
日本に旅行する際のファーストステップが空港での手続き。海外から日本に入る際には、様々な検査や手続きが必要です。入国に際して、以前は所定の用紙に記入し提出する形でしたが、入国手続オンラインサービス「Visit Japan Web」の利用が推進されています。そこで、当記事では、日本への入国・日本からの出国に必要な事前準備や空港での手続きについて詳しく解説していきます。
TOP画像:PIXTA
日本到着~入国編

日本に到着して飛行機を降りてからの流れは、基本的に、「検疫→入国審査→手荷物の受け取り→植物・動物検疫→税関手続き→到着ロビー」です(順番は、空港によって前後することがあります)。以下では、「日本入国前に行っておくべきこと」や「日本入国時に行うこと」などについて説明します。
日本入国前に行っておくこと:
■その1■渡航条件の確認を
各国の出入国の条件はさまざまです。そのため、日本入国に際し、ビザが必要な国なのかどうか、有効期限に問題ないかなどは、必ず調べておきましょう。また、こうした渡航条件は、渡航する直前に変わる可能性があります。日本入国直前の最新情報、自分の国の出入国条件については、自分のパスポートの国および入国先である日本大使館、領事館などを定期的にチェックしておくことが重要です。
査証(ビザ)に関しては、通常、観光・商用・親族訪問等を目的とした90日以内の滞在であれば、以下のような規定があります。
・査証免除対象者・国・地域・国籍の方‥査証免除
・UAE・英国・シンガポール・台湾など一部の国の方の観光目的での滞在‥「JAPAN eVISA」が必要
・それ以外…「短期滞在査証」が必要
「JAPAN eVISA」については、公式サイトを通じてオンライン申請を行い、電子ビザの交付を受けることができます。また、就労・長期滞在の場合は、目的にあわせた査証の取得が必要とされています。
■その2■オンラインサービス「Visit Japan Webサービス」の事前登録・準備
入国手続きをするにあたり、オンラインサービス「Visit Japan Webサービス」の利用が推奨されています。入国審査や税関申告(携帯品・別送品申告)をWebからスムーズに登録・申請できるサービスです。入国手続に必要な情報の登録は、パソコンからできますが、入国手続時の二次元コードの提示は、スマートフォンやタブレットが必要です。
以前は、利用できる空港が限られていましたが、2025年3月現在、国際定期便が就航しているすべての空港の入国審査及び税関申告で利用可能です。ただし、港では利用できないため、クルーズなどで日本を訪れる場合は、紙面による手続を行ってください。
「Visit Japan Webサービス」の利用の手順
■1 「Visit Japan Webサービス」新規アカウントの作成・ログイン
利用にあたっては公式サイトを開き、「新規アカウント作成」へ。利用規約、プライバシーポリシーに同意したのち、メールアドレスと希望するパスワードを入力しましょう。その後、入力したメールアドレスに6桁の認証コードが送られてきます。そのコードを入力し、次へ進みましょう。
■2 利用者の登録
先ほど登録したメールアドレス、パスワードをもう一度入力し、「利用者を登録」から「本人の情報」を選び、以下を行います。
・入国・帰国手続きの区分の登録
・パスポート情報の登録
・日本での連絡先(滞在先)の登録
■3 入国の予定を登録
航空会社名、便名、滞在先・ホテル名などを記入します。
・旅行代理店の登録情報から引用する方法
・ビザを取得いている人は、ビザ申請時の情報を引用する方法
・登録済みの入国・帰国情報から過去に登録した情報を引用する方法
上記が利用できない場合は「利用せずに登録を進める」を選択。旅行名、日本への到着予定日、航空会社名、便番号、搭乗機名、出発地などを入力します。「旅行名」は自由に入力できるので、行き先・日程などをわかりやすく入力しておきましょう。
■4 入国手続きの情報登録
・検疫(健康状態の確認)
「現在、体調に異常はありますか」といった健康状態に関する質問に、はいかいいえで回答しましょう。
・入国審査及び税関申告
職業、現住所、入国日、搭乗機名、出発地、日本での連絡先、渡航目的、日本での滞在予定期間などを入力します。
必要な情報を登録しておくと、入管および税関で電子申告を利用できます。QRコードは、入国審査カウンター、電子申告端末もしくは検査台で提示をしてください。
※日本人と再入国の方は、入国審査(外国人入国記録)の登録は不要です。税関申告(携帯品・別送品申告)のみ登録しましょう。
日本入国時に行うこと:

