日本の北部・東北地方にある福島県。北海道、岩手県に次ぐ全国第3位の広さで、南北に縦断する山脈によって、浜通り・中通り・会津と3つのエリアに分かれています。エリアごとに特徴が違う福島県の情報をチェックして、福島旅行を楽しみましょう!
TOP画像:PIXTA
1.福島の特徴
日本の本州北部・東北地方の南部に位置し、東西に長い形状の福島県は、南北に連なる阿武隈(あぶくま)高地と奥羽(おうう)山脈によって、東から浜通り(はまどおり)、中通り(なかどおり)、会津(あいづ)と3つのエリアに分かれています。東京駅から福島駅までは、新幹線で約1時間30分。福島空港があり飛行機の利用もできますが、運航しているのは大阪の伊丹(いたみ)空港からと北海道の新千歳(しんちとせ)空港のみです。
県庁所在地は中通りにある福島市。その福島市にある福島県庁が建つ一帯は、1592年頃に杉目城(すぎのめじょう)を改称した福島城(ふくしまじょう)が建ち、福島藩の藩庁が置かれていました。今、城跡は土塁の一部と庭園跡が残っているのみ。福島県庁には、福島城の解説版と石碑が立てられています。
福島市のある中通りは、桃や梨などのフルーツ狩りができる果樹園や温泉。歴史と伝統が息づく会津は、江戸時代の宿場町の雰囲気が残る大内宿(おおうちじゅく)や赤瓦を再現した城・鶴ヶ城(つるがじょう)。大平洋に面した浜通りは、体験型水族館「環境水族館 アクアマリン」や大型リゾート施設「スパリゾートハワイアンズ」……。福島は各エリアに観光スポットが点在しているので、行きたい場所を絞って旅のプランを立てましょう。
2.福島に行くベストタイミング
福島県はエリアによって天候が異なります。中通りは盆地のため、夏は蒸し暑く冬は雪が降ります。会津は山間部だと夏は涼しいのですが、盆地は蒸し暑く、冬は最深積雪が5~6メートルになる豪雪地帯。浜通りは大平洋から涼しい風が吹き夏は過ごしやすく、冬は一時的な降雪はあるものの、平地に積もることはほとんどありません。3月でも会津や中通りの山間部へ行く場合は、雪が降る日もあるので防寒対策をして出かけましょう。
福島の美しい自然の風景を楽しみたいなら、春から秋にかけて訪れると良いかもしれません。春は4月中旬から下旬にかけて桜が開花。日本三大桜のひとつ「三春滝桜(みはるたきざくら)」も見頃を迎えます。夏は日本で4番目の広さを誇る「猪苗代湖(いなわしろこ)」で湖水浴やキャンプ、秋は10月中旬から11月上旬頃が見頃の「五色沼湖沼群(ごしきぬまこしょうぐん)」の紅葉。コバルトブルーの水面に、赤や黄色に染まった木々が映り込む絶景が眺められます。
もちろん冬も見どころたくさん。大内宿の雪景色は夏とは違った風景が見られるほか、裏磐梯高原の大自然を感じながらスキーを楽しむのもおすすめです。
3.福島の交通手段
(1)東京から福島までのアクセス
東京から福島は直線距離で約240キロメートル。東北地方の中では一番近い位置にあります。交通手段は新幹線・高速バス・レンタカーがあり、一番早く到着し効率的なのは新幹線。東北新幹線で東京駅から郡山(こおりやま)駅までは1時間20分、福島駅までは1時間30分かかり、毎時2~4本発車します。料金は郡山駅まで8,340円、福島駅まで9,110円(※乗車券+普通車指定席の場合)。
高速バスは新宿発で郡山駅まで約4時間、福島駅まで約5時間と新幹線の約3倍の時間がかかります。しかし、料金は新幹線の6割程度と経済的。時間に余裕のある人にはおすすめです。
時間が十分にあり自由に周遊したいならレンタカーという手段も。東京にはレンタカーショップが複数あり多言語対応している店舗も多いため、外国人観光客にも利用しやすいです。
(2)福島県を周遊する交通手段
福島県内を旅行でまわる場合、主要都市以外を訪れるなら公共交通の本数が少ない場合があるので、事前に時刻表を調べることが必要です。その点、レンタカーやタクシーだと発着時間を気にせずに移動できるので便利。
主要都市間の移動は、対象地域の電車や特急が連続した5日間乗り放題となる「JR EAST PASS (Tohoku area) 」(日本国発行以外のパスポートを所持している外国人対象の切符)を使ってJR線でお得に移動するか、高速バスを利用するのが良いでしょう。高速バスは便数が多いのもメリットです。
4.福島で宿泊する
福島県の訪日外国人旅行者数を国別で見ると、2019年の外国人宿泊者数は214,690人の内、一番多い国が台湾、続いてタイ、中国(「福島県観光客入込状況」調べ)となっています。中でも会津若松エリアが人気で、自然や景観を見て回る、温泉やおいしいものを楽しむ観光客が多いようです。(「福島県観光客入込状況」調べ)
