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世界屈指の良質な漁港・三陸沖に面した宮城の旅で欠かせないのが海鮮グルメ。なかでも、鮮度抜群の魚介が並ぶ市場の料理は、地元市民が太鼓判を押すおいしさです。
海鮮グルメを味わえる市場は多々ありますが、今回は、東北最大級の規模を誇る仲卸市場「塩釜水産物仲卸市場」をピックアップ。旬魚を盛った海鮮丼や、旨みたっぷりの天丼など、一目見た瞬間のワクワクが、ひと口食べれば感動に変わる逸品ぞろいです。
宮城は魚介がおいしい!
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世界三大漁場に数えられる三陸沖を有する宮城。県内には142もの漁港があり、このうち、「塩竈」「気仙沼」「石巻」は、日本国内の漁港のなかで特に重要であると定められた「特定第3種漁港」となっています。ちなみに、特定第3種漁港に定められているのは全国で13港だけ。そのうちの3つが宮城にあるなんて、すごいですよね。
各エリアで名産も異なり、例えば宮城の北東に位置する気仙沼は、カツオとフカヒレが名物。生鮮カツオの水揚げ量とフカヒレ生産においては、どちらも日本一という一大産地なんです。また、石巻は「金華サバ」が有名。例年10月頃になると、脂ののった金華サバが水揚げされます。
宮城の人気市場「塩釜水産物仲卸市場」
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県内の沿岸部には魚市場が点在。なかでもとくに人気なのが、塩釜の「塩釜水産物仲卸市場」です。広い場内には、魚介や水産加工品を扱う100店舗が軒を連ね、このうち、マグロの専門店は20軒。これだけの数が揃うのは、日本トップクラスの生マグロの水揚げ量を誇る塩竃ならではといえます。
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塩釜水産物仲卸市場のお楽しみといえばグルメ。自分好みの海鮮丼が作れたり、購入した魚介をその場で焼いて味わえたりと、市場の雰囲気を楽しみながら食事を堪能できます。今回は、数ある店舗のなかからイチオシを厳選しご紹介します。
1.市場名物「マイ海鮮丼」作り
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市場グルメの目玉といえるのが、マイ海鮮丼作り。場内で好みの魚介を購入し、オリジナルの海鮮丼を作るというもので、訪れるほとんどの観光客が実践する人気のグルメ体験です。
まずは場内の店舗を巡り、刺身をゲット。好きな魚介一種のみを選ぶもよし、気になる魚介を少しずつ選ぶもよし。盛ったときの仕上がりを想像しながら買い物しましょう。複数の魚介がセットになった少量パックを販売するお店もあるので、各店隈なく巡ることがオススメです。
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刺身を購入したら、市場の正面入り口(南口)を入って奥にある6号売場の「マイ海鮮丼コーナー」で「ごはんセット」(400円~、味噌汁付き)を購入します。大盛りはプラス100円です。
受け取ったあとは、すぐそばのイートインコーナーで盛り付けし完成です。旨みたっぷりのマグロ、香り豊かなウニ、とろけるような口当たりのエビなど、好みの魚介だけがのった海鮮丼はなんとも贅沢。価格は具材によっても異なりますが、平均2,000円くらいでご飯が隠れるほどボリューム満点の丼が作れます。
ごはんセットのオーダーは市場の閉場1時間前のため、体験するときは具材選びの時間も考え、早めに訪れましょう。
<店舗情報>
マイ海鮮丼コーナー
電話番号:022-367-1622(塩釜水産振興センター)
営業時間:6:30~12:00(土・日曜、祝日は6:30~13:00)
定休日:水曜
2.プリプリのえび天丼が人気「海鮮屋台どっとや」
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丼物の定番・天丼は、日本で古くから愛されるグルメ。そのおいしさから、海外の観光客からも人気を集めています。6号売場にある「海鮮屋台どっとや」は、天丼が名物のお店。市場の魚介で作る天丼や定食を1,000円前後で味わえるというリーズナブルさも魅力です。
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イチオシは、大きなエビ2尾と、野菜のてんぷらがのった「えび天丼」(1,000円)。サクッとした食感の衣には甘めのタレが染み、ご飯との相性が抜群です。メインのエビは弾力があり、食べごたえ抜群。噛むたびに広がる甘みが幸せな気分にしてくれます。メニューにはビールや日本酒もラインナップ。昼から天丼と日本酒を味わうのもいいですね。
