世界中の観光客が求める日本の焼肉。部位ごとに異なる味わいを知り、焼き加減に気を配り、タレや食べ方を工夫することで、一皿の印象は大きく変わります。なかでも和牛は、きめ細かな肉質や口どけ、口に含んだ瞬間に広がる香りなど、肉の概念を変える存在です。
今回は、和牛の基本的な知識から、部位ごとの特徴、焼き方のコツ、さらに楽しみ方の工夫までを丁寧に紹介します。知ることで、焼肉はもっと奥深く、記憶に残る体験へと変わっていくはずです。
食べる人をトリコにさせる日本の焼肉文化と和牛の美味しさ

日本を代表する食体験の一つとして、多くの人に親しまれているのが焼肉です。日本の焼肉は牛肉を主役に、部位ごとに異なる味わいや食感、脂の入り方を楽しめる点が特徴といえます。同じ牛肉でも、切り分ける場所によって印象は大きく変わり、その違いを選び、焼き、味わう過程こそが焼肉の魅力です。
なかでも、やわらかさと繊細な口どけをあわせ持つ和牛の美味しさは、日本の焼肉体験を語るうえで欠かせない存在に違いありません。
和牛はなぜ美味しい?和牛の秘密に迫る

和牛は、単に「日本で育てられた牛」という意味ではありません。日本固有の4品種として登録された、血統や飼育履歴まで厳しく管理された牛だけが和牛と呼ばれます。

その美味しさを支えているのは、大きく分けて「食感」と「香り」です。赤身の中に網目状に入り込む脂肪は「サシ」と呼ばれ、熱が入ることで溶け出し、なめらかな口どけを生み出します。さらに、口に含んだ瞬間にふわりと広がる甘くコクのある香りは「和牛香」と呼ばれ、噛みしめるほどに余韻が深まり、味わい全体の印象を形づくっています。
日本には魅力的なブランド和牛が存在。旅行先の楽しみにしよう!

日本各地では和牛が地域ごとに育まれ、独自の個性を持つブランドとして知られています。なかでも以下で紹介する和牛は特に有名なブランドとして知られており、旅先で味わう特別な一皿として注目しておきたい存在です。
松阪牛(三重)
三重県松阪市を中心に育てられ、舌にのせた瞬間になめらかに広がる肉質が特徴。きめ細かなサシによる、とろけるような食感が印象に残ります。
神戸牛(兵庫)
兵庫県産の但馬牛の中でも厳選されたものだけが名乗れるブランド。体温でもほどけるような脂が、上品な余韻を残します。
近江牛(滋賀)
琵琶湖畔の自然の中で育まれ、きめ細かくやわらかな肉質が特徴。しつこさのない甘い脂、芳醇な香りも持ち合わせています。
米沢牛(山形)
寒暖差の大きい環境で育ち、旨味の濃さが際立つ和牛。きめ細かい霜降りと脂の質の良さが魅力です。
前沢牛(岩手)
恵まれた自然環境による良質な飼料で丁寧に育てられ、上質できめ細やかな霜降りが持ち味です。
このほかにも、日本各地にブランド和牛が存在し、訪日旅行者の行く先で、魅力的な和牛に出会うことができます。
日本の焼肉は部位ごとにメニューが存在。知っておきたい部位と味わいガイド

日本の焼肉メニューは、部位ごとに細かく分かれているのが特徴です。味わいや食感、脂の入り方は部位によって大きく異なり、どれを選ぶかで焼肉の印象も変わります。ここでは定番から希少部位まで、写真を交えながら、それぞれの味の個性を紹介していきます。

お店によっては牛のイラストで部位を教えてくれるところもあります。どの部分なのかを確認しながら食べるのも焼肉の楽しみといえるでしょう。
【定番編①】カルビ|焼肉の王道、とろける脂のコク

カルビは牛のバラ肉周辺を指す、焼肉を代表する定番部位です。サシが入りやすく、焼くことで脂の旨味が広がり、やわらかくジューシーな食感です。
【定番編②】ロース|赤身と旨味のバランスを楽しむ

ロースは肩から腰にかけての背中側の部位です。ほどよく引き締まった肉質で、噛むほどに赤身の旨味が感じられるのが魅力といえます。
【定番編③】タン|歯ごたえと香ばしさが魅力

タンは牛の舌にあたる部位です。適度な歯ごたえがあり、さっぱりとした味わいの中に、牛肉ならではの旨味が感じられます。
【定番編④】ハラミ|赤身派にも人気のやわらかさ

ハラミは横隔膜の一部で、内臓に分類されながらも肉に近い味わいが特徴です。脂は控えめで、噛むごとに旨味が広がります。
【定番編⑤】ミノ|食感を楽しむ内臓部位

ミノは牛の第一胃にあたる部位です。肉厚でコリコリとした食感が特徴で、クセが少なく上品な味わい。
【定番編⑥】レバー|濃厚な風味がクセになる

レバーは肝臓にあたる部位で、独特の風味と弾力のある食感が特徴です。甘辛いタレとの相性が良く、好みに合えばハマる一品。
【定番編⑦】シマチョウ(テッチャン)|脂の旨味を楽しむホルモン

シマチョウは牛の大腸部分で、縞模様の見た目が特徴的です。ぷりぷりとした歯ごたえと、ジューシーな旨味が楽しめます。
【定番編⑧】ザブトン|コク深い旨味を楽しむ

ザブトンは肩ロースの中心部にあたる部位です。サシが入りやすく、やわらかな食感とコクのある味わいが特徴で、薄切りで提供されることもあります。
【定番編⑨】ランプ|赤身の旨さを味わう一枚

