日本のソウルフードといっても過言ではない丼。おなじみの牛丼や親子丼から、ご当地丼までさまざまな丼が年々増えていますよね。そんな日本人にこよなく愛される丼ですが、外国人はどのように思っているのでしょうか。日本に来て1年以内の在日外国人の方々に、好きな丼、嫌いな丼をリサーチして来ました。
これ以上の丼はないと大絶賛!「親子丼」が人気No.1
外国人の熱狂的なファンが多かった丼はなんと「親子丼」。これ以外はいらない!という人もいるほどでした。確かに親子丼は、行列になる有名店があるほど人気高い丼の一つではあります。しかし、なぜそこまで外国人も、親子丼の虜になってしまうのでしょうか。
「卵、つゆ、ご飯のコンビネーションが最高。こんなにパーフェクトな丼は他にないよ」(オランダ/40代/男性)
「卵と鶏肉が大好き!汁も美味しいし、本当にいつでも食べたくなっちゃうの」(カザフスタン/10代/女性)
もともと日本のすき焼きの元祖とも言われている軍鶏鍋。その〆として生まれたとされる親子丼は、鶏肉、卵、玉ねぎ、つゆだけで作ったとてもシンプルな料理。材料はとてもシンプルですが、味わい深いつゆとご飯・卵のコンビネーションの良さが、外国人にも人気が高いようです。何よりも驚いたのが、親子丼があれば必ずオーダーする人というぐらいの、親子丼ファンがいたこと。国籍関わらず人々を魅了する丼だったんですね。
どんぶりメシの定番は外国人からも高い評価!「牛丼」
家庭でもお店でもおなじみの「牛丼」は、外国人にも大人気。吉野家など大手牛丼チェーンが海外進出をしていることもあり、日本に来る前から牛丼を知っている人も少なくありません。今回インタビューした外国人も、回答者全員が牛丼を食べたことがありました。なぜ牛丼はこんなにも愛されているのか、みていきましょう。
「何より牛肉が大好きなんだ。だから牛丼も好きだよ。アメリカにいた時も日本食レストランで食べたことはあるけど、やっぱり日本に来て食べた方が美味しいね!」(アメリカ/20代/男性)
「丼はそこまで食べないけど、牛丼は好きでよくオーダーする。」(パプアニューギニア/30代/男性)
牛丼の人気の秘密は、牛肉ファンの多さ。鶏肉や豚肉よりも牛肉が好き!という理由で牛丼が好きな人が、特に男性で多く見られました。また、お腹を満たしてくれるかつコスパも良いので、週1で食べているという声も。簡単に作れるので自分で料理する人も少なくなく、外国人の中でも馴染み深い日本料理のようです。
嫌いな丼No.1は、日本人には大人気の「海鮮丼」
北海道まで海鮮丼を食べに行く人がいるほど、日本人に愛されている海鮮丼。外国人は刺身が食べられない人も多いイメージですが、寿司が世界的に有名になったことにより、刺身を食べられる人も増えてきているのではないでしょうか。実際、外国人は海鮮丼が好きなのかどうか聞いてみました。
「とにかく魚が苦手。生魚は特に食べられないから、海鮮丼も食べたくないんだ」(アメリカ/20代/男性)
「私も生魚に慣れていなくて。あまり美味しいと思えないのね」(韓国人/20代/女性)
やはり生魚が苦手な外国人は多くいました。嫌いではなくても、丼の中で一番好き!という声はあまり上がらなかった海鮮丼。寿司は自分の好きな刺身を選んで食べられるから好きだけど、海鮮丼は自分の好きな刺身を選べないから嫌だという声も。
また、イカやエビなどの甲殻類も不人気。ワールドワイドになってきたかと思いきや、まだまだ苦手な人も多いようです。一方で自国では苦手だったけど、日本には新鮮な魚が多くて好きになったという声もあるので、ぜひ海鮮丼の美味しさをより世界に広めたいですね。
賛否両論だった「豚丼」その理由は?
