茶道

茶道

Update: 2017/03/21

茶道とは「お茶を極める道」を意味する。「茶の湯」とも呼ばれる茶道は、日本の伝統において重要な位置を占めている。すべての動きに調和と意味が込められた茶道を極めるのは、決して簡単なことではない。

茶道の歴史

茶道の歴史

茶道の源流は9世紀にさかのぼる。日本の歴史書である「日本後紀」には、約700年前に中国から戻ってきた僧侶の永忠が、後に茶道となる流儀で煎茶を天皇に献じたことが記されている。中国で発祥した茶道は、歳月を経て日本独自の流儀や特性、儀式へと発展してきた。
16世紀になると、禅が茶道の精神に大きな影響を及ぼした。現在も伝えられる茶道は、茶を供する作法に禅の教義が融合したものだと考えられている。またこの頃よりそれまで一般的だった煎茶に代わり、主に抹茶が茶道に用いられるようになる。

茶の哲学

茶の哲学

茶道の一連の流れを見ていると、はかなさの中に美しさを見出す「わびさび」という哲学が現代にも息づいていることが分かる。茶道とは単に茶をふるまうことに意味があるのではなく、茶を淹れる際の意識を中心に展開していく。つまり茶道とは、わびさびの哲学を追求する精神的鍛錬なのだ。水指や茶碗、茶釜といった茶道具は、徹底的に簡素な作りとなっている。また不完全の中に美を見出すために、あえて歪みや凸凹を残した道具も多い。茶式を執り行う人間は物事の不完全さを受け入れた上で、心穏やかに点前に全身全霊を注ぐ。それこそが茶道の哲学なのだ。

茶道具

茶道具

茶道に必要な道具は以下の通り。
ふくさ 絹でできた2枚重ねの布。茶道具を拭く際に使用する
懐紙  小ぶりの和紙。出されたお菓子を取り分ける際、皿代わりに使用する。
    薄茶を飲み終わったあと、茶碗の飲み口を指で拭って拭き、懐紙で指を清める。
    濃茶の場合は、懐紙で飲み口を拭き取る。
    また、出されたお菓子を食べきれなかった場合は、この懐紙に包んで懐にしまう。
棗   薄茶用の抹茶の粉が入っている器。
茶いれ 濃茶用の抹茶の粉が入っている陶製の容器。
茶杓  茶器から抹茶をすくい、茶碗に入れるための匙。一般的には竹製。
茶筅  お茶を点てるための道具。抹茶にお湯を加え、茶碗の中でかき回すことで、抹茶
の粉を均一に分散させる。
茶巾  麻でできた布で、茶碗を拭くために使う。あらかじめ濡らしておく。
茶碗  大きさや型は、お茶の濃さや式が行われる季節によって異なる。
柄杓  水を汲む道具。夏用は小さめ、冬用は大きめと、季節によってサイズが異なる。
茶釜  お茶を点てるためのお湯を沸かす釜。
掛け軸 式に縁のある日本画や書が描かれたもので、床の間にかかっている。
花入れ 床の間に花を飾る花瓶。主に一輪挿しで、床の間に置かれる。
    素材は竹、陶器、籐など、季節や飾る花によって異なる。

手順

手順

いずれの茶道の流派も、点前の仕方に独自の手順がある。なお、「点前」とは茶道で行われる動作のこと。下記では流派や季節、昼夜などの特別な動作を除いた一般的な手順を紹介する。

1.茶杓を使って抹茶を棗から茶碗に入れる。
2.柄杓を使って茶碗にお湯を入れる。
3.茶筅でお茶をたてる。
4.客人であればお辞儀をして茶碗を右手で手に取り、左手の手のひらに置く。
5.右手で茶碗を三度、時計回りに回転させてから、飲む。
6.飲んだ後、唇を付けた箇所を右手でふき取り、逆時計回りに三度回転してから、亭主に茶碗を返す。

完璧な茶式をするために

点前の手順のほかにも、茶式にはいくつかの重要な役割を担うものがある。
・ 茶室: 茶式は畳の部屋で行うことが重要。畳の位置を見れば亭主と客人が分かるようになっている。
・衣装: 式を尊ぶため、服は正装であることが望まれる。基本的に亭主は着物を着るが、式によっては客人は洋装でも構わない。
・掛け軸 式に縁のある日本画や書が描かれたもので、床の間にかかっている。
・花入れ 床の間に花を飾る花瓶。主に一輪挿しで、床の間に置かれる。
     素材は竹、陶器、籐など、季節や飾る花によって異なる。
・ 食事: 新鮮な季節の食材を使った軽食。季節を感じられる食材であることが重要。

茶道を学ぶ

茶道を学ぶのは簡単なことではない。点前の手順を覚えることも重要だが、それ以上にわびさびの哲学を極め、理解することが重要だからだ。なお一般的には、流派が認定した師匠に学んだ生徒が、さらにその下の生徒を教えることが多い。
茶道を学ぶには流派に属する必要があり、茶道の流派は教室や協会を持っている。また日本の学校では、クラブ活動で茶道を行っているところもある。

※記事掲載時の情報です。

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