美しい景色は、旅を彩る素敵な思い出になるもの。自然豊かな東北には、エメラルドグリーンの水をたたえる火口湖や、龍の目のように見えると話題の沼など、神秘的な絶景スポットが数多く点在します。
また、一定の気象条件により発生する樹氷に伝統行事・かまくらなど、日本ならではの四季や文化がつくり出す光景も魅力的。今回は見る人に感動を与える、東北の絶景を厳選してご紹介します。旅行に来たらぜひこれらの絶景を見に行ってはいかが?
1.宇曽利山湖(青森)
青森県、日本三大霊場のひとつ「霊場恐山」にある湖「宇曽利山(うそりやま)湖」。噴火により形成された火口湖で、透き通るような瑠璃色の水が特徴です。
周囲の荒涼とした岩場から一転して現れる神秘的な湖は、その美しさはもちろんのこと、湖畔が白い砂浜になっていることも相まって「極楽浜」と呼ばれているのだとか。湖水は強酸性のため、生息する魚は酸性への適応力があると言われるウグイのみ。例年10月中旬には宇曽利山湖を取り囲む山々が紅葉し、艶やかな光景を見晴らせます。
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宇曽利山湖
- 住所 〒035-0021 青森県むつ市大字田名部字申曽利山
電話番号:0175-22-3825(恐山寺務所)
営業時間:5~10月、6:00~17:00
料金:500円
定休日:期間中無休
2.奥入瀬渓流(青森)
青森県・十和田湖を水源とする奥入瀬川。十和田湖の子ノ口と焼山の間の約14キロメートルを流れる渓流が「奥入瀬渓流(おいらせけいりゅう)」です。
渓流沿いには遊歩道が整備され、岩をも砕くような激しい流れが特徴の「阿修羅の流れ」や、高さ約7メートル、幅約20メートルを誇る「銚子大滝」など、渓流に点在する多彩な絶景を目にすることができます。
ベストシーズンは、新緑が美しい5~6月と、10月中旬~下旬頃の紅葉シーズン。空気が澄んでいる早朝は、人も少なく心地よい散策が楽しめます。
奥入瀬渓流は全区間を徒歩で巡ると半日ほど掛かってしまいます。路線バスや乗り捨て可能なレンタサイクルを利用すると2~3時間ほどで散策できますよ。
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奥入瀬渓流
- 住所 〒034-0301 青森県十和田市大字奥瀬
電話番号:0176-75-2425(十和田湖総合案内所)
営業時間:見学自由
料金:無料
3.鶴の舞橋(青森)
青森県にある「鶴の舞橋(つるのまいはし)」は、津軽富士見湖に架かる総ヒバ造りの木造三連太鼓橋。全長は300メートルで、日本一長い木造三連太鼓橋として知られています。
長さ約100メートルの3つのアーチの間に2つのステージが設けられ、鶴が空へと羽ばたくような姿に見えますよ。主な撮影場所は2か所。橋の全景を正面から一望できる鶴の舞橋駐車場のそばと、岩木山を背に橋を望む丹頂鶴自然公園側の袂です。
また、一年を通し、趣の異なる景観を目にできますが、朝焼けに染まる早朝や夕暮れ時の時間帯、周囲が雪に覆われる12~2月頃の時期は特に幻想的な光景が広がります。
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鶴の舞橋
- 住所 〒038-3542 青森県北津軽郡鶴田町廻堰大沢81-150
電話番号:0173-22-2111(鶴田町役場 企画観光課)
営業時間:見学自由(積雪など悪天候時は通行止めの場合あり)
料金:無料
4.八幡平ドラゴンアイ(岩手・秋田)
「八幡平(はちまんたい)ドラゴンアイ」は、秋田県と岩手県にまたがる八幡平で、運が良ければ出会える稀少な絶景です。八幡平山頂遊歩道にある「鏡沼」に降り積もった雪がドーナツ状に溶け、龍の目のように見えるため、その名がつけられました。
直径は50メートルほど。雪が解けはじめる5月中旬から6月中旬のごくわずかな期間のみに現れます。その年の雪解けの時期や気象条件により、瞳の色、形は変化。ブルーと白の境界が鮮やかに見えるのは、雪解けが始まってすぐの頃なのだとか。雪山を歩くので、訪れる際には防寒対策と歩きやすい靴の準備をお忘れなく。
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八幡平ドラゴンアイ(鏡沼)
- 住所 〒014-1205 秋田県仙北市田沢湖玉川
