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日本の自然災害対策ガイド:訪日旅行者が知っておきたい安全な旅のポイント

日本の自然災害対策ガイド:訪日旅行者が知っておきたい安全な旅のポイント

更新日: 2025/01/31

日本への旅行を計画したら、念のために地震や台風などの自然災害についても調べておきましょう。過度に心配する必要はありませんが、自分の国ではあまり発生しない自然災害もあるかもしれないので、万が一の時に備えて、備えや対処方法などについて頭に入れておいた方が安心です。この記事では、日本の自然災害に関する基礎知識や、必要な準備、役立つアプリなどをご紹介します。安心して日本旅行を楽しむための、必読ガイドです!

TOP画像素材:PIXTA

目次
  1. 「自然災害の多い国・日本」で正しく災害の情報収集をするために知っておくべきこと
  2. 地震が起きたらどうする?余震、津波、土砂災害、火山災害が起こる可能性もある
  3. 台風が直撃したら?豪雨、洪水、土砂災害が発生することも
  4. 山や雪のアクティビティ時の災害対策(火山災害、雪崩)
  5. 一緒に旅行している家族も自然災害から守ろう
  6. 自然災害のために旅行の予定を変更することになったら
  7. 旅行前に役立つアプリや情報源をチェックしよう
  8. できる準備や知識を持って、楽しい日本旅行を!

「自然災害の多い国・日本」で正しく災害の情報収集をするために知っておくべきこと

日本は、位置、地形、地質、気象などの自然的条件から、台風や豪雨・豪雪、洪水、土砂災害、地震、津波、火山噴火などによる災害が発生しやすいと言われています。日本で起こる自然災害の多さは、研究機関の統計や調査でも確認されています。

例えば、全世界で起こったマグニチュード6以上の地震は、その18.5%が日本で起こっています。比較的近年では、1995年の阪神・淡路大震災(M7.3)、2011年の東日本大震災(Mw9.0)が広く知られています。

日本で生活する人々は、こうしたことを念頭に置いて、天気予報にも常に注意しながら、さまざまな備えをして生活しています。

いつ来るかわからない災害、知識と準備を

日本で起こる自然災害は、地震や津波、火山災害などの「いつ来るかわからないもの」と、台風のように「数日前からある程度の予想がついているもの」の2種類があります。旅行中に万が一こうした自然災害に遭遇した時に、自分や家族の安全を確保するためにも、災害への知識やできる準備・対策、災害情報を集める方法を覚えておくとよいでしょう。

地震、余震、津波

阪神淡路大震災(画像素材:PIXTA)
阪神淡路大震災(画像素材:PIXTA)

地震は、日本で最も多く発生する自然災害の一つです。日本は、大陸プレートと海洋プレートの境界に位置しているためです。

地震発生時は安全な場所に避難し、周囲の情報を「信頼できる情報源」から確認することが重要です。大きな地震のあとには余震(大地震のあとに頻発する小さな地震)があるということ、海の近くにいる場合は津波(地震で海の底が動き、その上の海水を押し上げることでできる波)が発生する可能性もあることを知っておきましょう。津波警報が発令されたら、周囲の指示や様子を見て、すみやかに高台へ避難します。

台風、豪雨、豪雪、洪水、土砂災害

豪雨被害(画像素材:PIXTA)
豪雨被害(画像素材:PIXTA)

日本は海に囲まれており、地形の起伏が激しいため、台風や豪雨、豪雪が発生しやすい国土です。河川の流れも急な地域が多いため、土砂災害や洪水も起こりやすくなります。

台風や豪雨・豪雪は、天気情報を参考にすることで、ある程度予測ができます。旅行の準備として、天気情報アプリをインストール、最新の天気が確認できるようにしましょう。洪水や土砂災害が発生した場合は、最新の信頼できる情報を確認し、近くの避難所へ移動します。

大雨が多い季節は、特に「梅雨」という春から夏への季節の変わり目です。台風が発生しやすい季節は、夏から秋です。ただし、近年は「ゲリラ豪雨」といって、梅雨以外の季節でも局地的に激しく雨が降ることがあります。冬の豪雪は、特に日本海側で発生します。

