まるで絵の具のパレットを広げたような、鮮やかな赤や黄色で木々を彩る紅葉。日本の紅葉といえば京都が有名ですが、実は青森県には蔦沼や奥入瀬渓流、八甲田山など、全国有数の紅葉スポットが数多くあることを知っていましたか? 昼と夜の寒暖差により葉が綺麗に色づき、森林や渓谷、公園を染め上げる姿は壮観。豊かな自然に恵まれた青森県ならではの絶景紅葉スポットを例年の見頃とあわせてご紹介します。
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1.湖面に浮かぶ燃えるような紅葉【蔦沼】
「蔦沼(つたぬま)」は十和田市の奥入瀬エリアに位置し、「蔦七沼」と呼ばれる沼のひとつ。ブナの原生林に囲まれ、秋になると木々が燃えるように紅く染め上げられるその姿をフィルムに焼き付けようと、全国から多くの観光客が訪れます。特に朝焼けの湖面に浮かぶ紅葉の水鏡は神秘的で、まさにその瞬間にしか見られない絶景。例年10月中旬から下旬ごろに見頃を迎え、紅葉に囲まれた遊歩道を散策しながら他の沼も巡るのがおすすめです。
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蔦沼
- 住所 青森県十和田市奥瀬字蔦野湯
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最寄駅
JR新青森駅からJRバスみずうみ号で所要2時間8分、「蔦温泉」下車、徒歩15分。車は東北自動車道「黒石IC」を降りて約60分
電話:0176-24-3006(一般社団法人十和田奥入瀬観光機構)
2.渓流を染め上げる散策路【奥入瀬渓流】
蔦沼と同じく十和田市にあり、深い自然林に覆われた「奥入瀬(おいらせ)渓流」。約14km続く散策路にはブナやツツジ、カエデなど様々な樹木があり、例年10月下旬~11月上旬になると紅葉が見頃を迎えます。秋色に染まった森のトンネルと、躍動感のある渓流や壮大な滝とのコラボは圧倒的な景観。野鳥のさえずりや渓流のせせらぎを聴きながら歩く散策路は感動の連続です。
3.昼と夜で姿を変える【中野もみじ山】
青森県のほぼ中央に位置する黒石市の「中野もみじ山」は、その名の通りモミジが美しい紅葉の名所。藩政時代(1802年頃)に京都から100種類のカエデを取り寄せて植えたのが始まりとされていて、現在ではモミジとカエデの燃えるような赤と、敷地内の橋や鳥居のコラボが情緒あふれる美しい空間に。
夜になるとライトアップされた紅葉が幻想的な世界を演出し、昼間とはまったく異なる顔を見せてくれます。その他にも落ち葉の絨毯が綺麗な「観楓台(かんぷうだい)」や、清流の音に癒される「不動の滝」もあり、散策が楽しい紅葉狩りの名所は例年10月中旬~11月上旬が見頃です。
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中野もみじ山
- 住所 青森県黒石市南中野不動舘27
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最寄駅
JR青森駅から奥羽本線で所要約45分、弘前駅下車、弘南鉄道に乗り換えて所要約36分、黒石駅下車後、弘南バスで所要約24分、「中野南口」下車、徒歩5分。車は東北自動道「黒石IC」を降りて約10分
電話:0172-88-8815(黒石観光案内所)
ライトアップ:2024年開催予定
ライトアップ時間:夕暮れ~21:00
4.全長360mの大パノラマ【城ヶ倉大橋】
青森市にある「城ヶ倉大橋(じょうがくらおおはし)」は津軽と南部を結ぶ大きな橋であり、255mのアーチ支間長は1995年の開通当時、上路式アーチ橋として日本一の長さを誇っていました。青森・岩手・秋田の三県にまたがる十和田八幡平国立公園内にあり、10月中旬頃の紅葉シーズンには360度の大パノラマで赤や黄色に染まった絶景を楽しむことができます。
高さ122mの谷底からは有数の景勝池である城ヶ倉渓流を見下ろすことができ、紅葉に囲まれながら糸のように流れる美しい渓流は必見。橋の両端には駐車場があり、車から降りて撮影をすることも可能です。
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城ヶ倉大橋
- 住所 青森県青森市荒川字南荒川1-1
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最寄駅
JR青森駅からJRバス十和田湖行きで所要約1時間、「城ヶ倉温泉」下車、徒歩約20分。車は東北自動道「黒石IC」を降りて約35分
電話:017-728-0200(青森県東青地域県民局)
5.ロープウェーから眺める赤い絨毯【八甲田山】
日本百名山のひとつでもある八甲田山はスキーが楽しめる冬の人気スポットですが、秋には県内有数の美しい紅葉を見ることができます。ブナやカエデ、ダケカンバなどの木々が何層にも広がって紅葉に染まり、ロープウェーから見渡す光景はまるで赤い絨毯のよう。紅葉は9月下旬から10月下旬頃と早い見頃を迎え、10月下旬には初雪と紅葉のコラボが見られるかも。ロープウェーの山頂公園には遊歩道「八甲田ゴードライン」があり、1km程度の気軽な紅葉散策もおすすめです。
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八甲田ロープウェー
- 住所 青森県青森市荒川字寒水沢1-12
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最寄駅
JR青森駅からJRバスで「八甲田ロープウェー駅前」下車。車は青森自動道「青森中央IC」を降りて約19km
- 電話 017-738-0343
