大阪には、古い歴史遺構と新しい都市郡、三方に迫る山が織り成す自然の中に、関西を代表する桜のスポットが点在しています。大阪の桜は例年3月下旬~4月上旬に見頃を迎えます。数ある名所の中から選りすぐりのスポットを例年の見頃時期と桜まつりの情報とともに紹介します。花見におでかけの際の参考にしてくださいね。
1.風光明媚な名勝【摂津峡公園】
大阪市から車で約40分。電車・バスを利用しても約70分とアクセスのよい高槻市・摂津峡谷(せっつきょうこく)。この一帯は大阪府の名勝であり、様々な生物が暮らす日本古来の自然環境を誇ります。この風光明媚な峡谷に、1956年に開設されたのが「摂津峡公園」です。園内にはキャンプ場、アスレチックなどのアクティビティが整備され、芥川のせせらぎと木漏れ日に包まれて、豊かな自然とレジャーを楽しむことができます。
公園には約3,000本のソメイヨシノが植えられていて、毎年催されるさくら祭りは多くの人で賑わいます。下生えにツツジを植栽した桜のトンネルや眼下に市街地を見下ろせるスポットも必見です。
公園の北端には落差15メートルの白滝と、奇岩・断崖が続く「摂津耶馬溪(せっつやばけい)」と呼ばれる渓谷があり、およそ4キロメートルのハイキングコースでは、約1,300本の桜を眺めながら、渓谷の自然を満喫できます。
【例年の見頃】3月下旬~4月上旬
【花見期間】
ソメイヨシノ:3月下旬~4月上旬まで
ヤエザクラ:4月上旬
【摂津峡さくら祭り】
開催場所:摂津峡公園桜広場
開催期間(日時): 3月下旬~4月初旬
※金・土・日はボンボリ点灯およびライトアップあり。
入場料:無料
問い合わせ:072-675-0081(高槻市観光協会)
-
摂津峡公園
- 住所 大阪府高槻市塚脇5-3-14
-
最寄駅
JR京都線「高槻」駅から市営バス「塚脇」下車、徒歩20分
電話番号:072-674-7516(高槻市役所 公園課)
入園自由
2.太陽の塔と桜の競演【万博記念公園】
1970年開催の「日本万国博覧会(大阪万博)」の跡地に整備された「万博記念公園」。園内には、国立民族学博物館、アスレチックや温泉など、あらゆる文化・レジャー施設がありますが、もっとも存在感を放つのは、大阪万博のシンボル、日本を代表する芸術家・岡本太郎製作の「太陽の塔」。太陽の塔と桜の競演が楽しめるのが最大の魅力。四季折々に見頃を迎える花々も公園を美しく彩ります。
「日本さくら名所100選」にも選ばれている万博記念公園。「太陽の広場」「日本庭園」「自然文化園」と接続したエリアには、5,500本を超えるさまざまな種類の桜がテーマごとに植えられています。このエリアをめぐることで、桜と日本文化のかかわりを理解できるように設計されているそう。ソメイヨシノやサトザクラ、ヤマザクラなどのポピュラーな桜から、ジュウガツザクラやカンヒザクラ、「さくらんぼ」を実らせるセイヨウミザクラなど、見ごたえは充分。花見はもちろん、桜文化を堪能するのに絶好のスポットです。
【例年の見頃】3月下旬~4月上旬
【花見期間】
カンヒザクラ:3月中旬~下旬まで
ヒガンザクラ:3月中旬~下旬まで
ソメイヨシノ:3月下旬~4月上旬まで
【万博記念公園桜まつり】
開催場所:自然文化園の東大路を中心とした公園内各所
開催期間(日時): 3月下旬~4月中旬
入場料:入園料のみ
問い合わせ:06-6877-7387(総合案内所)
3.池田市のシンボル【五月山公園】
大阪府北西部に位置する池田市の「五月山公園」は、標高約315メートルの五月山を整備した広大な自然公園で、ふもとの入口から山頂の日の丸展望台までのいたるところにソメイヨシノやヤマザクラが咲き誇り、ドライブウェイでは車窓からも桜を堪能できます(※2024年現在、五月山公園の桜は道路拡張工事のため一部伐採)。
大阪平野を一望する展望台からの眺めは知る人ぞ知る絶景で、桜の季節はさらに息をのむほどの美しさ!花色の変化に富むヤマザクラとソメイヨシノが織りなす色彩の妙は、まるでさざ波のように艶やかな光景です。
近隣にはオーストラリアの珍獣ウォンバットやワラビーとふれあえる無料の五月山動物園(火曜定休)もあり、一日中楽しめるバラエティ豊かなお花見スポットです。
【例年の見頃】3月下旬~4月上旬
【花見期間】
ウスズミサクラ:3月中旬
ソメイヨシノ:3月下旬~4月上旬まで
【池田五月山さくらまつり】
開催場所:五月山公園 池田城跡公園
※五月山公園の桜は道路拡張工事のため一部伐採。2024年2月現在、リニューアルに向けて一部工事中
開催期間(日時):3月最終週の土・日曜、または4月最初の土・日曜のいずれかで開催予定(2024年2月現在未定)
入場料:無料
