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[MOVIE] 学んで、作って、食べる!?東京寿司握り体験

[MOVIE] 学んで、作って、食べる!?東京寿司握り体験

更新日: 2018/07/27

待ちに待った、寿司握り体験教室に参加した。今では世界中で愛されるお寿司の歴史や現在の慣習について学び、私たち自身の手でお寿司を作って食べる…そんな体験は、とても刺激的なものだった。そして自分たちで作った沢山のお寿司を好きなだけ食べられたことが、何よりも幸せだった!

外国人向け寿司握り体験教室

外国人向け寿司握り体験教室

実際に寿司握り体験を始める前に、外国人向け寿司握り体験教室の発起人で今回私たちの先生をしてくださるMorrisさんにお話を伺った。Morrisさんは、サラリーマンをしていたが若い時に退職し、世界中を旅しながら英語を学んだ。日本を訪れた際に経験した「お寿司作り体験」から得た素晴らしい記憶を、「日本を訪れる外国人に共有したい!」と、会社の立ち上げを決意。そして2013年の設立以来、のべ3000人を超える外国人の方が、この寿司握り体験教室に参加しているのだとか。

教室は「北千住」駅より徒歩数分の場所に位置する。最大8人までの少人数制か、最低9人から60人までの大人数制の2種類から授業タイプを選択できる。私たちは3人で伺ったため、少人数制を選択。小さな部屋でアットホームな雰囲気の中、受講することができた。

日本文化と繋がる時間

日本文化と繋がる時間

ここは、単なる料理教室ではなかった。テーブルに腰掛けると、Morrisさんは私たちにとあるビデオを紹介し始めた。海外を旅行する人々がその街の人々と交流し、その街や人々の文化を学び吸収している様子を映したビデオだった。結論から言うと、これが寿司握り体験教室の根幹だったのだ。日本で最も有名な文化のひとつ、お寿司を通じて、本当の日本文化を知って頂こうという想いが込められていた。

ビデオを見た後、選択式クイズが出題された。私は人一倍お寿司好きだと思っていたので、簡単に回答できる自信があったのだが、いざ出題されると、意外と難しかった。
寿司の歴史に話は移る。元々お寿司の起源は現在のおにぎりのような形で、お魚はご飯の中に包まれていた。かつてのおにぎりは現在のおにぎりより遥かに大きく作られていて、それを半分に切って食べられていたのだとか。それが現在、お寿司が2貫で1セットとして出される由来だ。

握りの難しさ

握りの難しさ

お魚の切り身を、お酢を混ぜたご飯の上に乗せた「握り」は、お寿司の代名詞といっても良い。お寿司界では、このお魚の切り身は「ネタ」、お酢と混ぜ合わせたご飯は「しゃり」とよぶのだが、これをうまく組み合わせて「握り」を作るのには、いくつかの手順を要した。これが見た目のシンプルさから想像できないほど難解だったのだ。見よう見まねで私たちが「握り」を作ろうと四苦八苦していると、Morrisさんがその工程を丁寧にゆっくり見せてくれた。Morrisさんに教わり、到底プロの職人に及ぶほどではないが、なんとなく「握り」を作るためのプロセスや必要なスキルが把握できた気がした。

シャリ

シャリ

握り寿司の作り方を教わった後は、握り寿司に使用される「シャリ」の作り方。シャリは基本的に、お酢に砂糖と塩を加え、ごはんと混ぜ合わせたもののことで、調味料の割合は職人によってまちまち。基本的には、スーパーに行けばどこでも簡単に市販のすし酢が手に入るようなので、今回のように教室や自宅等でお寿司を楽しみたい方には既製品で問題ないだろう。またMorrisさんは、お寿司にはタイ米など諸外国のお米は合わず、日本のお米以外はふさわしくないと教えてくれた。

さて、シャリを作るにあたり、温かいご飯の入った木の桶・飯台が配られた。日本では昔から、木は余分な水分を吸収する役割を果たすので、シャリの素になるご飯は木の桶に入れておくのだそうだ。飯台のご飯に大さじ一杯分のすし酢を入れ、しゃもじを使ってご飯を満遍なく混ぜ、酢飯をシャリの大きさにする手順を教わった。

巻き寿司作りに挑戦

巻き寿司作りに挑戦

海外でも「スシロール」として知られる巻き寿司。日本では基本的に、ネタとシャリを海苔に巻いて作られるのが一般的。しかし海外では、カリフォルニアロールのように、日本とは反対向きにシャリが外側に向くように巻かれるのが一般的だ。海外諸国の巻き寿司の作り方は、海苔全体にシャリを広げて白ゴマをまぶし、海苔をひっくり返し、ご飯を下向きにして巻きすで巻くという行程だ。私たちは先生の指導のもと、カニカマやかいわれ、鮭などをネタに選び、日本の本物の巻き寿司を初めて作ることができた!