火山災害、雪崩

桜島(画像素材:PIXTA)
桜島(画像素材:PIXTA)

日本は環太平洋火山帯にあり、108の活火山(世界中の約7%)があります。火山災害や雪崩に関する情報は、気象情報のほか、訪問しようとしている地域の情報、ゲレンデからの情報などをチェックしましょう。

信頼できる情報を得る方法

災害情報を収集する際は、政府や官庁など、「信頼できる機関が提供する情報かどうか」を確認することが重要です。例えば気象局や観光庁、NHK(日本の公共放送局)などの公式サイトやSNS、それらが配布しているアプリなどを参考にします。一般市民が広く利用するSNSなどのデジタルメディアで伝えられる情報の中には、不確かなものも含まれることを知っておきましょう。

自然災害時の情報収集に役立つ情報源は、記事の後半で紹介します。

災害に関する日本のニュースを正確に理解するために

災害発生時には、日本のメディアで「警戒レベル」という単語が繰り返し使われます。日本国内で使用される警戒レベルとは、5段階が5色に区分されており、それぞれ以下を意味しています。これらの意味を理解することで、災害に対してどう行動したらよいか判断ができるでしょう。注意報より、警報のほうが危険度は高くなります。

出典:内閣府ホームページ (https://www.bousai.go.jp/oukyu/hinanjouhou/r3_hinanjouhou_guideline/)
出典:内閣府ホームページ (https://www.bousai.go.jp/oukyu/hinanjouhou/r3_hinanjouhou_guideline/)
警戒レベル5(黒)
災害がすでに発生している可能性が極めて高く、命の危険が迫っています。上の階へ行く、窓から離れるなど、直ちに身の安全を確保します。
発信される情報:大雨特別警報、氾濫発生情報 など
警戒レベル4(紫)
全員が、危険な場所からの避難が必要です。
発信される情報:土砂災害警戒情報、氾濫危険情報、高潮特別警報 など
警戒レベル3(赤)
高齢者など、避難に時間がかかる人は避難を始め、そうでない人も予定変更を検討し、避難の準備をしましょう。
発信される情報:大雨警報、洪水警報、高潮注意報 など
警戒レベル2(黄色)
避難先や避難経路を確認しましょう。
発信される情報:大雨注意報、洪水注意報、氾濫注意報 など
警戒レベル1(白)
最新の気象情報を確認し、準備を始めましょう。

警戒レベル3(赤)以上が報道された場合は、訪問している地域や同行者の様子から判断し、必要に応じて避難などの行動を取りましょう。

キキクル(危険度分布)とは?

気象庁ページトップ(https://www.data.jma.go.jp/multi/index.html?lang=jp)を加工して作成
気象庁ページトップ(https://www.data.jma.go.jp/multi/index.html?lang=jp)を加工して作成

キキクル(危険度分布、Multilingual Information on Disaster Risk Reduction)は、気象庁が運営しているWebサイトです。大雨や洪水などで、注意報や警報が出た時にチェックしましょう。「現在地を表示」のボタンを押すと、今いる地域の危険度が、上記の色でわかるようになっています。避難を判断する目安にもなり、14言語で確認できます。

地震が起きたらどうする?余震、津波、土砂災害、火山災害が起こる可能性もある

地震は、日本の自然災害の中で、最も発生する可能性が高い災害の一つです。大きな地震のあとにも余震や津波、土砂災害などが起こることがあります。まずは「パニックにならないこと」が重要です。ほとんどの日本人は、子どもの頃から学校で地震に備えた避難訓練を定期的に受けているほか、大人になってからも会社などで同様の訓練を受けています。周りの日本人の行動も参考にして、安全な場所に移動しましょう。

大きな地震だけでは終わらない…「二次災害」のことを知っておこう

大きな地震のあとには余震や津波、大規模火災、土砂災害、火山災害といった「二次災害」が起こることがあります。以下に、過去に日本で発生した大地震を紹介します。いずれも二次災害が発生し、多くの被害がありました。過度に恐れる必要はありませんが、過去の事例を参考に、二次災害に備えることの重要性を理解しておくことが大切です。

