今年の紅葉は、温泉で「日本の秋」を感じながら眺めるのはいかが? 例年の見ごろは、京都・湯の花温泉では11月初旬から下旬、くらま温泉は11月上旬、奈良・吉野山は10月下旬から11月下旬、奈良・洞川温泉は、11月初旬ごろです。
今回は、紅葉の名所にある温泉宿を紹介します。なかには露天風呂から美しく染まった紅葉を眺められる宿もあります。
絵画のような美しさ!「すみや亀峰菴」
「すみや亀峰菴」は、京都の奥座敷「湯の花温泉」の宿。「湯の花温泉」は、嵐山からトロッコ列車に揺られて約25分の「トロッコ亀岡駅」からさらに車で300分ほどのところにあり、戦国時代に、戦で傷ついた武将たちが刀傷を癒したとの伝説を残す古い温泉郷です。
澄んだ空気と四季折々の自然の景観。しっとり落ち着いた佇まいは、都会では味わえない素朴な風情が漂っています。ミネラルを多く含み、ホルモンバランスを整える泉質が評判の湯の花温泉では、例年の紅葉の見ごろは11月初旬から下旬です。
「すみや亀峰菴」を訪れたらぜひとも体験したいのが、木立の散策路の先にある貸し切り露天風呂「山の隠れ湯」です。夏は山もみじ、秋は紅葉のなかをゆったり歩いて森林浴を楽しみながら散策路を進み、格子戸を開けると、その奥には特別な空間が広がっています。
かけ流しの湯につかり、開放的な空間を独り占めできるのもこの宿ならではの贅沢。日常の喧騒から離れて、くつろぎの時間を過ごすことができます。こちらは完全予約制(5名まで)で、お食事と合わせれば日帰り入浴でも利用できます。
11:30~21:00、45分3,000円(税別)
亀岡は、米や京野菜の名産地。この地で育まれた穀物や野菜を使って、四季折々の滋味豊かな会席料理を提供します。例年12月1日からは、ぼたん鍋が始まります。薄くスライスした猪肉は、柔らかく炊き上がり、優しい白みそ出汁とマッチします。
また、冬の京野菜は糖度も増し、味わいも深く、こちらも白みそ仕立てのスープとの相性が抜群です。それらの具材とスープを特製のぽん酢でいただくのが「すみや流」。シメの雑炊までおいしく味わえます。こちらのぼたん鍋は、ワインとの相性もぴったりで、オーストリアのロゼワインや赤ワインがおすすめ。
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すみや亀峰菴(きほうあん)
- 住所 〒621-0036 京都府亀岡市稗田野町柿花宮ノ奥25
- 電話 0771-22-7722
営業時間:IN15:00、OUT11:00 日帰り入浴11:30~14:30(入浴のみの利用は不可)
料金:1泊2食付21,000円~(税別)、日帰り入浴「入浴+食事」で1人8,000円~(税別)など ※入湯税別途150円
定休日:無休(不定期にメンテナンス休館の場合あり)
天空の絶景露天風呂「湯元 宝の家」
世界遺産 吉野山の中千本に位置する「湯元 宝の家」。部屋、ロビー、天然温泉の絶景露天風呂からは中千本・上千本の吉野山の千本桜を一望できます。桜の名所と同時に、紅の名所でもある吉野山。
紅葉のシーズンには春の桜色とは対照的に、赤や黄、橙色に山全体が覆われ、見事な光景が楽しめます。奥千本、上千本、中千本、下千本と標高差があるので、山頂から麓へと徐々に色づいていく様子が大変美しいのです。吉野山の紅葉の見ごろは、10月下旬から11月下旬です。
自慢の天空の絶景露天風呂「阿吽の湯」がこちら。岩組みが風流な露天風呂「阿の湯」(女湯)「吽の湯」(男湯)からは、信じられないような美しい景色、赤く染まった絶景、中千本・上千本を一望できます。優雅にお風呂に浸かりながら美しい紅葉を愛でるという、贅の極みを尽くした紅葉狩りが楽しめるのです。お湯は、ほどよくトロみを感じる炭酸水素塩泉です。
阿吽の湯と名付けられた由来はなんと後醍醐天皇まで遡ります。後醍醐天皇と言えば鎌倉幕府を倒したのち、室町幕府と対立し、吉野で南朝政権を樹立した天皇です。この後醍醐天皇が入浴したと伝わる温泉がこの阿吽の湯なのです。
吉野は、言わずと知れた「葛」の名産地。良い水があることや寒冷な土地であることなど、葛粉の精製に適した地形を備え、伝統の製法でつくられた「吉野本葛」の品質の高さには定評があります。こちら、その「吉野本葛」と季節の素材をふんだんに使った「葛御膳」です。
その他、伝統の自家製味噌で豚ロースや季節の野菜を炊く名物「阿吽鍋」や、キジ鍋、ボタン鍋もいただけます。
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湯元 宝の家
- 住所 〒639-3115 奈良県吉野郡吉野町大字吉野山937
- 電話 0746-32-5121