問い合わせ:072-754-6244(池田市空港-観光課)
-
五月山公園
- 住所 大阪府池田市綾羽2-5
-
最寄駅
阪急宝塚線「池田」駅から徒歩15分
電話番号:072-751-2813(五月山緑地管理センター)
入園自由
4.桜並木のプロムナード【毛馬桜之宮公園】
大阪市の中心部を流れて大阪湾にそそぐ大川沿いの一帯は造幣局、旧藤田邸跡、毛馬閘門・洗堰群(けまこうもん・あらいぜきぐん)などの近世・近代の貴重な遺構がちりばめられ、毛馬閘門から天満橋まで延長4.2キロメートルの遠大なリバーサイドパークとなっています。南天満公園、毛馬公園、蕪村公園と続く複数の公園全体を総称して、毛馬桜之宮公園と名づけられています。
右岸沿いは造幣局、泉布観(せんぷかん)などの19世紀後半に建てられた建造物が並び、大川の流れに沿った桜並木のプロムナード(桜の通り抜け)に、約4,800本の桜が植えられています。このあたりの桜はソメイヨシノ一辺倒ではなく、八重咲きの普賢象(ふげんぞう)、松月(しょうげつ)など、植樹された桜の種類は約130品種。夜遅くまで多くの人が訪れる、大阪随一の桜の名所です。
【例年の見頃】3月下旬~4月中旬
【花見期間】ソメイヨシノ:3月下旬~4月上旬まで
5.大阪城と3000本の桜のコラボレーションは必見【大阪城公園】
1496年、豊臣秀吉が建立した大阪城は、その後焼け落ち、戦後の復興改修を経て、現在の大阪城公園が完成しました。園内には約3,000本の桜(ソメイヨシノ、イトザクラ、ヤマザクラ、サトザクラなど)が咲き誇り、関西でも指折りの桜の名所として、多くの観光客でにぎわいます。
秀吉の正室・北の政所の住まいがあったとされ、重要文化財に囲まれた西の丸庭園は、ソメイヨシノを中心に約300本の桜が植えられ、特に人気が高いスポットです。当時の大名たちの刻印が刻まれる石垣や、城を守る役割のあった千貫櫓(せんがんやぐら)などの5基の櫓群の重厚さと、軽やかで華やかな桜のコラボレーションは、大阪城公園ならでは。夜にライトアップされた桜に浮かび上がる天守閣は必見です。
【例年の見頃】3月下旬~4月中旬
【花見期間】
ソメイヨシノ:3月下旬~4月上旬まで
ヤエザクラ:4月上旬
【西の丸庭園 観桜ナイター】
開催場所:西の丸庭園
開催期間(日時):3月下旬~4月中旬 9:00~21:00
※ライトアップは18:00~21:00
入場料:西の丸庭園200円/観桜ナイター期間350円(ともに税込)
問い合わせ: 06-6941-1717
6.極楽浄土を彩る桜【和宗総本山 四天王寺】
大阪市天王寺区に鎮座する和宗総本山「四天王寺」は、聖徳太子が四天王を安置するために建立したと伝わり、奈良の法隆寺と並び、大変歴史のあるお寺です。桜の数としては100本あまりと、それほど多くはありませんが、圧倒的な伽藍の荘厳さと、極楽浄土をイメージした庭園の美しさの中で、一層の存在感を放ちます。
本坊庭園(極楽浄土の庭)や英霊堂前のカンザクラ、納経所前のシダレザクラ(枝垂桜)が特に見事で、訪れる人のため息を誘います。
【例年の見頃】3月下旬~4月上旬
【花見期間】
ハチスカザクラ:2月下旬~3月下旬まで
ソメイヨシノ:3月中旬~4月上旬まで
7.歴史公園を彩る個性あふれる桜【大仙公園】
2019年、堺市の「百舌鳥」、羽曳野市・藤井寺市の「古市」を合わせた百舌鳥・古市古墳群が世界遺産に登録され、一層注目を浴びているエリアの一角にある「大仙公園」は、日本最大の前方後円古墳として知られる「仁徳天皇陵古墳」と「履中天皇陵古墳」の間に広がる緑豊かな公園です。
約26,000平方メートルの広大な敷地には、約1,000本の桜が植樹されています。ヤエベニシダレやシロヒガンシダレなどの枝垂れ系(イトザクラ)や、珍しいオオヤマザクラなどの品種も見られ、華やかでのびのびとした枝を大きく広げています。
【例年の見頃】3月下旬~4月上旬
【花見期間】
河津桜:2月下旬~3月上旬まで
ソメイヨシノ:3月中旬~4月上旬まで
シダレ、ヤエサクラ:3月下旬~4月上旬まで
-
大仙公園
- 住所 大阪府堺市百舌鳥夕雲町2丁204
-
最寄駅
JR「百舌鳥」駅から徒歩5分
- 電話 072-241-0291
入園自由
8.大阪で一番早い桜【狭山池公園】
大阪府の南部、大阪狭山市にある狭山池公園は2002年に開園、「日本の歴史公園100選」に選定されています。「大阪でもっとも早く花見が楽しめる」をコンセプトに、池の周遊路に植えられた桜は約1,400本。早咲きのコシノヒガンが多く植樹されるほか、ソメイヨシノやヤマザクラ、遅咲きの八重桜の種類も豊富で、長期間花見が楽しめる人気のスポットです。
