HOME 東北 福島 会津若松 湯けむり絶景も必見!東北好きライターが選んだ憧れの秘湯・名湯5選
湯けむり絶景も必見!東北好きライターが選んだ憧れの秘湯・名湯5選

湯けむり絶景も必見!東北好きライターが選んだ憧れの秘湯・名湯5選

公開日: 2022/01/17

日本人は温泉が大好き。いつもテレビや雑誌で特集が組まれ、旅行シーズンにはたくさんの人が温泉地を訪れます。東北地方の山間には秘湯と呼ばれる温泉が多く、極上なお湯が人々の身体を温めています。今回は、東北好きライターが、東北旅行でめぐりたい「憧れの秘湯・名湯」を5つ選びました。雪に囲まれた、湯けむりが立ち込める景色も必見です。自然の中にある温泉地が多いので、ぜひドライブしながらめぐってみましょう。

TOP画像:PIXTA

目次
  1. 1.秋田県「玉川温泉」:塩酸を主成分とする日本屈指の強酸性温泉
  2. 2.山形県「蔵王温泉」:野趣あふれる大露天風呂
  3. 3.秋田県「後生掛温泉」:湯気がたちこめる風情ある温泉
  4. 4.青森県「酸ヶ湯温泉」:八甲田山系の火山を起源とした温泉
  5. 5.秋田県「小安峡温泉」:渓谷沿いの絶景温泉地
  6. 湯あたりに注意して楽しく温泉めぐりを!

1.秋田県「玉川温泉」:塩酸を主成分とする日本屈指の強酸性温泉

十和田八幡平国立公園の中の秘湯は紅葉も美しい(写真提供:アキタファン)
十和田八幡平国立公園の中の秘湯は紅葉も美しい(写真提供:アキタファン)

秋田新幹線・田沢湖駅から車で約1時間の場所にある「玉川温泉」は、「十和田八幡平(はちまんたい)国立公園」の中にある一軒宿です。営業期間は例年4月中旬〜11月下旬と短いですが、原生林の秘湯を求めて、たくさんの人が訪れています。その起源は諸説ありますが、地元のマタギ(野生動物を専門とするハンター)により1680年に発見されたと伝えられています。

(画像素材:PIXTA)
(画像素材:PIXTA)

大噴(おおぶけ)と呼ばれる湧出口から、塩酸を主成分とする強酸性の温泉水が毎分9,000リットルも湧出。青白い温泉水がブクブクと湧きあがる光景は、まるで地球の息吹のようです。高血圧症、動脈硬化症、皮膚病、喘息などに効果があり、古くから湯治場(温泉に浸かりながら長期療養する場所〉として知られています。

バラエティに富んだ浴槽が嬉しい(写真提供:アキタファン)
バラエティに富んだ浴槽が嬉しい(写真提供:アキタファン)

宿泊施設は旅館部と自炊部に分かれており、湯治客は自分で食事を作りながら長期療養を行っています。大浴場には、源泉100%のかけ流し風呂、高い位置から湯を落として肩などをマッサージする「打たせ湯」のほか、浅い浴槽に横になって頭を浸してリラックス効果を得る「浸頭湯・寝湯」、木の箱に入って50℃前後の蒸気を浴びることで、発汗作用を促し、新陳代謝を活性化させる「蒸気湯・箱蒸し」など、バラエティに富んだ浴槽が多数あります。

宿の周囲には、地熱の高い「地獄地帯」と呼ばれる場所があり、ゴザを引いて岩盤浴を行う光景が見られるなど、まさに温泉天国といった趣です。癒しの温泉を楽しんでください。

館内に外国語の表示はありませんが、公式ホームページが英語と中国語に対応していますので、参考にしてください。

2.山形県「蔵王温泉」:野趣あふれる大露天風呂

古くから知られる温泉リゾート(写真提供:山形県公式観光サイト)
古くから知られる温泉リゾート(写真提供:山形県公式観光サイト)

JR山形駅から車で約40分の場所にある「蔵王温泉」は、1900年に勢力を拡大していた皇族「日本武尊(やまとたける)」が東北地方に進軍した際に、従軍した武官・吉備多賀由(きびのたがゆ)により発見されたと言われています。江戸時代(1603年〜1868年)には、蔵王権現への西側登山口として賑わいを見せ、大正時代(1912年〜1926年)に、ふもとから温泉までの道路が開通。1925年にはスキー場がオープンするなど、リゾートの先駆けとして発展しました。

