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地鶏って何が違うの?知っておきたい鶏肉基礎知識とおすすめ10選

地鶏って何が違うの?知っておきたい鶏肉基礎知識とおすすめ10選

公開日: 2021/04/05

日本には、スーパーマーケットなどでリーズナブルに手に入れやすい鶏肉以外に、高級で味わい深い「地鶏」と呼ばれる鶏肉があります。地鶏の中でもとくに有名なのが「比内(ひない)地鶏」「名古屋コーチン」「さつま地鶏」で、日本三大地鶏と呼ばれています。ここでは、日本での鶏肉の部位の名称などの基礎知識と、日本三大地鶏をはじめ数ある地鶏の中から10種類を料理メニューと共にご紹介します。

目次
  1. 日本の「地鶏」とは
  2. 鶏肉の部分名と特徴
  3. 一度は食べたい!日本各地のおすすめ地鶏10選
  4. 1.比内地鶏(ひないじどり)
  5. 2.名古屋コーチン
  6. 3.さつま地鶏
  7. 4.奥久慈(おくくじしゃも)しゃも
  8. 5.彩の国地鶏(さいのくにじどり)タマシャモ
  9. 6.駿河(するが)シャモ
  10. 7.ひょうご味どり
  11. 8.阿波尾鶏(あわおどり)
  12. 9.はかた地どり
  13. 10.みやざき地頭鶏(じとっこ)

日本の「地鶏」とは

日本の「地鶏」とは

地鶏は、一般的に流通している若どり(ブロイラーともいう)や銘柄鶏(めいがらどり/若どりの味や風味などを改良したもので値段が高めで希少価値があるといわれている)とは異なり、それぞれ地域ごとに個別に名称がつけられ出荷されています。

地鶏の定義は、明治時代(1868~1912年)までに日本で定着した38種類の在来種の血統が50%以上入ったものである(出生の証明ができる)こと。尚且つ飼育の条件として、期間はふ化日から75日以上、飼育方法としてふ化28日以降は自由に地面を歩き回れる環境(1平方メートル当たり10羽以下)であること。と、日本農林規格で定められています。細かな条件で育てられるため、歯ごたえのある肉質や特色のある味になるのです。

また、鶏肉には、牛肉や豚肉のように格付けはありません。なぜなら、牛の飼育は約14~20カ月、豚の飼育は約6カ月かかるのに比べ飼育日数が短かく、特に若どりでは歴然とした差が出ないので格付けができないと言われています。

しかし、階級はないものの、鶏肉は、出荷までの日数などにより、品種として大きく3種類に分けられています。
「若どり(生後7~8週間で出荷)」「銘柄鶏」そして「地鶏」です。条件の厳しい地鶏の流通率は日本全体のわずか1%で、高級食材として扱われています。

鶏肉の部分名と特徴

鶏肉の部分名と特徴
イラスト:honokaki design

地鶏をはじめとする鶏肉は、部位によって食感や料理方法もさまざまです。ここでは、イラストの番号順に部分名と特徴をお伝えしましょう。焼き鳥を提供する店などは、部位名でオーダーする場合もあるので、覚えておくと便利です。

1.皮
脂肪が多く高カロリーでコラーゲンを多く含む部位。濃厚な旨みが人気です。じっくり焼くと余分な脂肪が落とされ香ばしさも加わります。

2.ムネ肉
脂肪が少なくタンパク質が多い部位。肉質はやわらかくあっさりした味なので、焼き物や揚げ物、蒸し物に向いています。

3.ササミ
ムネの中にありタンパク質が最も多い部位です。脂肪が少なくムネよりも更に淡白な味です。他の食材となじみやすいサラダや和え物、蒸し料理に向いています。

4.ヤゲン軟骨
胸骨の先にある軟らかい骨のことで、低カロリーでカルシウムが豊富です。食感は軟らかく嚙むごとに旨みが出ます。提供するお店によっては「カッパ」などと呼ばれることもあり、塩焼きや焼き鳥で出されることが多いです。

5.ハラミ
内臓を囲む筋肉でタンパク質が豊富です。あっさりした味わいと歯切れのよい食感で、提供するお店によっては「鶏サガリ」などと呼ばれることもあります。炒め物に向いています。

