「若草山焼き」は、毎年1月の第4土曜日に行われる、古都奈良に早春を告げる伝統行事です。若草山に広がる炎が、澄み切った冬の夜空を真っ赤に染め上げる様子は壮観です。若草山では当日午後からさまざまなイベントや式典・祭典などが催され、山焼き直前には、色とりどりの花火も打ち上げられます。なかなか見ることのできない圧巻の伝統行事です。
2024年の開催概要
【開催日】
2024年1月27日(土)※荒天の場合、中止
【若草山の入山について】
例年、若草山の山麓ゲート(北、南)から若草山に入山可能です。
【実施されるもの】
・山焼き(点火の範囲は縮小予定)※点火時間:18:30
・野上神社祭典(関係者のみ)
・花火
・聖火行列
・山麓イベント(奉納演奏、消防団出発式典、温食ブース、おもてなしホットドリンクの販売、鹿せんべい飛ばし大会など)
・山麓特別観覧席
若草山は奈良のシンボル
若草山は、奈良公園のシンボルともいえる、標高342mの山です。山開きの期間中(3月第3土曜~12月第2日曜)は、多くの観光客が訪れる人気のスポットで、頂上まで30~40分のトレッキングを楽しめます。頂上からは、奈良公園はもちろん、奈良市街地を一望でき、生駒山まで見渡せます。
普段であれば、JR奈良駅、近鉄奈良駅から奈良交通バス(市内循環外回り)「東大寺大仏殿・春日大社前」 下車、徒歩約15分というアクセスの「若草山麓」ですが、イベント当日は、「県庁前交差点」から若草山麓までの道など、車両通行禁止になる可能性があるので、早めにバスで行くか、徒歩で行くのが無難です。
山焼きはいつごろからどうして始まった?
若草山三重目の頂上には、前方後円の巨大な鶯塚古墳があります。その昔、ここから出た幽霊が人々を怖がらせ、しかも翌年1月頃までにこの山を焼かなければ、よくないことが起こるという迷信があり、放火事件が再三起こったそうです。
1738年12月に、奈良奉行所は若草山に放火禁止の立て札を立てましたが、その後も放火は続きました。近隣社寺への延焼の危険が絶えず、江戸時代末期頃には、若草山に隣接する東大寺・興福寺と奈良奉行所が立ち会って山を焼くようになりました。
つまり、山焼きの起こりは、山上古墳の鶯塚に葬る霊魂を鎮めるための供養の祭礼でもあったといえます。
今では、春日大社・興福寺・東大寺の神仏が習合し、先人の鎮魂と慰霊、さらには奈良全体の防火と、世界の人々の平安を祈る伝統行事として定着しています。
若草山焼き行事の流れ
若草山焼き行事は、16時45分、飛火野の春日の大とんどより御神火をもらい受ける「御神火奉戴祭(ごしんかほうたいさい)」から始まります。17時5分に御神火を運ぶ総勢約40人の厳粛な時代行列がスタート。御神火は水谷神社を経由して山麓の野上神社まで運ばれます。
17時25分、水谷神社で松明に点火します。その後、17時40分から、野上神社で山焼き行事の無事を祈る祭典があります。18時15分から大花火が打ち上げられ、18時30分には、山麓中央の大かがり火から松明に火を移し、法螺貝・ラッパの合図で山焼き一斉点火します。
圧巻の花火も見もの
18時30分に一斉点火され、その年の燃え具合にも左右されますが、火が燃えさかる風景は、比較的離れた場所からでも肉眼で見ることができます。
特によく燃える時間は、開始後30分程度まで。その後は少しずつ小ぶりな火となり、1時間ほど経過すると、火は見えなくなります。
「どこで見るか」を決めてから行こう!
若草山の山焼きを見るときは、「どこで見るか」をあらかじめ考えていくことがポイントです。
臨場感を感じたい場合は、「若草山麓」で迫力満点の山焼きを鑑賞するのが一番です。山麓からもほど近く、美しい景観の中で見たい場合は、「浮雲園地」や「春日野園地」などを選ぶといいでしょう。
その他のイベントも楽しみたい
山麓ではさまざまなイベントが開かれています。「特製鹿せんべい」を一枚ずつ飛ばし、その距離を競い合う競技「鹿せんべい飛ばし大会」(12:30~15:00、参加料300円、若草山麓入口)のほか、特設ステージでは、ピアノ、ヴァイオリン、和太鼓などの奉納演奏も行われます。
とにかく、なかなか見ることのできないすばらしい伝統行事ですので、ぜひ近くで体感してみてはいかがでしょうか。
Text by:株式会社ウエストプラン
※公開時の情報を2023年12月に更新しています。
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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