「若返りの湯」として名高い(写真提供:山形県公式観光サイト)
「若返りの湯」として名高い(写真提供:山形県公式観光サイト)

蔵王温泉の泉質は強酸性の硫黄泉で、血行促進効果に加え、表皮の殺菌作用や皮膚を強くする作用があります。旅館ホテルのほかに、温泉街に3つの共同浴場、3つの足湯、5つの日帰り温泉施設があり、気軽に湯めぐりができます。

温泉街から離れた場所にある「蔵王温泉大露天風呂」は、必ず浸かってほしい温泉です。「五感を刺激する渓流露天風呂」と呼ばれ、川のせせらぎや鳥の声を耳にしながら極上の湯につかる時間は至福のひととき。温泉街の共同浴場や旅館にない野趣あふれる魅力を楽しんでください。また、蔵王観光協会のホームページでは、温泉の情報などを英語・韓国語・中国語で紹介していますので、併せてご覧ください。

※蔵王温泉大露天風呂は冬期休業します。

  • 蔵王温泉
    • 住所 〒990-2301 山形県山形市
    • 電話番号:023-694-932(蔵王温泉観光協会)

  • 蔵王温泉 ル・ベール蔵王
    • 住所 990-2301 山形県 山形市蔵王温泉878-5
      地図をみる
    • 最寄駅 中央高原 駅 (蔵王スカイケーブル)
      徒歩44分

    空室検索・予約

    最新の料金や料金詳細、客室の条件は異なる場合がありますので、提携先のサイトをご確認ください。

3.秋田県「後生掛温泉」:湯気がたちこめる風情ある温泉

(提供:アキタファン)
(提供:アキタファン)

JR花輪線・鹿角花輪駅から車で約50分の場所に「後生掛温泉」はあります。秋田県岩手県を結ぶドライブウェイである「八幡平アスピーテライン」に位置し、あたりを原生林に囲まれた一軒宿です。泉質は硫黄泉で、硫黄成分がたっぷり含まれています。

胃腸病・神経痛・腰痛症・膝関節炎・交通事故による後遺症・リュウマチ・ゼンソク・婦人病・更年期障害・心身症・血行障害・痔・骨折やケガ治療後のリハビリ・内臓手術後の療養・冷え性・その他冷えよりくる諸病に効果があると言われています。

(画像素材:PIXTA)
(画像素材:PIXTA)

旅館部のほかに湯治宿舎を併設。湯治宿舎には温泉地熱で床を温める「オンドル宿舎」があり、そこで横になっているだけで継続的に温熱を体内に吸収するため、心臓等への負担が少なく、足腰の神経痛に効果があると言われています。長期滞在することで体内温度が上がり免疫力もアップし、自然治癒力の向上も期待できるそうです。

(提供:アキタファン)
(提供:アキタファン)

浴槽は湯船の底からブクブクと気泡が吹き上がる「火山風呂」や、温湿布のような状態を作り、神経痛、リウマチ、怪我の後遺症に効果があると言われている「泥風呂」、木箱の中に座り、首だけ出して体を温める「箱むし風呂」など多数あり、温泉の楽しみが尽きません。周囲に民家などは一切なく、夜は月明かりでもまばゆいほど。標高1,000mの天空はとても空気が澄んでおり、露天風呂に浸かりながら手を伸ばせば星に届きそう。東北の大自然の懐に抱かれてください。

館内に外国語表記はなく、スタッフの対応も食事時間の案内など限定された範囲になりますので、あらかじめご了承ください。

4.青森県「酸ヶ湯温泉」:八甲田山系の火山を起源とした温泉

秋は紅葉が美しい(写真提供:青森県観光情報サイト)
秋は紅葉が美しい(写真提供:青森県観光情報サイト)

JR青森駅から車で約1時間の場所に「酸ヶ湯温泉」はあります。八甲田山系の火山を起源とした温泉で、1684年に手負いの鹿を追って山へ入った狩人が、温泉を発見したと伝えられています。かつての爆裂火口の跡は「地獄沼」と呼ばれ、現在も噴気口から硫黄を含んだガスと温泉が噴出しています。

冬は雪に閉ざされる日本有数の豪雪地帯(画像素材:PIXTA)
冬は雪に閉ざされる日本有数の豪雪地帯(画像素材:PIXTA)