6.ヒザ軟骨
膝関節の部分でヤゲン軟骨同様に低カロリーでカルシウムが豊富ですが、ヤゲン軟骨よりも小さくやや硬めで、提供するお店によっては「ゲンコツ」などと呼ばれることもあります。素材を楽しむ塩焼きに向いています。

7.モモ
タンパク質や脂肪・鉄分が多い部位。肉質は筋肉質でやや硬めですが旨みがあります。骨付きは煮込み料理に向いています。ただし、若どりのモモは地鶏と比較すると柔らかいので「から揚げ(下味をつけ鶏肉に小麦粉や片栗粉をまぶして油で揚げたもの)」に利用されることが多いです。

8.レバー
ビタミンAや鉄分を多く含む肝臓の部位。血が多い部分なので臭みがありますが食感は非常に柔らかいです。牛乳に漬けるといった下処理をしてから焼いたり炒めたりします。

9.砂肝
胃の筋肉で高たんぱくな部位。内臓ですがレバーほどクセはなくコリコリとした食感が特徴です。焼き物や揚げ物に向いています。

10.ハツ
心臓のことで、英語の「Hearts」が語源となっています。コクがありますがクセがないので食べやすい部位で、カロリーが高く鉄分が豊富に含まれています。お店によっては「こころ」とよばれることもあり、焼き物や焼き鳥に向いています。

11.ボンジリ
尻尾の付け根にある部位で、脂が多くプリプリとした食感を楽しめます。焼き物でいただくことが多いですが、酢の物(酢・醤油・みりんなどで和えたもの)にも向いています。

12.手羽元(てばもと)
翼の元で脂肪やゼラチン質を多く含む部位。肉と皮を一緒に味わえます。骨付きなので煮物やスープに向いています。

13.手羽中(てばなか)
翼の中央で手羽元と同様に脂質やゼラチンを多く含みます。揚げ物や煮込み料理、スープに用いられることが多いです。

14.手羽先(てばさき)
翼の先で手羽元と同様に脂質やゼラチン質を多く含む部位で、手羽元よりも皮部分を多く味わえます。スープにも向いていますが焼き物や揚げ物で利用されることが多いです。

15.セセリ
首周りの肉のことで、一般的には「小肉(こにく)」と呼ばれており、低カロリーでコラーゲンが豊富です。弾力があり噛むほどに旨みが広がります。炒め物で多く用いられます。

一度は食べたい!日本各地のおすすめ地鶏10選

ここからは、数ある地鶏のなかから是非日本を訪れた際には食べてみて欲しい地鶏を、おすすめメニューとともにご紹介します。

1.比内地鶏(ひないじどり)

1.比内地鶏(ひないじどり)
きりたんぽ鍋 ※写真はイメージです

【在来種の血統】雄:比内地鶏、雌:ロードアイランドレッド
【基準】日本三大地鶏の一つ。出荷は平均170日で、生後60日以降は比内地鶏専用飼料を与えたもの。
【飼育エリア】秋田県北秋田市
【肉質・味の特徴】赤みが強く適度な歯ごたえがあり、味はキジやヤマドリと似た風味で噛みしめるほどに旨みが出ます。
【おすすめメニュー】きりたんぽなど
「きりたんぽ」は、鶏ガラから取ったダシに醤油・酒・みりんなどを加えたスープで地鶏や地元の野菜、きりたんぽ(木の棒にご飯をすりつぶしたものを巻き付けて焼いたもの)を入れて煮込んだ、秋田県を代表する郷土料理です。地鶏をはじめとする具材を口に含むと旨みが一気に広がるごちそうです。

2.名古屋コーチン

2.名古屋コーチン
親子丼 ※写真はイメージです

【在来種の血統】雄:名古屋種、雌:名古屋種
【基準】日本三大地鶏の一つ。出荷は平均125日で、専用飼料で育てた在来種「名古屋コーチン」100%の地鶏。
【飼育エリア】愛知県
【肉質・味の特徴】弾力に富み歯ごたえがあり、昔ながらの「かしわ肉(日本在来種の茶色のにわとりの肉のこと)」の味が楽しめます。卵をよく産むことでも知られており、小ぶりながら滑らかで濃厚な卵もおいしいと評判です。
【おすすめメニュー】親子丼など
「親子丼」は、「おやこどん」や「おやこどんぶり」と読みます。鶏肉と鶏卵(親子)を使ってどんぶり(一般的な茶碗より2回りほど大きな器)に盛りつけられるので親子丼と呼ばれます。醬油ベースの少し甘めのダシで煮た地鶏(又は鶏肉)に溶き卵でとじた(溶き卵が半熟状になるよう煮る)具材をダシごと温かいご飯の上に乗せます。地鶏の歯ごたえと濃厚で滑らかな卵とダシ、ご飯のハーモニーが絶品の一品です。

