古くは江戸時代から始まり、明治、大正と日本のファッション・グルメの最先端として人々の集う街・銀座。銀座をぶらぶらする”銀ぶら”という言葉が生まれるほど、多種多様な街並みを歩くだけでも楽しめる、日本でも有数の観光地です。
外国人観光客からの人気も高く、古き良きお店でレトロな雰囲気を楽しんだり、流行のグッズをお土産として買って帰ったりする人の姿もたくさん見られます。
今回はそんな歴史ある銀座の中でも、創立100年以上続く老舗にスポットを当ててみました。カフェや文具店、洋食屋など、老舗ならではの味やおもてなし、その魅力をたっぷりとお届けします。
創業1911年、銀座でもトップクラスの歴史を誇る「銀座カフェーパウリスタ」
はじめに紹介するのは、銀座の中でもトップクラスの歴史と知名度を誇る「銀座カフェーパウリスタ」。豪奢なシャンデリアに照らされながら、落ち着いた雰囲気でゆっくりとコーヒーを味わえる名店です。
フロアは2階建てで広々。ゆったりとした気分でコーヒーや軽食が楽しめます。
こちらのお店の一番のウリは、農薬不使用ブラジル由来のコーヒー豆を使用した「森のコーヒー」。パウリスタ独自の基準を満たした高品質なコーヒー豆で淹れられていて、風味が抜群。苦味が少なく、ほどよい酸味が味わえます。
コーヒーのメニューが豊富なのはもちろん、軽食やケーキなどもたくさん種類があるため、銀座を歩いて小腹が空いた時などにもおすすめ。メニューはすべて英語併記なのも嬉しいポイントです。
同店はオンラインショップでコーヒー豆を通販しているほか、店舗でもコーヒー豆が購入できます。特製タンブラーなども自分用はもちろん、おしゃれなお土産としてもおすすめです。
店内で飲食すると、”銀ブラ(銀座通りを歩いてカフェーパウリスタにブラジルコーヒーを飲みに行くこと)”を楽しんだことを証明する「銀ブラ証明書」を発行してくれるというユニークなサービスにも注目。会計時に押してくれる証明印を10個集めればドリンク一杯サービスとなるので、ぜひ活用してみよう。
なお、店内には開業当時の歴史を知れるパンフレットなども置いてあります。立ち寄った際はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
銀座の街中でほっと一息つける老舗カフェ。銀座”街ぶら”の起点や終点にもおすすめです。
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カフェーパウリスタ
- 住所 東京都中央区銀座8-9 長崎センタービル1F
-
最寄駅
銀座駅徒歩7分
- 電話 03-3572-6160
営業時間:[月~土] 8:30~21:30、[日・祝] 11:30~20:00
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2021年3月現在、[月~土] 9:00~20:00(19:30LO)、[日・祝] 11:30~19:30(19:00LO)
定休日:年中無休(年末年始は除く)
1904年創業、常に時代の最先端を魅せるクリエイティブな文房具店「銀座 伊東屋」
続いては、大きな赤いクリップが目を引く、創業115年を数える文房具専門店「銀座 伊東屋」。2015年に店舗をリニューアルし、コンセプトを“モノを買う店舗”から様々な体験のできる“過ごせる店舗”へチェンジしました。随所に過ごしやすい快適な工夫が盛り込まれています。
地下1階~地上12階までフロアがあり、そのどれもが個性的ではあるのですが、今回はその中でも特に外国人観光客に大人気のフロアを中心にご紹介します。
各フロアの紹介をする前に、銀座店最大の特徴として紹介したいのが、飲み物を飲みながら自由に店内を見て回れることです。1階の入り口にドリンクバーが併設されていて、ここではフルーツを使った爽やかな飲み物が多数楽しめます。
ドリンク片手に店内でショッピングを楽しむ中で、外国人観光客に一番人気なのが、8階のペーパークラフトの道具と材料を扱うフロア。折り紙やシールといったものの他に、なんと”和紙”を大々的に扱っているコーナーがあります。
華やかな和紙や折り紙は取材中も大人気で、手にとって触ることもできるため、たくさんの人がその繊細さ、優雅さに見とれていました。
また素材としての紙を扱っている7階の洋紙フロアも大盛況。こちらはなんと1080種もの紙を、色や材質、用途別など好きな視点から選べるというコーナー。
冠婚葬祭の招待状や手紙、パンフレットや装丁といった特別な用途で使う紙を探しに来る方が多く、またフロアの綺麗さから写真撮影を行う人も多いようです。
続いては、2階にある手紙コーナー。店舗内に郵便ポストが設置されており、手紙を書くためのスペースも用意されています。旅の思い出を友人や家族、はたまた自分宛に書いて送る人が多く、オリジナルデザインの切手も販売しています。
変わり種の人気スポットとしてご紹介したいのが、5階ビジネスツールフロアの一角にある「ノマドコーナー」。こちらはスマートフォンやパソコンを充電できる無料のコンセントが用意されていて、ちょっとした休憩や簡単な仕事に最適な場所となっています。文房具店のスペースにこのようなコーナーがあるのは驚きですが、これも”過ごせる店舗”としての施策のようです。もちろんフリーWi-Fiも完備。
他にも、11階には最上階レストランで提供している有機野菜を水耕栽培で育てている&見学できるコーナーがあるなど、取材中も「本当に文房具店?」と思わせる驚きとワクワクに満ちた店内となっていました。6階には免税コーナーもあるため、全ての買い物を終えたら6階に移動し、免税の手続きを行いましょう!
