古都・奈良は、紅葉の名所がたくさんあります。10月中旬から徐々に色づき始め、歴史ある社寺や奈良公園、桜で有名な吉野山など県内あらゆるところを鮮やかな赤や黄色で見事に染めてゆきます。数ある紅葉スポットの中から、おすすめの10カ所を例年の見頃情報とともにご紹介します。
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1:「鹿と紅葉」を楽しめる「奈良公園」
奈良公園は、奈良市街の東側一帯、東西4キロメートル、南北2キロメートルの自然公園。芝生に鹿が遊び、園内には春日大社や興福寺、東大寺などの社寺が立ち並んでいます。10月下旬から11月上旬にかけて「正倉院展」を開催する奈良国立博物館があるのもこの公園。園内の紅葉は、常緑樹の緑と赤のコントラストがさらに鮮やかになり、展覧会時期には、会と紅葉を楽しみに奈良へ訪れる人が一層多くなります。
写真愛好家におすすめはココ
東大寺の紅葉も格別。広い境内のあらゆるところで美しい紅葉を見ることができます。大仏池越しに望む大仏殿と紅葉のコントラストは、秋だけに見ることができる特別な風景です。木々の間から寺を眺めながら、鹿とモミジを楽しめるのはココならでは。赤や黄色に色づくモミジやイチョウ+鹿というショットを撮るなら、飛火野(とびひの)や春日大社がおすすめです。写真愛好家に人気なのは、園内の鷺池(さぎいけ)に立つ六角形の「浮見堂」です。
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奈良公園
- 住所 奈良県奈良市雑司町
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最寄駅
近鉄奈良線「近鉄奈良」駅から徒歩すぐ
電話番号:0742-22-0375(奈良公園事務所)
入園自由
2:「依水園」では2庭園で紅葉を愛でる
奈良を代表する大寺院、東大寺と興福寺の間にある名勝依水園(いすいえん)。江戸時代前期に作られた「前園」と明治時代に築かれた「後園」という、時代の異なる2つの池泉回遊式庭園で構成されています。
広大な庭の中を巡りながら空間の展開を楽しむ回遊式の庭園が外国人にも大人気。三秀亭から池を望む紅葉も見事ですが、池が手前で三秀亭をバックにした風景も撮影スポットとしておすすめです。
明治時代に作られた「後園」も美しい
後園は、右から御蓋山、春日奥山や若草山、東大寺南大門まで借景とした美しい庭園です。11月中旬~下旬には、ドウダンツツジやモミジが園内を飾り、池に沿って散策すれば、氷心亭、寄付、水車小屋、柳生堂などが絶好のビュースポット。ここで様々な風景を楽しめます。
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依水園
- 住所 奈良県奈良市水門町74
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最寄駅
近鉄奈良線「近鉄奈良」駅から徒歩12分、JR大和路線「奈良」駅から徒歩25分
- 電話 0742-25-0781
開園時間:9:30~16:30(入園は~16:00)、4・5月は~17:00 (入館は~16:30)
入園料:1,200円(美術館の入館含む) ※税込
休館日:火曜(祝日は開園し翌日休)、庭園整備期間(12月末~1月中旬および9月下旬)
3:奈良有数の紅葉の名所「談山神社」
多武峰(とうのみね)に鎮座する藤原鎌足公を祀る、奈良県一、そして関西でも有数の紅葉の名所、談山(たんざん)神社。中臣鎌足(のちの藤原鎌足)と中大兄皇子(のちの天智天皇)が、大化の改新について多武峰で談合したことから「談い山」(かたらいやま)と呼ばれたのが神社の名前の由来とされています。
境内には、栃木にある世界遺産・日光東照宮のモデルともいわれる本殿をはじめ、現存する唯一の木造十三重塔など、重要文化財の華麗な建造物が17棟も並んでいます。
秋には、3,000本ともいわれる紅葉が全山を埋め尽くし、まるで絵画のような美しさになります。木々の間から、世界唯一の木造十三重塔や拝殿、本殿が見える景観は、さすが西の日光、華麗な景観です。紅葉の見頃は例年11月中旬~12月上旬。
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談山神社
- 住所 奈良県桜井市多武峰319
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最寄駅
JR桜井線・近鉄大阪線「桜井」駅から多武峯線で25分、バス停「談山神社」下車、徒歩3分