<店舗情報>
海鮮屋台どっとや
電話番号:022-367-1622(塩釜水産振興センター)
営業時間:8:30~12:00(土・日曜、祝日は8:30~13:00)
定休日:火・水曜
3.魚介を炉端焼きで堪能「自由焼炉」※コロナウィルスまん延防止対策として休止中
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生の魚介が苦手な方にオススメなのが、5号売場の外にある「自由焼炉」。購入した魚介を焼炉で自由に焼いて味わえます。焼き方に不安のあるときは、常駐している市場のスタッフにお声がけを。魚介をひっくり返すタイミングや食べ頃をレクチャーしてくれます。
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焼き上がり時間の目安は、貝類が5~10分、魚は15~20分ほど。炭火で焼いた魚や貝は、旨みが凝縮され、とってもジューシー! マイ海鮮丼コーナーでごはんセットをオーダーすれば、立派な定食のできあがりです。魚からしたたる脂や、ふっくらとした身のおいしさに、ご飯がどんどん進みますよ。
<店舗情報>
自由焼炉
電話番号:022-367-1622(塩釜水産振興センター)
営業時間:7:00~12:00(土・日曜、祝日は7:00~13:00)
定休日:水曜
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、当面の間営業を停止
4.テイクアウトにも最適「たまご工房」
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海鮮丼や天丼のおかずに、玉子焼きはいかがでしょうか? 6号売場にある、だし巻きたまご専門店「たまご工房」では、職人が目の前で焼くふわふわの玉子焼きを販売しています。
カツオと昆布の出汁が香る「だし焼」と「あま焼」(各200円~)のほか、「チーズたまご焼」(400円)や「明太マヨたまご焼」(500円)などがそろい、食べきりサイズ以外はテイクアウトも可能です。
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人気急上昇中なのが、「厚焼きたまごサンド」(300円)。玉子焼きのやさしい甘さと、パンに塗ったマヨネーズの酸味のバランスが絶妙です。持ち帰る場合は、電子レンジやトースターで20秒ほど温めてから味わうのがお店のオススメ。
また、こちらのお店で好評なのが、市場内で購入した食材を玉子焼きに巻き込んでくれる「もちこみ具巻のたまご焼」(500円)。明太子、たらこ、うなぎの蒲焼が人気なのだとか。一風変わった味を試したい方はぜひオーダーしてみてください。
※サイズや種類によってたまご焼きに巻き込めないものもあります。
<店舗情報>
たまご工房
電話番号:080-3336-1005
営業時間:6:00~13:00(土・日曜、祝日は7:00~14:00)、LOは各30分前
定休日:水曜
他言語対応もバッチリ&アクセスも抜群
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市場内は食べ歩きNG。今回ご紹介した店舗のグルメは、6号売場のイートインコーナーで味わいましょう。また、6号売場には、英語、中国語、韓国語などのパンフレットが設置されています。ホームページは英語と中国語に対応。宮城観光の玄関口である仙台駅から、最寄り駅の東塩釜駅までは約30分。東塩釜駅から市場までは徒歩約15分というアクセスの良さも、海外からの観光客にとっては魅力です。
塩釜水産仲卸市場にはほかにも、日曜・祝日のみ営業する食事処や、平日の朝限定の丼があるお店など、魅力的な飲食店が勢ぞろい。たくさんの魚介を扱う市場内は、あたたかい時期であっても肌寒いため、訪れる際は薄手のカーディガンなど羽織るものを準備するといいですよ。
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塩釜水産物仲卸市場
- 住所 〒985-0001 宮城県塩竈市新浜町1-20-74
- 電話 022-362-5518
営業時間:3:00~13:00、土曜は3:00~14:00、日曜・祝日は6:00~14:00
定休日:水曜 ※臨時休業あり。詳細はホームページを確認
Text by:株式会社シュープレス
※取材時の情報です。営業時間やサービス内容など変更になっている場合があります。詳細は公式サイトをご確認ください。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。