皆さんりんごは好きですか? 古くから世界中で親しまれているりんごは栄養価が高く、見た目も可愛く、とってもおいしい果物ですよね。中でも日本のりんごは評価が高く、贈答用フルーツとしても人気のある逸品ばかり。今回は、青森県の農業活性化アイドル「RINGOMUSUME」の彩香(さいか)が、青森県りんご協会にお話を伺い、世界に誇る日本産りんごの特徴や種類、簡単にできる皮のむき方、おすすめ料理などりんご尽くしの内容でお届けします!
日本のりんごの主要な品種5選!各種類の特徴は?
日本のりんごでまず驚かれるのは、ひとつひとつの大きさと見た目の美しさ。ヨーロッパやアメリカなどの海外では野球ボールくらいの大きさが主流の傾向にありますが、日本のスーパーではひと回りもふた回りも大きい、ふくよかで傷のない綺麗なりんごが並んでいます。
これは諸説ありますが、作るからには見た目も美しく、大きくて高品質なりんごを作りたいという日本人のものづくりへの精神が表れているからだとか。また、丸かじりしたときに小腹を満たせるくらいのサイズが好まれる傾向があるヨーロッパやアメリカに対して、日本人は切って複数人でシェアすることが多いなど、食文化の違いも関係しているといわれています。
日本のりんごは沖縄県以外の全国各地で栽培されていますが、最も有名なりんご産地は国内生産量の半分以上を占めている青森県。その次に長野県、岩手県などが続き、東北や甲信越地方にて盛んに生産されています。特に青森県弘前(ひろさき)市にはりんご畑が市街地周辺にもあり、広大な農園にたくさんの実をつけている光景は秋の風物詩です。
生産されている種類も豊富で、現在日本国内に出回っているりんごの種類は約60品種、歴代の品種も合わせるとなんと約2,400品種といわれています。そのうち、りんご収穫量の約5割は「ふじ」が占めていて、それに続き「つがる」「王林」「ジョナゴールド」がそれぞれ1割、その他の品種が2割程度のため、日本でよく見かけるりんごの品種は4種類といえそうです。その中でも今回は選抜して、いくつかの注目してほしい品種をご紹介します!
(1)ふじ
まずは圧倒的な知名度と生産量を誇る「ふじ」。10月下旬〜11月上旬に収穫時期を迎え、蜜が入りやすく、甘さと酸味のバランスがとてもいいです。パリッとした歯触りがクセになる赤いりんごですが、最大の特徴は優れた貯蔵性。年間を通してスーパーに並んでいる時期が一番長いのもふじなので、どのシーズンでも手に入りやすい品種でもあります。
(2)ジョナゴールド
シャキッとした歯応えが特徴の「ジョナゴールド」も人気です。 米国ニューヨーク州農場試験場で生まれたりんごで、食べごろのサインが「油あがり」という、表面がベタつく果実の生理現象が起こりやすい真っ赤なりんご。10月中旬が収穫時期で、酸味が強いため料理やお菓子にも適しています。
(3)王林
外国の方々にも人気な品種が、黄色いりんごの「王林(おうりん)」。りんごの中の王様という意味を込めて命名された品種は食べ応えがあり、しっかりした甘さと芳醇な香りが◎。世界的にみても黄色くて甘い品種は大変珍しく、特に香港では爆発的な人気を誇っているのだとか。11月上旬が収穫時期で、主に青森県や長野県で生産されています。
(4)トキ
王林に負けじと、黄色いりんごの中でも売れ筋の「トキ」。人気のある王林とふじを交配して生まれた品種で、りんご界のサラブレッドとも呼ばれています。シャキシャキ食感と抜群の甘さが特徴で、その甘さの中にあるほんのりした酸味がアクセント。10月上旬に収穫時期を迎えるトキは、特に台湾で人気があります。
(5)彩香
最後に筆者の名前にもなっている「彩香(さいか)」。 希少品種といわれていて、収穫時期が9月下旬と早いですが、甘さがありつつちょうど良い酸味も持ち合わせていて、ジューシーでおいしいりんごです。「彩香」という名前は生果実に限って使用を認められていて、苗木や加工品などの時は「あおり9」という名前になります。
ちなみに私たちRINGOMUSUMEは芸名がりんごの品種になっていて、現在は「とき」「王林」「ジョナゴールド」「彩香」の4人で活動中です。歌やダンスなどのパフォーマンスを通して、日本のりんごをPRしているので、この機会にぜひ覚えてくださいね!