  • 東日本大震災(2011年)
    地震の規模:マグニチュード9.0
    二次災害:大規模津波により約19,000人が死亡・行方不明、9割以上が溺死
  • 阪神淡路大震災(1995年)
    地震の規模:マグニチュード7.3
    二次災害:火災による市街地の大規模焼失、首都直下型地震でありライフラインの壊滅的な損壊、避難所不足
  • 熊本地震(2016年)
    地震の規模:最大マグニチュード7.3
    二次災害:土砂崩れや住宅倒壊による被害が拡大

地震発生時の行動とその後の注意

画像素材:PIXTA
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地震が発生したら、日本では「緊急地震速報」が流れます。大きな地震が起こる直前に、携帯電話・スマートフォン・テレビ・ラジオなどから、特別な音が鳴ります。音がなったすぐ後に強い揺れが来るので、次のように行動しましょう。

ホテルや家の中にいる時
・揺れが収まるまで、テーブルや机の下に入って頭を守りましょう
・揺れが収まったら、いつでも逃げられるようドアや窓を開けて靴を履きます
スーパーなどお店の中にいる時
・揺れが収まるまで、バッグやカゴなどで落ちてくるものから頭を守りましょう
・揺れが収まったら、店員の指示に従って避難します
エレベーターの中にいる時
・揺れ始めたら、エレベーターが動かなくなる前に全ての階のボタンを押しましょう
・ドアが開かないときは、エレベーター内のインターホンで外部の人と連絡を取ります
道路や駅にいる時
・揺れ始めたら、窓や壁から離れ、線路に落ちないようにしましょう
・揺れが収まったら、近くの避難所に向かうか、駅員の指示に従って避難します
地下街にいる時
・パニックにならず、揺れが収まるまで大きな柱や壁の近くでしゃがんで待ちましょう
・揺れが収まったら、ゆっくり外へ出る出口へ向かいます

大きな地震の後は、余震が起こることがあります。場所によっては津波が来たり、大きな火災が起こることもあります。電車やバスなどの公共交通機関は止まり、タクシーも利用できません。インターネットも繋がりにくくなる場合もあります。

避難は必要?避難所の利用と注意点

避難所の看板(画像素材:PIXTA)
避難所の看板(画像素材:PIXTA)

大きな地震が発生し揺れが収まったら、近くの避難所へ移動しましょう。先程紹介した理由から、観光を続けることは難しくなります。

避難場では、食べ物や水が配布されたり、寝る場所や毛布などが提供されます。学校の体育館など、広い場所にさまざまな人が集まります。騒ぎすぎず、あるものを皆でシェアして、周囲の人と協力する姿勢が大切です。避難所は、信頼のできる情報が集まる場所でもあります。避難所に行けば、次の行動を考えることができるでしょう。

津波警報発令時の行動

津波避難経路の案内板(画像素材:PIXTA)
津波避難経路の案内板(画像素材:PIXTA)

大きな地震が起こった後は、津波が発生する可能性があります。津波は、人が走って逃げ切れるものではありません。また、海岸に津波が見えてから避難しても間に合わないことを覚えておきましょう。

津波警報が発令されたら、安全を確保するため、とにかく高台へ向かいましょう。『1mの津波に巻き込まれると生きていられない』とも言われています。0.3mの津波でも、車を浮かせるほどの力を持っています。津波の脅威をしっかり理解し、すみやかに避難しましょう。

目印として、以下のようなサインが使われることが多いです。覚えておき、もしもの際には看板に書かれた指示に従って行動しましょう。

画像素材:PIXTA
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余震はいつまで続く?二次災害への備え

本震のあと1週間程度のうちに、規模の大きな余震が起こる場合があります。1997年の鹿児島県薩摩地方の地震や、2003年の十勝沖地震などの事例をみると、本震と同じくらいの揺れになることもあります。本震のあとの2~3日は、特に余震に注意しましょう。

今いる地域に、どのような二次災害(土砂災害、津波など)が起こりそうか確認し、どう避難するのか考えておく必要があります。

台風が直撃したら?豪雨、洪水、土砂災害が発生することも

台風は、日本で毎年のように発生し、特に8月~9月にかけて多くの被害をもたらす自然災害です。多くは、大雨や洪水、土砂災害を伴います。特に近年、台風以外の時期にも豪雨災害が増えており、事前の情報収集が重要です。

