本州の最北端に位置する青森県は、冬になると寒さが厳しくなり、大量の雪が降る豪雪地帯。そんな青森では、雪とイルミネーションの祭りを見に行ったり、温泉で冷えた体をあたためたりなど、さまざまな体験が満喫できます。今回は、冬の青森観光を存分に楽しみたい人におすすめの10のことをご紹介します。
1.「弘前城雪燈籠まつり」に参加する
JR弘前駅からバスと徒歩で約30分。弘前市の観光スポットとして人気のある史跡・弘前城では、雪でできた大小さまざまな雪燈籠が並ぶ冬の祭り「弘前城雪燈籠まつり」を開催。北東北地方を代表する「みちのく五大雪まつり」のひとつに数えられています。例年、雪が降る2月中旬頃に催され、白く雪化粧された天守のライトアップや約150基の雪燈籠が建ち並ぶ幻想的な様子が楽しめます。
メイン会場の四の丸には、歴史的建造物をモチーフにした大雪像や、弘前の四季や祭りをテーマにしたプロジェクションマッピングを設置。西の郭には、雪でできたドームであるかまくらの小さなサイズ、「ミニかまくら」の中に灯りをともした約300基が並び、辺り一面がやわらかな光に包まれます。
-
弘前城雪燈籠まつり
- 住所 〒036-8356 青森県弘前市下白銀町1
電話番号:0172-37-5501(弘前市立観光館)
2.八甲田山でスキーを楽しむ
八甲田山(はっこうださん)は、標高1,585メートルの大岳を主峰とした10峰からなる北八甲田と6峰からなる南八甲田の総称。春は新緑、秋は紅葉、冬は樹氷と、季節を感じる美しい景色が望める連峰です。なかでも冬は、パウダースノーのスキーを楽しみに国内外から多くの人が訪れます。
青森駅からJRバス「青森-八甲田ロープウェー・酸ヶ湯温泉」行きに乗り、約80分のところにある「八甲田スキー場」では、「八甲田ロープウェー」に乗って向かう標高1,324メートルの田茂萢岳(たもやちだけ)山頂を基点とした5つのコースを設置。最長5,000メートルのロングコースがあり、樹氷の間を縫って滑走することができます。
1、2月には、雪と水滴が針葉樹に付着し凍る樹氷(じゅひょう)が見ごろを迎え、その合間を縫って滑ることも可能。世界でも数か所しかない自然現象の鑑賞は、旅の貴重な思い出になりそうです。八甲田山での滑走可能な期間は、11月下旬から5月中旬。場所によっては8月の夏スキーもできます。
-
八甲田ロープウェー
- 住所 〒030-0111 青森県青森市荒川寒水沢1-12
電話番号:017-738-0343(八甲田ロープウェー)
3.奥入瀬渓流で氷瀑を見る
奥入瀬渓流(おいらせけいりゅう)は、火山の噴火によってできたカルデラ湖・十和田湖(とわだこ)を水源とする、14キロメートルにわたる渓流です。静かな森の中を清冽な水が流れる自然のスポットとして人気。冬季は、レンタカーかタクシーで国道103、102号線を通って向かうことができます。また、期間限定でバスの運行もあり、雪道の運転が不安な人も安心です。
春のきらめく緑や秋の鮮やかな紅葉を眺めながらの散策が有名ですが、冬の雪景色も見逃せません。真冬になると、渓流の随所にある大小さまざまな滝が凍り、氷瀑や氷柱が出現。水の流れのまま凍った氷瀑を眺めていると、まるで時が止まっているかのような不思議な気持ちになります。
昼の雪景色を楽しんだあとは、夜のライトアップツアーにもぜひ参加してみてください。奥入瀬渓流に点在する数か所の氷瀑や氷柱などをライトアップ。暗闇に浮かび上がる幻想的な光景に出会えます。
-
奥入瀬渓流
- 住所 〒034-0301 青森県十和田市奥入瀬
電話番号:0176-75-2425(十和田湖総合案内所)
営業時間:見学自由
4.十和田湖 光の冬物語のライトアップを見に行く
緑に囲まれた青森を代表する景勝地・十和田湖の湖畔にある十和田神社周辺が会場の「光の冬物語 2021-2022」。十和田湖のシンボル「乙女の像」や十和田湖神社の周辺、約1キロメートルを華やかにライトアップした冬のイベントです。
「十和田市中央」や「奥入瀬渓流館」から会場まで運行する予約制日帰りバス「光の冬物語日帰りバス」か、七戸十和田駅~十和田湖駅(十和田湖畔休屋)を結ぶ予約不要のシャトルバス「十和田湖ウィンターシャトルバス」が、メインのアクセス。
