日本の染織の歴史

古代の日本人は上下が分かれている衣服を着ていたとされている。現在よく知られている着物は8世紀頃に中国から新しい織り方や切り方の技術が伝えられ、発展していったものだ。1枚羽織で着ることができる着物は、どんな体型にも合い、寒さ暑さにも適し、さらには簡単に畳んで片付けられることから、瞬く間に人々の間に広まっていった。
やがて着物を幾重にも重ねて着ることが流行。人々は色の重なりや調和に凝るようになり、同時に色付けや柄付けの技術も磨かれていった。日本伝統の色合わせは、この時代に発展したものだ。
繊維産業の発展

もともと豪奢な着物はごく一部の上流階級のものだった。ところが江戸時代初期、時の政権が皇族や貴族から多人数の大名や侍へと移ったことで、着物を巡る状況にも変化が現れた。侍の正装は着物・裃・袴の3点セットだが、権力を得た多くの大名たちが正装を必要としたため衣類の需要も高まり、それが繊維産業の大きな後押しとなった。繊維産業が潤ったことで、染色や刺繍、織物の技術もますます発展。芸術性の高い着物も次々と作られるようになっていった。
染料の種類

日本の伝統色は、聖徳太子(574-622年)が制定した「冠位十二階」にその原点があるとされている。冠位十二階とは冠の色によって地位や身分を表す制度で、全12色の冠が定められていた。その多くが草木染めであり、そのうちのいくつかは日本伝統の染料の定番となった。
自然染料にはさまざまな種類がある。たとえば茜色はアカネの根から、紫色はムラサキソウの根、鬱金はショウガの一種であるウコンから抽出する。また日本の伝統色には微妙に異なる多彩な色があり、赤系統だけでも桜色、撫子色、紅色、ツツジ色など10種類以上の色がある。
現代の繊維産業

今では日常生活で着物を着る人はほとんどいないが、祝い事やお祭りなどの際には色とりどりの着物をまとった人を見かける。着物には多種多様な製法や色使いがあり、夏に着る浴衣から国宝級の着物まで品質も値段もさまざまだ。日本の繊維産業といえば着物だけでなく、日本製のタオルもその品質の高さで世界的に知られている。なかでも愛媛県の今治や大阪府の泉州で作られるタオルは有名だ。歴史を経て継承されてきた技術や美学が、日本の繊維技術を、世界的に抜きん出た独特なものにしている。
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