なお、赤いクリップが目印の本館”G.Itoya”の裏には、ペンのマークが目印の”K.Itoya”があります。こちらはもっと日常的に使う文房具を取り扱っているほか、自分でノートを作るコーナーなどもありますので、ぜひ併せて覗いてみてください。
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銀座 伊東屋 本館
- 住所 東京都中央区銀座2-7-15
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最寄駅
東京メトロ銀座駅A13出口より京橋方面に向かって徒歩3分、東京メトロ銀座一丁目駅9番出口より新橋方面に向かって徒歩1分
- 電話 03-3561-8311
営業時間:10:30~19:00、G.Itoya12F CAFE Stylo(レストラン)11:30~19:00(18:00LO)
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、営業時間変更の場合あり。G.Itoya 12F CAFE Styloのみ、2021年3月現在、当面の間休業
定休日:無休
明治28年創業の超老舗洋食屋「煉瓦亭」で名物オムライスやカツレツを
最後に紹介するのは、銀座中央通りからひとつ隣の銀座ガス灯通りにある、年季の入った洋食屋「煉瓦亭」です。こちらは明治28(1895)年創業で、なんと120年以上も続く老舗中の老舗となっています。その名の通り煉瓦をイメージした店構えは色褪せぬ風格を感じさせます。
中に入るとレトロなグッズ、銀座や歌舞伎のポスターなどが出迎えてくれて、タイムスリップしたような、はたまた異国情緒を感じさせるような佇まいとなっています。
2階はスペースも広く、窓際の席からは表の通りや煉瓦亭の看板がよく見渡せます。
こちらのお店では、3つの有名なメニューがあります。そのうちの一つが、創業時、一番初めに作られた「元祖ポークカツレツ」(2000円・税込)です。
シンプルなカツレツながら、ボリュームたっぷり。すごく柔らかいお肉が使われていて、ナイフをちょっと入れただけでサクサクと切り分けられました。
ソースをたっぷり絡めるもよし、素材の味を堪能するため少しだけかけて味わうもよし。備え付けのカラシと併せて頂いても抜群の美味しさです。
続いて取材時に頂いたのは、「明治誕生オムライス」(2100円・税込)。こちらのお店の名物として、この「明治誕生オムライス」と「元祖ハヤシライス」の2つが挙げられることも多い逸品です。
ふわふわの卵を割ると、中からはきのことひき肉の入ったライスが現れます。こちらもカツレツ同様シンプルな味付けながら、いくらでも入ってしまいそうなくらい、ほどよい味わいを感じることができます。
もちろんカツレツやオムライス、ハヤシライス以外のメニューも豊富で、英語併記もバッチリです。
西洋料理店として初となる、ポークカツレツやフライ物の数々を生み出した「煉瓦亭」は、”洋食屋”と呼ばれた日本で最初の店として現在までの洋食文化を牽引しています。
取材に対応して頂いた木田氏からは「これからも日々洋食の美味しさを追求して、洋食文化を後世に伝えていきたいと考えております。皆様のご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます」と、心の込もったコメントを頂きました。
銀座の”街ブラ”でお腹が空いたら、ぜひこちらの煉瓦亭さんにお邪魔してみてはいかがでしょうか?
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煉瓦亭
- 住所 東京都中央区銀座3丁目5−16
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最寄駅
東京メトロ銀座線銀座駅より徒歩3分
- 電話 03-3561-3882
営業時間:月~金: 11:15~15:00(料理L.O. 14:15 ドリンクL.O. 14:15) 16:40~21:00 (料理L.O. 20:30 ドリンクL.O. 20:30)
土、祝日、祝前日: 11:15~15:00 (料理L.O. 14:15 ドリンクL.O. 14:15) 16:40~20:45 (料理L.O. 20:00 ドリンクL.O. 20:00)
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2021年3月現在、毎日20:00閉店
定休日:日曜
以上、銀座が誇る老舗3店をご紹介しました。どのお店も歴史がありながら、決して入りにくい一見さんお断りのようなお店ではありません。海外からのお客さんも多く、店員さんもスムーズに対応していました。東京からのアクセスも非常によく、銀座の”街ブラ”、ぜひ楽しんでみてください。
秋葉原の情報サイトやフリーペーパーの記事編集・執筆の経験を経て、現在フリーライターとして活動中。今も秋葉原には週3~4ペースで通い、街ブラがてら新店情報を必ずチェックしている。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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