HOME 返品は当たり前ではない!日本で買った商品の返品ルールとは?
返品は当たり前ではない!日本で買った商品の返品ルールとは?

返品は当たり前ではない!日本で買った商品の返品ルールとは?

更新日: 2020/09/14

「購入した商品が気に入らなかったら返品すれば良い」―― 多くの国ではこうした買い物スタイルも多いのではないだろうか。その背景には、自己都合による返品でも対応してくれる、店舗側の手厚い返品サービスが存在する。返品へのハードルの低さから、「どちらか2つで迷ったら両方買う」と考える人もいるのではないだろうか 。

そんな諸外国の返品サービスに対し、日本人の筆者はとても驚いている。なぜなら日本では、購入商品の返品条件が厳しく設定されているからだ。少なくとも、ある程度使用済みの商品を返品するなんてことはできず、商品に不備や不具合がない限り、基本的に未開封かつ未使用でなければ、返品するのは難しい。

そこで今回は、日本で買った商品の返品ルールや、返品方法について紹介しよう。自国のルールとどう異なるのか、ぜひ比較しながら読み進めてもらいたい。

■自分の都合では返品できない

■自分の都合では返品できない

日本で買い物をした場合、大抵の店舗は自己都合による返品を受け付けない。例えば、買い物をするどんな人にも以下のような経験をしたことはあるはず。

・「買った服が似合わなかった」
・「少々乱暴に扱ったら壊れてしまった」
・「味が気に入らないから返品したい」

日本ではこういった条件でも、基本的に一度購入し何らかの形で使用した場合には返品は認められないのが一般常識。これが日本以外の諸外国であれば、理由を問わず返品・返金・交換に応じる店舗が多く見られる傾向にある。購入後〇日と定められた返品期間中であれば、たとえ使用済みの商品であったり、商品を汚したりしても、返品を受け付ける場合がある。「より気軽に買い物を楽しめる仕組み」ではあるが、これでは過剰な返品による消費者のモラルハザードなど、別の問題も出てきてしまうのも事実。

日本では、商品不具合などがない限り、自己都合による返品を受け付けないケースが多い。「日本人はケチなのか?」と思うかもしれないが、日本には「事業者は消費者の返品に応じる義務がある」といった法律が存在せず、あくまで返品は店舗側によるサービスの範疇に過ぎないのだ。
つまり、ここ日本では、返品を受け付けるか、受け付けないかは、全て店舗側の判断に委ねられている。“郷に入れば郷に従え” ということわざがあるように、文化の違いと割り切る必要があるだろう。

■返品時の注意点

■返品時の注意点

いくら返品の敷居が高いとはいえ、正当な理由があれば、基本的に応じてくれるのでご安心を。その際、購入時にもらったレシートの提示が必須となる。返品条件や受付期間などが記載されているケースも多いため、比較的高価な買い物をした時は、記載内容の確認をおすすめする。

もしレシートを読むのが難しかったら、万一に備え返品条件などを店頭スタッフに聞くと良い。最近は多言語スタッフを配置する店舗も増えているため、何かしらの形で対応してくれるはずだ。なお、返品できる期限は、商品の種類や店舗により異なる。購入より一週間以内から、数ヶ月間までとさまざまだ。

仮に多言語スタッフがいない店舗だと、相手も日本語で説明してくるはずだ。その場合は、スマートフォンの翻訳アプリなどを利用して意思疎通を図ると良いだろう。多少時間がかかっても、丁寧に対応してくれるはず。

■食品の返品

■食品の返品

食品の返品におけるポイントは、以下の通りだ。

・未開封の食品なら返品に応じることが多い
・未開封でも賞味・消費期限を過ぎていたら返品に応じてくれない
・開封した商品に不具合があれば確実に返品できる(カビが生えていたなど)

「食べてみたら美味しくなかった」という嗜好上の理由や、「帰宅途中で卵が割れた」といった自己管理による理由では、返品が認められないことが多い。もちろん各企業や各店舗によって対応に差はあるが、未開封かつ賞味・消費期限内であれば返品できる可能性が高い。また、開封した商品に明らかな不備があった場合も同様。品質が徹底管理されている日本の食品産業において、開封前の商品に不備があるケースは稀だが、念の為覚えておこう。

■衣類の返品

■衣類の返品

衣類の返品におけるポイントは3つある。

・購入者側によるサイズミスは交換になるケースが多い
・返品には新品購入時のタグが必要
・(ボタンが外れていたなど) 購入した商品の不具合

一番の返品理由は、やはりサイズミスだろう。これに関して、多くの企業や店舗は、サイズ交換という形で対応することが多い。商品の不具合に関しては言うまでもなく、返品や交換に応じてくれる。また、新品未使用かつタグが残っている状態であれば、そのまま返品を受け付ける店舗もあるので覚えておこう。なお、下着や水着などは、衛生上の理由から返品できないケースが大半だ。

■靴の返品

■靴の返品

基本的に衣類と共通する部分が多い。サイズミスに関しては、「室内で試し履きをした程度の状態」であることを返品・交換条件にする店舗が多い印象だ。無論、外に一度履いて出かけたものは、返品できないケースが多い。店頭で試し履きをし、サイズや履き心地を確認した上で購入しよう。

■電化製品の返品

■電化製品の返品

電化製品の返品にあたっては、以下のポイントを押さえていきたい。

・通電後は返品できないケースが殆ど
・初期不良なら返品できるが修理扱いになることもある
・“ドット抜け”のテレビやモニターは返品できない

初期不良が認められる場合を除き、通電後の返品は殆どの場合受け付けない。また、仮に初期不良が認められても、購入から1ヶ月程度の期間が経っていると、修理扱いになるケースもある。新品未使用であれば、大抵の場合返品を受け付けるが、早めの対応をおすすめする。なお、テレビやモニターなどの“ドット抜け”は、初期不良扱いにしない店舗が多い。「ドット抜け保障」などを行っている家電量販店もあるため、心配なら加入すると良い。

■日本のクーリングオフ制度とは

■日本のクーリングオフ制度とは

日本にも、売買契約が成立した後、一定期間内であれば契約解除を申し出ることができる「クーリングオフ制度」が設けられている。ただし、欧米圏やユーロ圏のそれとは内容が異なるため注意したい。日本のクーリングオフ制度は、一時的に冷静な判断に欠ける可能性がある状況での契約にのみ適用される。例として、以下のような取引が対象だ。

・訪問販売
・店舗外取引
・キャッチセール
・アポイントメントセールス
・電話勧誘販売

それぞれ契約から8日以内の申請であれば、クーリングオフ制度が適用される。この内容を見て分かるように、店頭販売には適用されないので注意したい。そのための返品ポリシーを各企業や店舗が設けているわけだ。

■返品や交換は「当たり前」ではない

■返品や交換は「当たり前」ではない

日本の民法によると、一度売買が成立した商品に対して、店舗側が返品・交換に応じる義務や法律的根拠はない。買い物文化の違いを感じるかもしれないが、返品や交換に応じるのは、あくまで店側のサービスであり、好意に過ぎない。日本国内での買い物において、返品や交換は当たり前ではない、ということを念頭に置こう。

※記事掲載時の情報です。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。

この記事をシェアする

 
検索