毎年、狭山池北堤に咲く桜の並木道がライトアップされ、見どころの一つとなっています。
【例年の見頃】3月下旬~4月中旬
【花見期間】
コシノヒガン:3月上旬~下旬
ソメイヨシノ:3月中旬~4月上旬まで
【大阪狭山市-桜まつり春-夜桜ライトアップ】
開催場所:狭山池北堤
開催期間(日時):2024年3月23日(金)~4月7日(日)、日没~22:00まで
入場料:無料
問い合わせ: 072-366-0011
-
狭山池公園
- 住所 大阪府大阪狭山市大字岩室
-
最寄駅
南海電気鉄道高野線「大阪狭山市」駅から徒歩10分
- 電話 072-366-0011
入園自由
9.桜を眺めながらダム周辺を散策【永楽ダム】
和歌山との県境近く、熊取町の山中の永楽ダムは、1968年に完成した、熊取地方の地域の水がめです。一帯は奥山雨山自然公園(おくやまあめやましぜんこうえん)として、整備されています。周辺には自生するヤマザクラやウワミズザクラなども見られますが、ダム周辺には、沿岸2キロメートルに渡ってソメイヨシノが約1,000本植樹され、ゆっくりと遊歩道を散歩しながら桜が楽しめます。永楽ダム堰堤からの眺めは必見です。
標高312メートルの雨山は古くは雨乞い信仰の聖山で、山頂には雨山龍王社(雨山神社跡)が。南北朝時代(1336~1392年)には雨山に山城が築かれ、中世の歴史ロマンを感じることの出来るエリアとなっています。夜には提灯が吊るされ、一部の桜をライトアップ。模擬店も出るので、桜を愛でながらの夜散歩も楽しめます。
【例年の見頃】3月下旬~4月上旬
【花見期間】
ソメイヨシノ:3月中旬~4月上旬まで
ジンダイアケボノ:3月中旬~4月上旬まで
【永楽桜まつり】
開催場所:永楽ダム周辺
開催期間(日時):3月下旬~4月2日(予定)、4月2日はイベント開催予定(10:00~15:00)
※18:00~21:00まで提灯点灯および一部の桜の木のライトアップ
入場料:無料
問い合わせ: 072-452-6404(熊取町役場水とみどり課)
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永楽ダム
- 住所 大阪府泉南郡熊取町大字久保
-
最寄駅
JR「熊取」駅から南海ウイングバス南部でつばさが丘北口行乗車、バス停「成合口」下車、徒歩20分
- 電話 072-454-6404
周辺散策自由
10.川辺を彩る約1000本の桜並木【山中渓】
山中渓(やまなかだに)地区は、江戸時代(1603~1867年)は宿場町「山中宿」として栄え、温泉地としてもにぎわいました。かつてのにぎわいを復活させるべく、1965年頃から山中川の両岸約1キロメートルにわたって約1,000本の桜が植栽され、見事な桜並木が誕生!今では多くの花見客が訪れる桜の名所となりました。
見頃にあわせて開催される「花街道 山中渓桜祭り」では、「楽鼓」や「よさこい踊り」など様々な催しが行われ、ライトアップがされた幻想的夜桜もが楽しめます。
山中宿の一角に鎮座する地福寺(じふくじ)には、境内を覆いつくすように枝を大きく広げたシダレザクラが名物となっています。入場無料のわんぱく王国(市営公園)もおすすめです。
【例年の見頃】3月下旬~4月上旬
【花見期間】ソメイヨシノ:3月中旬~4月上旬まで
【花街道 山中渓桜祭り】
開催場所:わんぱく王国とその周辺
開催期間(日時):4月上旬予定
※3月下旬~4月中旬は18:00~22:00ライトアップ予定
入場料:無料
問い合わせ: 072-471-5678(阪南市役所 まちの活力創造課)
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山中渓
- 住所 大阪府阪南市山中渓
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最寄駅
JR「山中渓」駅から徒歩すぐ
- 電話 072-471-5678
散策自由
いかがでしたか?大阪には、このほかにも桜の名所がたくさんあります。歴史的な建造物と桜のコラボレーションの豪華さが、大阪の桜の特徴です。お花見はもちろん、大阪の歴史を振り返りながら、訪れてほしいスポットです。
Text by:クリンク
※本記事は2020年3月に取材・撮影したものを2024年2月に更新しています。桜の開花時期やイベント日程・内容等は変更になる場合があります。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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