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おせち料理;新年を祝う伝統料理

おせち料理;新年を祝う伝統料理

公開日: 2018/12/28

おせち料理、通称おせちは、バラエティに富んだ様々な日本料理を詰め合わせた、正月に新年を祝いながら食べる伝統料理である。自家製か既製品かに関わらず、重箱と呼ばれる豪勢な入れ物に詰め合わせるのが通例。正月におせちを食べることは、文化の成り立ちとも密接に関係している。ただ美味しいだけでなく、縁起が良く、食材一つひとつが意味を持っており、日本人にとって非常に大きな役割を果たしている。

おせちの歴史

おせちの歴史

弥生時代に始まったという説が有力だ。当時の人々は、作物の収穫を神様に感謝し、お供えをした。その供えたものを「節供(せっく)」と呼ぶ。そしてそれを料理したものを「節供料理」とよび、これがおせち料理の始まりだといわれている。時を経て、節句の行事が中国から伝わるようになり、宮中でその行事の際に食べられる料理を「御節供(おせちく)」と呼ぶようになった。これが現在の「おせち」の名前の由来だ。江戸時代になると、一般庶民もその宮中行事を生活に取り入れるようになり、おせち料理も一般化していった。一年で最も大切な節目であるお正月に食べる料理を「おせち料理」と呼ぶようになったのも、江戸時代といわれている。

重箱に詰められたおせち

重箱に詰められたおせち

「年神様へのお供えもの」や「家族の繁栄を願う料理」という意味を持つおせち。「福やめでたさを重ねる」という意味を込めて、重箱に詰められて提供される。5段重にするのが正式で、1段目から4段目までに料理を入れて、5段目は空にしておく。これは、年神様からいただく福を入れる場所として空けておくという理由からだ。近年では3段の重箱が一般的。また、お重のそれぞれの段に詰める料理の種類は決まっていて、さらに5種、7種、9種と吉数で詰めると縁起が良いとされている。

おせちの中身は?

おせちの中身は?

おせちを食べる慣習は、冷蔵庫が一般的になる前からあったため、常温で食べられるもので、数日間保存が可能な食材を使って構成されている。また、その多くを煮物が占めている。そして料理の一つひとつは、縁起の良いものに由縁している。その意味合いや具体的な品目について説明しよう。

一の重

一の重

・数の子 ー ニシンの卵。豊富な卵の様子から、子孫繁栄を願うものとされている。
・黒豆 ー 甘い味付けで煮た豆。「まめ」に働けるようにという意味を持つ。ちなみに黒い色は魔よけの意味もある。
・田作り ー 砂糖で煮詰めたカタクチイワシ。かつては水田肥料としても使われていたイワシを食べることで、五穀豊穣を願った。

・紅白かまぼこ ー 魚の身をすり潰したもの。赤色は魔除けを、白色は清浄・神聖を表現している。また赤と白の組み合わせは幸福をもたらす意味もある。半円型の形は日の出を表している。
・伊達巻き ー 卵と魚のすり身を混ぜて焼いたもの。渦を巻くその形から、文化の発展と学業の成就を意味する。
・栗きんとん ー さつまいもを煮て裏ごししたものに、砂糖で煮た栗を添えたもの。その金色の見た目から、商売繁盛や富をもたらすものとされる。

二の重

二の重

・エビ – その長い髭と曲がった腰の見た目から、長寿の象徴とされる。
・レンコン ー レンコンの持つたくさんの穴は来たる未来への希望を抱かせる。

三の重

三の重

・椎茸 ー 椎茸のかさの部分が、日本の兵隊が被っていた帽子を連想させる。元気、壮健への願いを込めている。
・ねじりコンニャク ー 見た目が縄に似ていることから、侍が勝負に備え持っていた固い縄を連想させる。手綱を締めて心を引き締め、心を養う、という意味を表す。
・昆布巻き ー 「喜ぶ(よろこぶ)」という語呂合わせから縁起物とされている。

族の伝統

族の伝統

おせち料理はただの食事ではなく、健康、繁栄、幸福への想いを込めた料理を、新年のお祝いとともに家族や友達と共有する意味を持つ。新年の伝統行事として必要不可欠なものである。あなたも日本で正月を過ごすことがあれば、おせち料理を食べてみては。

※記事掲載時の情報です。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。

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