ロープウェー営業時間:9:00~16:20(3月~11月上旬)、9:00~15:40(11月中旬~2月)
ロープウェー乗車料金:大人(中学生以上) 片道1,400円(往復2,200円)、小人(小学生)片道450円(往復700円)、未就学児無料 ※全て税込
定休日:無休(強風や異常気象時は運休する場合あり) ※2024年11月8日~13日は点検整備のための作業運休あり
6.黄色いブナ林を散策する【白神山地】
白神山地は世界自然遺産にも登録されている、広大なブナ原生林に囲まれた自然の宝庫。例年10月中旬~10月下旬頃になると紅葉が見頃を迎え、約13万haにおよぶブナ林が鮮やかに染まります。
遠くからの景観も綺麗ですが、おすすめは身近に大自然を感じながら歩くトレッキング。神秘的な森の紅葉に囲まれ、落ち葉が積み重なった静かな遊歩道を1時間程度で散策することができます。カモシカやクマゲラも生息する大自然を散策し、秋の世界自然遺産を体感してはいかがでしょうか。
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白神山地ビジターセンター
- 住所 青森県中津軽郡西目屋村大字田代字神田61-1
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最寄駅
JR弘前駅から弘南バスで「田代(西目屋村役場前)」下車。車は東北自動道「大鰐弘前IC」を降りて約60分
- 電話 0172-85-2810
7.黄金に輝く【北金ヶ沢の大イチョウ】
日本海に面する深浦町の北金ヶ沢には、樹齢1000年を超える日本一巨大なイチョウの木があります。例年11月中旬から下旬になると、高さ約31m、幹周約22mの巨木が鮮やかな黄色に変わり、その迫力から「ビッグイエロー」とも呼ばれています。最大の見どころはライトアップされた夜で、黄金に輝くその姿は圧倒的な貫禄。国の天然記念物にも指定されている大イチョウの迫力をぜひ現地で体験してください。
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北金ヶ沢の大イチョウ
- 住所 青森県深浦町北金ケ沢塩見形356
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最寄駅
JR青森駅から奥羽本線で川部駅下車、五能線に乗り換えて北金ヶ沢駅下車、徒歩10分
電話:0173-74-4412(深浦町観光課)
ライトアップ期間:例年11月頃
ライトアップ時間:例年16:30~20:30
8.闇夜に浮かぶ幻想的な紅葉【弘前公園】
桜の名所としても有名な弘前市の弘前公園は、10月中旬〜11月上旬頃に紅葉の見頃を迎えます。園内に植えられた楓や桜は鮮やかな赤や黄色に染め上げられ、現存する弘前城の櫓や城門とのコラボは古都の風情にあふれています。
夜のライトアップは昼間の穏やかな姿から表情を変え、お濠の水面に写る紅葉は幻想的で、絵画の世界に迷いこんだよう。約400年以上の歴史を誇る弘前らしい、日本の紅葉を堪能できる人気スポットです。
9.湯気立ち込める沼とのコラボ【地獄沼】
八甲田山の中にある温泉宿「酸ヶ湯(すかゆ)温泉」の近くには、「地獄沼」と呼ばれる泉温約90度の沼があります。その正体は湧き出る温泉水が溜まった火口の跡で、10月中旬頃になると、周辺のハイマツ、ハクサンシャクナゲなどの木々が見事に色づきます。硫黄を多く含んだガスや温泉の湯気が立ち込める沼を背景に、鮮やかに染まった紅葉はまさにここだけの絶景。帰りは「千人風呂」と呼ばれるヒバ造りの酸ヶ湯温泉で汗を流していきましょう。
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地獄沼
- 住所 青森県青森市荒川南荒川山国有林酸ケ湯沢
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最寄駅
JR青森駅からJRバス十和田湖行きで「酸ヶ湯温泉」下車、徒歩5分
電話:017-738-6400 (酸ヶ湯温泉)
10.モミジの隠れた名所【南郷カッコーの森エコーランド】
青森県東部の八戸市にある「南郷カッコーの森エコーランド」は自然に囲まれたスポーツ施設ですが、秋になると隠れた紅葉の名所として賑わいます。敷地内に約280本あるモミジは10月下旬頃に見頃を迎え、夜になると赤や黄、青などのライトアップでモミジが暗闇に浮かび上がり、幻想的な雰囲気に。施設内にある茶席と紅葉のコラボは一見の価値ありです。
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南郷カッコーの森エコーランド
- 住所 青森県八戸市南郷大字中野高村5-5
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最寄駅
JR青森駅から東北新幹線で八戸駅下車、八戸線に乗り換えて本八戸駅下車後、南部バスで「道の駅なんごう」下車。車は八戸自動車道「南郷IC」より約2分
- 電話 0178-82-3303
ライトアップ期間:2024年11月2日(土)・3日(日)
ライトアップ時間:18:30~21:30(予定)
絶好のロケーションに夜のライトアップ、建物とのコラボなど、どんな紅葉を楽しむかは人それぞれ。その瞬間にしか見ることのできない絶景を求めて、ぜひ今度の秋は青森県に訪れてみてくださいね。
Text by:下田 翼
※ この情報は2020年初掲出のものを2024年8月に更新したものです。最新の情報は公式サイト等をご確認ください。
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