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秋田・横手でかまくら体験!「横手の雪まつり」の見どころを徹底レポ

秋田・横手でかまくら体験!「横手の雪まつり」の見どころを徹底レポ

公開日: 2023/06/27

日本の東北地方の中でも、雪が多いことで知られる秋田県。県内の横手市では、毎年2月15・16日になると「かまくら」の雪まつりが開催されます。雪で作られた家がろうそくの光でオレンジ色に灯される光景は、一度見たら忘れられないほどロマンティックです。今回は、2023年に開催された横手の雪まつりを訪れ、その様子や見どころをお伝えします。東京駅や秋田駅からのアクセス、横手城や横手川沿いなどの写真スポットなどもあわせて紹介!

目次
  1. 秋田県「横手のかまくら」とは?
  2. 横手の雪まつり会場へのアクセス
  3. 横手の雪まつりのおすすめスポットや見どころ
  4. 横手の雪まつりの外国語対応
  5. 横手市周辺の観光スポット
  6. 横手市周辺の宿泊施設
  7. 日本でかまくらを体験するなら秋田県の「横手の雪まつり」へ

秋田県「横手のかまくら」とは?

秋田県「横手のかまくら」とは?

かまくらは秋田県横手市の伝統行事です。毎年2月15・16日の2日間、雪で作られた小さな家が横手駅周辺や横手公園などに現れます。かまくらは水神様を祀る行事として始まり、450年ほど前から続いていると言われています。

かまくらの作り方はいたってシンプル。まず、雪を踏み固めながら約3mの高さまで積み上げて、雪山を作ります。次に入口の場所を決めたら壁の厚さ約50cmを保ちながら雪を掘り、内側と外側の壁を滑らかに丸く仕上げて、水神様を飾るスペースを作ったら完成です。雪だけで作るので崩れないかと心配になりますが、下からしっかり固めて積むので意外と頑丈です。

横手の雪まつりが開催し始めたのは1950年代から。まつり期間中には、約80基のかまくらが横手市内一帯に作られます。会場は横手駅周辺と木戸五郎兵衛村。木戸五郎兵衛村はおよそ300年前の日本住宅を移築、復元した場所で、昔の秋田の雰囲気に包まれてかまくら体験ができます。

かまくらは眺めるものではなく、中に入って水神様に家内安全や五穀豊穣を祈願するもの。入ってもよいかまくらは、躊躇せずにぜひ入ってみてください。かまくらの中では子どもたちが座っていることがあり、「はいってたんせ」と声をかけてくれます。これは横手地方の方言で「かまくらに入ってください」という意味。中に入って水神様に祈り、ふるまわれた甘酒をいただきます。人がいる場合、必ず確認してから入るようにしましょう。

横手の雪まつり会場へのアクセス

横手の雪まつり会場へのアクセス

東京駅からJR横手駅までの行き方

横手の雪まつりの最寄り駅はJR横手駅です。東京駅から行くには、秋田新幹線に乗って大曲駅で下車し、JR奥羽本線で横手駅に行くのが最もスムーズです。所要時間は約4時間~4時間半、特急料金込みで14,000~14,500円程度です。長期で旅行をする方は、訪日外国人向けの「JR East Tohoku Area Pass」を利用するとお得です。

東京方面から横手へ行く高速バスも運行しています。東京駅、バスタ新宿横浜駅から横手駅近くの横手バスターミナルへ行くバスが運行しているので、滞在場所や時間を考えて出発場所を選びましょう。所要時間は約8時間~9時間、料金は時期によって変動しますが6,000~10,000円程度です。

秋田駅から行く場合は、JR奥羽本線で横手駅まで一本。また、雪まつりの開催時間に合わせて、快速かまくらまつり号を運行します。2023年は1日3本の運行で、秋田から横手行きは14時台、横手から秋田行きは20時台と21時台がありました。14時台と20時台の電車は全席指定席だったので、時間に余裕を持って予約しておくと安心です。

横手駅から雪まつり会場までの行き方

横手駅から雪まつり会場までの行き方

JR横手駅を出たら、看板を見ながら会場へ。まずは横手市役所本庁舎前へ向かいます。駅前からタクシーか徒歩で行きます。日本語ですが黄色い看板の矢印が目印です。

徒歩で向かうなら約10~15分程度。この時期は雪が積もっているので長靴がベストです。この日は厚底の長靴を履いていましたが、それでも長時間雪の上を歩いていると足先が冷えました。コンビニや薬局で足用のカイロが売られているので、厚手の靴下と合わせてカイロを使えば夜まで暖かく過ごせます。スニーカーは靴底から雪が染みて、最悪の場合歩けないほどの冷えと痛みに襲われるかもしれないためおすすめではありません。