3.さつま地鶏

3.さつま地鶏
鶏刺し ※写真はイメージです

【在来種の血統】雄:さつま地鶏(薩摩鶏×ロードアイランドレッド)、雌:さつま地鶏(薩摩鶏×ロードアイランドレッド)
【基準】日本三大地鶏の一つ。出荷は平均135日。天然記念物の薩摩鶏とロードアイランドレッドの交雑鶏を12世代にわたり交配を繰り返して生まれた地鶏。
【飼育エリア】鹿児島県
【肉質・味の特徴】赤みが強く、柔らかさの中にも適度な歯ごたえがあり、コクのある旨みが楽しめます。
【おすすめメニュー】鶏刺しなど
「鶏刺し」は、刺身用の鶏肉の外側を少しあぶった後、薄く削ぎ切りにして薬味(ショウガ・ニンニク・ネギなど)と共に醤油につけて食べます。モモ・ムネ・ササミなどの部位が1つの皿に盛られていることが多く、1度にそれぞれの味や食感が楽しめます。

4.奥久慈(おくくじしゃも)しゃも

4.奥久慈(おくくじしゃも)しゃも
※写真はイメージです

【在来種の血統】雄:シャモ、雌:名古屋種×ロードアイランドレッド
【基準】茨城県北部・奥久慈の自然の中育てられた地鶏。出荷は平均140日。奥久慈しゃも専用飼料で育てられています。
【飼育エリア】茨城県(久慈郡太子町、常陸太田市、常陸大宮市、那珂市、高萩市)
【肉質・味の特徴】肉質の締りがよく低脂肪でヘルシー、肉の旨みが濃く料理人から指定買いされるほどです。
【おすすめメニュー】しゃもなべなど
「しゃもなべ」は、シャモ肉が入った料理を指します。シャモ肉の味を楽しむためにダシはシンプルで、水・醤油・酒・みりんのみということが多いです。シャモ肉は脂肪が少ないのでシャキシャキとした歯ごたえですが、嚙むごとに旨みが広がります。シャモから出たダシを吸った野菜もとてもおいしくいただけます。

5.彩の国地鶏(さいのくにじどり)タマシャモ

5.彩の国地鶏(さいのくにじどり)タマシャモ
網焼きグリル ※写真はイメージです

【在来種の血統】雄:大和シャモ×ニューハンプシャー×大シャモ(雄)、雌:タマシャモ原種(雄)×ロードアイランドレッド(雌)
【基準】出荷は平均180日。大和シャモ、大シャモ、ニューハンプシャーを掛け合わせており、飼料には納豆菌も配合しています。
【飼育エリア】埼玉県(坂戸市、深谷氏、川越市、秩父市)
【肉質・味の特徴】保水性がありジューシーな肉質で、ぷりぷりとした歯ごたえでコクがあります。
【おすすめメニュー】網焼きグリルなど

6.駿河(するが)シャモ

6.駿河(するが)シャモ
※写真はイメージです

【在来種の血統】雄:基礎鶏×(雄:ロードアイランドレッド×雌:横斑プリマスロック)、雌:基礎鶏(雌)×白色ロック(雄)
※基礎鶏:雄<(雄:シャモ×雌:名古屋)×(雄:シャモ×雌:土佐九斤/とさくきん)>×<(雄:シャモ×雌:横斑プリマスロック)×(雄:シャモ×雌:比内鶏)>
【基準】出荷は平均130日。県の特産品のお茶や柿酢、竹酢液(ちくさくえき/竹炭を作る際の排気ガスを冷却して液化させたもの)などの天然素材を飼料に加えています。
【飼育エリア】静岡県(静岡市、富士宮市、掛川市)
【肉質・味の特徴】低脂肪で絶妙な歯ごたえ、鶏本来の旨みが広がります。
【おすすめメニュー】駿河シャモなど
「駿河シャモ」は、駿河シャモ肉と沢山の野菜が入った料理です。薄味のダシとごぼうのササガキ(包丁で削るように薄く切ること)が駿河シャモ肉の味を引き立てます。シャキシャキとした歯ごたえと嚙むごとに広がる旨みが絶品です。

