関西国際空港は、1994年 9月4日に大阪湾内泉州沖5kmの埋立地に開港された日本初の海上空港です。通称・略称で「関空(かんくう)」または空港コードKIXから「キックス」と呼ばれています。大阪国際空港、神戸空港とともに関西の玄関口でもありますが、今では国際線の旅客数と着陸回数では成田国際空港に次ぐ国内第2位の国際拠点空港(ハブ空港)として位置づけられています。2018年度は約2,300万人もの訪日客が関空を利用しました。

関西国際空港には、JRと南海電鉄が乗り入れているほか、高速道路と直結しているので、タクシーやレンタカーでの移動もしやすく、関西各地の主要駅へはリムジンバス路線網が形成されています。

関空から京都市内への移動には、時間に正確でリーズナブルな電車がおすすめです。JRと南海電鉄のいずれも快速・急行と、特急が運行しています。行き先や乗り換え、時間や料金も考慮して選びましょう。

●JR・・・午前5時台～23時台まで1時間に4～5便が運行。快速は京橋行、特急はるかは京都行または米原行(特急は乗車券と特急券が必要です)。
※特急はるかの往復割引きっぷや遠くまで行かれる方は特急はるかと新幹線がセットになったお得なチケットもあります

●南海電鉄・・・午前5時台～23時台まで1時間に5～6便が運行。急行も特急ラピートも全て南海なんば行(ラピートは全席指定、乗車券と指定席特急券が必要)。
※特急ラピートを利用し、難波で他の電車へ乗り換えをする方は、行き先によりお得なセット割引プランもあります

到着口から関西空港駅までの経路を説明しましょう。第1ターミナル1階の到着口からは、エスカレーターかエレベーターで2階へ上がり、2階フロアの出口を出て連絡通路を渡った先に関西空港駅があります。

JRと南海電鉄ののりばがある関西空港駅は、第１ターミナルビル2Fの連絡通路と接続しています。

こちらが関西空港駅の中です。JR、南海電鉄それぞれのチケット売り場があるので、間違えないようにしましょう。JRはブルー、南海電鉄はオレンジ色を基調としています。快速や急行の場合、乗車券はそれぞれの鉄道会社の券売機で購入できます。

JR、南海電鉄ともに自動券売機は、言語切り替え画面を操作することにより、４カ国語（英語、中国語、韓国語、日本語）に対応できるようになっています。

特急券や指定席券(乗車券とは別料金)が必要な場合は、それぞれのチケットインフォメーションで購入されることをおすすめします。

JRのチケットオフィスでは、英語、中国語、韓国語、日本語を話せるスタッフが対応しています。南海電鉄のチケットインフォメーションでは、日本語、英語以外のお客様にも対応できるように携帯通訳機が導入されていて、74言語に対応できるようになっています。

乗車の際もJRと南海電鉄の改札が隣同士なので、間違えないようにしましょう。

◇関西空港から京都駅へ
●JR関空快速を利用
所要時間：大阪駅まで約71分、京都線新快速へ乗換え約29分(乗車券1,780円)
●JR特急はるかを利用
所要時間：約80分(乗車券1,910円+自由席特急券990円or指定席特急券（通常期）1,520円、（閑散期）1,320円)

◇関西空港からなんば経由で京都方面へ
●南海急行を利用
なんばまで　所要時間：約43分(乗車券930円)
●特急ラピートを利用
なんばまで　所要時間：ラピートα 約34分/ ラピートβ 約39分（乗車券930円+全席指定特急券520円）

なんばから京都方面へは、Osaka Metoro淀屋橋駅(約6分・180円)～京阪で祇園四条駅(約47分・420円)、またはOsaka Metoro梅田駅(約8分・230円)～阪急で京都河原町駅(約43分・400円)。

空港に降り立ち、いざ目的地へという時に、大きなスーツケースを持って移動するのは大変です。そんな時に荷物を預けて、楽々と移動できるのがリムジンバス。関西国際空港から主要駅へは多くの便が出ています。

