その土地特有の食材や調理法で作られた特徴のある料理が「ご当地グルメ」。日本の「丼」の中にも、ご当地らしさを感じるメニュー「ご当地丼」があります。
今回は、日本における丼文化発展のためにさまざまな活動に取り組む丼ツウのドン伊藤さんに、東京で食べておきたいおすすめ丼をお聞きしました。美味しいものが全国から集まる東京のお店ばかりです!
■外国人にも人気のカツ丼!これが昔ながらの定番の味:とんかつ あけぼの(有楽町)
「実はカツ丼は、丼のなかでもご当地色が強いメニューのひとつ。卵でとじるイメージが強いかもしれませんが、それは東京の特徴。中部地方の長野や北陸地方では、卵でとじません。カツにパン粉をつけるorつけない、カツ丼にキャベツひくorひかないなど、個性があるんですよ。そんな東京らしいTHE・カツ丼が食べられるのが『とんかつ あけぼの』。コスパもとてもいいんです!」(by:ドン伊藤さん)
こちらが、とんかつ あけぼのの「かつ丼」。味噌汁、お新香の3点セットです。
一枚肉の大きなとんかつ、玉ねぎ、卵とじは、「待ってました!」と言いたくなるような東京カツ丼の王道スタイルです!
揚げたてアツアツの大きなカツをひと口。とんかつは、卵とつゆをしっかりまとっているのに、衣のサクサクがキープされています。ロースなのに脂っぽさがなく、厚みがしっかりあるのにしっとり柔らかい。食べ応えもばっちり。
つゆの味がじゅわっと広がったとんかつかつとご飯を交互に味わえるのが、丼の醍醐味。上にのった緑のインゲン豆で彩りよく、食べればシャキっとする食感がいいアクセントになっています(季節によって絹さやなどに変更する場合あり)。
あけぼのは1962年創業の老舗店。ビジネスパーソンが多い有楽町駅の目の前にある東京交通会館ビル内というアクセス抜群の立地で、日本人の胃袋を支えてきました。
レトロ感のある看板や店内は、歴史の長さと親しみやすい安心感があります。英語メニューはありませんが、ボディーランゲージや筆談など、いろいろと駆使して教えてくれるので大丈夫!お客さんとのコミュニケーションを大切にするご主人の笑顔が、温かく迎えてくれます。
作っている様子が目の前で見られるカウンター席、これぞ日本らしい雰囲気!肩ひじを張らずに気軽に食べられる、多くの日本人が愛する昔ながらのごはん屋さんの雰囲気や接客を体感できます。カツ丼の味わいと接客で、きっとお腹も心も満たされますよ。
- <実施中のコロナ対策>
- ・店内や設備等の消毒、除菌、洗浄
・除菌消毒液の設置
・お客様の入れ替わり都度の消毒
・店内換気の実施
・コイントレイの利用
・スタッフのマスク着用、手洗い、消毒、うがい、検温の実施
・入店人数や席間隔の調整
・体調不良のお客様の入店お断り
・お客様へのマスク着用のお願い
-
とんかつ あけぼの
- 住所 〒100-0006 東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館 B1F
- 電話 03-3211-3934
【営業時間】
月・火・木・金 (昼)11:00~15:00(夜)17:30~20:00/水 (昼)11:00~15:00のみ
※ご飯がなくなり次第、早めに閉店する場合あり。閉店時間間際の場合は、要TEL
【定休日】
土曜(不定休)、日曜、祝日
■天丼の専門店が出す江戸前天丼!: 金子半之助(日本橋)
「江戸前天丼といったら、『金子半之助』です。江戸前天丼とは、江戸前(現在の東京湾)で獲れた食材をごま油で揚げるというスタイル。昔ながらの作り方を守り続けているお店です。さまざまな食材が盛り込まれていたり、箸休め※にするガリ(ショウガ)もあったり最後までおいしく食べられます」(by:ドン伊藤さん)
※ 箸休め:日本料理における、料理の合間に口をさっぱりさせたり、味を変化させたりするためにたべる「口直し」の料理こと。
こちらが「江戸前天丼」です。金子半之助のコンセプトは「粋で豪快」。一人でも多くの方にうまい天丼を召し上がって笑顔になってほしいという想いから、粋な価格で豪快な盛付の天丼が誕生したのだそうです。この具材の種類とボリュームで980円とは、本当に驚くしかありません。
まず、お店こだわりでイチオシ&おいしいと評判の穴子から。新鮮な穴子は、衣がサックリしていて、身はふわっふわ。「穴子の天ぷらは食べたことがない」という外国の方なら、これは絶対に味わってほしい!これだけ大きな穴子でも、格別なおいしさであっという間に平らげてしまいます。
口直しにと置かれている「いぶりたくあん(燻製にした大根の漬物)」「がりごぼう(しょうがとゴボウの漬物)」を合間に食べると、不思議とどんどんご飯が進んでいきます。
海外ではなかなか味わえない半生の黄味があふれる半熟卵の天ぷら。天丼の定番として、どこでも食べられるという具材ではありません。ぜひご飯とタレと絡めて食べてみてください。こだわりの秘伝のタレとの相性ぴったりです。
こちらがお店おすすめの、英語・中国語表記の食べ方マニュアル。
金子半之助は、国内外に出店しており、日本の本当の味、おいしさ、食文化を広めている存在です。「どこで食べても同じ味が保てるように」と、仕入れから技術の継承まで、さまざまなノウハウを駆使しているそう。どの店舗でもおすすめですが、金子半之助のルーツを感じながら。並んでいる時間や雰囲気も含めて楽しめるのは、本店ならでは。
江戸時代のソウルフードともいえる「江戸前天丼」は、東京で食べておきたいマストグルメです。
- <実施中のコロナ対策>
- ・店内や設備等の消毒、除菌、洗浄