ライトアップのデザインは、十和田湖の伝説をイメージ。シカやヘビを想像させる光のオブジェを設置し、不思議な物語の世界へ誘ってくれます。散策路も赤や青、紫などカラフルにライティングされ、歩いているだけでもわくわくした気分に。会場ではマスクやマグカップなどオリジナルの商品があり、おみやげにもぴったりです。当日券は1,600円ですが、前売り券をオンラインで購入すると1,200円になるのでお得ですよ。
-
カミのすむ山 十和田湖 光の冬物語 2021-2022 in 国立公園十和田湖 十和田神社 by FeStA LuCe
- 住所 〒034-0301 青森県十和田市大字奥入瀬十和田湖畔休屋486
電話番号:0176-75-1531(十和田湖冬物語実行委員会)
営業時間:17:00~21:00※最終受付20:30
料金:当日1,600円、前売り1,200円 ※小学生以下無料
期間:2021年12月4日(土)~2022年2月20日(日)
5.八戸えんぶりで民俗芸能の舞を楽しむ
青森県の東部に位置する八戸(はちのへ)で、毎年2月17日~20日にかけて開催する豊作祈願の祭り「八戸えんぶり」。JR本八戸駅から徒歩約10分で着く、市庁前市民広場や八戸市中心部などが主な会場です。
「八戸えんぶり」は青森県有数の民俗芸能で、約800年の歴史があるといわれています。祭りの見どころは、迫力ある舞。馬の頭をかたどった袋状の被り物を付けた舞手・太夫(たゆう)が、頭を大きく振って種まきや田植えなどの動作を表現します。祭りには、太夫や太鼓や笛を演奏するお囃子、歌い手など20~30人で構成される「えんぶり組」が30数組参加。市内各所で舞を披露します。
2月17日に行われる「一斉摺り(いっせいずり)」は、えんぶり組が行列になり市内中心部を練り歩きます。その後、えんぶり組が一斉に舞う「一斉摺り」は、いくつかある行事の中でも最大の見どころ。迫力ある舞が観客を魅了します。子どもたちが主役となって舞う、かわいらしい「祝福芸(しゅくふくげい)」も見ものですよ。
-
八戸えんぶり2022
- 住所 八戸市中心街、市庁前市民広場ほか 〒031-0075 青森県八戸市内丸1-1-1
電話番号:0178-70-1110(八戸地方えんぶり保存振興会・VISITはちのへ内)
期間:2022年2月17日(木)~20日(日)
6.雪深い酸ヶ湯温泉で湯に浸かる
八甲田山の主峰・大岳(おおだけ)の麓、標高約900メートルのところに位置する温泉宿「酸ヶ湯温泉(すかゆおんせん)」。青森駅や新青森駅からJRバスで約1時間15分乗車し、酸ヶ湯温泉前で下車します。
温泉好きから観光客まで温泉を楽しみに訪れる、日本を代表する秘湯のひとつ。冬は、多い年で積雪量が5メートルを超える日本有数の豪雪地帯としても知られ、宿周辺も大量の雪で真っ白になります。
宿の名物は総ヒバ造りの「ヒバ千人風呂(ひばせんにんぶろ)」。約264平方メートルある広々とした浴室には、「熱湯(ねつゆ)」「冷の湯(れいのゆ)」「四分六分の湯(しぶろくぶのゆ)」など4つの源泉の異なる浴槽が備えられ、湯めぐりが楽しめます。基本的には男女混浴ですが、女性専用時間も設置。厚手の生地で作られた入浴用の衣類も売店で扱っています。
-
酸ヶ湯温泉
- 住所 〒030-0111 青森県青森市荒川南荒川山国有林酸湯沢50
- 電話 017-738-6400
営業時間:チェックイン15:00 チェックアウト10:00、日帰り入浴 7:00~17:30(紅葉時期繁忙期は9:00~15:00※混雑状況により予告なく時間短縮する場合あり)
料金:1泊2食付 10,950円~(1室2名利用時の大人1名分)、日帰り入浴 1,000円
7.浅所海岸に白鳥を見に行く
青い森鉄道小湊駅よりタクシーで約10分のところに位置する、東津軽郡平内町の浅所海岸(あさどころかいがん)は、古くから白鳥の渡来地として知られています。毎年、11月中旬から3月中旬にかけて、約3,000キロメートルも離れたシベリア方面より、計200~300羽ほどが飛来。海岸一帯を含む夏泊半島(なつどまりはんとう)全体が、「小湊のハクチョウおよびその渡来地」として国の特別天然記念物として指定されています。
ぜひ訪れてほしい時間帯が早朝。朝日が水平線から顔を出すとともに、海が陽を受けてオレンジ色に染まります。オレンジの水面にゆったりと羽を休める白鳥の優雅な姿が映え、息をのむ美しさ。朝日を背景に飛翔する白鳥の瞬間を収めようと、カメラマンがシャッターチャンスを狙っている姿も見受けられます。
-
浅所海岸
