日本のフルーツの美味しさが、近年海外でも注目されています。今回は、その中でも人気上昇中、高級フルーツの代表格「メロン」をご紹介します。日本のメロンは、国内各地で様々な日本独自の品種が生み出され栽培されています。値段も主に家庭で気軽に食べる安いものから贈答用の高級なものまで様々です。
日本のメロンの品種や食べ頃の見分け方、美味しい食べ方など、知っておきたい情報が満載です。
1.日本のメロンにはどんな種類があるの?
メロンの栽培面積、生産量ともにダントツ1位なのは茨城県で、年間約4万トン収穫されています。熊本県と北海道が約2万トンと続き、その他は東北から九州まで様々な地域で栽培されていることからも、メロンは比較的育てやすい果物だといえます。
高級メロンとして知られるのは、「マスクメロン」の総称で呼ばれるものです。香り高くて味もよく、表面に網目状の模様(ネット)があるのが特徴です。果肉が緑色(青肉種)のものにアールスメロンやアンデスメロンなどがあり、果肉がオレンジ色(赤肉種)のものに夕張メロンやルピアレッドなどがあります。
網目状の模様がないメロンは、果肉が白っぽい(白肉系)ホームランメロンや外側が黄色がかった緑で中心部がオレンジ色のプリンスメロンなどがあります。
栽培方法でいうと、温室で育てられたものとそうでない露地ものがあります。温室栽培のメロンは温度と水を徹底して管理し、一つの株から一つの果実のみを育てます。アールスメロンはこの栽培方法で作られるため高級なメロンとなります。
露地ものにはビニールハウスで栽培するアンデスメロンや夕張メロン、畝をビニールなどで覆うトンネル栽培のプリンスメロンやホームランメロンがあります。こちらは温室栽培のものと比べて値段は安くなります。
北海道産の夕張メロン、茨城県産のイバラキング、静岡県産のアールスメロンなど、有名な産地の高級メロンを食べられるのは日本滞在中ならでは。日本で開発されたホームランメロンやプリンスメロンも、手頃な値段で食べられるのでおすすめです。
2.知っておきたいメロンの等級や格付け
国産メロンは、出荷する団体によって厳しい基準が設けられ、等級と階級で格付けされています。
等級(品位基準)は、上から「特秀品」「秀品」「優品」「良品」などで表され、糖度(センサーで選別)、熟度、・見た目(形が整っているか、傷の有無)、表面の網(ネット)の張り具合ときめの細かさ、色、つるの張り具合をチェックされます。
階(形状基準)は、大きさと重さの基準で、S(スモール)、M(ミドル)、L(ラージ)、2L(又はLL)などで表されます。
このようにメロンは一般的に、「秀L」「優2L」というように、等級+階級で表示されています。
3.代表的なメロンの種類
ここからは、選ぶときの参考にできるよう代表的なメロンの種類を紹介しましょう。
①アールスメロン
「アールスメロン」はマスクメロンと呼ばれる高級メロンの種類で、1本のツルに1個の果実だけを大切に育てるため、甘味は格別です。果肉は青肉で果汁もたっぷり。まさにメロンの王者ともいえる種類で、贈り物にも多く用いられます。静岡県、茨城県、熊本県ほか全国で栽培されており、8月上旬~9月上旬に旬を迎えますが、温室栽培のメロンが多いため、それ以外の時期でも収穫され、市場には通年出回っています。
②イバラキング
「イバラキング」は茨城県のオリジナル品種で、なめらかな食感、さわやかな甘さ、上品な香りが特徴です。果肉は青肉で糖度が高く、5月上旬~6月上旬が旬ですが、早いときは4月下旬から出荷され、その贅沢な味わいを心待ちにする人も多いです。
③夕張メロン
「夕張メロン」は北海道夕張市でしか作ることができないメロンです。赤肉の中でも特に鮮やかな色で、口に入れるととろけるようにやわらかく、甘くてとってもジューシーです。6月下旬~8月上旬が旬です。外皮の色が淡い黄色になり、ツル(軸)が枯れてきたら食べ頃です。他のメロンと比べて熟すのが早いので、熟れすぎないように見極めましょう。
④ルピアレッド
「ルピアレッド」は表面に細かい網目が綺麗に入ったネット系メロンで、皮は薄く、果肉は赤肉系の肉厚でしっかりしたかたさで日持ちがします。でも熟すと果肉はやわらかく口の中でするりとほぐれます。7~9月が旬で、北海道ではツル付きで、茨城県産のものはツルなしで出荷されています。
⑤プリンスメロン
日本で開発され、1961年に誕生したメロン「プリンスメロン」は、なんといってもその価格の安さで一気に一般家庭に広まりました。マスクメロンが1玉1kgで5,000円以上なのに対して、プリンスメロンは1玉600g~700gと小ぶりですが、1,000円ほど。
果肉は皮に近い外側は黄色がかったグリーンで、中心に近くなるにつれてオレンジ色になります。香りは薄いですが、甘みが強くとてもジューシーです。
熊本県、山形県、福井県、北海道などで栽培されており、旬はエリアによって若干変わりますが、概ね5~6月です。
4.美味しいメロンの見分け方は?