- 電話 0744-49-0001
拝観時間:8:30~17:00(受付は~16:30)
拝観料:600円
4:色合い豊かな「長谷寺」の紅葉
大和と伊勢を結ぶ初瀬街道を見下ろす初瀬山。西国三十三所巡礼の根本霊場ともいわれる観音信仰の聖地で、真言宗豊山派の総本山です。ご本尊の十一面観音は、日本最大の木造仏で高さ10メートル。右手に錫杖(しゃくじょう/修験者が持ち歩く杖)、左手に水瓶を持ち、台座に立つ姿は長谷寺式と呼ばれています。
初瀬山に立つ長谷寺は古くから「花の御寺」と称されるほど、四季を通じて多彩な花や紅葉が楽しめることで有名です。どこから見てもきれいですが、特におすすめは、国宝である本堂の外舞台からの景観。五重塔と紅葉に染まる境内の見事な競演を眺めることができます。見頃は11月中旬。
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長谷寺
- 住所 奈良県桜井市初瀬731-1
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最寄駅
近鉄大阪線「長谷寺」駅から徒歩15分
- 電話 0744-47-7001
入山時間:8:30~17:00(10・11・3月は9:00~、12~2月は9:00~16:30)
入山料金:500円
5:サクラの名所「吉野山」は、秋に紅葉の名所に
桜の名所として名高い吉野山。吉野山とは一つの山ではなく、紀伊半島を貫く大峯山脈の北端の青根ケ峰(標高約860メートル)から吉野川河岸までの約7キロメートルの尾根のこと。紅葉のシーズンには春の桜色とは対照的に、赤や黄、橙色に山全体が覆われ、見事な光景が楽しめます。
10月下旬から11月下旬にかけて、奥千本、上千本、中千本、下千本と分かれているエリアそれぞれが、山頂から麓へと徐々に色づいていく様子は、息をのむほどの美しさです。
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吉野山
- 住所 奈良県吉野郡吉野町吉野山2430
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最寄駅
近鉄吉野線「吉野」駅から吉野山ロープウェイで3分、吉野山駅下車すぐ(下千本)
電話番号:0746-32-1007(吉野山観光協会)
散策自由
6:紅葉の美しさから「錦の里」と呼ばれる「正暦寺」
正暦寺(しょうりゃくじ)は、一条天皇の命令を受け兼俊(けんしゅん)僧正(藤原兼家の子)によって創建された、奈良市郊外の山間にあるお寺。山内に3,000本を超えるカエデがあり、11月になるとそれらが順番に色づいて紅葉していきます。
木々の緑と黄色や赤の紅葉が織り交ざって、山内をあでやかに染める様が錦の色に見えることから、正暦寺は古来より「錦の里」と呼ばれてきました。また、秋から冬にかけては1,000株以上の南天が赤い実をつけ、参道を染めます。紅葉と並んで南天の実の色づきの素晴らしさは圧巻です。
本堂では、11月初旬から秋の特別公開として、秘仏 本尊薬師如来像のご開帳も行っています。福寿院から見渡す庭の景色も秋の絶景の一つです。
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正暦寺
- 住所 奈良県奈良市菩提山町157
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最寄駅
JR桜井線・近鉄天理線「天理」駅からタクシーで20分 ※紅葉シーズン(11月中旬~12月初旬)は、JR大和路線「奈良」駅、近鉄奈良線「近鉄奈良」駅から直通臨時バス運行
- 電話 0742-62-9569
拝観時間:9:00~16:00閉門(11月3日~12月第1日曜は~17:00閉門)
拝観料:500円(特別拝観時(春季4月18日~5月8日、秋季11月3日~ 12月第1日曜、12月22日)800円)
7:伽藍と紅葉との調和が美しい「室生寺」
室生寺(むろうじ)は、奈良時代、興福寺の僧・賢璟(けんきょう)が創建、その後空海が再建し、真言宗の道場としたといわれる山寺です。かつて、女人禁制だった高野山に対し、女性を受け入れた室生寺は「女人高野」と呼ばれ、女性の信仰を集めました。
室生寺は、数々の文化遺産ももちろんですが、大自然と調和して四季折々の表情をなす、伽藍(がらん/寺院の建物)の美しさは格別です。11月中旬から12月上旬が見頃の、紅葉の情景はひと際美しく、入口の太鼓橋から五重塔までの参道、金堂へ向かう鎧坂など見どころが多数あります。
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室生寺
