外国人はそれぞれの街のどんなところに惹かれ、住むことを決めたのでしょうか？

「浅草の魅力は、昔の日本の雰囲気を感じられることです。街の風景に、とても日本らしさを感じます。着物を着ている人がいたり、忍者のレストランがあったり、歩いているだけでわくわくしますね」（オーストラリア人男性）

浅草といえば、浅草寺を中心とした古い街並みが魅力ですね。日本で最も古い商店街の一つと言われる仲見世通りなど、日本の情緒が味わえます。まさに浅草の浅草らしさに魅了されたようです。しかも、最近では新たな魅力も加わってきています。

「浅草の魅力は、昔のものと新しいものが混在しているところだと思うわ。浅草寺の方面を歩くと歴史を感じるけど、スカイツリーの近くに行くと、水族館やプラネタリウムがあったり、商業施設があったりして、雰囲気がガラッと変わるわよね」（アメリカ人女性）

高さ634mのスカツリーは、世界一高い自立式電波塔。地上350mと450mの高さに展望台が設置され、首都圏の大パノラマが楽しめます。そしてその足元には、最先端をいくショップが軒を連ねる商業施設があります。日本の古さと新しさの両方が一度に楽しめるのが浅草の魅力といえそうです。

一方の銀座は、街全体に漂う上質な空気と、世界のハイブランドが集うファッショナブルな雰囲気が魅力です。

「銀座の魅力は、上質な雰囲気でとにかく街が綺麗なことね。高価なものが多いけれど、ウインドウショッピングをするだけでも楽しいわよ」（フランス人女性）

確かに世界中のトレンドファッションは、眺めるだけでも楽しいですよね。さらに店舗が入るビルなども銀座ならではの凝った造りになっているので、ファッション好きにはたまらない空気感が味わえます。また、先端のトレンドが味わえることに加えて、老舗が多く残るのも銀座の魅力といえるでしょう。

「銀座の魅力は、雰囲気の良いお店がたくさんあり、お洒落な人が歩いているところです。百貨店や有名ブランドのお店が立ち並んでいて、土日は道路を歩ける『歩行者天国』になっているので、優雅な雰囲気が感じられます。裏道に入ると、雰囲気も変わって面白いですよ。特に昭和通りに向かう方の裏道は、昔ながらのお店も並んでいておすすめです」（イタリア人男性）

銀座は、碁盤の目状に造られた街です。大通りと大通りの間には細い通りがいくつもあり、古くから銀座で商いをするお店が並んでいます。日本一地代が高い街ですから、小さな店舗もたくさんあり、それぞれが生き残るための工夫を凝らして歴史を紡いでいます。裏道に目をつけるなんて、外国人の方もディープな銀座を楽しんでいるんですね。

東京の下町、浅草。飲食店も誰もが馴染みのある味と雰囲気の店舗が並びます。

「飲食店は、やはりお好み焼きともんじゃ焼きのお店が目立ちます。初めてもんじゃ焼きを見た時は、なかなかショックを受けましたが、今では大好きな料理の一つです」（オーストラリア人男性）

お好み焼きやもんじゃ焼きは日本のファストフードといえる食べ物の一つ。特にもんじゃ焼きは、調理法といい、食べ方といい、インパクトがありますね。

「飲食店ではないけれど、仲見世通りを歩くと、いつも色々な美味しい匂いがしているから、つい買ってしまうの。“あげまんじゅう”が美味しかったわ」（アメリカ人女性）

仲見世通りやその周辺の通りには、甘いもの、しょっぱいもの、小腹の足しになる揚げ物などワンコイン以下の手軽なグルメがいっぱいあります。食べ歩き自体は禁止されているのでできませんが、どこのお店も店舗脇にスタンディングテーブルなど、買ったグルメを食べられるスペースを用意しています。このエリアならではの楽しみ方ですね。

銀座は飲食店もワールドワイド。世界中の料理がハイレベルなクオリティで楽しめます。

「飲食店はイタリアン、フレンチ、中華、和食など、様々な種類がそろっていて、ゆっくり過ごすようなお店が多い印象です。食べる場所に困ることはないですね」（イタリア人男性）

ゆっくり過ごすようなお店が多いという印象に、やはり銀座らしい上質な街の雰囲気を感じますね。銀座は、食事の種類はもちろんですが、スイーツもバラエティ豊かです。

「私は、銀座のカフェでスイーツとお茶を楽しむのが好きなの。とても気分があがるわ。街の雰囲気は、どこをとっても洗練されている印象ね。素敵なレストランやバー、カフェがたくさんあるわ。コリドー街は、お店もたくさんあっていつも賑やかだからおすすめよ」（フランス人女性）

カフェ文化の根付いたフランス人女性が銀座のカフェを押すのですから、そのクオリティがわかるというもの。また、コリドー街は、銀座のなかでも比較的新しいエリアです。気鋭の店舗が軒を連ね、20代30代を中心に毎日賑わいを見せる通りです。

「浅草でお土産を買うなら、仲見世通りがおすすめです。日本らしいグッズや、ちょっとしたお菓子がたくさん売られているので、選ぶのに迷ってしまうくらいです」（オーストラリア人男性）

お土産もやっぱり仲見世通りが一番にあがる浅草。浅草寺の参道にあるのですから、日本らしいグッズがいっぱい。お店もたくさんあり、縁起物も豊富なので、お土産にうってつけですね。

「『かっぱ橋』というところに行くと、かわいらしい食器や、小さなお菓子がたくさん売っているから、お土産を買うのにぴったりだと思うわ」（アメリカ人女性）

かっぱ橋は、飲食店を始める人が一度は行くべきエリアといわれるキッチン用品がそろう道具街です。今は、小売りもしてくれるので、誰でも気に入ったキッチン用品が1点から購入できます。本格的な道具が手ごろな値段で買えるので、外国人ならずとも一度は行きたい人気スポットですね。

一方の銀座は、百貨店も多く建ち並んでいるだけあって、外国人から人気です。確かに品揃えの豊富さは、すばらしいもの。お店をハシゴできるのも楽しみの一つといえそうです。

「百貨店の中にある食品コーナーに、お土産に最適なお菓子や食べ物が売っていますよ」（イタリア人男性）

「お土産を買いたい時は、百貨店の地下に行くとお洒落な和菓子や洋菓子がたくさん売っているので、間違いないわね。（フランス人女性）

お話を伺ったお二人からも百貨店のお土産が絶賛されています。とはいえ銀座は、和洋菓子共に老舗のお店が多くあります。小さなお店が多いですが、こうしたお店も探してもらえると、銀座でのお土産選びをさらに楽しんでいただけるかもしれませんね。

浅草も銀座も、じっくり楽しもうと思ったら1日では足りないくらい、たくさんの見所があるスポットです。日本の魅力の違う面を味わうことができるので、ぜひ両方とも訪れてほしいものです。

＜筆者プロフィール＞
株式会社ダリコーポレーション　小西尚美
紙・webなど媒体は問わず、暮らしのあれこれの取材やインタビュー記事を多く手がけています。アスリートが多め、市井の人が持つ物語も好き。若干、健康オタクなので、健康に関する取材だと体温上がり気味に。

※本記事の情報は2020年6月時点のものです。