江戸時代(1603年~1868年)より湯治客が多く訪れ、現在の大浴場の周辺に地元の人が小屋を建て、山菜を採りに来た人や狩人に温泉を開放したのが酸ヶ湯の始まりと伝えられています。泉質は酸性泉、含鉄泉、硫黄-アルミニウム-硫酸塩泉、塩化物泉、酸性硫黄泉など多様で、神経痛、リューマチ、皮膚病、婦人病などに効果があると言われています。客室は旅館と湯治部に分かれており、その多くが湯治部に充てられています。

ヒバの香りが漂う千人風呂(写真提供:青森県観光情報サイト)
ヒバの香りが漂う千人風呂(写真提供:青森県観光情報サイト)

大浴場は「ヒバ千人風呂」と呼ばれ、160畳の広さの建物に、ヒバの木できた大きな浴槽が2つ並んでいます。脱衣所は男女別ですが、大浴槽の中央で男女が区切られているだけの混浴となっています。中央に間仕切りが設置されたことがありましたが、「酸ヶ湯の良さが薄れる」などの声が上がり、短期間で廃止されました。混浴に抵抗がある女性のために早朝に女性専用時間を設けるほか、男女別の「玉の湯」も用意されています。

館内は英語の案内があるほか、スタッフも日常的な英語対応が可能です。この機会に酸ヶ湯のことや、青森の文化について尋ねてみてはいかがですか。

  • 酸ヶ湯温泉
    • 住所 〒030-0197 青森県青森市荒川南荒川山 国有林 小字酸湯沢50
    • 電話番号:017-738-6400(酸ヶ湯温泉)

5.秋田県「小安峡温泉」:渓谷沿いの絶景温泉地

5.秋田県「小安峡温泉」:渓谷沿いの絶景温泉地

JR湯沢駅から車で約50分の場所に「小安峡温泉」はあります。小安峡は皆瀬川の侵食によって形成された渓谷で、それに沿って温泉街を形成しています。開湯は江戸時代初期(1603年ごろ)と歴史があり、片足にけがを負った鶴が温泉で傷を癒していたのを発見したのが起源と伝えられています。

木の香りが心地よい「旅館多郎兵衛」の大浴場(写真提供: 旅館多郎兵衛)
木の香りが心地よい「旅館多郎兵衛」の大浴場(写真提供: 旅館多郎兵衛)

泉質は単純泉で、腰痛、筋肉痛、肩こりなど体のこわばりをほぐしてくれます。また、飲むと血糖値が下がる効能があると言われ糖尿病の方に愛飲されています。

温泉の噴出に大地の力強さを感じる(写真提供:アキタファン)
温泉の噴出に大地の力強さを感じる(写真提供:アキタファン)

源泉の温度は98℃と高温で、小安峡大噴湯から大量の温泉水を噴出。江戸時代の紀行家である菅江真澄(すがえますみ)もこの地を訪れ、「雷神のひびきのようなすごい音がして水がはじけるように湯が噴き出していた」と日記に記しています。各旅館で日帰り入浴を行っているほか、共同浴場や無料で利用できる足湯もあります。それぞれ趣が異なるので、湯めぐりしてみてはいかがでしょうか。

なお、見どころの各所に英語表記の案内板が設置されています。また、各宿泊施設の対応は個別に異なりますので、あらかじめ各施設にご確認ください。

冬の渓谷も美しい(画像素材:PIXTA)
冬の渓谷も美しい(画像素材:PIXTA)

湯あたりに注意して楽しく温泉めぐりを!

ご紹介した以外にも東北には情緒あふれる温泉があります。ほとんどが山奥にあり、今でも辿り着くのに苦労する秘湯も少なくありません。交通網が発達していない昔はもっと大変だったはずですが、温泉にはそれを超越した魅力があったのでしょう。温泉の成分は体に効果がある一方で、長く浸かりすぎると悪影響を及ぼすことがあります。注意事項を守って楽しく入浴してください。

※本記事の情報は2021年12月時点のものです。掲載されている情報については、諸般の事情により変更になる場合があります。事前に各温泉にお問い合わせください。

Text by:Masakazu

▼ほかにもたくさん!東北でおすすめの温泉

※記事掲載時の情報です。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。

この記事をシェアする

検索