天気予報を事前にチェック!予定変更も検討しよう

台風の進路予想図(画像素材:PIXTA)
台風の進路予想図(画像素材:PIXTA)

台風や豪雨は、事前に予測ができる災害の一つです。天気予報アプリを活用し、台風の進路や影響の程度を確認しましょう。台風の進路は、常に更新されるので最新の情報をチェックしましょう。影響が大きい場合は、観光や移動のスケジュールを変更することも選択肢の一つです。

特に、飛行機や新幹線など公共交通機関は大きな影響を受けます。事前に運行会社に運行助教を聞き、場合によってはキャンセルや日程変更をしましょう。また、宿泊施設への連絡も行い、営業するかどうかも確認したほうが安心です。早めの行動を心掛けましょう。

台風が直撃したときの行動

画像素材:PIXTA
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台風が直撃すると、まずは大雨が降ります。道路に水があふれ川のようになったり、ホテルや店の中に水が入ってくることもあります。電車や地下鉄は、止まることもあります。

次に、台風は強い風を伴います。風で屋根や看板が飛んだり、木が折れたりすることもあります。外で立っていられないほどの風が吹き、停電することもあります。そのため、電車が止まったり、高速道路が通行止めになることもあります。

台風が直撃したら、自分の身を守るため、安全な建物内に避難して外出を控えましょう。危険な場所にいるときは、「警戒レベル4」までに避難所へ行きます。それ以上になると、外に出るほうが危険です。

なお、「計画運休」といって、台風に備えて電車やバスの運行がなくなったり、運行本数を少なくすることがあります。台風時は、予定している公共交通機関の運行状況も確認しましょう。必要ならば、台風が来る前に、早めに移動を完了させましょう。

洪水が起こりそうなときの行動

洪水の危険が高まった場合、「警戒レベル4」までに早めに避難所へ避難します。川に近い場所では、特に注意が必要です。

画像素材:PIXTA
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「ハザードマップ」が地域ごとに用意されています。洪水ハザードマップ、土砂災害ハザードマップなど、自然災害の種類ごとにあります。その地域に長く滞在する場合は、これらのハザードマップを確認し、自分のいる地域の状況を確認しておくと安心です。

土砂災害警戒情報が発令されたときの行動

土砂災害が起こった時、「警戒レベル4」にあたる、土砂災害警戒情報が発令される場合があります。発令されたら、速やかに危険地域から離れて避難することが求められます。特に、急斜面や崖に近い場所には、絶対に近寄らないようにしましょう。

警報が発令される前から、準備しておくことも大切です。自分のいる地域のハザードマップを確認し、天気予報をチェックします。雨が降り始めたら、警報情報を気にしておきましょう。

近年は台風シーズン以外にも豪雨災害が起こる

近年では、台風シーズン以外で、豪雨による災害が増えています。特に「梅雨」の時期である、6月~7月には注意しましょう。雨が長く続き、時々まとまった雨になります。雨が続くと、洪水や土砂災害の危険も出てきます。

また、梅雨から台風シーズンである6月~10月は、線状降水帯によって大雨が発生しやすい時があります。線状降水帯は、積乱雲が集まって同じ場所に長くとどまり、大雨を降らせます。気象庁の情報や防災アプリを活用し、最新の気象情報を確認してください。

山や雪のアクティビティ時の災害対策(火山災害、雪崩)

山や雪のアクティビティを楽しむ際には、災害のリスクも頭に入れておくことが大切です。火山災害や雪崩などは、事前の情報収集と備えが必要です。

山のレジャー、向かう前に情報をチェックしよう

画像素材:PIXTA
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山や雪のアクティビティを計画する際には、天気予報や現地の情報を事前に確認し、必要に応じて予定を変更することも検討しましょう。火山地帯では、キキクル(危険度分布)などで噴火リスクを把握し、どうしても訪れる場合は、ヘルメットや防塵マスクなどの装備を準備したほうが良い場合もあります。