福島県は広いのでエリアをしぼって観光するなら、1泊2日でも楽しめます。いくつかエリアを訪れたいなら、2泊3日か3泊4日あると良いでしょう。周遊する場合は、各都市にアクセスの良い福島駅前や郡山駅前のホテルに宿泊するのが便利。平日であれば1泊5,000円くらいから見つけられます。両駅の構内には観光案内所も設置されていて、旅のプランも計画しやすいですよ。
温泉を楽しみたい人は、飯坂温泉がおすすめ。新幹線が停車する福島駅から鉄道で23分とアクセスが良く、短い日程でも気軽に温泉を満喫できます。
5.福島でグルメを楽しむ
福島はフルーツの産地として知られています。特に真夏に収穫する桃は、日本全国で2位の生産量で、ほかに梨やりんごも有名。果樹園ではフルーツ狩りを楽しめるところもあります。郷土料理は、会津若松市の郷土料理「こづゆ」や「ニシンの山椒漬」などが味わえます。
ご当地ラーメンで人気があるのが、太めの縮れ麺が特徴の「喜多方(きたかた)ラーメン」。日本三大ラーメンのひとつとも言われています。
6.福島でカルチャーを楽しむ
会津を訪れたなら、会津若松市のシンボル「鶴ヶ城(つるがじょう)」へ。約630年前に造られた城で正式名称は「若松城(わかまつじょう)」。5層の天守閣は1874年に取り壊されましたが1965年に再建され、2011年には幕末(1853年~1868年)当時と同じ、赤い瓦屋根に葺き替えられました。日本国内には多くの城がありますが、赤瓦の天守閣は鶴ヶ城だけ。白壁とのコントラストが美しいと評判です。
また、古き良き日本の町並みを楽しみたいなら、福島県下郷町の山間にある大内宿へ。1600年代に会津西街道の宿場町として栄えた場所であり、小高い山々とのどかな田畑が広がる中に30軒以上の茅葺き屋根の民家が軒を連ねています。
7.福島でアクティビティを楽しむ
浜通りのいわき市にある「スパリゾートハワイアンズ」は、「いわき湯本温泉」の湯を活用した大型レジャー施設。ステージではフラガールのダンスやファイヤーダンス、全天候型ドームのウォーターパークにはヤシの木が立ち、南国ムードたっぷりです。人気のアトラクションは「BIG☆ALOHA」。高低差40.5メートル、全長283メートルある日本有数のウォータースライダーでスリル満点の体験ができます。
日本情緒漂う大きな温泉の露天風呂「江戸情話 与市(えどじょうわよいち)」も設置。浴槽は男湯・女湯合わせて1000平方メートルもあり、世界最大級の広さといわれています。
自然体験を楽しみたいなら、裏磐梯にある「五色沼湖沼群(ごしきぬまこしょうぐん)」へ。散策路「五色沼自然探勝路(ごしきぬましぜんたんしょうろ)」を歩けば、吾妻山や磐梯山をバックに姿を現す美しい湖沼を眺めることができます。時間は1時間30分程。
また、福島県のほぼ中央に位置する猪苗代湖では湖水浴や釣り、カヌーなどのレジャーも楽しめます。周辺には、明治時代(1868年~1912年)に建造された洋館や世界各国の手作りガラス製品を集めた施設など立ち寄りスポットも豊富。
8.福島でショッピングを楽しむ
福島駅周辺でおみやげを買いたいなら、駅から歩いて約3分の「福島県観光物産館」へ。県内各地の銘菓や農産物加工品、地酒を取りそろえています。
会津若松なら、古い建物が建ち並ぶ「七日町(なのかまち)通り」に地元ならではの店が集まります。1848年に創業した老舗菓子店「本家長門屋 七日町店(ほんけながとやなのかまちてん)」では、職人技が光る和菓子が買えます。「鶴乃江酒造(つるのえじゅぞう)」では女性に向けて醸した地酒「ゆり」が人気。すっきりとした辛口で飲みやすいと評判です。
9.福島周辺の観光地&スポット
福島県は関東地方では群馬県、栃木県、茨城県、東北地方では山形県、宮城県と隣接しているほか、新潟県へもアクセスしやすいため、福島からの次の旅行プランの選択肢もたくさんあります。
おすすめなのが、東北を周遊できるJR東日本運行の「フルーティアふくしま」。車内で福島県産のフルーツを使ったスイーツが味わえるお楽しみ満載の列車。磐越西線(ばんえつさいせん)の郡山駅から喜多方駅間、東北本線(とうほくほんせん)の郡山駅から仙台駅間を走ります(土曜・日曜・祝日に1日1往復。運行時刻、運行区間などはホームページより要確認)。
東北本線の停車駅・仙台は、東北最大の都市。郡山駅から約2時間で到着します。駅周辺にはショッピングモールやレストランなどがあり、都市型の観光が楽しめる場所。日本の主要都市とのアクセスも抜群なので、福島県への中継点として立ち寄るのもおすすめですよ。
大きな面積を誇る福島県の旅を満喫するには、事前の下調べが大事なポイントです。行きたい場所やエリア、体験したいことをリストアップして、旅のプランを考えてみてくださいね!
Text by:株式会社シュープレス
※本記事の情報は2022年2月時点のものです。最新の情報は公式サイト等でご確認ください。
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