空港に到着してから、どのような手続きを経て到着口にたどりつけるのか、順を追って説明します。
■その1■検疫

感染症の病原体が新たな地域へ侵入したり、感染症がまん延したりするのを防止するため、検査を行う「検疫」。国籍問わず、日本に入国・帰国する全ての人に対して検疫を行います。
「Visit Japan Web」上では、先に述べた通り、「検疫(健康状態確認)」から「健康状態」などについての質問へ回答しましょう。「Visit Japan Web」を利用しない場合は、機内で検疫所からの質問票が配布されます。必要事項を記入して検疫カウンターに提出してください。
■その2■入国審査
入国審査カウンターで、「Visit Japan Web」の手続き画面から、二次元コードを表示しましょう。二次元コードは、入国審査では、入国審査カウンターで、税関申告では電子申告端末または検査台で利用できます。電子申告端末での申告後は、電子申告デートを利用できます。
■その3■手荷物の受け取り
ターンテーブルで預けた荷物を引き取ります。手荷物引換証を確認し、荷物の取り違えがないよう注意しましょう。
■その4■植物・動物検疫
植物・動物検疫では、海外から持ち込まれる動・植物、食品に感染症や病害虫、有害な物質などが含まれていないかをチェックします。肉製品や植物は輸入規制があり、個人が手荷物として持ち込む場合でも対象となります。ジャーキー・干肉、ハム・生ハム、ソーセージ・サラミなども対象です。また、オーストラリアやニュージーランド等では、日本向けに検査証明書を添付して販売しているものがあります。
【参考】
持ち込みNGとされている主なもの例
・偽ブランド品、コピー品
・肉製品、動物由来の製品
・違法薬物
・ワシントン条約で保護されている動植物 など
詳細は以下の公式サイトを参照ください。
■その5■税関手続き
税関検査場では、海外から日本に入国する人全員に対して、輸入が禁止・規制されている物品を持ち込んでいないかどうか、申告が必要な範囲の額の現金等がないか、持ち込む携帯品が免税の範囲内かどうかを確認します。
「Visit Japan Web」を利用する場合は、税関検査場内の電子申告端末で、QRコードとパスポートを読み取ります。免税の範囲を超えておらず、申告不要の場合は、電子申告ゲートへ。免税の範囲を超えている、税関での手続きが必要な場合は、有人の検査台へ。また、「Visit Japan Web」を利用しない場合も、携帯品・別送品申告書(紙)に記入し有人の検査台へ行き、提示しましょう。
【参考】免税範囲(1名あたり)
酒類3本、たばこ:葉巻たばこのみの場合、50本、紙巻たばこのみの場合、200本、加熱式たばこのみの場合、個装等10個、香水2オンスなど。
■その6■到着ロビー
到着ロビーへ。目的地へ向かいましょう。
■番外編■日本滞在中の免税購入について

外国籍の方で在留資格が「短期滞在」「外交」「公用」の人は、「Visit Japan Web」にある免税購入機能を利用可能です。予め「Visit Japan Web」で登録をすると、パスポートを店員に提示する必要がなく、免税QRコードを表示し読み取ってもらうことで買い物ができるという便利なシステムです。
「ホーム画面」の「免税手続の準備」をクリックし、「免税手続の準備画面」へ進みます。「免税QRコードの生成」をクリックし、免税QRコード情報を登録しましょう。
日本出国編

