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日本の首都・東京の台東区に位置する浅草は、昔ながらの下町風情を色濃く残す日本人にも人気の観光地です。浅草寺などの歴史的建造物をはじめ、江戸前寿司や天ぷら、蕎麦など東京を代表するグルメの老舗店も多数。一方で東京スカイツリーといった近代的なランドマークも点在し、ホテルや旅館などの宿泊施設も充実しています。
今回は、そんな浅草で2019年に新オープンした宿泊スポットを3つピックアップ。下町情緒を感じる旅館や最新機器を駆使した新しいタイプのホテルなど、おひとりさまにも女子旅やグループ旅行にもおすすめの場所をご紹介します。
日本のわびさびを感じる「茶室ryokan asakusa」
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2019年7月にオープンした訪日外国人向け旅館「茶室ryokan asakusa」は、賑やかな浅草の中心地から少し離れた、かつての花街風情が息づく奥浅草にあります。
特徴は、「茶室」の構成要素をモチーフにした空間設計を行っていること。そもそも茶室とは、家の主が伝統的な儀式にのっとり、ゲストをお茶でもてなす文化「茶道」を行う建築物を指します。畳を敷いた空間の中は、季節の花や掛け軸など、ごくシンプルな飾り付けなどで構成。その静かなたたずまいと空間の使い方に、海外の方は驚くかもしれませんね。
一方で日本人は、シンプルな空間に光と影がおりなす「陰影」と、枯れた風情を美しいとする独自の美意識「わび・さび」を見出しました。つまり、このホテルに泊まるだけで日本人の美意識を体感することができるのです。
たとえば、客人が出入りする茶室の「にじり口」をイメージさせる小さな扉を客室に設けたり、エントランスを茶室の庭「露地」に見立てたり。また、客人が茶室に入るための準備をするスペース「待合(まちあい)」で足湯サービスを行うなど、茶室の要素を現代の感覚で再解釈した世界観は、感動を覚えるものばかり。
客室には、向こうの明かりがほんのり透けて見える「手漉き和紙の障子」や、室内にいながらにして自然を感じさせる「掛花」「坪庭」、やんわりと空間を区切る「襖」「屏風」など、日本ならではの「曖昧な間仕切り文化」も体感できます。
部屋は、コンパクトな「茶室」、最も茶室らしさを感じる「茶室浅草」、展望風呂が付いた「茶室グランシェル」、家族やグループ向きの「茶室スイート」の4種。特に、襖に描かれたアートや、平安貴族を思わせる目の細かいすだれ「御簾(みす)」などのしつらえが目をひく茶室スイートがおすすめです。
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一期一会の精神でスタッフがお節介を焼いてくれるのも、こちらの施設ならでは。実際に浅草で暮らしている彼らが提供する、奥浅草の寿司屋や居酒屋、割烹などのとっておきの情報をもとに、街を歩いてみるのも楽しいですよ。
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茶室ryokan asakusa
- 住所 東京都台東区浅草3丁目32-12
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最寄駅
東京メトロ銀座線、東武鉄道スカイツリーライン「浅草」駅から徒歩10分、都営地下鉄浅草線「浅草」駅から徒歩13分
- 電話 03-5808-9021
営業時間:チェックイン 15:00~24:00/チェックアウト 10:00
定休日:無休
地元の人々との交流も楽しい「MUSTARD HOTEL ASAKUSA1」
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「街の隠し味でありたい」との思いから2019年2月浅草にオープンしたホテルが「MUSTARD HOTEL ASAKUSA1」。ドミトリータイプのベッドをメインに構成するホステル型の宿泊施設で、施設内は温もりが感じられる木材を使用した、モダンでシンプルな造り。地下鉄浅草駅から徒歩約5分の好立地にあり、浅草の街を観光するのに便利。加えて、宿泊中も日本らしさを感じられる「仕掛け」が用意されています。
例えば設内にある準天然温泉「光明神々温泉(R)(人工温泉)」は、神経痛や肩のコリ、冷え性、疲労回復などに効果があるといわれ、疲れた体を癒やせます。
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さらにホテルの1階のワインバーでは、軽食がいただけます。朝は、厳選した国産小麦と自家製天然酵母で作ったホットドッグがコーヒーとともに味わえます。
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夜は自然派ワインで語らいの時間を。ワインバーは一般客も利用できるため、地域住民とのコミュニケーションの場にもなっています。
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宿泊エリアはドミトリータイプ。それぞれのベッドは相部屋仕様でカーテン付き、閉めてしまえば個室感覚でくつろげます。男女混合タイプが3フロア、女性専用を1フロア設け、女性も安心して過ごせるように工夫されています。ほか、2段ベッドを2台そろえた4名まで利用できる男性専用と女性専用の貸切り部屋も用意。トイレ、シャワーは共同で使えます。
