浮世絵や歌舞伎の豊富な伝統文化から、現代のアニメ作品や食文化まで「日出づる国」と呼ばれる日本には魅力のあるものが多い。一方で豊富な文化以外、海外の人にとって「日本は震災が多い」というイメージがある。
地震が多く、津波が起きやすい日本では、天災に打ち勝つことへの意識が当たり前になっている。さらに最新技術を生活に取り入れている日本は、ハイテクに詳しい国として有名。いずれにせよ防災に関する様々な方法は、有効なだけでなく興味深くもある。
日本の震動
日本およびその周辺では、毎年平均して地震が5,000回近く起こっているといわれる(気象庁ウェブサイトより。内訳はマグニチュード3.0~3.9の小地震が約3.800回など)。震動の多くは感じられないくらい小さいが、時々起きる強い地震では、建物は揺れるもののダメージはあまりない。ごく稀に「大地震」が起こる。古い建物は倒れ、道に割れ目ができ、津波も起きる。
一番最近の地震は2016年の熊本地震だが、日本史における最大の地震は2011年の東北地方太平洋沖地震である。1900年以降でも4番目に大きな超巨大地震により破壊的な津波が誘発され、福島第一原子力発電所の危機の要因となった。
プレートや断層:地震の本質
なぜ日本で震動が起こりやすいのか。その理由は国の地理的環境に見られる。地球の表面はプレートとよばれる岩盤で覆われており、日本の島々は4つのプレートの上に乗っている。4つのプレートは静止してはおらず、常に少しずつ動いている。
一つのプレートが他のプレートの下に沈み込むことにより、上のプレートの端が内側へ曲げられる。圧力が高まると、曲げられていたプレートの端が反発してはね上がり、その運動は「岩盤がずれる」とよばれる。その際に溜まった力が震波となり周囲に伝わったのが「地震」である。
また、プレートの動きは、他の岩盤の断裂・破壊を生じさせ、その断裂により地震が起きる場合もある。その場合、震源地はプレートにできた断裂となる。
歴史から学ぶ
これらのことから、日本に地震が多いことは当たり前といえる。歴史を通して、マグニチュード7.0以上の地震が何回か起きたことがあり、一番大きいのは2011年だ。ほかに有名な大震災は東京湾の南を震源地とした1923年の関東大震災。東京に破壊的な被害を与えただけではなく、関東の全部に害を及ぼした。震動は激しく、鎌倉にある高徳院の大仏が0.5メートル動いたといわれる。
正しい防災行動を小さい頃から学んでいる日本人に、防災は生活の一部となっている。「防災館」と呼ばれている東京消防庁の都民防災教育センターは、防災のため重要な役割をもっている。震度7の地震や暴風雨から火事や救急療法まで、入場料無料で色々な災害の体験ができる。体験には公式ウェブサイト(日本語・英語)での事前予約が必要だ。
地震を知る:正しい防災行動
防災館の体験はどれも有益だ。地震体験は特に地震を全然知らない国外居住者や海外からの旅行者におすすめである。地震が起こると、一度も経験のない人は震動に圧倒されるばかりで、体の正しい守り方が分からない。戸口の下に立つというような誤解もあった。実は地震が起きた際、戸口はほかの壁に比べて安全ではない。
地震防災のルールは複雑ではない。難しいかもしれないが、一番大切なのは落ち着いて行動すること。膝を付いて、腕で頭を守るのも重要だ。できれば机の下に隠れるのが良い。震動が激しい場合、転倒や落下物の危険もある。物が落ちやすい場所や崩れやすい所から離れたほうがいい。
現代の建物は地震の震動に合わせて動き、衝撃を吸収する。近年のビルは崩壊の危険性が比較的少なく、落下物や割れた窓により負傷する危険性が最も高い。最終的にはビルが崩壊する可能性がある場合も、安易に外に走り出るのは危ない。地震の際、机は信頼のおける避難場所なので、一番よい行動は机の下で地震がおさまるのを待つことだ。
どんな災害にも負けない
ビデオ、写真、多言語のパンフレットを使いながら、防災館は誰でも楽しく災害時の正しい行動を学べる。都内の4つの防災館では地震体験以外にも、煙、火事、救急療法、または暴風雨などのユニークな体験もできる。インストラクターによるツアー形式で、いずれの防災館も入館料無料だ。
「どうすればいいのか分からない」ことは、不安の大きな要因を占める。冷静さが必要である震災で、不安は判断を曇らせる。その点、防災館の楽しい体験、豊富な情報は未知の不安を取り除く場所であるといえる。
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池袋都民防災教育センター(池袋防災館)
- 住所 2 Chome-37-8 Nishiikebukuro Toshima-ku, Tōkyō-to 171-0021
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