鳥取県の東端、兵庫県と岡山県の県境に接する地に、ノスタルジックな風景と豊かな歴史が息づく若桜町(わかさちょう)があります。古くから交通の要衝として栄えてきたこの町の中心にあるのが、若桜鉄道の終着駅、若桜駅です。若桜駅と、それを擁する鳥取県東部地域は、SLが活躍した時代の面影を残す鉄道遺産と、現代の観光ニーズに応えるサービスが融合した、魅力あふれる旅の目的地となっています。
本稿では、若桜駅の歴史的な魅力から、周辺の城下町の散策、そして地域最大のイベント情報、さらに外国人旅行者向けに整備された便利な交通サービスまでを深掘りし、鳥取県東部を巡る旅の全貌を紹介します。
main写真提供:©Tottori Pref.
鉄道遺産の宝庫「若桜駅」の歴史と魅力
若桜駅は、単なる鉄道の終点ではなく、駅全体が「生きた鉄道遺産」のような雰囲気を醸し出していることが最大の特徴です。1930年の駅開業当初から使われてきた転車台や給水塔など、一連の蒸気機関車(SL)設備が当時のまま残されており、これは全国的にも貴重な存在です。
現在でも、現役のSLが展示され、運行体験も実施されています。旅行者は、歴史的な駅舎の風景を眺めるだけでなく、実際に蒸気機関車の迫力と鼓動を感じることで、鉄道が日本の近代化を支えた時代のロマンを追体験することができます。この貴重な設備群は、若桜町が大切に守り伝えてきた地域の宝であり、鉄道ファンならずとも一見の価値があります。

旅の始まりをサポートする拠点
駅には観光案内所が併設されており、旅のスタート地点として非常に機能的です。地域の見どころや観光スポットを丁寧に紹介してくれるほか、駅から周辺の散策に最適なレンタサイクルの貸し出しも行っています。
若桜駅で借りた自転車を、若桜鉄道の途中駅である八頭町の郡家駅で返却するなど、乗り捨てが可能なのが大きな特徴で、サイクリングと若桜鉄道での移動を組み合わせたい方におすすめです。若桜町の観光は、歴史的な街並みや自然が魅力的なので、自転車で巡るのが最適です。電動アシスト付きの自転車もありますので、体力に自信のない方でも利用することができます。

江戸の面影を残す若桜宿の街並み
若桜駅周辺には、江戸時代から続く城下町の面影が色濃く残っています。駅から徒歩圏内に広がる若桜宿の街並みは、ノスタルジックな雰囲気が漂い、散策に最適です。
白壁の土蔵や伝統的な町家が約300mにわたって連なる美しい通りは、タイムスリップしたかのような感覚を与えてくれます。ゆったりとした時間の流れの中で、写真を撮ったり、休憩したりしながら、昔ながらの日本の生活文化を垣間見ることができるでしょう。レンタサイクルを利用すれば、街並みの風を感じながら気ままに巡ることも可能です。
周辺の文化・歴史スポット
若桜駅周辺には、地域の文化や歴史に触れることができるスポットが点在しています。
たくみの館: 駅から徒歩約15分の場所にあるこの施設では、地域の伝統である木工芸の体験ができます。旅の思い出に、自分だけの作品を作るのも一興です。
不動院岩屋堂: 駅からバスで約20分の場所に位置し、天然の岩窟に納められた舞台造りの密教建築物です。806年〜810年に創建されたと伝えられ、その荘厳な姿は国の重要文化財に指定されています。自然と一体となったようなその建築様式は、見る者を圧倒します。

