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嵐山・嵯峨へ。自転車で巡る、絶景の京都「洛西エリア」観光

嵐山・嵯峨へ。自転車で巡る、絶景の京都「洛西エリア」観光

公開日: 2023/03/03

時の権力者も愛した、絶景の洛西エリア「嵐山」「奥嵯峨(おくさが)」へ自転車で出かけてみませんか。現地へはJRや、阪急電鉄・京福電鉄の私鉄などでアクセスできます。各鉄道の最寄り駅に設けられているレンタサイクルショップを利用し、散策を楽しみましょう。自然豊かな土地柄のため、散策には変速つきの自転車か、電動アシスト自転車の利用がラクでおすすめです。まずは嵐山の奥、奥嵯峨の山寺から観光めぐりを始めましょう。

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自転車を借りてみよう!

画像素材:PIXTA
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自転車は「レンタサイクル」と表記されているお店で借りられます。場所にもよりますが、おおむね駅の近くにお店を構えているので、電車やバスと組み合わせて利用すると便利です。
お店は、英語対応が可能で、自転車損害賠償保険に加入するなど、安心して借りられる京都市が認定した「京都市認定レンタサイクル店」がおすすめです。

レンタル方法
お店では、スタッフに自転車を借りたい旨を伝えます。変速付きの自転車のほか、電動アシスト自転車、一般的なシティサイクルなどいくつか種類があるので、希望の車種を選びましょう。在庫があるものを貸してもらえます。利用するときは、氏名、住所、電話番号、日帰りか泊まりの観光か、宿泊の場合はホテル名と住所などを指定の用紙に書きます(店によって筆記事項が異なります)。

支払い方法
現金のみの店と、キャッシュカードや決済アプリも使える店が混在しています。できれば現金を用意しておくことをおすすめします。料金は車種や店舗によりますが、おおよそ1日利用で1,000円~2,000円です。

返却方法
原則は借りた店に返却します。系列店のある店舗は、系列店に返却が可能なケースもあります。詳細はお店のスタッフに確認しましょう。

京都市の自転車情報を掲載した下記サイトに、京都市が認定するレンタサイクル店を掲載しています。

洛西エリア観光でのおすすめの自転車
嵐山や嵯峨(さが)、高雄、御室(おむろ)などが洛西エリアです。すぐそばに山が迫っていること、山のふもとや、山肌に観光スポットが点在していることから、街なかでも坂道が多い地域です。自転車で移動するだけでも体力を使うので、変速つきの自転車か、電動アシスト自転車を強くおすすめします。

使い方
変速つきの自転車は、ハンドル部分に付いている変速ギアを操作します。
電動アシスト自転車は最初の漕ぎ出しにパワーがあるので驚くかもしれません。慣れるまでは慎重にペダルを漕ぎましょう。

さっそく自転車で「洛西エリア」を観光しよう!

京都市中心部より西に9kmほどの場所にある洛西エリア。京都屈指の観光地・嵐山があり、春は桜、秋は紅葉の名所として全国的にも有名です。と言うのも、この場所は約1,200年前から、天皇家や貴族がこぞって別荘を構えた風光明媚な土地柄なのです。

今回ご紹介するスポットは、定番スポットに加えて、山中の仏教寺院も登場します。素朴な自然の美しさと、慈悲深き仏教の世界が調和した寺院独自の世界観をじっくり体感してみてください。

JR嵯峨嵐山駅や阪急嵐山駅の近くのレンタサイクル店で自転車を借りて、観光をスタートしましょう。

「愛宕念仏寺」で表情豊かな1,200体の羅漢像と出合う

最初に訪れるのは「嵯峨野めぐりの始発点」と呼ばれる、嵯峨野の山寺「愛宕念仏寺(おたぎねんぶつじ)」です。電動アシスト自転車や変速つき自転車でアクセスすれば、あとは坂を下りながら各スポットを巡ることができて便利です。

愛宕念仏寺は、嵐山の奥、嵯峨野に構える、静かに参拝できる古刹です。創建は今から1,250年以上前。自然災害により何度か荒れ寺になりながらも、その度に復興し、現在に至ります。境内には、厄除けのご本尊をはじめ、お釈迦様の弟子を意味する「羅漢(らかん)」の像が1,200体仲良く並んでいます。

羅漢像は過去の住職と参拝者らの手によって彫られたもので、一つひとつ表情が異なります。首をかしげていたり、柔和な笑みを浮かべていたり。まるで人間のように表情豊かなその姿を眺めていると時を忘れ、心が和みます。
階段の多い境内なので、駐車場エリアに自転車を停めましょう。

「常寂光寺」の楚々とした自然美と仏教世界の調和を体感

「常寂光寺」の楚々とした自然美と仏教世界の調和を体感

続いて、愛宕念仏寺から約10分の「常寂光寺(じょうじゃっこうじ)」へ。日本に伝わる伝統的な歌「和歌」で度々うたわれてきた、紅葉の名所「小倉山」中腹の野趣あふれる山寺です。山のふもとに構える山門の、右手にある駐輪場で自転車をとめてから入山します。歩を進めると、仁王門や本堂、寺院建築の一種「多宝塔(たほうとう)」などが山肌に点在しています。