営業時間:IN15:00、OUT10:00 日帰り入浴14:00~19:00(最終受付18:00)
料金:1泊2食付き18,360円~(税込・サ別)、日帰り入浴 大人1,000円、小学生500円(税込・小タオル付き)
定休日:不定休
詩情豊かな一軒宿「くらま温泉」
京都市街から車で小1時間のところにある京の奥座敷・鞍馬の山里。街道沿い望む鞍馬川の清流澄み透った空気がすがすがしい、そんな山麓に抱かれた小さな一軒宿です。
「くらま温泉」の泉質はミネラをたっぷり含んだ単純硫化水素泉で、神経痛やリュウマチ、糖尿病、美肌、腰痛など幅広い効能が認められています。
「くらま温泉」には、四季折々の風情が楽しめる露天風呂「峰麓湯」と本館大浴場(水風呂、泡風呂、サウナ)があります。紅葉時期は、ほんのり色づく庭園の木々と、周りの山々の針葉樹の緑との対比が見事です。紅葉の見ごろは11月上旬です。
日帰り入浴は、タオル、バスタオルと浴衣のレンタル付きで、露天風呂と大浴場、2つの温泉を楽しめる「日帰りコース」と、露天風呂「峰麓湯」が1回のみ利用できる「露天風呂コース」があります。
宿泊者の食事は、旬の食材をふんだんに使った京会席がメイン。他に、京都丹波産の美味しい地鶏を使用した地鶏の水炊きや国産合鴨を秘伝の出汁でいただく鴨鍋も好評です。紅葉の時期には、天然本猪肉を使用した味噌ベースの出汁が美味の冬の王様「ぼたん鍋」も登場します。
日帰り入浴の方は、うどん、そばといった麺類、丼物、釜飯、一品料理から会席のコースまで多彩なメニューがそろう食事処を利用しましょう。
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くらま温泉
- 住所 〒601-1111 京都府京都市左京区鞍馬本町520
- 電話 075-741-2131
営業時間:IN15:30、OUT10:00 日帰り入浴10:30~21:00(最終受付20:20、冬期は19:20)、食事処11:40~20:45(19:45LO)
料金:1泊2食付き18,700円~(税込・サ別)、日帰り入浴 【日帰りコース】大人2,500円、子ども(4~12歳)1,600円 【露天風呂コース】大人1,000円、子ども700円(税込)
定休日:不定休
洞川温泉の老舗旅館「花屋徳兵衛」
洞川(どろがわ)温泉郷は、修験道の隆盛とともに大峯参りの基地として栄えてきました。どこか懐かしく、昭和の時代にタイムスリップしたような雰囲気が漂うまちなみは、旅館や古くから伝わ民間薬・陀羅尼助の店、土産物店、飲食店などが軒を連ね、役行者(えんのぎょうじゃ)の高弟「後鬼」の子孫の里とも伝えられています。
「花屋徳兵衛」は、そんな温泉街の中心に位置し、創業500年という温泉街で最も古い老舗旅館。大峯山修験道の霊場、龍泉寺まで徒歩2分の距離にあります。
洞川温泉の泉質は弱アルカリ性単純泉で、入浴後はお肌がすべすべになる良泉です。神経痛・筋肉痛・関節痛・運動麻痺・慢性消化器病・冷え症などに対して治癒効果が期待され、大峯山の登山者たちの疲労回復に利用されてきました。
「花屋徳兵衛」は、内湯「前鬼の湯」と庭の見えるこぢんまりとした半露天風呂「後鬼の湯」の他、宿泊者のみ利用できる予約制の貸切風呂「是空の湯」(50分2,000円・税込)を完備しています。後鬼の湯・前鬼の湯は、24時間入浴可能です。
紅葉の見ごろは11月初旬ごろで、「後鬼の湯」「是空の湯」からは、赤く染まった紅葉を楽しむことができます。また、新築の眺望抜群の和室「天空の間」(最大定員5名)は、部屋展望風呂付き。部屋の大きな窓や展望風呂から、山頂から色づく色彩豊かな紅葉を見ることができます。
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花屋徳兵衛
- 住所 〒638-0431 奈良県吉野郡天川村大字洞川217
- 電話 0747-64-0878
営業時間:IN14:00、OUT11:00
料金:1泊2食付き12,000円~(税サ別)
露天風呂から見る紅葉って、日本ならではの風情ですね。心も体も温まって、その上おいしいものを食べられたら、この上ない贅沢です。ここ!と決めたら早めの予約をおすすめします。
また、紹介している紅葉の見ごろは、あくまでも例年の情報で、年によって少しずれることもありますので、ご注意を。
Text by:株式会社ウエストプラン
※価格やメニュー内容は変更になる場合があります。
※特記以外すべて税込み価格です。
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