会場へ向かう途中、飲食店やショップが集う「よこてイースト」を通り過ぎます。イベントスペースでもかまくらやイルミネーションがあり、到着前に早速美しい雪景色に心を奪われます。

横手の雪まつり会場内は無料巡回バスが運行

横手の雪まつり会場内は無料巡回バスが運行

雪まつりのメイン会場は、横手市役所本庁舎前、蛇の崎川原、横手公園、南小。徒歩で回るのもいいですが、雪ですべりやすいので巡回バスの利用がおすすめです。巡回バスは無料で、5~10分に1本ほどのペースで運行。

2023年はバルーンライトが目印で、この下で待っているとバスに乗れます。乗車時にチケット等は不要。スタッフさんの誘導に沿って乗りましょう。全席自由席ですが、後から乗る人のために奥から座るよう指示されます。

次の停留所に近づくと、スタッフさんが写真入りのプラカードを掲げて降りる場所を案内します。次に見られる名所がどこか分かるので、安心して降りられます。バスは全ての停留所で停まるので、降車の希望を伝える必要はありません。

最も混雑する停留所は、横手駅に近い横手市役所本庁舎前。ミニかまくらがある蛇の崎川原まで徒歩10分程度のため、この距離だけ歩くのも良いでしょう。反対に、横手城がある横手公園は高台にあるうえに混雑回避で近道が封鎖されている可能性が高いため、道に迷わないためにも巡回バスの利用をおすすめします。

横手の雪まつりのおすすめスポットや見どころ

横手の雪まつりのおすすめスポットや見どころ

横手市役所本庁舎前は、人が入れるサイズのかまくらが歩行者通路にいくつも並びます。中に入って写真撮影をしたいならここへ。

かまくらの中に入ってみると、外の喧騒が聞こえなくなり、しんと静かな空気に包まれます。雪でできているから寒いかと思いきや、風を防いでいるため実は意外と暖かいです。水神様へのお詣りも忘れずに。

本庁舎前に隣接する光明寺公園では、かまくら協賛物産展「ほっこり横丁」がオープン。お米を木の棒に巻き付けて焼く秋田の郷土料理きりたんぽ、目玉焼きが乗った横手名物の横手やきそばなど、秋田の名物や体が温まる料理が販売されました。

横丁には暖を取りながら立ち食いできるテントもあります。15日は10~21時、16日は9~21時と朝早くから開いているため、早めに来て腹ごしらえをするのも良さそうです。

横手市役所本庁舎前から巡回バスを乗るのもいいですが、横手の町並みを眺めながら次の会場である「蛇の先川原」まで歩いてみましょう。道の途中にある古い日本家屋の前に、かわいらしいミニかまくらが並んでいるのが見られます。1960年代になると自動車の交通量が増え、道沿いに人が入れるサイズのかまくらが作りにくくなったため、塀や道路に高さ30cmほどのミニかまくらが作られるようになったそうです。

10分ほど歩くと、市内を縦断する横手川を渡る蛇の崎橋に差し掛かり、蛇の先川原のミニかまくらが見えてきます。点灯が始まるのは17時頃から。用意されたミニかまくらすべてに火が灯ると、流星群のような美しい光景が広がります。

橋の上から撮影すると、かまくらの川に圧倒されます。橋の上から眺めるのもいいですが、間近でミニかまくらを見るのもまた違う良さがあります。橋を渡ってすぐ左折すると蛇の崎川原へ向かう坂道が。

会場からミニかまくらを眺めると、星空の上に浮かんでいるような気分に!ロウソクが灯されていても熱くはなく、近くを歩いても危なくありませんが、滑らないように注意しながら歩きましょう。

蛇の崎川原と歩道のミニかまくらの数は合わせてなんと3,500個ほど。制作から点灯まで、全てボランティアによる手作業で行われます。横手の町を盛り上げるために一丸となる市民の皆さんのおもてなしを感じながら眺めると、心まで温かくなるようです。ボランティアの活動を支えるため、会場入り口では寄付も募っていました。