周囲には山桜やツツジ、モミジ、竹林などの樹木や野草、そして山中に響き渡る鳥の声。まるで仏様が住む清らかな世界に足を踏み入れたような素朴な佇まいに、心穏やかなひとときが過ごせるでしょう。

時代劇俳優が作庭した「大河内山荘庭園」のドラマティックな風景は必見

次は常寂光寺から5分ほどの庭園を訪れましょう。明治から昭和時代にかけて活躍した、有名な時代劇俳優・大河内傳次郎(おおこうちでんじろう)による大規模な庭園です。場所は小倉山の南側。大河内傳次郎が約30年かけてこつこつと創りあげた庭は、植栽による四季折々の美しさに留まりません。

敷地内に張り巡らされた道なりに斜面を登りきると、急に視界が開け、目の前に「嵐山」が現れます。嵐山名物の春の桜、秋の紅葉までも庭の景色に取り込んだ仕掛けは、エンターテイナーらしいドラマティックな作庭と言えるでしょう。山肌の散策となるため、足元は歩きやすい靴がベストです。自転車は庭園入口の門前に駐輪できます。

「竹林の小径」で竹の緑色に包まれて

画像素材:PIXTA
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大河内山荘庭園からすぐの「竹林の小径」も見逃せません。頭上の空が緑色で染まるかのような感覚になる、嵐山ならではの絶景スポットのひとつ。道の両側を竹林が整然と並ぶ小径は、大河内山荘庭園から天龍寺北門までの約400メートル続きます。人が多い時には、自転車を押してゆっくり進みましょう。

  • 竹林の小径
    • 住所 〒616-8385 京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町
    • アクセス:大河内山荘庭園からすぐ
      所要時間:約30分
      駐輪場情報:京都市嵐山観光駐車場

世界遺産「天龍寺」で大迫力の龍を見学

竹林の小径を下ると、右手に見えるのが世界遺産に登録されている寺院「天龍寺」です。禅宗の一派・臨済宗(りんざいしゅう)に属するこちらは、市内に数多ある禅寺の中で最も格の高い寺院のひとつとされています。

(C)天龍寺
(C)天龍寺

広大な敷地内へは、門の前に自転車を停めて入ります。寺院は見どころがたくさんありますが、龍の天井画『雲龍図』は必見。著名な日本画家の手によって描かれた巨大な龍は、今にも動き出しそうなほどに躍動的で圧倒されます。この作品は、住職が仏教の教えを説くための建物「法堂(はっとう)」で見学できます(春夏秋の特別参拝期間は毎日公開。拝観料とは別で参拝料が必要)。

(C)天龍寺
(C)天龍寺

春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪……季節ごとに表情を変える曹源池庭園の風景も見事です。春、秋の景色も人気ですが、積雪の庭園も一見の価値あり。まるで水墨画に迷い込んだかのような、幽玄の世界に出会えます。

  • 天龍寺
    • 住所 616-8385 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68
      地図をみる
    • 最寄駅 嵐山 駅 (京福電鉄嵐山本線)
    • 電話 075-881-1235

「渡月橋」は嵐山のランドマーク

「渡月橋」は嵐山のランドマーク

天龍寺を後に、10分ほどで美しい情景で知られる嵐山の代表的な観光スポット「渡月橋」へ。この地を流れる桂川にかかる橋の上で、月が移動していくさまを「まるで月が渡るようだ」と時の上皇が歌にして詠んだことから名付けられました。

渡月橋へと繋がる府道29号線の大通りは、土産物や飲食店が並ぶ、嵐山のメインストリートです。渡月橋の手前、29号線と112号線の交差点を東へ進むと、左手に見える京都市営の嵐山観光駐車場(駐輪場)に自転車を停めてから散策しましょう。土産物を買ったり、カフェやレストランでお腹を満たしたりして、旅の思い出を充実させましょう。

  • 渡月橋
    • 住所 616-8385 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町
      地図をみる
    • 最寄駅 嵐山 駅 (京福電鉄嵐山本線)
      徒歩3分
    • 電話 075-411-9990

皇族や貴族も愛した、麗しき古都の絶景をご堪能あれ

日本全国から観光客がこぞって訪れる嵐山は、外国人観光客も多数訪れる観光スポットです。豊かな自然と歴史的建造物が生み出す情景や、野趣あふれる山寺など、世界的にみてもここでしか見られない1シーンに心奪われること間違いなし。
レンタサイクルでのんびりめぐれば、ゆるやかに流れゆく景色の中で、あなただけのとっておきが見つかることでしょう。

交通ルールを守って、楽しい思い出を作りましょう

のんびり自由にアクセスできる自転車は、京都市内を走るのにぴったりです。とはいえ、思わぬケガを負ったり事故を起こしたりしては、せっかくの楽しい旅行が台無しになってしまいます。交通ルールやマナーを守り、安全運転で一生の思い出に残る旅行にしましょう。

※この記事は、外国人観光客等への自転車ルール・マナー啓発を推進するため、京都市からの依頼を受け、作成しました。
※この情報は2022年11月の記事執筆時のものです。最新の情報は公式サイト等をご確認ください。

※記事掲載時の情報です。
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