HOME 東北 福島 会津若松 東京から日帰り旅も可能な福島・会津で、 世界が注目する酒と料理と日本遺産を体感
東京から日帰り旅も可能な福島・会津で、
世界が注目する酒と料理と日本遺産を体感

東京から日帰り旅も可能な福島・会津で、
世界が注目する酒と料理と日本遺産を体感

公開日: 2020/11/02
更新日: 2021/01/05

10年前ならば、日本酒について外国人に丁寧に説明する必要があったかもしれませんが、いまでは世界中のスーパーマーケットで日本酒が手に入るようになり、日本酒に親しみを持つ外国人も増えてきています。多国籍料理とペアリングされるなど、日本の醸造家が驚くようなスタイルで堪能されています。

このように日本酒が注目されるようになった理由は、和食とよばれる日本料理が欧米で人気を集めていることもありますが、結局のところ、日本酒のような味わいのものがないからです。甘口でも辛口でも、熱燗でも冷酒でも、日本酒は、欧米の人々にとって全く新しい味わいだったのです。それに加え、日本酒用の酒器があり、日本酒を味わうこと自体が文化的な体験となったからです。

しかし、存在は知っていても「米のワイン」である日本酒について詳しくは知らないという人も多くいるでしょう。そんな人におすすめしたいのが、日本にある酒蔵を訪ねてみること。日本酒についてだけでなく、日本酒にまつわる日本の食文化に触れる貴重な機会になります。当記事では、東京から鉄道を使って約3時間で行ける会津の老舗酒蔵「末廣酒造」を訪れました。また、日本酒とともにいただきたいご当地蕎麦「高遠そば」や知られざる日本遺産も紹介します。

酒蔵が多くある会津へ

酒蔵が多くある会津へ
会津若松駅。東京からは新幹線で郡山へ。そこから在来線で約1時間の場所にある

日本酒造りに必要なものは、米と水、そして発酵させるための「麹」。品質が良く評価される日本酒を作るためには、質の良い米と新鮮な水が必要で、これらの原料が手に入りやすいところに、酒蔵があります。

会津若松市街を見下ろす「鶴ヶ城」

酒蔵が多くある福島県会津地方は、東京から気軽にアクセスできる距離にあり、のんびり旅できる穴場エリアです。

取材時、田んぼの稲穂は黄金色に変わりつつありました

会津を訪れて、印象に残るのが一面に広がる田んぼ。酒蔵が多くあるのもうなずけます。田んぼの稲穂は、生き生きとした緑色であったり、温かい雰囲気の黄金色であったり、訪れる時期によってその色を変えます。

白い蔵(左側)のある伝統的な酒蔵

会津地方を散策すると、酒を貯蔵するための白い壁の貯蔵蔵を見つけることができます。日本酒は気温の変動が大敵。そのため、気温を一定に保つためにこうした蔵に貯蔵しています。真夏に蔵を訪れると、ひんやり気温が低く感じます。

会津にある老舗酒蔵「末廣酒造」へ

会津にある老舗酒蔵「末廣酒造」へ
伝統的な雰囲気が漂う「末廣酒造」のエントランスホール

今回訪れたのは、会津地方にある有名な酒蔵のひとつ、「末廣酒造」。1850年から続く酒蔵で、現在、7代目。世界からも注目され、スムーズな飲み口の日本酒が多数の国際的な賞を獲得しています。

無料の見学ツアーに参加して、詳しく知ろう。

見学ツアーは末廣酒造のスタッフから酒造りの要点を学ぶことからスタート
米はもみ殻をとり、純白になるまで精米される。精米すればするほど、出来上がる日本酒は貴重なものとなる
醸造は金属製のタンクで行われる。昔は、西洋のワインと同じように、木製の樽が使われた

末廣酒造を語るうえで欠かせないのが、「山廃仕込み」と呼ばれる酒造りの手法です。酒の伝統的な味わいを楽しむため、ゆっくりと自然発酵させる「山廃仕込み」という方法を日本で初めて確立した酒造会社として知られています。

「山卸作業」で使われる櫂棒
山卸作業では、2名の職人が櫂棒を使って米をすりつぶす

「山廃仕込み」は時間と労力がかかる方法ではありますが、酒造業界ではよく耳にする方法です。末廣酒造の無料見学ツアー(予約不要)に参加すれば、その歴史を学ぶことができます。

末廣酒造は、ヴィンテージの日本酒(熟成酒)を販売しています。通常、日本酒は新鮮なうちに飲むのがよいとされていますが最近では末廣酒造のようにヴィンテージの日本酒を取り扱う酒蔵も増えています。末廣酒造はパイオニア的存在なのです。