7.ひょうご味どり

7.ひょうご味どり
焼き鳥 ※写真はイメージです

【在来種の血統】雄:薩摩鶏(雄)×名古屋種(雌)または白色プリマスロック、雌:白色プリマスロックまたは薩摩鶏(雄)×名古屋種(雌)
【基準】出荷は平均100日。播州(ばんしゅう/兵庫県南西部)の豊かな自然の中で飼育され、酒米(日本酒用のコメ)・山田錦を混ぜた飼料で育てられています。
【飼育エリア】兵庫県姫路市、三田市、篠山市ほか)
【肉質・味の特徴】キメが細かく締りがあり適度な歯ごたえで、日本系鶏本来の旨みがありコクのある味わい。
【おすすめメニュー】焼き鳥など

8.阿波尾鶏(あわおどり)

8.阿波尾鶏(あわおどり)
から揚げ ※写真はイメージです

【在来種の血統】雄:軍鶏、雌:ホワイトプリマスロック
【基準】徳島の阿波地鶏に若どり専用種を交雑して作られた地鶏。出荷は平均82日。徳島県西部や南部の自然の中でゆったりと飼育されています。
【飼育エリア】徳島県
【肉質・味の特徴】肉色はやや赤みを帯びており低脂肪で、適度な歯ごたえは硬過ぎずから揚げにも適しており、コクや甘味、旨みが楽しめます。
【おすすめメニュー】から揚げなど

9.はかた地どり

9.はかた地どり
筑前煮 ※写真はイメージです

【在来種の血統】雄:しゃも×横斑プリマスロック、雌:白色プリマスロック
【基準】出荷は平均85日。福岡県の郷土料理(筑前煮や水炊き)をおいしくしようという発想で誕生しました。胸肉が認知機能の低下を抑止する効果が期待されるとして「機能性表示食品(事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品)」として認められています。
【飼育エリア】福岡県11農家
【肉質・味の特徴】肉質がきめ細やかで歯切れがよいだけでなく、ほど良い噛みごたえもあり噛むほどに旨みが広がります。
【おすすめメニュー】筑前煮・水炊きなど
「筑前煮」は、鶏肉とニンジンやレンコンなどの根菜類、もどした干ししいたけやこんにゃくを入れて煮込んだ料理のことで、福岡県周辺では「がめ煮」と呼ばれています。素材から出るダシや旨みを生かした料理で、お正月やお祝いのごちそうとしてよく食べます。
「水炊き」は、鶏ガラをじっくりと煮込み白濁した旨みたっぷりの鶏ガラスープで、鶏のぶつ切り肉(骨付き)と野菜などを煮込んで食べます。

10.みやざき地頭鶏(じとっこ)

10.みやざき地頭鶏(じとっこ)
鶏の炭火焼 ※写真はイメージです

【在来種の血統】雄:地頭鶏×劣勢ホワイトプリマスロックのF1、雌:九州ロード(ロード×劣勢ホワイトプリマスロック)
【基準】南九州の「地頭鶏」を使って宮崎県独自の交配で生み出された地鶏。出荷は平均135日。みやざき地頭鶏用に特別にブレンドした前期用・仕上げ用飼料で育てています。
【飼育エリア】宮崎県
【肉質・味の特徴】柔らかさの中に締りのある肉質で、鶏肉特有のにおいがなくジューシーな旨みがあります。
【おすすめメニュー】鶏の炭火焼など


日本の地鶏、いかがでしたか?地鶏はこちらでご紹介したもの以外にもたくさんあります。日本各地へ出かけた際におすすめメニューをいただいたり、取り寄せてお料理を出してくれるお店で味わったり、WEBサイトで購入してお料理にチャレンジしてみたりと、いろいろなスタイルでチャレンジしてお気に入りの地鶏を見つけてくださいね。

監修:一般社団法人あしたの食卓研究所 代表 石原奈津子氏

Written by:

株式会社ウエストプラン

株式会社ウエストプラン

松田きこ、木村桂子、都志リサほか、関西に精通した女性ライターチーム。食べること、飲むこと、旅することが大好き! 自ら体験した楽しい情報を発信しています

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