ただし、交通渋滞等の道路状況により、多少時間がかかることもあるので、時間的に余裕のある方におすすめです。

到着口からバスのりばまでの経路を説明します。

バスのりばは、第１ターミナル到着の方は同じ1階フロア正面の出口を出てすぐのところに、第2ターミナル到着の方は、正面出口を出て横断歩道を渡った向かい側に各方面行きのバスのりばがあります。

チケットはバスのりば付近に設置された券売機で購入することができます。券売機は日本語と英語に対応しています。

到着口と同じフロアにリムジンバスのチケットカウンターもあるので、バス移動を決めている方は、こちらで購入するのも一つの方法です。こちらのチケットカウンターでは、常時日本語と英語での対応が可能。また不定期ですが、中国語、韓国語で対応できるスタッフもいます。

◇関空からのリムジンバス
●関西空港(第1ターミナル 8番のりば)発⇒京都駅八条口行
午前6時台から23時台まで1日49便、特に午前9時台～22時台まで1時間に3便が運行。（※2022年10月現在、減便中）。
所要時間：約85分～90分(第2ターミナル2番のりば発 約100分～105分)料金：大人2,600円　小児1,300円

お金や時間に余裕があり、さらに楽に大阪まで移動したい！という方にはタクシーもおすすめ。空港送迎タクシーを使えば、目的地まで定額運賃で利用可能。ほかの交通手段と比べると割高なイメージですが、一台当たりの料金で利用できるため、乗車人数で割るとお得になります。バス乗り場までのルートは以下。

第1ターミナルのタクシーのりばは、到着口正面の出口を出てすぐのリムジンバスレーンの横断歩道を渡った先の車道レーンにあり、1～7番にタクシーが待機しています。

3番が予約していないタクシー、1番と7番が予約しているタクシーの乗り場となっています。行き先や人数、荷物の量などによって適切なタクシーを選びましょう。料金が高くなりますが、3～4人で利用すれば、あまり気にならないかもしれません。

◇空港送迎タクシー（※高速・お迎え利用時は別途料金）
●京都駅まで…普通車（定員4名）：16,200円　　ミニバン（定員6名）：17,200円　　アルファード(定員6名)・BMW(定員4名)：18,200円　　ジャンボ（定員9名）：21,700円

広い関西を自由気ままに周遊した方はレンタカーを利用するのも手。レンタカー受付までの経路は以下。

レンタカー店は第1ターミナルビルや関西空港駅と連絡通路で結ばれた複合施設のAEROPLAZA(エアロプラザ)1階に並んでいます。

受付カウンターまでは、第1ターミナルビルの2階の連絡通路から徒歩3分程度。第2ターミナルビルからは無料シャトルバスで約7分程度です。

小さな子どもや高齢者をお連れの方、または遠くまでゆっくり足をのばして観光したいという方にはおすすめですが、日本の道路の複雑さや交通渋滞には十分注意しましょう。

※関西空港から京都駅周辺まで　所要時間：約1時間30分

関空からのアクセスがわかったところで、いよいよ観光に出発しましょう！　おすすめのスポットをピックアップしご紹介します。

■清水寺界隈
京都といえば、大定番の清水寺。国宝の本堂・舞台と仁王門は必見。また清水寺の中には、縁結びや開運にご利益のある地主神社があり、清水寺への参拝経路でもある石畳の二寧坂と産寧坂には、甘味やお土産、民芸品などのお店が町家のまま残されており、ゆっくり散策を楽しむには最適のスポットです。清水寺界隈へは、JR特急はるかと京都市営バスを乗り継いで訪れましょう。

関西空港駅(JR特急はるか京都行約80分・1,910円+自由席990円)→京都駅(徒歩約5分)→京都駅前京都市営バス206号(D2のりば)約16分・230円)→清水道降車(徒歩約12分)→清水寺

■嵐山渡月橋界隈
平安時代に法輪寺への参拝経路として架けられたという渡月橋。周辺には、雲龍図で有名な美しい庭園のある天龍寺や400mに渡り続いている竹林の道、また、その途中には源氏物語にも登場する野宮神社などがあり、見どころ満載です。嵐山へはJR特急はるかとJR嵯峨野線で向かいましょう。

