日本は地震大国。旅行中、地震に遭遇する可能性がないとはいえません。また8~10月にかけては台風が上陸することが多く、大雨、洪水といった災害に見舞われることもあります。万が一、こうした災害に遭遇しても、慌てず冷静に対応できるよう、知っておきたいポイントを、災害の種類ごとにご紹介します。
【地震編】
地震に遭遇した場合、どうしてよいかわからず慌てふためき、パニックになることも。どこにいても「慌てず冷静に」を心がけることが何より大切です。パニックにならずに身を守る行動ができるよう事前に知っておきたいポイント、そして発生時にいる場所別の対処法をご紹介します。
事前に知っておきたいポイント
地震発生時
1)物が「落ちてこない・倒れてこない・移動しない」場所に身を寄せましょう。屋内にいるのならば、テーブルなどの下、屋外を歩いているのならば、道路の真ん中などへ移動を。
2)身を寄せたら、揺れが完全におさまるまでは、動かずその場でじっとしていましょう。
3)門や塀は、崩れる危険があるので、近づかないようにしましょう。
地震発生後
4)落下した家具類やガラスの破片などが落ちていることもあるので、焦らず慌てず、下をよく見て行動を。
5)海沿いでは津波が、繁華街などでは火災が発生することもあることを忘れずに。
6)インターネットや電話回線が混雑し使えないこともあります。慌てず、回復を待ちましょう。
7)早く移動したいと思っても、交通機関がストップしていることが。むやみに移動せず、最新情報を入手して。
地震発生後、気を付けたいこと
8)ガスに引火することがあるので、ライターなどで火をつけない。
9)火災や爆発の恐れがあるので、電気のスイッチには触らない。
10)閉じ込められる恐れがあるので、エレベーターは使わない。
状況別対処法
繁華街で遭遇したら
高層ビルから窓ガラスや看板、ネオンサインなどが落下する危険があるので、カバンなどで頭を守り、建物から離れ、公園や広場など広い場所へ移動を。特に人混みの場合、出口に押し寄せるなど周囲がパニックになることがあるので、冷静になることを心がけて。
ビルの中で遭遇したら
高層階にいる場合、揺れが大きく感じ、さらに長く続くこともあります。揺れを感じたら、エレベーターホールなどへ移動をしましょう。また、揺れがおさまり、エレベーターを利用して下のフロアへ行こうと思っても、エレベーターは停電で止まっていることがあります。エレベーターの利用は避け、階段を使って避難を。
エレベーターの中で遭遇したら
すべてのフロアの行き先ボタンを押し、停止したフロアで降りましょう。エレベーターが止まり、閉じ込められた場合は、非常用ボタンを押して。
スーパーやコンビニで遭遇したら
商品棚などから物が落ちる可能性があります。買い物かごやカバンなどで頭を守り、倒れやすいものから離れましょう。
地下街で遭遇したら
停電になっても、慌てず、非常照明がつくまでは、動かない方が安全です。地下街は、法律で必ず60メートルとごとに非常口が設置されています。非常照明がついたら、壁を伝いながら非常口を探しましょう。
電車・地下鉄・バスの中で遭遇したら
走行中に地震が発生した場合、車両は揺れを感知して緊急停止します。立っているときは手すりやつり革にしっかりとつかまり、座っているときは、低い姿勢を保ちましょう。
ホテルの客室で遭遇したら
ベッド脇のスタンドなどが倒れてくる可能性があります。枕や布団などで頭を保護し、揺れが収まったら、ドアを開け、避難経路を確保しましょう。宿泊する部屋に着いたら、事前に非常口の場所を確認しておくことも大切です。
海沿いで遭遇したら
津波の発生の危険があるので、高台へ逃げましょう。もし高台がない場合は、鉄筋コンクリートなどの頑丈な建物の上層階へ移動を。
【台風編】
8~10月にかけては、日本列島を台風が横断することが多く、関西エリアも台風による暴風、洪水、浸水、土砂災害が発生することもあります。最近では、2018年7月に襲った台風21号による西日本豪雨を受け、関西国際空港が冠水し、大きな被害が出ました。日本語がわからない外国人旅行者は、「台風が来ることを知らなかった」ケースが多く、また「交通機関の情報がわからず困った」という声も聞かれます。そうならないための対処法も含め、知っておきたいポイントをご紹介します。
台風が到来したときに知っておきたいポイント
1)台風の進路や規模は日々変わります。予報が出ていたら、毎日、天気予報の確認を。ホテル・旅館のフロントや観光案内所、英語によるニュース番組「NHK WORLD」などを利用して。
NHK WORLD
https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/
2)台風直撃により、台風通過前から、電車、飛行機などが遅延、欠航する可能性があります。むやみに移動せず、まずは、事前に交通状況の情報を入手してから移動を。
乗換案内(多言語対応)
https://localcheers.jp/japantransitplanner_usefulwebsite/
3)台風が近づいてきたら、看板や屋根瓦が飛んでくることもあるので、外出は控えましょう。
4)土砂災害、河川の増水などの水害が起こりやすいので、河川のそばには近づかないように。
【大雪編】
関西エリアが大雪に見舞われることはまれですが、大雪が降ると、交通機関の乱れや二次災害などが発生することがあります。特に、積雪のない国・エリアの人は、必読です。
大雪に見舞われたときに知っておきたいポイント
1)台風同様、積雪の予報があったら、毎日、天気予報の確認を。
2)電車、飛行機などが遅延、欠航になることも。焦らず、事前に運行状況を確認してから移動をしましょう。
3)雪の上を歩き慣れていないと、転倒して大けがに。歩き方のポイントは、足を垂直に持ち上げ、まっすぐ雪に踏み込むこと。また、場所によっては雪が踏み固められ滑りやすくなっているところもあるので要注意。
4)屋根から落雪があることもあります。歩くときは足元だけでなく頭上にも注意を。
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