・除菌消毒液の設置
・お客様の入れ替わり都度の消毒
・店内換気の実施
・コイントレイの利用
・仕切り板の設置
・スタッフのマスク着用、手洗い、消毒、うがい、検温の実施
・入店人数や席間隔の調整
・体調不良のお客様の入店お断り
・お客様へのマスク着用のお願い
・検温の実施
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日本橋 天丼 金子半之助
- 住所 〒103-0022 東京都中央区日本橋室町1-11-15
- 電話 03-3243-0707
【営業時間】
月~金 11:00~22:00/土日祝 10:00~21:00(L.O.閉店の30分前)
【定休日】
不定休
■鶏肉の卸売りだから提供できる塩親子丼!鳥藤分店(築地)
「親子丼といえばしょうゆベースの甘めのつゆが一般的ですが、おすすめしたいのがめずらしい塩ベースの親子丼。それが築地にある創業100年を超える老舗の鶏肉専門店が運営する『鳥めし 鳥藤 分店』の「親子丼 塩」です。鶏肉が新鮮で、自信がなければできないメニュー。タイミングが良ければ、東京軍鶏(しゃも)のブランド鶏の親子丼もリーズナブルに食べられますよ」(by:ドン伊藤さん)
鳥藤の「親子丼 塩」には、1日かけて煮込んだ鶏白湯スープがセット。この鶏白湯スープが、濃厚で鶏のうまみとだしがたっぷり。親子丼の割下にベースにも使われています。
割り下が塩ベースなので、全体的に白い色味に卵の黄身の黄色がきれいに映えます。新鮮な鶏肉を濃厚白湯スープで煮込み、卵に火を通し過ぎず半熟具合を保ったギリギリのラインでサッと仕上げた親子丼は、まさに熟練の技です。
とろりとした卵がからんだご飯と鶏肉に手が込んだ割り下、口いっぱいにおいしさと幸せ感が広がります。味付けがシンプルなので、鶏肉の味がしっかり楽しめます。
素材が良くないとなかなか挑戦できないメニュー。一度食べると、一般的なしょうゆベースの味よりもハマってしまい、リピーターも多いのだとか。食べてみれば、納得です。
しゃもを使った特上親子丼(1,250円)もおすすめ。通常の鶏肉より弾力があって旨味が強いのが特徴です。仕入れ先は全国ですが、タイミングによっては東京のブランド鶏「東京しゃも」が食べられることも。これだけリーズナブルに食べられるのは、卸専門店だからこそです。
鳥藤は創業1907年、築地で料理人を相手に鶏肉鴨肉を取り扱ってきた卸専門店。「鳥めし 鳥藤 分店」は、もっと多くの一般の人にも肉のおいしさを味わってほしいと、親子丼やとり弁当を提供している直営一号店です。
古くから東京の食を支えていた築地市場。場内は豊洲市場に移転しましたが、場外市場は健在です。そんな築地で料理人に支持されている鳥藤の親子丼・塩は、プロお墨付きの味です。
- <実施中のコロナ対策>
- ・店内や設備等の消毒、除菌、洗浄
・除菌消毒液の設置
・お客様の入れ替わり都度の消毒
・店内換気の実施
・コイントレイの利用
・仕切り板の設置
・スタッフのマスク着用、手洗い、消毒、うがい、検温の実施
・入店人数や席間隔の調整
・体調不良のお客様の入店お断り
・お客様へのマスク着用のお願い
・検温の実施
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鳥めし 鳥藤 分店
- 住所 〒104-0045 東京都中央区築地4-8−6
- 電話 03-3543-6525
【営業時間】7:30~14:00
【定休日】日・祝・休市日
東京らしさがあるおすすめの丼、いかがでしたか?どれも東京の代表となるような3つのお店の丼メニュー。ランチにディナーに日替わりで、もしくは同じ日にはしごするのもいいかもしれません。それぞれに味わいが異なり、丼の奥深さが感じられるはずですよ。カツ丼、天丼、親子丼、ぜひご賞味あれ!
【取材協力】
会社員をしながら、2014年より丼ファンの組織化と丼による地域活性などを目的に設立された一般社団法人全国丼連盟の理事を務める。都内中心に 600 種以上の丼を食べ歩く。
※「全国丼連盟」http://don.or.jp/
全国の丼好きが集まる団体。Facebookで丼情報のやりとり、年1回の丼グランプリの運営を行っており、丼の普及、丼業界の発展に関わる活動をしている。
※ 2021年11月取材時の情報です
※ 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の状況により提供内容や営業時間の変更、臨時休業をしている場合があります。詳細は公式サイトや公式SNSなどでご確認ください
旅ライター×海外ツアーコンダクター。社会人向け教育コンテンツの企画開発・編集担当として11年従事。プライベートでは学生時代から旅に魅了され、これまで世界約50カ国150都市以上をめぐってきた大の旅好き。世界中、日本中のグルメを味わい、自然を感じ、世界遺産や歴史的建築を見て、温泉めぐりをするのが生きがい。そんな旅好きが高じて、会社員から旅ライター×海外添乗員へと転身。現在は、年間100日以上海外を飛び回りながら、旅ライターとしても活動。旅の楽しさ、日本の魅力、世界の多様な価値観をより多くの人に広めるべく、インバウンドの添乗や旅ライターの取材等で、日本各地を訪れて情報発信をしている。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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