電話番号:0195-78-3500(八幡平市観光協会)
営業時間:八幡平山頂遊歩道は4月中旬~11月上旬、見学自由
料金:無料
5.龍泉洞(岩手)
日本三大鍾乳洞のひとつである岩手県の「龍泉洞(りゅうせんどう)」は、ブルーの水をたたえる地底湖や、ダイナミックな鍾乳石を目にできる鍾乳洞。洞内の総延長は、現在判明されているだけで4,088キロメートルで、見学エリアはそのうちの約700メートル。実際の総延長は5キロメートル以上にも及ぶと推測されています。
洞内には、ライトアップされた鍾乳石が幻想的な「月宮殿(げっきゅうでん)」や、世界有数の透明度を誇る地底湖などの見どころが点在。なかでも、深い青色に輝く3つの地底湖は、吸い込まれそうなほどの透明さに感動必至です。
特に水深98メートルの「第三地底湖」では、水とライトの光が織りなす青のグラデーションの美しさに、思わず息をのんでしまいそう。
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龍泉洞
- 住所 〒027-0501 岩手県下閉伊郡岩泉町岩泉字神成1-1
- 電話 0194-22-2566
営業時間:8:30~17:00(5~9月は8:30~18:00)
料金:1,100円、小・中学生550円
定休日:無休
6.横手のかまくら(秋田)
「横手のかまくら」は、秋田県横手市で約450年の歴史をもつ伝統行事。かまくらとは、雪を丸く固めて中を繰り抜いた小部屋のことで、東北地方の豪雪地帯では、子どもたちの雪遊びの定番として親しまれています。
毎年2月15日と16日には「横手のかまくら」を開催。見どころは、横手南小学校校庭と蛇の崎川原を会場に実施する「ミニかまくら」の点灯です。真っ白な雪原に設けられたミニかまくらの数は、なんと約2,000個! かまくらの中にはろうそくが立てられ、夜になると周囲が光に包まれます。
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横手のかまくら
- 住所 〒013-0017 秋田県横手市蛇の崎町2(蛇の崎川原)
電話番号:0182-33-7111(横手市観光協会)
営業時間:2月15・16日、18:00~21:00
料金:入場無料
7.元滝伏流水(秋田)
秋田県にかほ市の独立峰・鳥海山(ちょうかいさん)にある「元滝伏流水(もとたきふくりゅうすい)」は、緑色の岩肌から伏流水が幾筋にも分かれて流れる幽玄な滝。
高さは約5メートル、幅約30メートルと大きさこそないものの、白い水瀑の繊細な流れ、そして緑の苔とのコントラストが美しいスポットです。
見学にオススメの時期は、5月下旬から6月上旬の新緑の時期。特に午前中は空気がひんやりとしているので、より神聖な気分になれますよ。駐車場から徒歩10分程と、気軽に訪れられるのもうれしいポイントです。
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元滝伏流水
- 住所 〒018-0133 秋田県にかほ市象潟町関
電話番号:0184-43-6608(にかほ市観光協会)
営業時間:見学自由
8.松島(宮城)
日本三景のひとつに数えられる「松島」は、宮城を代表する景勝地。穏やかな松島湾には大小260余りの島々が浮かび、見る場所によってさまざまな表情を見せてくれます。
定番のビュースポットは、JR松島海岸駅から車で5分ほどの場所にある「西行戻しの松公園」。桜の名所としても知られ、見ごろを迎える4月中旬から5月上旬の期間には、薄紅色の桜の向こうに松島湾が広がる、旅情あふれる光景を楽しめます。朝焼けや夕焼けに染まる松島湾も見事ですよ。
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松島
- 住所 〒0981-0213 宮城県宮城郡松島町松島犬田2(西行戻しの松公園)
9.御釜(宮城)
宮城県と山形県にまたがる蔵王連峰のシンボル的なスポット「御釜(おかま)」。強酸性の火口湖で、釜のような形をしていることから御釜と名付けられました。
最大の魅力はエメラルドグリーンに輝く湖水。太陽の光の角度や気候によって変わる色合いは、なんとも神秘的です。周囲約1キロメートル、直径約330メートルという大きさも見る者を圧倒。