次に訪れたのは、横手の雪まつりを最も象徴する横手公園。ここでは、横手城を復元した天守閣様式の展望台を背景にしたかまくらを撮影できます。バス停から降りて会場に辿り着くまではなだらかな坂道が続くので滑らないように。

ライトアップされた天守閣と2基のかまくら、とても絵になる光景です。この一枚を撮影するために人だかりができているので、気をつけてくださいね。

かまくらの中では、子どもたちがお餅を焼きながら暖を取っています(2023年開催はコロナ禍で入場禁止)。

天守閣に向かう道もライトアップ。ロマンティックな雪の階段を一歩ずつゆっくり登ります。

天守閣に入るのは有料で100円。4階の展望台からは横手の町並みを一望できます。雪が降る中、暗闇に浮かぶかまくら会場が幻想的です。

会場は21時まで。21時近くになるとバスが混み合う可能性が高いので、JRで他のエリアへ当日中に移動する予定があるなら、20時台前半に駅に向かうと安心です。

翌日も横手市内を散策する予定で、かまくらの歴史や文化をより知りたいなら、横手市ふれあいセンター「かまくら館」へ。ここでは通年でかまくらを体験できるよう、本物の雪を使ったかまくらが常設展示されています。8月中旬~9月中旬、年末年始(12/29~1/3)、2月中旬~下旬の1週間を除きいつでも体験可能。雪まつり以外のシーズンに行ってもかまくらに触れ合えるのは嬉しいですね。

横手の雪まつりの外国語対応

横手の雪まつりの外国語対応

横手の雪まつりではボランティアスタッフさんが会場で道案内をしています。英語対応をしてくれる方もいるので、声をかけてみると英語が話せる人を繋いでくれる場合もあるので、遠慮なく質問してみましょう。

横手市の公式サイトは多言語展開しているので、訪れる前の情報収集もおすすめです。

横手市周辺の観光スポット

横手市周辺の観光スポット

横手駅へ向かう秋田新幹線の最寄り駅は、大曲駅です。大曲といえば、日本三大花火大会のひとつ「大曲の花火」で知られる町。夏だけではなく、冬も花火大会が行われているので、横手の雪まつりと合わせて訪れてみましょう。

武家屋敷通りとシダレザクラで有名な角館へは電車で約40分。角館では2月14日に「火振りかまくら」というイベントも行われます。また、日本一の深さを誇る田沢湖へは電車で約1時間30分。いずれも大曲で乗り換えです。

横手市周辺の宿泊施設

横手の雪まつりは夜がメインのため、横手市周辺で宿泊するのがベスト。高評価の宿をご紹介します。

  • ホステル&バー Camosiba
    • 住所 019-0525 秋田県横手市曙町十文字町7
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    • 最寄駅 十文字 駅 (奥羽本線)
      徒歩3分

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    最新の料金や料金詳細、客室の条件は異なる場合がありますので、提携先のサイトをご確認ください。

  • 横手セントラルホテル
    • 住所 013-0035 秋田県 横手市平和町9-10
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    • 最寄駅 横手 駅 (奥羽本線 / 北上線)

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    最新の料金や料金詳細、客室の条件は異なる場合がありますので、提携先のサイトをご確認ください。

日本でかまくらを体験するなら秋田県の「横手の雪まつり」へ

日本でかまくらを体験するなら秋田県の「横手の雪まつり」へ

かまくら文化を未来にも継承するため続く横手の雪まつり。地域の方々の想いが込められ、一つひとつ手作りされるかまくら体験は、寒さを忘れるほどの温もりを感じる時間になるに違いありません。

開催日は毎年2月15・16日。周辺地域でも雪景色を堪能するイベントが行われるので、冬に来日するなら北東北を巡ってみましょう!

  • 横手の雪まつり
    • 住所 秋田県横手市内各所
    • 最寄駅:横手駅

※本記事の情報は2023年6月時点のものです。最新の情報は公式サイト等でご確認ください。

Written by:

田中ラン

田中ラン

旅行会社に勤める現役会社員の日本人ライター。大手ウェブサイトで編集者として従事した後、旅行会社に転職。そのため、旅行系・グルメ系のジャンルを得意とし、日本全国47都道府県で取材実績あり。旅行会社勤務だからこそ知れる秘境や絶景、旅の裏ワザを伝えながら日々取材に奔走している。

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