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将軍物語ツアー:日本の歴史を探訪する~日光で特別な体験を~

将軍物語ツアー:日本の歴史を探訪する~日光で特別な体験を~

公開日: 2023/09/08

日光は、日本の歴史的な観光地の中でも、訪問すべき場所の一つだ。東京からのアクセスが便利で、特急電車で日光へ直行すると、昔の日本にタイムスリップできる。日光はコンパクトな街で、有名な観光施設のほとんどが日光駅から徒歩圏内にある。一般的な観光客にとって、日光はアクセスがよい反面、表面的な部分にしか触れられず、その特別感や核心に迫ることは難しい。そこで、今回「将軍物語ツアー」という、日本人でもめったに見ることのできない本当の日光を体験できるツアーが造成された。豪華列車に乗って日光へ。弓道を体験し、高級料理を味わいながら、このユニークな文化ツアーを体験しよう。

日光で日本が形成された時代を追体験

日光東照宮の陽明門
日光東照宮の陽明門

日本の人気観光地の一つである日光。神秘性と武士の伝統を併せ持つ寺社が立ち並び、「日光の社寺」は世界遺産にも登録されている。なかでも重要な日光東照宮は、日本を統一して江戸時代へと導いた将軍・徳川家康の霊廟で、日本屈指の豪華さと美しさを誇る。家康は生前、生まれ故郷に1年間遺骸を埋葬したのち、ここに祀ることを遺言した。これは東京の北側130kmにある東照宮から家康自身が築いた都を見守ろうとしたもので、統治者として、そして神として、この国を守りたいと願ったのだろう。それから数百年、歴代将軍や諸大名は家康への敬意をもって日光へ巡礼した。東照宮は日本で最も訪問者が多い神社の一つとなっている。

東照宮の上神庫
東照宮の上神庫

日光は小笠原一族のゆかりの地でもある。小笠原一族は古くから続く上流階級の侍で、戦(いくさ)の技術だけでなく、宮廷での品位の高さでも知られている。こうした資質から幕府に仕える武士団の訓練を任じられ、これはのちに小笠原流として知られるようになる。小笠原流とは、歩射や騎射、小笠原流礼法に特化した武術の学校で、武家政権が始まった1192年から幕府が崩壊する1868年まで侍たちを訓練した。

伝統的な弓道着を身に着ける小笠原流の練習生
伝統的な弓道着を身に着ける小笠原流の練習生

東照宮の西側には緑豊かな山々が広がっており、1934年には日光国立公園に指定された。その中心となるのが中禅寺湖で、夏は避暑地として、秋は鮮やかな紅葉の名所として多くの人々が訪れる。まだエアコンがない明治時代、日本在住の裕福な西洋人たちは、冷涼な気候の中禅寺湖畔にこぞって別荘を建設した。

中禅寺湖の夕暮れ
中禅寺湖の夕暮れ

将軍物語ツアーに参加しよう

「将軍物語ツアー」は、1泊2日のフルサービスツアーだ。小笠原一族の末裔と一緒に日光を巡り、東照宮の特別エリアでは日本の深い歴史を体感できる。宿泊には由緒ある日光のホテルが用意されており、豪華な新型特急「スペーシアX」に乗車できるのも魅力だ。

新型特急スペーシアXで列車の旅を満喫

新型特急スペーシアXのコクピットスイート/写真提供:ⓒ東武鉄道株式会社
新型特急スペーシアXのコクピットスイート/写真提供:ⓒ東武鉄道株式会社

将軍物語ツアーは、東京の東武浅草駅から新型特急スペーシアXに乗車することから始まる。スペーシアXのデザインは、日光がある栃木県の伝統工芸や東照宮の建物から着想を得ており、外装は東照宮の陽明門にあしらわれた胡粉(ごふん)を思わせる高貴な白色。窓枠には鹿沼市の伝統工芸「鹿沼組子」を思わせる連続した「X」のモチーフが施されており、この鹿沼組子のイメージは車内の至る所で見ることができる。

スペーシアXの車内照明。東照宮の陽明門から着想を得たモチーフが見られる
スペーシアXの車内照明。東照宮の陽明門から着想を得たモチーフが見られる

スペーシアXには数種類の座席タイプがある。先頭車両の「コクピットスイート」は、じゅうたんの上に二人掛けのソファや椅子、テーブルなどを備えており、リビングルームのような雰囲気。最終車両にある「コクピットラウンジ」は、コクピットスイートより“列車らしさ”が強く、「GOEN CAFÉ」を備えている。日光のクラフトビールや栃木県の地酒、日光の焙煎所によるコーヒーをはじめ、スナックやドリンクがメニューに並び、スペーシアXの大きな魅力の一つでもある。

スペーシアXのコクピットラウンジ/写真提供:ⓒ東武鉄道株式会社
スペーシアXのコクピットラウンジ/写真提供:ⓒ東武鉄道株式会社

旧英国大使館別荘

旧英国大使館別荘は、中禅寺湖の中心街から少し南側の静かな湖畔に佇んでいる。もとは、英国外交官であったアーネスト・サトウの個人別荘として1896年に建てられたもので、のちに英国大使館の別荘として使われるようになった。森に囲まれたシンプルな建築が特徴で、いまなお古さを感じさせることはない。別荘は2016年に修復され、小さな博物館を備えた歴史遺産として一般公開されている。夕暮れ時、ここから見る中禅寺湖の眺望はうっとりするような美しさ。別荘では、カクテルパーティーや生演奏のイベントなどが開催されることもある。