また、雪山ではゲレンデの状態や雪崩リスク情報を確認しましょう。訪問する日の前後の天気も確認し、安全を最優先に計画を立てましょう。

火山災害での注意点や対策

出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/funka.html)
出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/funka.html)

日本は世界有数の火山国で、111の活火山があります。近年では、2014年に長野県岐阜県にまたがる御嶽山が噴火して多くの人が被害に遭いました。火山災害には、大きな噴石や火砕流、溶岩流、火山灰、火山ガスなどがあります。

火山災害に備えるには、山岳のある地域が出している「火山ハザードマップ」「火山防災マップ」などを確認し、危険な場所を把握しましょう。そして、万が一の場合に備えて、避難経路や避難所をチェックします。火山災害は、災害が起こってから対策するのでは間に合いません。訪問する前にチェックしておきましょう。

実際に山を訪れる頃になったら、気象庁の「噴火警報」「噴火警戒レベル」をチェックしましょう。キキクル(危険度分布)の活用も効果的です。

雪崩に巻き込まれないための対策

画像素材:PIXTA
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日本は、世界でも有数の積雪量がある国です。国土の半分以上が、「豪雪地帯(冬期に大量の積雪がある地域)」に指定されており、特に日本海側は毎年災害級の雪が降ります。雪崩は、最大で200km/hにもなります。スキーやスノーボード、登山やトレッキング、温泉などの観光で訪れる人を、あっという間に巻き込むこともあると知っておきましょう。

雪崩は、ゲレンデなどの急な斜面で発生することが多く、短期間にたくさんの雪が降ったときにも起こりやすくなります。クラック(ひびわれ)や雪しわなど、発生する前兆現象もあります。

雪崩に巻き込まれないためには、ハザードマップを確認し、「なだれ注意報」など気象情報もチェックしましょう。また、現地のガイドや施設の指示には必ず従い、安全にアクティビティを楽しみましょう。

大雪が降ったときの行動

画像素材:PIXTA
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大雪が降ると、普段とは違う景色になります。その銀世界に気持ちが高ぶってしまうかもしれませんが、大雪も災害になることを覚えておきましょう。

大雪が降ると、道がすべりやすくなり転びやすくなります。また、電車やバスが運休することもあるので、交通情報をチェックし、用のない外出は控えましょう。自転車やバイクといった2輪車に乗ると、転倒の危険があるのでやめましょう。車に乗る必要がある場合は、タイヤチェーンを準備し、積雪や凍結に備えた運転を心掛けましょう。

とにかく、むやみに外出せず、安全な場所で待機することが最善の行動です。

一緒に旅行している家族も自然災害から守ろう

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旅行中、一緒に旅行している同行者の安全を確保することも重要です。高齢者や子どもなど、特別なケアが必要な家族がいる場合は、特に事前の準備を万全にしましょう。

特別なケアが必要な人への対策(赤ちゃんや子ども、高齢者、障害のある人)

赤ちゃんや子ども、高齢者、障害のある人は、災害時に特別な配慮が必要です。常備薬やおむつ、ミルク、介護用品などを事前に用意し、非常時の持ち運びが容易なようにまとめておくと安心です。

そして、危険かもしれない場所や時期に、無理な旅行を計画しないこともポイントです。せっかく日本に旅行するならば、安全で楽しい旅をしたいものです。

それでも、旅行中に自然災害が起こる可能性はゼロではありません。事前に訪問する場所の避難経路や避難所をチェックし、バリアフリー状況などを知っておくとよいでしょう。上記で紹介したように、日本は自然災害が多いこと、特に地震は突然起こることを同行者にも伝えましょう。地震が起こるとどうなるかなど、皆が「知っている」ということも重要です。

日本旅行中に持っておくと安心なアイテム

日本旅行の間、次のアイテムが災害時にも役立ちます。旅行カバンに入れていると安心です

現金
停電が起こると、電子決済が利用できません。そのため、小銭を含めた現金を持っておくと便利です。現金決済のみの店舗もあるので、災害時以外でも現金は持っておきましょう。
ゴミ袋
大きいものと小さいものがあると便利です。レインコートの代わりになったり、緊急時のトイレ代わり、水の運搬に使ったり、手袋代わりにもなります。食べ物を保管するときにも便利です。
ハンカチやストール
大判のストールやショールは、体温調整や日除け、包帯の代わりになります。ハンカチは口に当てればマスクの代わりになり、粉じん対策や感染症対策になります。
レインコート
レインコートは雨だけでなく、風を避けるため寒さ対策にもなります。使い捨てのレインコートは、汚れるような状況でも気軽に使えます。

