東京の下町を代表する「浅草」。浅草寺を中心として、江戸文化や日本文化を感じられる観光スポットが多く点在し、外国人旅行者にも人気のエリアとなっています。その浅草で行われる日本最大規模のカーニバルが、浅草サンバカーニバルです。TVや観光ガイドなどで目にしたことのある方もいらっしゃるでしょう。

浅草サンバカーニバルは、1981年に街の活性化を目指してスタート。現在では毎年50万人もの観客が訪れる日本屈指のイベントとなりました。人気の秘訣は、約5000人もの参加者によるコンテスト形式のパレード！本格的なサンバのリズムに乗りながら、各チームの趣向を凝らした華やかな衣装やパフォーマンスが観客を魅了します。

浅草サンバカーニバルの特徴は、本場リオのカーニバルに準拠したコンテスト形式のパレードだということ。実は、このイベントの正式名称は「浅草サンバカーニバルパレードコンテスト」だとはあまり知られていません。

見ごたえたっぷりのコンテストとして多くの観客を魅了しているこのイベントも、スタートした当初は1チームあたり数名から参加することができ、「サンバパレード」と言うよりは「仮装大会」に近いチームも多かったといいます。回数を重ねるごとに本格的なサンバチームが増えていき、徐々に今のような本格派志向のサンバパレードになっていったのだそう。

サンバパレードコンテストは、全国から集まったサンバチームが「S1リーグ」と「S2リーグ」の2リーグに分かれて順位を競い合います。この2リーグは入れ替え制となっていて、S1リーグで最下位になったチームは、S2リーグで最上位になったチームと入れ替えとなります。また、S2リーグ下位2チームは、翌年新しく参加希望するチームと同様に書類審査からのスタートになるそうです。

参加する総チーム数も20と上限が決められているので、各チームがその中に残ろうと真剣なバトルを繰り広げます。参加するチームは1年間かけて準備をすると言われていますから、相当な熱の入りようであることがお分かりいただけるでしょう。

コンテストの順位は、浅草やブラジルにゆかりのある方や著名人などで構成された10名の審査員による得票と、モバイルやインターネット投票によって決められます。審査項目として挙げられているのは「テーマの表現」「躍動感」「衣装」「演奏」「ダンス」「総合評価」の6項目。さらにS1リーグについては、指定された3つの要素（リオのカーニバルに近づけるためのチーム要素）が指定されていて、必須ではないものの、要素が抜けていると減点されます。

また、得点の集計方式もリオのカーニバルにならい、審査員の付けた得点の中で中間の6人分の得点を集計するので、審査項目ごとに60点満点、6項目合計360点満点で競います。参考までに、2019年のS1リーグ優勝チームは合計344点でしたので、かなりの完成度だったことが伺えますね。

浅草サンバカーニバルを初めて観に行く場合、どこがおススメの見どころなのか気になりますよね。パレードは浅草寺の二天門前の馬車通りから始まり、雷門通りが終わる辺りまで約800ｍ続きます。どこの場所で観覧しても大いに盛り上がることは間違いありません。

おすすめのViewポイントは、スタート地点側とゴール地点側。審査員席に近いスタート地点側ならスタート直後で一番盛り上がっている瞬間を観ることができますし、ゴール地点側なら、ゴールし感極まったダンサーたちの様子に感動をもらって涙することもあるそうですよ。

いずれにせよ、当日の人出は大変な混雑となりますが、朝早くからの場所取りは危険なので絶対にやめましょう。「町全体がカーニバルの熱気で盛り上がっている様子を体験したい！」ということであれば、開催時間中に訪れればOKです。

2019年開催時には、1口6500円の協賛金で当日椅子席とオリジナルグッズのプレゼントがありました。開催日までに余裕があるのであれば、一度公式ホームページでチェックしてみても良いでしょう。

浅草サンバカーニバルは例年8月の最終土曜日に開催（※）となり、13:00からスタートして18:00に終了します。5時間にも及ぶカーニバル開催中は、次のように大まかなタイムスケジュールによっていつ頃・どのリーグのパレードが行われるのか決まっています。

13:00～　コミュニケーションリーグ（実行委員会や地元の子供たちが参加）
テーマ・サンバ・リーグ（企業や本場ブラジルのダンサーなどが参加）
13:30～　S2リーグチーム
S1リーグチーム

全て見学すると5時間にもなる長丁場なので、どのパレードを中心に観たいのか、どこの時間帯で休憩をとるのかなどを考えておくと良いでしょう。

ここ数年、テーマ・サンバ・リーグのパレードで話題になっているのが「ロボットレストラン」です。ロボットレストランは「総工費100億円」をかけたと言われる、新宿のパフォーマンスレストランのこと。その豪華さと、なんでもアリな感じが外国人旅行者に大ウケし、ロボットレストラン目当てに東京観光をする人もいるのだとか。

そんな人気レストランのパフォーマーたちが、浅草サンバカーニバルでも豪華で奇抜、そしてちょっぴりセクシーなパレードを見せてくれます。毎年参加するとは限りませんが、もしも参加しているなら必見です！なんでもアリな雰囲気そのままの大迫力のパレードが楽しめます。

浅草には多くの路線が乗り入れているため、アクセスの良さは抜群です。どの辺りからパレードを観覧したいかによって、2つの駅を使い分けることもできます。

まず、パレードのスタート地点に近い「浅草」駅なら、都営地下鉄浅草線、東京メトロ銀座線、東武伊勢崎線、首都圏新都市鉄道つくばエクスプレスの4つの路線が乗り入れています。また、ゴール付近に近い東京メトロ銀座線「田原」駅も使い勝手が良いです。

浅草一帯がカーニバルで盛り上がっているので、とにかく浅草まで行けばOK！すぐにカーニバルに入り込めますよ。

楽しく長丁場のイベントを楽しむためには、少し注意点があります。日本の夏は高温多湿な上、浅草サンバカーニバルは真夏の炎天下での開催となります。熱中症には十分に注意しましょう。防止やサングラスで日差しをさけ、水分をこまめにとるなどの対策が必要です。

当日は会場付近のカフェなどの飲食店は営業していますし、沿道のお店で飲み物を購入することも可能ですが、大変混雑しますので、自分で飲み物を用意してから会場を訪れる方がベターです。

また、トイレは会場付近にある公共トイレやデパートなどのトイレを使うことになります。数が多くはないので、あらかじめトイレの場所をチェックしておく、トイレが近くなるようなアルコール類の摂取は控えるなどの工夫をすると良いでしょう。

日本の夏の風物詩にもなりつつある浅草サンバカーニバル。行くだけで雰囲気を楽しめるイベントなので、気軽に出かけてみてはいかがでしょうか？お出かけの際にはしっかりと暑さ対策をしつつ、会場ではゴミは持ち帰る、スタッフなどに注意をされたら従うなどのマナーを守り、参加者も協力して楽しいイベントにしましょう。