レンタル可能な浴衣は、有名デザイナーが監修した、浅草らしさを意識した和柄。そのほか、日本で広く親しまれている「手ぬぐい」は専門店「かまわぬ」がプロデュースした、オリジナルで購入が可能。デザインもさることながら、軽量で吸水性が高く速乾性に優れているため、日本土産にもおすすめです。
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なお浅草の2号店「MUSTARD HOTEL ASAKUSA2」も4月より営業中。こちらは「ドミトリータイプ」(4000円~)のほか、カーテンで仕切る「シングルボックス」(6000円~)と、ファミリーとダブルの「個室」タイプ(10000円~)も用意しています。
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MUSTARD HOTEL ASAKUSA1
- 住所 東京都台東区雷門2-13-1
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最寄駅
都営浅草線、東京メトロ銀座線、東部伊勢崎線「浅草」駅から徒歩5分
- 電話 03-5830-8031
営業時間:チェックイン 14:00/チェックアウト 10:00
定休日:無休
日本の近未来を体験できる「&AND HOSTEL ASAKUSA」
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もはや宿泊施設は、泊まることだけが目的の施設ではなくなりつつあるのかもしれません。2019年2月、浅草の言問通り沿いにオープンした「&AND HOSTEL ASAKUSA」は、施設内の至るところ最先端のIoTデバイスを採用。宿泊自体がエンターテイメントの一つになっていて、その利便性を体感できるホテルです。
例えばチェックインの手続きを多言語対応のタブレット端末で待ち時間なく行えたり、スマートスピーカーがコンシェルジュとして対応したり。「チェックアウト後も荷物を預かってもらえるか」「シャワーは何時まで使えるか」といったゲストからの質問にも、スマートスピーカーが応えます。フロントにはスタッフが常駐しているので、対人対応も可能です。
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客室では、専用のスマートフォンが鍵代わりになります。スマートフォンにダウンロードされたホステルオリジナルのIoTアプリ「&IoT」で、部屋の施錠はもちろん、室内のさまざまな家電製品をコントロールできます。さらには「Relax」など6シーンそれぞれに設定されたモードをいずれか選択すると、シーンに合わせた快適な環境がセッティングされます。
例えば「Wake up!」では、カーテンやスマートスピーカー、照明、アロマディフューザー、空気清浄機がいっせいに起動し起床にぴったりの環境にしてくれます。また、スマートフォンでホステル内のシャワーやラウンジの混雑状況を確認することも可能です。
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まるで近未来にタイムスリップしたかのような、新しい感覚にワクワクすること必至。部屋は、ダブルベッドとIoT機器を備えた「IoT DOUBLE ROOM」、2段ベッドの個室「TWIN ROOM」、4名1室のドミトリールーム「DORMITORY ROOM」の3種から選べます。
1階と9階にあるキッチン付きのラウンジルームで宿泊者同士の交流をしてみるのも旅の思い出になることでしょう。
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&AND HOSTEL ASAKUSA
- 住所 東京都台東区西浅草3-28-11
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最寄駅
つくばエクスプレス「浅草」駅A2出口から徒歩7分、日比谷線「入谷」駅1番出口から徒歩10分、銀座線「田原町」駅3番出口から徒歩13分
- 電話 03-5811-1580
営業時間:チェックイン 16:00~23:00/チェックアウト 11:00
定休日:無休
日本の文化やテクノロジーのエッセンスが凝縮した宿泊施設なら、施設自体を観光の一つとして楽しめることうけあいです。伝統ある浅草で「日本ならでは」を思い切り体験してくださいね。
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ライター
株式会社ダリコーポレーション
京都出身滋賀育ち。大学在学中に京都でライター業を開始。以後、関西・東京の出版社や制作会社で、グルメ・街情報を中心に18年以上携わる。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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