別荘から望む中禅寺湖
別荘から望む中禅寺湖
別荘での生演奏の様子
別荘での生演奏の様子

日光金谷ホテルに宿泊

日光金谷ホテル別館
日光金谷ホテル別館

日光金谷ホテルは、開国したばかりの明治時代から海外の訪問者を迎え入れており、豪華なだけでなく日光の歴史を語るうえでも重要な役割を果たしている。

金谷ホテルの小食堂
金谷ホテルの小食堂

金谷ホテルの開業は1873年。東照宮に勤めていた金谷善一郎により日本初の西洋式リゾートホテルとして設立された。その始まりは、宿泊先探しに苦労していたアメリカ人宣教医に、善一郎が自宅を宿として提供したこと。魅力的な宿としての金谷ホテルのうわさはすぐに広まり、作家のイザベラ・バードは1880年に書いた著書『日本奥地紀行』の中で「どこを見ても美しい。これこそ日本の田園風景だ」と紹介している。金谷ホテルは評判となり、善一郎の自宅では賄いきれないほどにゲストが増えたため、新たに宿泊客専用の建物が建設された。デザインには外国人が快適に過ごせるよう西洋の要素が取り入れられ、宿泊者にはアルベルト・アインシュタインやヘレン・ケラー、アメリカ大統領のドワイト・アイゼンハワーなどの著名人が名を連ねている。

小笠原流礼法と武道を体験

一本目の矢を射るツアー参加者
一本目の矢を射るツアー参加者

2日目の朝は東照宮の境内にある「武徳殿」へ。ここでは小笠原一族の末裔が、小笠原流礼法と弓道を指導してくれる。礼法とは、作法だけではなく日ごろの振る舞いをとおして心と体を鍛えること。礼法の訓練により品位と美しさを磨けるだけでなく、騎射に欠かせないバランスの取れた体格を得ることができ、戦時に必要な平静さを鍛えることができる。

日光東照宮武徳殿
日光東照宮武徳殿

伝統的な弓道着に着替えてから訓練が始まる。まず、正しい正座の姿勢や立ち上がり方などの基本的な動きを学ぶ。シンプルな動きだが完ぺきにこなすのは難しい。

礼法を実演する小笠原清基氏
礼法を実演する小笠原清基氏
小笠原流を学ぶツアー参加者
小笠原流を学ぶツアー参加者

小笠原流の基本的な動きを学んだところで、いよいよ木馬から矢を射ることに挑戦できる。この練習用の木馬は小笠原一族が使っているのと同じもので、放たれた矢が木製の的を粉々に砕くと、訓練は最高潮を迎える。

木製の的に向かって矢を射る小笠原流の練習生
木製の的に向かって矢を射る小笠原流の練習生

日本料理「日光 高井屋」でランチ

小笠原清基氏と共に高井屋でランチ
小笠原清基氏と共に高井屋でランチ

ランチは江戸時代に創業した「高井屋」で伝統的な日本料理を楽しむ。畳敷きの室内や着物姿のスタッフ、部屋の外に広がる日本庭園など、タイムスリップしたような感覚になれるはずだ。食事の前には、小笠原流礼法に則った伝統的な日本料理と食事の作法などの解説もある。

基本的な食事の作法を説明する小笠原清基氏
基本的な食事の作法を説明する小笠原清基氏

旬の食材を使った懐石料理は、煮物、焼物、蒸物、揚物、ごはんまたは麺、漬物、味噌汁、茶、デザートで構成される。高井屋の真夏メニューのおすすめは、ニジマスのいぶし焼にもずく酢を添えたものや、抹茶塩を振りかけた野菜の天ぷらなど。「日光ゆば」もしばしば料理に登場する。ゆばは、沸騰した豆乳の上澄みにできた膜を引き上げて薄いシート状にした食べ物で、たんぱく質を豊富に含んでいる。

高井屋の真夏のランチコースの最初の料理
高井屋の真夏のランチコースの最初の料理

日光東照宮を訪問

東照宮の神輿舎
東照宮の神輿舎

ランチのあとは神聖な東照宮を訪れ、神職の案内によるツアーを楽しむ。東照宮の壮麗なデザインには神秘的な意味が込められており、例えば陽明門の美しい柱の1本は、意図的に上下逆さに設置されている。この“間違い”によって陽明門は永遠に未完成のままであり、つまり永久的に改善の可能性を秘めていることになる。こうした不完全な状態は完全な状態よりも縁起がよいとされている。ものごとは完成された時点で未来への可能性を失い、完ぺきな世界のあとには荒廃しか残らないためだ。

東照宮の陽明門
東照宮の陽明門

東照宮の一般公開エリアを見学した後、神職が「将軍着座の間」へ案内してくれる。歴史によると、この部屋には将軍だけが入室できたとされ、今でも一般客は入ることができない。将軍着座の間では、神の加護を得られるとされる神道の祈祷を受けることができる。祈祷の後は別室へ案内され、神聖な領域から世俗的な世界へ戻るための儀式「直会(なおらい)」を体験できる。

直会セット一式
直会セット一式

直会の後には、護符や東照宮のお神酒(みき)などが入ったお土産袋をプレゼントされる。神道の神々に祝福され、小笠原流の技術を携えて現実世界へと戻ってくることができる将軍物語ツアー。すばらしい思い出だけでなく、明るい未来へと繋がる目に見えない何かを得ることができるかもしれない。

ツアー詳細は以下のリンクから

※記事掲載時の情報です。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。

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