甘めのタレがたっぷりと染み込んだ豚丼。インタビューをした7割以上の人が食べたことのある丼でしたが、好き嫌いがはっきり分かれました。なぜでしょうか?
「豚丼はあの甘いタレが好きね。お肉とよく合うの。食べ応えもあってお腹が空いている時に選ぶわ」(フランス/10代/女性)
「豚丼はあまり好きじゃないわ。豚肉自体あまり味がないし、タレでごまかしている感じがする」(カザフスタン/10代/女性)
豚丼が好きという人の理由は、甘辛なタレと豚肉のコンビネーションが良いとのこと。一方で好きではない人は、そもそも豚肉の味が好きではないそうです。牛肉ファンは多く感じられましたが、豚肉ファンはそれに比べ少ない結果に。またタレに関しても賛否両論がありました。外国の日本食レストランでは豚丼を置いているところは、牛丼などに比べ少ないため、慣れていないという意見もありました。
これから食べてみたいNo.1は「中華丼」
丼と一言で言っても種類がとても豊富ですよね。インタビューを行う中で、食べたことないけど食べてみたい!と人気だったのが「中華丼」。なぜ中華丼が一番食べてみたいのか、理由を聞いてみました。
「もともと中華料理が大好き!具もたくさん入っているし美味しそうだわ」(フランス人/10代/女性)
「中華は馴染みのある食事。母国でもよく食べていたの。きっと中華丼も美味しいに違いないわ!」(韓国/20代/女性)
食べてみたい丼に中華丼が輝いた理由、それは慣れ親しんだ中華料理だからということ。多くの国にチャイナタウンがあり、中華料理を食べる機会はあるという外国人がほとんど。味が想像できるということで、中華丼を食べてみたい!という意見が多くありました。
その他に、食べたことがないけど食べてみたい丼に選ばれたのは、ステーキ丼。牛肉がのっている丼は、外国人の期待値が高く感じられますね。
番外編:日本人にオススメする世界のどんぶりメシ!
日本の丼についてインタビューをしてきましたが、世界にも丼はあるのでしょうか?外国で愛されている丼を紹介していきましょう。
「アメリカではハワイから来たポキ丼が流行っているよ。ここ数年で、店が軒並み増えて来ているんだ」(アメリカ/20代/男性)
「韓国の丼といえば、日本でも人気のあるビビンバかしら。日本の丼は美味しいけど、健康的なものがあまりないわよね。ビビンバは野菜がたっぷり入ってとってもヘルシーよ」(韓国/20代/女性)
丼のような料理はないという国がほとんどでしたが、アメリカと韓国にはありました!アメリカでは、マグロなど魚介類の切身に海藻、野菜を入れて塩、醤油で味付けをしたポキというハワイ発祥の食べ物をご飯の上に乗せた、ポキ丼が大流行。この数年でアメリカ中にポキ丼のレストランが増えていて、自分でアレンジできるスタイルが人気だとか。
また韓国の丼といえば、日本人にも馴染み深いビビンバ。ナムルや卵、肉をご飯の上に乗せたビビンバは、韓国で家庭料理としても食べられる丼です。
どんぶりメシを好きになる基準は材料にあった
今回インタビューしてわかったのは、外国人が特定の丼を好きになる理由は、味付けよりものっている具材にあったこと。日本食の味付けは大好きという人が多い中で、馴染みのない材料が入っていると、食べるのに抵抗があるとのことでした。
今回出てこなかった天丼やカツ丼も、食べた経験がある人が多かったですが、やはりそれらも入っている材料で好き嫌いが分かれていた印象です。和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたこともあり、昔よりも日本食は世界中に認知されている現代。ぜひ馴染みのない具材が入った丼も、どんどん試してもらいたいですね!
東京都生まれ。2015年にフリーライターとして独立。北米での留学・就労経験もあり、英日の翻訳・通訳も行う。東京の島・伊豆諸島をこよなく愛し、月に1度はどこかの島にいます!
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