関西空港駅(JR特急はるか京都行約80分・1,910円+自由席990円)→京都駅(JR嵯峨野線亀岡行約17分、240円)→嵯峨嵐山駅(徒歩約13分)→嵐山・渡月橋

■貴船神社界隈
京都の奥座敷と言われる貴船には、縁結びで有名な貴船神社があります。参道には、真っ赤な灯篭が並ぶ美しい神社です。また貴船川沿いに建ち並ぶ料理旅館では、5～9月には風流な川床が設置され、清らかな水の流れる川の上で美味しいお料理がいただけます。近くの鞍馬寺はパワースポットとして有名です。

貴船は京都市街から少し離れた場所にあり、JR特急はるか、京都市営地下鉄、京都バス、叡山電鉄などを乗り継いで訪れてみましょう。

関西空港駅(JR特急はるか京都行約80分・1,910円+自由席990円)→京都市営地下鉄京都駅(烏丸線国際会館行約20分・290円)→国際会館駅(徒歩約6分)→国際会館駅前バス停京都バス40(2のりば)または　京都バス52(3のりば)約3分・230円)→一条山下車(徒歩約6分)→叡山電鉄木野駅(鞍馬線鞍馬行約13分・340円)→貴船口駅(徒歩約3分)→貴船口駅前バス停(京都バス33　約4分・170)→貴船(徒歩約6分)→貴船神社

■平等院鳳凰堂界隈(宇治)
国宝の平等院鳳凰堂は、10円硬貨にもデザインされている平安王朝時代に創建された華麗で美しい寺院。屋根には金色の鳳凰を戴き、建物そのものも鳥が翼をひろげたような形をしているので、鳳凰堂と呼ばれています。宇治はお茶の一大産地でもあり、本格的な抹茶スイーツをいただけるお店もたくさんあります。宇治へはJRを乗り継いで向かいましょう。

関西空港駅(JR特急はるか京都行約80分・1,910円+自由席990円)→京都駅(JR奈良線奈良行約27分)→宇治駅(徒歩約11分)→平等院

■大山崎山荘界隈(山崎)
京都の南西に位置する大山崎町は自然と水の美しい町。実業家・加賀正太郎の別荘を本館として、安藤忠雄建築の地中館と山手館の3館からなるアサヒビール大山崎山荘美術館があり、初代社長がコレクションしたモネの「睡蓮」などの西洋絵画や様々な美術品を見ることができます、大山崎にはJRを乗り継いで行きましょう。

関西空港駅(JR特急はるか京都行約51分・1,390円+自由席990円)→新大阪駅(JR京都線快速野洲行約22分)→山崎駅(徒歩約10分)→アサヒビール大山崎山荘美術館

■天橋立(宮津)
京都府北部、日本海の宮津湾にある「天橋立」は日本三景の一つとして知られる名勝です。全長3.6Kmの細長い砂浜に約5,000本の松が茂っていて、青い海にその地形が天に架かる橋のように見えることから「天橋立」と呼ばれています。南側にある文珠山の山頂にはビューランドという展望所があり、美しい天橋立を一望できます。天橋立にはJR特急はるかと特急はしだてを乗り継いで行きましょう。

関西空港駅(JR特急はるか京都行約80分・1,910円+自由席990円)→京都駅(JR特急はしだて豊岡行約127分+自由席2,320円)→天橋立駅(徒歩約8分)→天橋立

旅先でどんな交通手段を使うかは、一緒に旅をするメンバー構成や年齢、スケジュール、荷物の量、何度目の旅行なのかによっても変わってきます。今回ご紹介したアクセスは、できるだけ乗り換えが少なく費用をかけずに移動する方法です。　初めて日本に来る人にも、役立てていただけると幸いです。どうぞ、よい旅をなさってくださいね。

何日間か関西エリアに滞在するなら、以下のリンクもご参考にしてみてください。

Text by:株式会社ウエストプラン

※本記事は掲載時の情報を2022年10月に再編集しています。最新の情報は各店舗・施設の公式サイトをご確認ください。