アクセス情報と鳥取県東部のイベント・混雑時期
若桜駅へは、JR山陰本線・因美線の主要駅である鳥取駅からアクセスします。鳥取駅からは、JR因美線に乗り、途中で若桜鉄道に乗り換える必要があり、所要時間は乗り継ぎを含めて約1時間です。
鳥取県東部を彩る最大のイベント「鳥取しゃんしゃん祭」
鳥取県東部地域最大のイベントとして、毎年8月に鳥取市で開催される「鳥取しゃんしゃん祭」があります。これは、夏の鳥取市を熱狂させる伝統的な祭りです。主に8月13日〜16日の期間に開催され、メインは8月13日の「前夜祭一斉傘踊り」と、8月16日の「一斉傘踊り」です。数千人の踊り手が色鮮やかな傘を持って一斉に市内を踊り歩きます。
祭りの概要
「しゃんしゃん傘踊り」は、江戸時代末期の雨乞いの踊りを起源とし、現代風にアレンジされたものです。祭りの名前である「しゃんしゃん」は、温泉でお湯が絶えず勢いよく湧き出る様子を「しゃんしゃん湧く」という擬音語で表したものと、傘に取り付けられた鈴の音の擬音語「シャンシャン」から付けられました。
混雑と交通規制
一斉傘踊りの際には、鳥取市内の若桜街道や片原通り、智頭街道などが広範囲にわたって車両通行禁止の交通規制の対象となります。この期間は、歩行者や自転車の往来で大変混雑するため、車での移動は避け、警察官や警備員の指示に従う必要があります。
旅行者は、この時期の訪問を計画する際、祭りの熱気と賑わいを体験できる一方で、交通網の混雑と規制に留意したスケジューリングが求められます。

JR西日本の広域周遊パス「鳥取・松江パス」
訪日外国人向けに、JR西日本がお得なきっぷを提供しています。鳥取・倉吉・米子・松江・出雲エリアのJR線(一部区間)、ループ麒麟獅子、ぐるっと松江レイクラインが3日間乗り放題になります。また鉄道と路線バスの両方が使えるため、駅から離れた観光地にもアクセスしやすく、旅の自由度がぐんと広がります。山陰の主要スポットをめぐる旅を、コンパクトに楽しみたい人にとって、お得な移動ができおすすめです。
海外の旅行会社で購入可能し、日本に到着後、鳥取駅、米子駅などのみどりの窓口の券売機、または駅の窓口で、きっぷに交換してください。またきっぷを提示することで、地元の観光施設や飲食店などで入場割引や料金割引などの特典を受けることも可能です。詳しくはホームページをご覧ください。
「Discover Another Japan Pass」について
山陰・山陽・関西エリアを旅行する外国人観光客および在日外国人を対象としたデジタル周遊パス(観光フリーパス)サービスです。観光スポットをお得に、かつ効率的に巡るための便利な機能を一つのスマートフォンアプリに集約しています。App StoreやGoogle Playで提供されている専用アプリを通じて、パスの購入や利用を行います。パスを購入後、提携している観光施設の入場時にアプリ内のQRコードを提示し、スキャンすることで施設に入場できたり、公共交通機関を利用できたりします。
SAN'IN Area Pass(山陰エリアパス)
外国人向けのデジタルパス「Discover Another Japan」に含まれるチケットの一つとして、鳥取県と島根県の観光に特化した周遊パスです。70以上の観光施設が対象に含まれており、1日券(24時間)と3日券(72時間)の2種類があります。有効期間内であれば、対象となっている観光施設に何度でも無料で入場でき、スマートフォンアプリから購入し、各施設の入口でQRコードをスキャンして利用します。鳥取砂丘 砂の美術館、松江堀川めぐり遊覧船、足立美術館など、主要な観光スポットをお得に巡ることができます。
若桜鉄道 1日フリー乗車券
外国人向けのデジタルパス「Discover Another Japan」に含まれるチケットの一つとして、若桜鉄道の1日フリー乗車券が提供されています。このフリー乗車券を利用すれば、若桜鉄道の全区間を自由に往復でき、若桜駅のSL設備や若桜宿の散策を心ゆくまで楽しむことができます。

結び:古き良き日本を感じる旅へ
鳥取県東部の旅は、SLが時代を超えて息づく若桜駅を起点に、江戸時代の歴史を伝える若桜宿の街並みを巡り、雄大な自然に抱かれた重要文化財を訪れる、「古き良き日本」を感じる旅です。地域の最大イベントである「鳥取しゃんしゃん祭」の賑わいを体験するもよし、あるいは外国人向けに整備された便利な周遊パスを活用して、効率的かつお得に山陰エリアを広範囲に巡るもよし。若桜町を中心とする鳥取県東部地域は、訪れる人々に多様な旅のスタイルを提供し、忘れられない体験を約束します。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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