防災グッズは、旅行中に日本で買うこともできます。こちらも合わせてチェックしておきましょう。

さらに、スマートフォンに「LIVE JAPAN」の災害ポータルサイトをブックマークしておくことで、最新情報へアクセスしやすくなるので活用しましょう。

自然災害のために旅行の予定を変更することになったら

地震や台風などの自然災害に遭遇した場合、または直近の悪天候が予想される場合などには、無理をせず旅行の計画を変更することも検討しましょう。その際、飛行機などの交通機関や宿泊先の予約を変更したり、キャンセルしたりする必要があります。必要な情報はこちらの記事をご確認ください。

旅行前に役立つアプリや情報源をチェックしよう

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このように、日本はさまざまな自然災害が起こりやすい場所です。旅行前に、自然災害について知っておき、パニックを起こさないように準備しておくことが大切です。

準備の一つとして、役立つ防災アプリや情報源を確認しておきましょう。「お守り」として入れておくことで、災害時にも慌てずスムーズに対応できるでしょう。以下におすすめのサービスをいくつか紹介します。ぜひ一度はチェックしておきましょう!

  • Safety tips
    観光庁が監修する災害情報アプリ。地震、津波、台風などの情報をリアルタイムで通知。
    対応言語:15言語(英語、中国語、韓国語など)
    iOS版ダウンロードはこちら
    Android版ダウンロードはこちら
  • Multilingual Information on Disaster Risk Reduction(キキクル(危険度分布)) 
    気象庁が運営しているWebサイト。大雨や洪水、地震や火山災害などの注意報や警報を発信。
    対応言語:14言語
    URLはこちら
  • NHK WORLD-JAPAN
    日本やアジアの最新ニュースを見ることができるアプリ。地震や台風など、災害時の情報発信も。
    対応言語:19言語
    URLはこちら
  • JNTO(Japan Safe Travel) SNS
    日本政府観光局(JNTO)が運営するSNS。自然災害が発生した時に、外国人旅行者に必要な情報を発信。
    対応言語:英語、中国語
    XのURLはこちら
    weiboのURLはこちら
  • Japan Safe Travel Information 
    災害時の気象警報や交通情報などをチェックできる。
    対応言語:英語
    URLはこちら
  • Japan Visitor Hotline(JNTOコールセンター):050-3816-2787
    日本政府観光局(JNTO)が24時間運営するコールセンター。事故、病気、災害時など非常時のサポートを主に行う。
    対応言語:英語、中国語、韓国語、日本語
    URLはこちら

できる準備や知識を持って、楽しい日本旅行を!

自然災害が多い日本を旅行する際、事前の知識と準備が、安心で安全な旅にしてくれます。紹介したアプリなどを活用して、天気予報や防災情報をチェックし、必要な対策を確認しておきましょう。それだけで、万が一の際にも冷静に対応できます。日本の魅力を存分に楽しみながら、安心して旅を満喫してくださいね!

※これらの情報は2025年1月時点の情報です。最新の情報は、各公式サイトを確認してください。

Written by:
いとうみずえ
いとうみずえ

Webライター&編集者。大学卒業後はWeb業界でディレクターを経験した後、アパレル業界に転職。子育てを機にフリーランスとして独立し、Web業界で得た知識やアパレル業界の接客業務で培ったコミュニケーションスキルを活かして多方面で活動中。主な実績はECモールでの広告運用、福祉に関するコンテンツ編集、旅行情報に関する編集・ライティングなど。趣味である年間10~20泊のファミリーキャンプの経験から、アウトドア領域も得意とする。地元の長野県を離れて約20年間の首都圏での生活で、改めて「日本の地方で生活すること」の魅力に気づき、家族での地方移住を決意。その魅力を伝えるべく執筆活動をしている。

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