ランプは腰からももにかけての部位です。脂は控えめながら肉質はやわらかく、赤身ならではの旨味とほどよい噛み応えがクセになります。
【定番編⑩】サーロイン|霜降りが生む贅沢な口どけ

サーロインは牛の背中中央部に位置する部位です。筋肉の動きが少なく、きめ細かな霜降りが入りやすいため、とろけるような食感と濃厚な味わいが楽しめます。
【希少部位編①】シャトーブリアン|究極のやわらかさを誇る部位

シャトーブリアンはヒレ肉の中心部にあたる希少部位です。きめ細かな肉質で、口に入れた瞬間にほどけるようなやわらかさが印象的です。
【希少部位編②】ミスジ|赤身とサシのバランスが秀逸

ミスジは肩甲骨の裏側に位置する部位です。赤身が主体ながら細かなサシが入り、しっかりとした旨味を感じられます。
【希少部位編③】リブロース|肉の存在感を楽しむ贅沢部位

リブロースは背中側の中でも肩寄りの部位です。肉の厚みとコクがあり、和牛ならではの香りと力強い味わいです。
【希少部位編④】しんしん|上質な赤身のジューシーさ

しんしんは「しんたま」と呼ばれる、モモ肉の一部です。きめが細かくやわらかな赤身肉で、噛むと肉汁が口の中に広がります。
【希少部位編⑤】トモサンカク|赤身と霜降りのいいとこ取り

トモサンカクも同じく「しんたま」の一部にあたります。赤身が多いモモ肉の中では珍しくサシが入りやすく、なめらかな口どけが楽しめます。
人気店の店長に聞く、美味しい焼肉の焼き方とは?
日本の焼肉は、基本的に自分で焼いて楽しむスタイルです。ただし、どれほど質の高い肉であっても、焼き加減を誤れば本来の魅力は十分に伝わりません。どのように焼けば、美味しい焼肉を食べられるのでしょうか。


話を聞いたのは、渋谷区・広尾に店を構える「お肉屋けいすけ三男坊」の店主・伊藤さん。伊藤さんは「お肉博士1級」の称号を持ち、山口県の希少な高森和牛のほか、受賞歴のある数々の上質なお肉を使い分ける和牛のプロフェッショナルでもあります。

この店では伊藤さんをはじめ、キャストと呼ばれるスタッフが、肉の状態や部位ごとの特性を見極めながら焼き上げまでを担当。日常的に“最高の焼きどき”を提供し続けているからこそ、焼肉の美味しさを引き出す技術を熟知しています。
① 焼く順番は、あっさりからこってりへ

「焼肉を食べる前に意識したいのが、焼く順番。焼肉は、味の軽い部位から順に楽しむのがおすすめです。たとえば牛タンやホルモンなどのあっさりした部位から始め、ロースやハラミ、最後にカルビへと進むと、それぞれの肉質や脂の違いをはっきり感じながら味わえます。」
② お肉を返すタイミングは「肉汁」を見極める

「返すタイミングは部位によって変わります。赤身の多い肉は片面をじっくり焼き、肉汁が表面に浮いてきた頃に一度返す程度で十分です。一方、サシの多い肉は焼くにつれて少しずつ端から縮み始めます。その縮み始めた瞬間が返しどきで、焼きすぎると肉汁が流れ出てしまうので要注意です。」
③ よりジューシーにしたいなら、一度「休ませる」

「牛タンやハラミのように厚みのある部位は、焼き上がってすぐに食べず、網の端などで短時間休ませるのがコツです。余熱で中まで均一に火が入り、肉汁が落ち着くことで、よりジューシーな食感につながります。このひと手間を意識するだけで、焼肉の満足度は大きく変わってきます。」
より美味しく焼肉を楽しむための小技は?


焼肉の印象を左右する存在として、つけダレや薬味は欠かせません。多くの焼肉店では、肉質や部位に合わせて味の設計が施されており、その組み合わせを試すことで楽しみ方が広がります。たとえばお肉屋けいすけ三男坊では、牛タンには塩ポン酢ハーブソルト、シャトーブリアンにはわさび醤油を合わせるなど、薬味が肉の輪郭をすっと際立たせる提案をしています。


また、日本ならではの食べ方として、生卵にくぐらせるスタイルもあります。同店のコースで提供されるサーロインの「すきしゃぶ」も生卵をくぐらせて食べるメニューで、卵のまろやかさが肉の旨味を包み込み、味わいに奥行きを加えます。

さらに、タレのコクをしっかり楽しみたいときは白いご飯を添えるのも一案です。タレをまとった焼肉を一度ご飯に乗せてワンバウンドさせてからお肉を食べたあと、タレが染みたご飯を口に運ぶと、満足感がいっそう高まります。
知ることで広がる、和牛焼肉の楽しみ方

和牛焼肉は、部位を知り、焼き方を意識し、食べ方を工夫することで、美味しさが何倍にも増します。そして、日本には和牛の個性を丁寧に引き出す焼肉店がたくさんあります。今回ご紹介した知識をヒントに、美味しい焼肉を食べ歩いてみましょう。
取材協力店:お肉屋けいすけ三男坊
住所:東京都渋谷区広尾 5-2-25 HONGOKUビル B1F
アクセス:東京メトロ日比谷線広尾駅から徒歩3分
営業時間:月~土17:30~23:30(L.O 22:30)
定休日:日曜日
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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