四季がある日本では、季節によってさまざまな表情が見られます。現在は新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大にともない訪日外国人旅行者の数が減っている中ではありますが、四季のなかでも春は、穏やかな気候と桜の絶景を眺望できるので日本人だけでなく、外国人からも人気が高い季節です。
今回は「日本旅行をするなら春にする!」という訪日経験が豊富な外国人に、日本の春の魅力について直接、インタビューしてみました!(以下コメントは回答者の個人的な意見です)
外国人から見た日本の春の魅力①過ごしやすい気候
「日本の春は大好きです! フィンランドには、日本のように桜がありません。日本で桜が咲く風景を見ましたが、まるで夢のようです」(フィンランド人女性)
「暖かいと思って薄手の服装で行ったのだけど、朝晩は少し寒かったわ。何か羽織るものを持ってくればよかった」(ドイツ人女性)
「日本の春は過ごしやすいと思います。でも花粉はつらいですね。母国にはない辛さです」(イタリア人女性)
日本の春の平均最高気温は14~25℃程度と、過ごしやすい気候になっています。しかし、3月は冬の寒さが続く日もあります。特に早朝や深夜は冷え込みが予想されるので、外出するときはコートやジャケットを着ることをおすすめします。5月になると3月より気温が大きく上がるので、厚着は不要です。シャツの上に薄手のものを羽織るくらいが丁度いいでしょう。
今回、インタビューに回答してくれたイタリア人女性が話しているように、訪日外国人の中には「日本の春は穏やかな気候で過ごしやすいが、花粉症がつらい」という意見が見られました。花粉症は決して日本だけのものではなく、海外にもあります。しかし、訪日をきっかけに花粉症デビューする人もいて、突然の目のかゆみや鼻水への戸惑いは大きいみたいですね。まだ発症していない人も「予防のためにヨーグルトを毎日、摂るようになった」と話すくらいです。
外国人から見た日本の春の魅力②桜の絶景やお花見
「桜より早く咲く梅の花が好きです。こんなに美しい花はないと思います」(フィンランド人女性)
「上野公園の桜ね。レジャーシートが敷き詰められていて、たくさんの人が桜の下でピクニックする様子には、圧倒されたわ。お酒を飲んでいる人もいて、なんだか楽しそうだったわね。コンビニに行ったら、お菓子のパッケージが桜模様のものばかりで綺麗だったの。日本人は、本当に桜が好きなのね」(ドイツ人女性)
「日本の春は間違いなく美しいと思います。オーストラリアには、桜があまりありませんが、美しい花がたくさん咲いているので、それも素敵ですけどね」(オーストラリア人女性)
「イタリア人は桜の花見にあこがれを持っていて、行ってみたいって思うものなのです。5月5日の鯉のぼり、3月3日のひなまつりはイタリアでも知っていました。日本の漫画が海外で流行っているので、漫画好きなら大抵知っていますよ」(イタリア人女性)
日本の春の絶景といえば、やはりまず桜が挙がるのではないしょうか。この時季は例年、全国各地で桜祭りやお花見大会が開催されていて、多くの人でにぎわっています。そんな桜について訪日外国人の間では、日本のお花見がたびたび話題になります。日本人が上野公園や代々木公園などのお花見スポットで友人や職場の人たちとお酒を飲みながら、桜を見ることに強い興味があるみたいですね。
桜自体はアメリカやフランス、カナダなど海外にもあるので、外国人でも開花の時期には母国でお花見する機会はあります。しかし海外では国によって公園のような公共の場所でお酒を飲むことが禁じられているため、日本のようなお花見はできないのです。そのため、一度は日本でしているようなお花見をやってみたいのかもしれませんね。
外国人から見た日本の春の魅力③旬の食材
「春にイチゴ狩りに行きました。お腹いっぱいになるまで食べましたよ。日本のイチゴは甘くておいしいですね。母国のイチゴはもう少し酸っぱい感じがします」(アメリカ人男性)
「筍の煮物が美味しかったわ。味は少し薄かったけど、食感と香りが気に入ったの。まだ食べたことが無いけど、筍のステーキというのがとても美味しいらしいわね。ぜひ食べてみたいわ」(ドイツ人女性)
「春の食材といえば、かき菜とか春菊など苦みがあるものが好きです。和菓子がサクラの柄になったり、柏餅などの春限定の食べ物があったりするのも面白いと思います」(イタリア人女性)
日本の春の食材といえば、イチゴや春キャベツ、筍などたくさんあります。果物や野菜以外にもカツオやサワラのような海の幸も豊富ですね。旬の素材を活かした料理は、日本人はもちろん訪日外国人からも人気が高く、特に筍の煮物は、春を代表する一品だといえるでしょう。
インタビューに回答してくれたイタリア人女性が話している柏餅や桜餅などの和菓子も評判が高いです。このような和菓子は味だけでなく、食べることによって季節を感じられるものですね。ちなみに訪日外国人が驚くことに日本人がさくら餅についている葉ごと食べることをあげています。葉はあくまで見た目を彩るものであり、食べられるものとは想像していなかったのでしょうね。
外国人から見た日本の春の魅力④“日本らしさ”を感じる伝統イベント
「私は日本のお茶が大好きで、茶摘みのツアーに行ったのだけど、女性が身に着けていた衣装がとても印象的だったわ。お茶を摘むのに適した作業着って聞いたけど、緑の茶畑に映えて素敵ね」(ドイツ人女性)
「日本の春は素敵です。春の富士山が本当に綺麗だなと思います。とてもクリアに見えますね。山梨の甚六桜公園では、サクラのトンネルがあるんです。綺麗でおすすめですよ」(イタリア人女性)
3月3日といえば、女の子の成長を祈るひな祭りですね。平安時代以前より取り行われていたという歴史ある節句行事です。ひな祭りの起源は諸説ありますが、有力なものとして平安時代の無病息災を願う行事がはじまりだといわれています。当時の上流階級の女児がままごと遊びに使っていたお人形「ひいな」に自分の災厄を託して、海や川に流して祈っていました。このときの「ひいな」が「ひな」となったそうです。
日本のひな祭りのように、女の子のための日を制定している国は世界でも珍しく、外国人からは、少し不思議な催しごとのように思われているみたいですね。しかし、そんな日本の神秘的なところに魅力を感じるという声も見られました。
一方、5月5日の鯉のぼりは、男の子の成長を祈る伝統行事です。こいのぼりは江戸時代中期に「竜門」と呼ばれる滝を鯉が登り切り、竜になったという中国の故事「登竜門」にもとづいています。「男児が登竜門を超えて、大きく出世して欲しい」そんな想いが込められているのです。日本で、たくさんの巨大なこいのぼりが泳いでいるのを見た訪日外国人からは「なんて美しい景色なんだ」「日本で過ごした日のなかで最高の眺めだよ」などの意見がありました。
「ひな祭りや子どもの日のこいのぼりについては、イタリアで日本のマンガの中によく出てくるので知っていました。日本の春は日本文化を感じさせるイベントが多いと感じます」(イタリア人女性)
まとめ
いかがだったでしょうか。日本の春の気候や食材、行事などを理由に、外国人が何回も同じ時期に訪日したくなるのも頷けますね。しかし、四季を知る日本人としては、春以外の季節もそれぞれの素晴らしさがあることを知っています。今度はぜひ別のシーズンも堪能してもらいたいですね。
ライター
株式会社ダリコーポレーション
人事・労務・法務・キャリアジャンルなどの硬めのジャンルを中心に手がけているライター。コラム記事をメインに作成している。
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