- 住所 奈良県宇陀市室生78
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最寄駅
近鉄大阪線「室生口大野」駅から「室生寺前行」(室生線)で14分、終点下車徒歩5分
- 電話 0745-93-2003
拝観時間:拝観時間:8:30~17:00
※12/1~3/31は9:00~16:00
入山料:600円
8:全国紅葉100選に選ばれる名所「長岳寺」
山の辺の道に残る長岳寺(ちょうがくじ)は、淳和天皇の祈願により、空海が創建した古刹。12,000坪(約4ヘクタール)もの広大な境内には、四季折々の花が咲き、日本最古の鐘楼門など、多くの貴重な文化財があります。紅葉の美しさでも名高く、全国紅葉100選に選ばれています。ことに本堂縁側からの眺めがおすすめです。紅葉シーズンには、本堂に「大地獄絵」(奈良県指定文化財)が展示され、適時、住職による絵解き説法も行われます。見頃は11月中旬から下旬。
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長岳寺
- 住所 奈良県天理市柳本町508
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最寄駅
JR桜井線「柳本」駅から徒歩20分、近鉄天理線「天理」駅またはJR桜井線・近鉄大阪線「桜井」駅から62系統(天理~桜井)で14分、「柳本」または「上長岡」下車徒歩8分
- 電話 0743-66-1051
拝観時間:9:00~17:00
拝観料:400円
9:鮮やかな紅葉が山や境内を彩る「朝護孫子寺」
標高437mの信貴山中腹に位置する朝護孫子寺(ちょうごそんしじ)。信ずべき貴ぶべき山「信貴山」は聖徳太子の前に毘沙門天が日本で初めて出現した山で、聖徳太子を戦場に導いたとされています。
その出現が、寅年、寅日、寅刻だったことから、信貴山の毘沙門天は、寅にゆかりの深い神として信仰されています。寅はこの寺の守護神でシンボルとなっていて、境内の至る所で張り子の寅を見ることができ、特に「世界一の福寅」は見ごたえ抜群です。
秋になると、境内全域および周囲の山々の紅葉を楽しめます。約1,000本のモミジが山全体を紅や黄色に彩るさまは見事で、例年の見頃は11月上旬から12月上旬頃です。
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朝護孫子寺
- 住所 奈良県生駒郡平群町大字信貴山2280-1
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最寄駅
JR大和路線・近鉄生駒線「王寺」駅から「信貴山門」行きで約22分、「信貴大橋」下車徒歩5分
- 電話 0745-72-2277
時間:9:00~17:00(最終受付16:30)
料金:無料
10:ダイナミックな渓谷美が魅力の「みたらい渓谷」
みたらい渓谷は、大小様々な滝と巨大な岩との景観が見事。何よりも底まで透けて見えるエメラルドグリーンの水の流れが特徴で、遊歩道にあるつり橋の上から流れる川や滝を眺めることができます。
紅葉シーズンには更に色彩豊かになり、さまざまな種類のモミジやカエデが山頂から色づき始め、紅葉・滝・岩が組み合わさった、視界いっぱいのダイナミックな渓谷美を楽しむことができます。一番のおすすめスポットは、「みたらい遊歩道」道中にある、つり橋の上からの景観です。例年の見頃は11月中旬頃。
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みたらい渓谷
- 住所 奈良県吉野郡天川村大字北角
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最寄駅
近鉄吉野線「下市口駅」から「洞川温泉」または「中庵住」行きで約55分、「天川川合」下車徒歩45分
電話番号:0747-63-0999(天川村総合案内所)、0747-63-0321(天川村地域政策課)
散策自由
いかがでしたか。奈良市内から天川村まで、かなりの広域で奈良の紅葉スポットを紹介しました。古都ならではの古刹と紅葉のコラボレーションが見事なのも奈良の紅葉の特徴です。ライトアップイベントなどは、事前に確認して紅葉を心ゆくまで楽しんでくださいね。
※ この情報は2020年初掲出のものを2024年8月に更新したものです。最新の情報は公式サイト等をご確認ください。
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