飲むだけにとどまらない日本酒

飲むだけにとどまらない日本酒

酒蔵見学だけでなく、末廣酒造のカフェに立ち寄ることもお忘れなく。1892年に建てられた蔵を改装し、落ち着いた雰囲気です。ぜひ味わいたいのは、看板メニューである「大吟醸シフォンケーキ」。シフォンケーキに末廣酒造の日本酒を加えたもので、西洋と東洋のコラボレーションともいえる逸品。噛むたびに日本酒の風味を感じられる大人の味わい。伝統を守りながらも、このような新しいものを生み出し続ける素敵な酒蔵です。

  • 末廣酒造 嘉永蔵
    • 住所 福島県会津若松市日新町12-38
    • 電話 0242-27-0002
    • 10:00~16:00※酒蔵見学時間
      毎月第2水曜日定休
      ※見学は無料(予約不要、ただし団体のお客様は要予約)
      ※10:00から1時間ごとのご案内となります(所要時間は約30分)
      ※嘉永蔵のスタッフがご案内します。(※スタッフなしでの見学はできません)

日本酒と一緒に味わいたい蕎麦

日本酒と一緒に味わいたい蕎麦
会津のレストランでは、少しずついくつかの酒を楽しめる利き酒メニューを提供しているところもあります。日本酒をマスターしたいならぜひ

日本酒を飲みながらいただきたい日本食といえば、「蕎麦」。さらりといただける蕎麦と気分を高揚させてくれる日本酒を一緒に味わえば、リラックスできるはず。日本では、日本酒を飲んでから蕎麦をいただく「蕎麦前」の文化があります。季節に合わせて、冬には温かい蕎麦を、そして夏には冷たい蕎麦を味わうと、一層のおいしさを楽しめます。

そして、会津の蕎麦といえば、山盛りの大根が添えられている「高遠そば」が有名です。起源は17世紀といわれています。辛味のある大根はピリッとさわやかな辛口酒と相性抜群です。

「高遠そば」は、江戸時代(1603~1867年)に会津藩主で松平家の大名だった保科正之によって福島県の会津地方に持ち込まれました。もともと、現在の長野県にあたる高遠藩の藩主だった保科正之は、会津藩主となる際に、高遠藩で一般的に食べられていた蕎麦を会津に持ち込みました。その蕎麦は、地名の「高遠」を合わせて「高遠そば」と呼ばれました。「高遠そば」は、時と共に会津の地で進化し、会津地方でしか食べられない特別な蕎麦となったのです。

日本酒とともに一風変わった蕎麦を味わいたいなら「大内宿」へ。かやぶき屋根の家が立ち並ぶ歴史ある山村で、400年前とほとんど変わらない姿が残されています。

「大内宿」では外国人が連想する典型的な田舎の風景が見られます

ネギ1本が丸ごと入った蕎麦

ネギ1本が丸ごと入った蕎麦

大内宿で食べられている「高遠そば(ねぎそば)」は、大根おろしが入った蕎麦の中に、まるごと1本のネギが入っています。

ネギを使って蕎麦を食べるのは、慣れてしまえば、びっくりするほど簡単

今回は、「大内宿 三澤屋」で高遠そばをいただきました。ユニークなのは、蕎麦に入った丸ごと一本のネギを箸として使うこと。ネギの先が曲がっているので、意外にも簡単に蕎麦をすくい上げることができます。そして箸として使っていたネギを薬味としてかじりましょう。ネギは上の緑色の葉の部分に近づくにつれ、辛みが増すので注意しましょう。

  • 大内宿 三澤屋
    • 住所 福島県南会津郡下郷町大字大内字山本26-1
    • 電話 0241-68-2927
    • 9:30~16:00
      無休(年始1/4~1/7は休み)

日本遺産を訪れよう

日本遺産を訪れよう

会津には、外国人旅行客にあまり知られていない貴重な文化財や国宝指定の名所もあります。中でもおすすめは日本遺産「会津の三十三観音めぐり」です。

会津の三十三観音めぐりの起源は、高遠そばと同じ17世紀にさかのぼります。これも会津藩主の保科正之により広められたといわれています。巡礼ルートにある寺院や御堂は、文化的に重要な場所であり、自然も美しいため、仏教徒でなくとも、ぜひトライしてみて。

三十三観音巡りの10か所目である勝常寺へ

「三十三」という数は、観音像の数を意味し、そのうちの幾つかは、特別な時にしか公開されないものも。こうした価値ある観音像のほかにも、一緒に祀られている像も必見。ほかに根の付いたままの立木に観音像が彫られたといわれる「恵隆寺」や、巨大な二重らせん構造の「会津さざえ堂」に鎮座する、つつましい姿の観音像などがあり、感銘を受けるはず。

※記事掲載時の情報です。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。

この記事をシェアする

検索