- 住所 〒039-3311 青森県東津軽郡平内町福館雷電岸
電話番号:017-755-2118(平内町水産商工観光課)
時間:見学自由
8.津軽鉄道のストーブ列車に乗る
青森県の西部地域・津軽地方の津軽五所川原(つがるごしょがわら)駅から津軽中里(つがるなかさと)駅間、約20.7キロメートルを走るローカル線・津軽鉄道。毎年、本格的に寒くなる12月から翌3月にかけて、車内に鋳鉄製の暖房器具・ダルマストーブを設置します。ダルマストーブは明治時代から昭和中後期(1868頃~1970年頃)にかけて使われていた日本製の暖房器具。燃料は石炭を使います。
ストーブ列車専用の車両は、座席・窓枠・床が木製になったレトロな造りで、石炭が真っ赤に燃えるストーブの周りには、たくさんの人が集まり暖をとります。ストーブ列車では、冷えた体をあたためるほかにも楽しみを発見。車内販売で購入できるイカを乾燥させた加工食品・スルメをストーブの上で炙って、味わえます。ストーブ列車に揺られながら、車窓からの雪景色を眺める雪国ならではの鉄道旅を楽しみましょう。
-
津軽鉄道・ストーブ列車
- 住所 〒037-0063 青森県五所川原市大町39
電話番号:0173-34-2148(津軽鉄道株式会社本社)
運行期間:毎年12月1日~翌年3月31日
運賃:通常運賃のほかに1枚500円の「ストーブ列車券」を購入
9.白神山地・十二湖でスノーハイクに参加する
白神山地(しらかみさんち)は、青森県南西部から秋田県北西部にまたがる約13ヘクタールの山岳地帯。1年の半分は雪に覆われ、最深積雪は約4メートルに到達します。その一角にある十二湖(じゅうにこ)は、標高150~200メートルの台地に点在する33の湖沼群の総称。春から秋にかけては、透明度の高い青い湖「青池(あおいけ)」やブナ林に包まれた「沸壺(わきつぼ)の池」などをめぐる散策コースを楽しみに多くの人が訪れます。
冬になると天を覆うように茂っていたブナの葉が落ち、地面に積もる雪に日差しが反射。キラキラと輝く白銀の世界が広がります。その中をスノーシューを履いて歩く、宿泊施設「アオーネ白神十二湖」主催のイベント「十二湖スノーハイク」。ガイドの案内に沿ってニホンカモシカやトウホクノウサギなどの野生動物が残した足跡や、野鳥のさえずりを楽しめます。スノーシューやストック、長靴は無料レンタルですが、防寒着、防水の防寒靴、防水の手袋、帽子は持参して参加してくださいね。(イベントの参加者はJR五能線・十二湖駅から送迎があります)
-
十二湖スノーハイク(アオーネ白神十二湖)
- 住所 〒038-2206青森県西津軽郡深浦町松神下浜松14
電話番号:0173-77-3311(アオーネ白神十二湖)
運行期間:2021年12月1日~2022年3月30日
時間:約3時間(ガイド・十二湖駅への送迎付き)
料金:4,000円(2名より催行。3日前まで要予約。1名の場合は8,000円で実施)
10.大迫力の雪の回廊を見に行く
青森には4月であっても雪景色を見られるスポットがあります。青森タウンから十和田湖を結ぶ「八甲田・十和田ゴールドライン」と呼ばれる国道103号では、毎年11月下旬から3月末(気候により変動)の期間に、酸ヶ湯(すかゆ)温泉から谷地(やち)温泉間の8キロメートルが大雪のため閉鎖。気温が高くなり始める4月に道路を開通するため、降り積もった大量の雪を除雪すると、道の両脇に高さ10メートルほどの壁が出現します。
開通直前には、除雪したての真っ白な雪壁の間をウォーキングできるイベント「雪の回廊と温泉 八甲田ウォーク」を開催。間近で見るダイナミックな雪の壁は、思わず息を呑んでしまうほど圧倒的な存在感。最もきれいな状態を眺めたいなら、イベントに参加するか、道路開通後すぐに訪れるのがおすすめです。
※「雪の回廊と温泉 八甲田ウォーク」2022年の開催は中止。
-
雪の回廊
- 住所 〒030-0111 青森県青森市荒川沢口国道103号線
電話番号:017-723-7211(青森観光コンベンション協会)
雪国・青森ならではの体験はいかがでしたでしょうか?寒さに負けず思いきり青森旅を楽しんでくださいね。
Text by:株式会社シュープレス
※本記事の情報は2022年1月時点のものです。最新の情報は公式サイト等でご確認ください。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。