
富士山登山道の開通期間は例年7月~9月。シーズン中は世界中から多くの人々が訪れ、頂上を目指します。人気観光地ではありますが、登山を甘く見ては事故につながることもあります。安全で楽しい富士登山を目指し、事前の準備を徹底しましょう!
必要な装備

各自の登山の経験値に応じて装備を行いましょう。登山靴、リュック、雨具、防寒具、靴に砂利が入るのを防ぐスパッツは必需品です。夜間の登山では、反射素材の服やヘッドライトが遭難防止に活躍します。山小屋で入手できる飲食物は限られているので、自分の食べ物と水は登山開始前までに準備しておくのがベスト。
2025年は、吉田ルートが7月1日~、須走・御殿場・富士宮ルートは7月10日に開山。両者ともに9月10日に閉山する予定です。
富士登山に関する最新情報
2025年6月、吉田ルート5合目の常設ゲートを新設。富士山の景観や信仰の山としてのイメージに合わせて、鳥居の意匠を取り入れた関所風のデザインで、幅約8メートルで、高さ約3.5メートル、鉄骨製でインパクトのあるゲートです。ゲートの前には、巡視や指導を行う「県富士登山適正化指導員」が常駐。通行料を支払った証しのリストバンドの有無を確認します。入山規制時間中、中央の扉は閉められ、下山者や山小屋に宿泊する登山者は両横の通用門から出入りします。
2025年の登山規制
【4つの登山ルートにおける共通ルール】
1)富士山には4つの登山ルートがありますが、すべてにおいて14:00~翌3:00は入山規制時間のため、山小屋宿泊者以外は、5合目から入山できません(14時~翌3時の時間帯に入山する場合、山小屋の宿泊予約が必須)。
2)どのルートであっても、通行・入山料として、4,000円支払う必要があります。
【各ルートの規制】
1)吉田ルート(山梨県)
・一日当たりの登山者が 4,000人に達した場合はゲートを閉鎖します。
・通行予約をする場合、事前決済が必要です。決済日の翌々日から全額キャンセル料がかかります。登山日の変更は前日まで可能。購入の際は、「防寒着を用意する」「セパレートタイプの雨具を用意する」「登山に適した靴を用意する」といった富士登山に関するルールの遵守が求められます。
2)富士宮ルート、御殿場ルート、須走ルート(静岡県)
・「事前登録システム」の登録が必要。登録には、静岡県公式アプリ「静岡県FUJI NAVI」をスマホにインストールが必須。
・システム上で、富士山の保全、安全登山に係るルール・マナーの事前学習(eラーニング)の修了、入山証の受け取りなどを行います。現地では、アプリを起動し、現地係員に、入山証(QRコード)を提示します。
天候条件

登山道自体は夏季の登山シーズン中、常時開放されているが、登る際は山の天候にも注意が必要です。富士山は独立峰であるため、天候が急激かつ急速に変わりやすいです。さらに夏でも気温が氷点下まで落ちこむ場合があります。登山開始前に天気予報を必ず確認し、適切な装備を選びましょう。
高山病に注意を

登山中の誰もが陥る可能性のある高山病ですが、特に、ハイペースでの登頂を考えている人は注意が必要です。
高山病は頭痛・吐き気・疲労感・寒気といった症状を引き起こし、登山の妨げとなる。高山病を防ぐためには、五合目に着いたら30分の休憩をとり、高さに体を慣らしていくのがおすすめです。
山小屋での過ごし方

主要登山ルートの中間地点には、食事や宿泊ができる山小屋がある。一人あたりの料金1泊2食付きで10,000円~15,000円程度。食事の有無により異なります。支払いは現金のみなので、現金を充分に準備しておきましょう。人気ルートの小屋では飛びこみ客の空きはほぼないため、宿泊予約は必須です。山小屋のつくりは大変簡素であるため、他の登山客との雑魚寝になることが多いです。
トイレについて

富士登山の持ち物として忘れてはいけないのが、100円玉です。富士山のトイレは有料で200円~300円程度かかるためです。多くの場合、係員はおらず設置された箱などに各自がお金を入れるシステムです。オフシーズンに登頂する場合は、携帯用トイレの持参が必要となります。
ごみのないきれいな富士山に

富士山の景観を守るため、登山中に出たごみは各自がきちんと家まで持ち帰りましょう。ごみをリュックに入れるための袋は必ず持参を。一人ひとりの心がけが、富士山の美しさの保全につながります。
富士登山マナーについて
1登山道は登りが優先
登山する際は、必ず、登る人が優先です。譲り合いの気持ちを忘れずに歩みを進めましょう。
2無茶な追い越しはひかえましょう
ハイシーズンは時間帯によっては、登山道が混雑する場合があります。無理に前の人を追い越そうとすると、登山道から外れてしまい、転倒して怪我をしたり、落石を引き起こす一因にもなります。登山であっても、下山であっても、あせらず、進みましょ
う。
3山道の山側(内側)歩きましょう。
登山道の端を歩くと、小石がおちやすくなります。登山の際も下山の際も、道の内側を歩きましょう。もし、落石を起こしてしまった場合には、大声で「落石!」と叫んで周囲の人に知らせてください。落石による被害を防ぐことにつながります。
4鳥獣の巣には近づかないようにしましょう。
鳥獣保護区内では、鳥獣の生息繁殖保護のため、巣を見つけても、さわらない、近づかないようにしましょう。
5山小屋の前で休憩する際は静かにしましょう。
夜、山小屋では、寝ている人、休憩している人が多くいます。夜間、山小屋の近くで休憩をする場合は、静かに、騒がないようにしましょう。
最後に

山では、登山者同士の思いやりと譲りあいの心がけが大切です。登りと下りとでは、登りの人が優先です。夜の山小屋では、休む人のことを考え会話は小さな声で。最後に、富士山は国立公園です。石や植物の持ち帰りは禁止されています。マナーを守って思い出に残る富士登山を!
富士山へのアクセス情報
アクセス:富士急行線河口湖駅もしくは富士急行線富士山駅から富士急行バス富士山五合目行きで約1時間。東京から富士急行線河口湖駅までのアクセスは、JR中央線大月駅から富士急行線で約40分
※本記事の情報は取材時の情報を2025年6月に更新しています。最新の情報は公式サイト等でご確認ください
約20年、旅行ガイドの編集・出版に携わってきた日本人トラベルライター。大学卒業後、出版社にて約10年、旅行ガイドの編集・出版に従事。パリ、台湾、などの海外取材、国内は北海道、九州などの取材も数多くこなす。その後、中国・広州に2年ほど駐在妻として暮らし、現地メディアにて経済・旅行ガイド記事で執筆等を担当。帰国後は、ウェブメディアにて編集・執筆を経験。インバウンド、アウトバウンド両方の旅行ガイドの記事制作に携わってきたことが強み。中国政府認定の中国語能力試験HSK6級(最高級)、実用フランス語技能検定試験準1級、英語検定準1級取得。
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