おいしいりんごの選び方は?ツルとおしりにご注目
ジューシーで大きい日本のりんごですが、特においしいものを選びたいとき、どこを見ればいいでしょう?それは、ずばり「ツル」とりんごの裏側にある「おしり」!ツルとは枝とりんごとを結ぶ部分で、木から栄養を運ぶパイプでもあります。みずみずしくピンと張っていた方が新鮮で、太くてしっかりしているものがおいしいといわれているので、まずはツルをよく見てみましょう。
また、おしりといわれるくぼみ部分を見て、りんごがもともと持っている色、つまり「地色が抜けているか」を確認することもポイントです。綺麗に赤く色づいているものを選ぶのも間違いではありませんが、日本のりんごは色づきを良くするために反射シートを使うこともあるため、中まで熟しているかの判断が難しいとのこと。そのため、地色が抜けて、りんごの肌が透き通った飴色っぽくなっているものを選びましょう。
ただし、「つがる」や「彩香」のような早生品種(収穫時期の早い品種)は、他のりんごと同じくらい熟してしまうと柔らかくなりすぎてシャキッと感が失われてしまいます。そのため、早生品種のりんごはおしりの部分が少し青みがかっている方が食感も味も◎。スーパーなどでりんごを選ぶ際は、これらの注意点を意識してみましょう。
りんごの皮のむき方や切り方は?うさぎ型も簡単に
日本のりんごは大きいため、食べるときは丸ごとではなく切ってシェアするのが一般的です。まずはむき方ですが、りんごを4等分か8等分した後、中心にむかってVの字に包丁を入れ、種部分を取り除きます。
皮をむく場合は、包丁を持つ手の親指でりんごを支えて、包丁の力の入れ具合も調節しながらゆっくりむいていきましょう。 慣れてくると薄さを保ちつつ、切り離さないようにむき続けることができます。
ここで、初心者でも簡単にできる飾り切りについてもご紹介します。先ほどと同様、4等分か8等分にして種を取った後、りんごの皮の面を表にし、真ん中から左右にむかって皮にVの字の切り込みを入れます。このとき、包丁のアゴ部分を使うと切りやすいですよ。
そして切り込みを入れた側から、真ん中部分まで皮をむいていきます。切り抜いたVの字の内側部分は使わないのでとりましょう。
すると、うさぎ型の可愛いりんごができました!日本では食卓やお弁当でよく見かける、子供にも大人気のうさぎりんご。皮が薄いとうさぎの耳部分がピンと立たないので、少し厚めにむくことがポイントです。
「切るのはちょっと面倒くさい…」「手が濡れるのが嫌だ」という人には、包丁いらずでりんごがカットできる便利グッズ「アップルカッター」がおすすめ。りんごの上に置き、そのまま下に向かって下ろすだけで、芯がくり抜かれて綺麗な8等分になります。100円ショップや雑貨屋で気軽に手に入れることができるので、ぜひ試してみてください。
おすすめのりんごスイーツ・料理は?酸味や甘味が際立つ絶品ばかり
生で食べるのもおいしいですが、加工しても相性抜群のりんご。最後に、筆者がおすすめしたいりんごスイーツや料理をいくつかご紹介します。
(1)アップルパイ
まず一つ目はなんといっても、「アップルパイ」!サクサクのパイとジューシーなりんご、そしてバターの香りがたまらないりんごスイーツの王道です。日本のりんごは酸味や甘味がしっかりしているものが多いので、時期ごとに旬の品種をゲットして、味の違いを楽しんでみるのもいいですね。
(2)焼きりんご
そして私の好きな食べ方でもある「焼きりんご」。芯をくり抜いたりんごを丸ごと使い、中にバターや砂糖を詰め込む焼き菓子ですが、りんごのシャキシャキ感と程よいとろみ加減が絶妙でおいしいです!温かい焼きりんごに冷たいバニラアイスを乗せて食べると、至福の時間に…。
(3)りんごサラダ/ヨーグルト
その他にも、りんごをいちょう切りや角切りにしてサラダやヨーグルトに入れるのもおすすめ。りんごの食感や酸味がプラスされて、食事がより楽しくなること間違いなしです。
いかがでしたか?日本のりんごは高品質かつたくさんの品種があり、味・歯触り・見た目・香りなども異なるため、食べ比べしてみるのも楽しいですよ。また、生で食べるのはもちろん、料理に取り入れることで、見た目も味も華やかになって食卓に彩りを与えてくれます。日本に来た際は、ぜひおいしいりんごを味わってみてくださいね!
<取材・監修>
青森県りんご協会
Text by:彩香(RINGOMUSUME)
Edit by:下田 翼
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