実は巻き寿司にはもう一種類「デコ寿司」とよばれるものがあるという。デコ寿司という名の通り、お寿司をデコレーションするのだ。このお寿司を作るにあたってはチームワークが必要とのことで、二人一組のペアで取り掛かった。巻き寿司に、鮮やかな色の花を彩るネタを盛り込み作ったお寿司は、この日の体験で見たお寿司の中で、一番綺麗なお寿司だった。
ピンク色を盛り込むために選んだネタは明太子、そしてふりかけをご飯の一部に混ぜたりまぶしたりして、巻き寿司の核となる部分には鮮やかな色を演出するために魚肉ソーセージを入れた。このデコ寿司に関しては、通常の巻き寿司とは異なるタイプの海苔をいくつも合わせて使ったり、下準備が複数あったりと、先に作った巻き寿司より手間ひまが掛かるものだった。しかし、でき上がったものを見て、すぐに感じた。その価値あり!

いよいよ握り寿司

いよいよ握り寿司

そして、ここで私たちが最初に作る練習をしたお寿司、握り寿司だ。お酢などを含んだシャリを使っているため、おにぎりを作るような感覚とは少し違いはあったものの、手で形を確かめながら作るため、徐々にコツを掴んでいた自分に気がついた。ワサビを少しシャリに乗せ、ネタをのせたら、本物の握り寿司に!サーモン、マグロ、ビンチョウマグロを使って三貫も完成。

最後に作ったお寿司は「軍艦巻き」。ご飯を海苔で楕円型に包み、真ん中にネタを詰める型。今回はネギトロといくらをネタに使用した。他に比べてさほど難解ではなかったものの、見た目の美しい印象的なお寿司だった。

実食 !「いただきます!」

全てのお寿司作りを終えた後、お皿に綺麗に盛り付けて、お寿司の横にガリとよばれる生姜の漬物を添えた。お寿司を頂く前に、Morrisさんは「おいしい」、食前に使う「いただきます」、食後に使う「ごちそうさまでした」など、日本で食事をする上で大事な表現を教えてくれた。そしていよいよ実食。これまで数え切れないほど日本でお寿司を口にしてきた自分だが、まさか自分で作ったお寿司を食べる日がやってくるなんて想像もしなかったし、そのお寿司がこんなに私たちの心もお腹も満たしてくれるものになるなんて、思いもしなかった。とにかく、とってもおいしかった!

お寿司作りを終えて

お寿司作りを終えて

一緒に寿司握り体験教室に参加した方からの感想も、ぜひご紹介したい。

パメラ: 授業の導入のクイズからとても楽しむことができた。何年も日本に暮らしていて日本について精通しているはずの人たちでも、難しそうなクイズもたくさんあったが、クイズそのものは非常に楽しいものだった。
印象的だったのは今回講師をしてくれていたMorrisさんが気さくな人柄で、彼のプライベート空間とも言えるキッチンで、見知らぬ私たちに嫌な顔ひとつせず教えてくれたこと。単にコミュニケーションのためだけでなく、どんな些細な質問にも答えてくれた。

あっという間に体験は終わり、彼の先生としての技量の高さを感じ取った。彼が一つひとつの工程について説明をしてくれた際に「寿司職人はネタとシャリに温かさが伝わらないよう、握り寿司を3秒で作る」など、豆知識を添えてくれていたのも、良かった。彼の教室に参加したおかげで、今は自分でもお寿司を作れるような自信すらある。もちろん、今日習ったことは基礎の基礎だが、これからお寿司を作る努力を重ねるための自信が持てた。

そして何よりも私たちがこのお寿司教室で体験できたことの多さにも驚いている。教室で作り方を教わるだけでなく、フルコースとも言える多くのお寿司を作ることができ、授業はエンターテイメント性に富んでいたと思う。
欧米諸国では、お寿司は高い食べ物であるとされている。しかしMorrisさんの料理教室に参加してお寿司と日本文化について深く知ることで、それは勘違いなのだと気づかされた。楽しくて勉強もできて、お寿司と日本をこんなに身近に感じられるなんて思いもしなかった。

寿司や日本の文化も学べて、おいしいお寿司を食べることができ、一生の思い出になる素晴らしい体験のできる教室。あなたもぜひ一度、参加してみてはいかがだろうか。

Written by:

Holly Neslusan

Holly Neslusan

アメリカのマサチューセッツで育ち、新たな冒険と、おいしい緑茶を探しに日本へやってきました。様々なことを追求し、そして書くことを通じて、大都市・東京で私だけの生き方をみつけることができました。

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