れするこけしに愛着がわいてきます。
ショッピングも忘れずに!
店内には伝統の鳴子こけしから、アレンジを加えたキュートなこけしまで、さまざまなこけしがラインナップ。表情や模様はもちろん、形や大きさも多彩なので、お気に入りのこけしが必ず見つかりますよ。
定番は、伝統の「鳴子こけし」。上品な顔立ちが魅力的です。
インテリアに取り入れやすいもの、小さめのサイズをお求めの方は、「Codama waon」(写真上段)と「Codama Kaguya」(写真下段)がおすすめ。こちらは日本のみならず海外からも人気の商品です。
胴体部分に手紙を入れられる「お手紙こけし」もいかがでしょうか?こけしが封筒代わりになるユニークな商品です。
おみやげにも思い出作りにもぴったりなオリジナルのこけし作りを楽しみに、ぜひ鳴子温泉へ訪れてみてください。
-
桜井こけし店
- 住所 〒989-6823 宮城県大崎市鳴子温泉湯元26
- 電話 0229-87-3575
営業時間:9:00~17:30
料金:こけしの絵付け体験1,800円(税別)
定休日:不定休
Text by:株式会社シュープレス
※本記事の情報は2020年7月時点のものです。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。