全景を一望するなら展望台からがオススメですが、近くまで徒歩で行くこともできるため、その迫力を間近で体感しましょう。
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御釜
- 住所 〒989-0916 宮城県刈田郡蔵王町遠刈田温泉倉石岳国有林内
電話番号:0224-34-2725(蔵王町観光案内所)
営業時間:4月下旬~11月上旬、見学自由
定休日:1月中旬~4月中旬は立ち入り不可
10.蔵王の樹氷(宮城・山形)
冬にしか見られない自然現象・樹氷を見られるのが、山形県と宮城県にまたがる蔵王です。見ごろは、1月下旬から2月末にかけての時期。どこまでも続く樹氷原は圧巻です。
宮城県の「すみかわスノーパーク」では、雪上車で樹氷原へと向かうツアー(要予約)を開催。また、山形県の「蔵王温泉スキー場」では、樹氷原でスキーやスノーボードを満喫できます。「蔵王ロープウェイ」に乗って、上空から樹氷を眺めるのもいいですね。ライトアップされた樹氷を鑑賞するツアー(要予約)も要チェックです。
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蔵王の樹氷
- 住所 〒990-2301 山形県山形市蔵王温泉
11.丸池様(山形)
山形県遊佐町の「丸池様(まるいけさま)」は、知る人ぞ知る、穴場の絶景スポット。東北を代表する高山・鳥海山の湧水のみを水源とする池です。
うっそうと生い茂る木々のなかに、突如現れる瑠璃色の湖面は、現実のものとは思えないほど神々しく幻想的。その清らかな水は、水中に倒れた木さえもなかなか腐らないことから、地元では信仰の対象になっています。
6月中旬から7月上旬には、清流でしか咲かないとされるバイカモの花が開花。神秘の池とともに楽しんではいかが。
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丸池様
- 住所 〒999-8525 山形県飽海郡遊佐町直世荒川57
電話番号:0234-72-5666(遊佐町観光協会)
営業時間:見学自由
12.霧幻峡の渡し(福島)
霧に包まれた里山の川を渡し舟で進む「霧幻峡(むげんきょう)の渡し」。霧幻峡とは、福島県の金山町と三島町にまたがる只見川沿いの渓谷の俗称で、霧幻の呼び名の通り、6月から9月の早朝と雨が降った後の夕方には大量の川霧が立ち込め、幻ではないかと思わせるような光景が広がります。
撮影には船着き場がオススメです。4月下旬から11月下旬の日中は、渡し船への乗船が可能。里山の風景を眺めながら約1時間の船旅を楽しめます。舟に乗る際は、船着き場近くにある温泉「つるの湯」を目指してください。
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霧幻峡の渡し
- 住所 〒969-7406 福島県大沼郡三島町大字早戸
電話番号:0241-42-7211(金山町観光物産協会)
営業時間:見学自由、渡し舟の運航は4月下旬~11月中旬の日の出~日の入り(5日まえまでに要予約)
料金:乗船料は3名まで6,000円、4名以上は1人1,800円
定休日:11月下旬~4月中旬
13.大内宿(福島)
「大内宿」は、福島県会津若松市の山間部に江戸時代(1603年~1868年)から残る宿場町。茅葺き屋根の民家が30軒以上も建ち並ぶ景観は、日本国内でも大変貴重で、かつての日本の景観を見たいという人には最適なスポットです。
会津若松市は県内屈指の豪雪地帯のため、観光のしやすさでいえば春から秋にかけての時期がベストですが、アクセスを気にしないのであれば、冬の雪景色は必見。雪が降り積もる宿場町にオレンジの明かりが灯る、絶景を目にできます。
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大内宿
- 住所 〒969-5207 福島県南会津郡下郷町大字大内山本
電話番号:0241-68-3611(大内宿観光協会)
営業時間:店舗により異なる
定休日:店舗により異なる
東北地方が誇る絶景はいかがでしたか? 感動的な光景を一目見に、今回ご紹介したスポットへ訪れてはいかがでしょうか?
Text by:株式会社シュープレス
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