網目の有無に関わらず均整がとれたやや縦長の球形で、左右対象で変形していないもの、大きめで表面に傷や変色、斑紋がないものが甘くて美味しいです。手にした時にずっしりと重いものは、果肉が肉厚でジューシーさの証しです。
また、メロンは収穫してから追熟させるため、店頭に並んでいるものは比較的未熟なものが多いです。売っている時に香りが強いものは、熟しすぎている可能性があるので、避けたほうがよいでしょう。
表面に網目のあるマスクメロンは、ネットが盛り上がって均一に張っているものが美味しいとされています。網目の細かさ具合は、メロンの甘みにはあまり影響しないようです。
5.メロンの食べごろと上手なカット方法を紹介
一般的に生産地から出荷後4~5日で店頭に並ぶため、購入してから2~3日後が食べ頃です。熟成させるために、冷蔵庫に入れず常温で保管し、メロンの「花落ち部」と呼ばれるお尻の部分をそっと押して、柔らかくなっていたらそろそろ食べ頃です。
食べる2~3時間前に冷蔵庫に入れて冷やすと、ほどよい冷たさで美味しさが際立ちます。温室栽培のものは通年出荷されていますが、5月初旬頃から7月頃が最も多く出荷されて食べ頃です。
切り方は、まず包丁でメロンのツルの部分を切り落とします。この部分は苦みがあるのでばっさりと切りとります。
苦みのついた包丁を洗ってから、実を縦にくし型に切ります。
スプーンで種をくり抜きます。
さらにこのように切っておくと、フォークを使って食べやすくなります。
6.主な楽しみ方(購入、メロン狩り、デザート、加工品など)
メロンはスーパーマーケットや百貨店の果物売り場などで買い求めることができます。贈りものにするなら、箱に入れてラッピングをしてもらえる果物専門店か百貨店がおすすめです。
メロン狩りができる農園もあります。地方によって時期は限られていますが、6~9月にオープンするところが多いようです。収穫体験やメロン食べ放題など、農園によって異なる楽しみ方があるので、事前に調べて予約してから出かけましょう。
まるごと食べきれないという人は、百貨店やスーパーマーケットで、食べやすくカットしたものを買うのがおすすめ。カットメロンに生ハムをのせたオードブルやデザートにメロンがあるレストランもあります。
メロンが一番多く出回るのは6月頃です。この時期はカフェなどで、特別メニューとしてメロンを使ったスイーツが登場します。パフェやケーキにトッピングされるほかに、メロンを加えたシャーベットやホイップクリームが使われるなど、メロンづくしのスイーツが人気です。
香り高くて甘いメロンは、チョコレートなどのお菓子にも加工されています。スーパーやコンビニで市販されているお菓子のメロン風味もぜひ味わいたいですね。
7.まとめ
ここにあげた以外にも日本のメロンにはたくさんの種類があります。かぐわしい香り、とろける食感と旨み、たっぷりの果汁の美味しさ、特別な日に食べたい果物の代表格、ぜひ味わってみてください。
※メロンの写真はイメージです
監修:有限会社いばらき食文化研究会 代表取締役 (居酒屋酒趣、いばらき地酒バー経営)
[茨城一メロンを買う男]井坂紀元氏
松田きこ、木村桂子、都志リサほか、関西に精通した女性ライターチーム。食べること、飲むこと、旅することが大好き! 自ら体験した楽しい情報を発信しています
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
-
日本最大の琵琶湖に、とろける近江牛。 滋賀県の魅力をまるごと堪能できる「ここ滋賀」ガイド
-
日本で活躍中の「福島もも娘」が体験! 4泊5日で行く福島県浜通りを満喫するおすすめプラン
by: LIVE JAPAN編集部
-
河口湖で食べるべきほうとう3選!富士山麓の絶品名店を食べ比べ
by: 島田みゆ
-
【2025年 最新情報】日本旅行のルールや制度はどう変わる?免税制度、事前通関などの動向を解説
by: LIVE JAPAN編集部
-
【2024年10月】食べて飲んで仮装して!グルメイベントやビールの祭典、ハロウィンなど、参加型イベントを楽しもう!東京近郊イベント&お祭り情報
by: 木村かおり
-
日本の「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録決定!
by: LIVE JAPAN編集部