日本出国の流れは、「航空会社のカウンターでチェックイン→保安検査→税関検査→出国審査→搭乗ゲート」が一連の流れです。
日本からの出国時に「Visit Japan Web」を利用した手続はありません。
日本出国前に行っておくこと:
自国の入国条件の確認を
出入国のルールや条件、必要書類は急に変更されることがあり、国ごとにも違います。入国時と同様、日本を出国する前には、再度、必ず自国の入国手続きの最新情報を確認するようにしましょう。
日本出国時に行うこと:
■その1■航空会社のカウンターでチェックイン
各航空会社のカウンターでチェックイン(無人の場合もあり)を行い、あわせて荷物を預ける手続きを行います。機内に持ち込める手荷物にはルールがあるので事前に確認しておき、機内へ持ち込みできないものは預ける荷物の中に入れておくなどの準備が必要です。
また、搭乗手続きには、顔認証技術を使った「Face Express」が便利。利用できる航空会社・航空便は限られていますが、利用すると、チェックイン・手荷物預け、保安検査場、搭乗ゲートで、搭乗券やパスポートを提示することなく「顔パス」で通過または手続きできるようになります。
■その2■保安検査
上着、携帯電話、パソコン、貴金属、カバン等はトレイに載せてX線検査装置へ。その後、金属探知機ゲートを進みましょう。液体物を手荷物として客室内に持ち込む際は、100ミリリットル以下の容器に入れ、それらを容量1リットル以下の透明ジッパー付きプラスチック製袋に余裕を持って入れる必要があります(袋の数は1人一つまで)。
特に液体物に関しては、100ミリリットル以下の容器に入れ、容量1リットル以下の透明プラスチック製袋に入る量を1人1つまでとされています。
■その3■税関審査
出国時も税関手続きが必要です。
外国製品を持出しされる方、100万円相当額の現金を持出しされる方などは、指定の様式に必要事項を記入して税関に提出することにより手続を行ってください。
免税購入した商品がある場合は、税関でパスポートと購入物品を提示する必要があります。スーツケースなどに入れて「機内預け」にする場合は、航空会社に預け入れる前に、税関の確認を受ける必要があります。
。
■その4■出国審査
パスポートと航空券を見せ、出国審査を行います。日本人及びICパスポートを所有しており、「短期滞在」の許可を受けている外国人の方は顔認証ゲートを利用できます。
また出国審査が終わり、搭乗まで時間があるようなら、免税店で買い物をしたり、レストランで一休みをするなど自由に過ごしましょう
■その5■搭乗ゲート
所定の搭乗ゲートへ。搭乗ゲートへは、出発時刻の10分前までに到着するようにしましょう。
空港到着、出発時の荷物発送サービス

空港には荷物配送サービスカウンターが設置されており、荷物を送ることができます。日本到着時には空港から宿泊先へ、時間によってはその日のうちに配送することも可能です。配送する際には、宿泊先が受け取り可能かどうかは確認しておきましょう。
また、日本出発時にも宿泊先から空港へあらかじめ荷物を送ることができるので、大きな荷物を持たずに空港に行きたい場合には便利です。出発日に合わせて、何日前までに送ればよいかは配送会社によって異なります。また出発便の時間に合わせた受け取り時間もあわせてチェックしておきましょう。
各主要空港からの交通手段

以下に日本の主要空港で便利な交通手段をいくつかまとめています。空港から各観光地にアクセスする方法を知りたい方はぜひ参考にしてください。
空港の手続きは予告なく変更するため、公的な最新情報チェックはマスト!
空港での手続きや出入国の条件は、事前の予告なく急遽変更されることがあります。そのため、自国と日本の出入国条件について、渡航の直前に大使館、領事館などの公的な機関のサイト等で確認するようにしてください。
※ この情報は2022年11月初掲出の内容を2025年3月に更新したものです。最新の情報は公式サイト等をご確認ください。
約20年、旅行ガイドの編集・出版に携わってきた日本人トラベルライター。大学卒業後、出版社にて約10年、旅行ガイドの編集・出版に従事。パリ、台湾、などの海外取材、国内は北海道、九州などの取材も数多くこなす。その後、中国・広州に2年ほど駐在妻として暮らし、現地メディアにて経済・旅行ガイド記事で執筆等を担当。帰国後は、ウェブメディアにて編集・執筆を経験。インバウンド、アウトバウンド両方の旅行ガイドの記事制作に携わってきたことが強み。中国政府認定の中国語能力試験HSK6級(最高級)、実用フランス語技能検定試験準1級、英語検定準1級取得。
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