どんど焼きは文字通り、日本で熱い行事のひとつ。この儀式は単に冬の寒さで冷えた身体を焚き火で温めるものではなく、正月に天から下りてきた歳神様を、どんど焼きの煙に乗せて天にお送りするのだ。神秘的で精神的な浄化を行う伝統行事といえる。
日本では歳神様を迎えるために、12月初め頃から、あちこちで様々な正月飾りが売り出される。各家庭では12月中に大掃除を行い、新年への準備と、歳神様を迎えるための装飾を施し、神聖な空間を作り出す。そして新年を迎えると、多くの日本人は寺院や神社に赴き、初詣を行い新年の幸運を祈る。
しかし実は初詣が終わった後にもまだ行事は続き、小正月である1月15日に、どんど焼きという行事を行って、初めて新年行事を終えることとなるのだ。
新年の準備
新年を迎えるにあたり、日本の家庭では門松、注連飾り、鏡餅など新年にまつわるあらゆる装飾を施すのが通例。欧米ではクリスマスが過ぎるとオーナメントを大事にしまったり、ツリー自体は捨てたりするように、日本では新年を迎えた後にも様々な独特な慣習がある。
日本では、新年の装飾物や寺社仏閣で購入したおまもりを破棄することは、縁起が悪いとされている。それでは古いものはどう処理をすれば良いのだろうか。
炎で浄化を
月飾りを燃やすのだ。これが、どんど焼きだ。炎は心の浄化を象徴するもののひとつとして知られ、どんど焼きは歳神様を送り出す意味合いだけでなく、新年の装飾品や古くなったおまもり、だるまなどを燃やす目的に用いられる。これらをゴミと扱い破棄することは御法度だが、どんど焼きという儀式で燃やすことで悪運を取り払う、精神の浄化を行うと信じられている。
餅を食べながらお別れを
過去の祈願に使用したものや装飾品を火で燃やすのと同時に、飾っていた鏡餅などは細かく切って竹などの棒に刺し、その火で焼く。この火にあたったり、焼いた餅を食べたりすれば、その1年間、健康でいられるといわれている。どんどやきは単に歳神様に別れを告げるだけの行事ではなく、一連の新年行事に終わりを告げる行事である。
新たな挑戦や新年に控えるイベントに精神を整え、準備を行い、過去と決別する。どんど焼きは、精神が浄化されることで、心から新年の訪れを感じることのできる儀式だ。
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