梅雨(つゆ/ばいう、とも読む。梅が実る6月から7月中旬にかけて雨や曇りが多い期間のこと)時期になると見頃を迎え、青や紫、白やピンクの可憐な花が咲き誇る「あじさい」。花びらに雨のしずくが映え、美しい表情を見せてくれます。6~7月頃には「あじさい寺」と呼ばれる関西屈指の古刹(こさつ/由緒ある古い寺)のほか、自然あふれる公園など各所であじさいを楽しむことができます。
大阪や京都、奈良をはじめ、関西エリアのあじさいの名所10カ所の見どころやアクセス、2024年の情報をご紹介します。
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- 目次
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- 1.大庭園を四季折々の花が彩る「三室戸寺(みむろとじ)」【京都府】
- 2.お地蔵さまとあじさいの寺「矢田寺(やたでら)」【奈良県】
- 3.四季を彩る花の御寺「長谷寺(はせでら)」【奈良県】
- 4.関西最古のあじさいの寺「丹州華觀音寺(たんしゅうはなかんのんじ)」【京都府】
- 5.静寂につつまれる大原の里「三千院」【京都府】
- 6.カラフルなあじさいが境内を彩る「久安寺(きゅうあんじ)」【大阪府】
- 7.花とダルマが境内を埋めつくす「勝尾寺(かつおうじ)」【大阪府】
- 8.湖とあじさいが美しい「余呉湖あじさい園」【滋賀県】
- 9.あじさい越しに海を望む「淡路島国営明石海峡公園」【兵庫県】
- 10.多種多様な品種を誇るあじさいの名所「神戸市立森林植物園」【兵庫県】
1.大庭園を四季折々の花が彩る「三室戸寺(みむろとじ)」【京都府】
京都市の南、京都府宇治市に位置し、京阪三室戸駅から徒歩約15分の「三室戸寺」。山門を入ると、枯山水・池泉・広庭からなる5,000坪の大庭園が広がります。
あじさいは、関西有数の株数で、西洋アジサイ、ガクアジサイ、カシワバアジサイのほか、「幻のあじさい」とされるシチダンカなど約100品種2万株で、例年6月~7月上旬に見頃を迎えます。杉木立の間を埋めるように色とりどりの花が咲き誇る風景は、まるで美しい絵巻のようです。
■あじさい園
【期間】2024年6月1日~7月7日(6月8日~6月23日の土・日曜はライトアップ実施)
【時間】8:30~15:40(16:30には下山。ライトアップは19:00~21:00。20:30受付終了)
【拝観料】大人1,000円 小人500円
2.お地蔵さまとあじさいの寺「矢田寺(やたでら)」【奈良県】
「矢田のお地蔵さん」として親しまれ、日本最古の延命地蔵菩薩(えんめいじぞうぼさつ)を安置する「矢田寺」は、奈良・郡山の北、矢田山の中腹に位置し、近鉄郡山駅からバスで約20分。広々とした境内に本堂、講(こう)堂、焔魔(えんま)堂、阿弥陀(あみだ)堂などが立ち並び、本尊の地蔵菩薩立像をはじめ、重要文化財も多数。
「あじさい寺」としても有名で、昭和40(1965)年頃から植え始めた矢田寺のあじさいは、例年5月中旬に咲き始めるツルアジサイをはじめ約60品種1,000株。6月上旬から7月上旬頃に見頃を迎え、広々とした境内のあちこちで、お地蔵さまを囲むように咲く色とりどりのあじさいに癒されます。
※2024年のあじさい園の開園は、5月25日~6月30日
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矢田寺
- 住所 〒639-1058 奈良県大和郡山市矢田町3549
- 電話 0743-53-1445
拝観時間:8:30~17:00
拝観料:無料※あじさい期間は入山料別途(大人700円、小学生300円)
アクセス:近鉄橿原線「郡山」駅からバス「矢田寺前」行きで約20分(バス1日4本)
3.四季を彩る花の御寺「長谷寺(はせでら)」【奈良県】
奈良市の南、奈良県桜井市にあり、近鉄長谷寺駅から徒歩約15分の「長谷寺」。真言宗豊山派(しんごんしゅうぶざんは)の総本山として全国に三千余りの末寺があり、十一面観世音菩薩立像を祀る本堂は国宝に指定されています。
古くから「花の御寺」ともよばれ、桜や紅葉など、四季折々の美しさを楽しむことができます。例年6月中旬から7月中旬にかけて、境内のいたるところで見頃を迎えるあじさいは、西洋アジサイやガクアジサイなど約3000株。長谷型と呼ばれる丸い灯籠が吊るされた登廊(重文)は、仁王門から続く399段の屋根付き回廊。長谷寺ならではの風情が感じられる登廊から眺める冬と春の牡丹も圧巻です。
【入山料】大人:500円、中・高校生500円、小学生:250円
4.関西最古のあじさいの寺「丹州華觀音寺(たんしゅうはなかんのんじ)」【京都府】
京都府福知山市にあり、JR石原駅から徒歩約15分の「丹州華觀音寺」は、関西で最も古い「あじさい寺」として知られ、季節の花で名高い関西6府県の霊場「関西花の寺二十五霊場」の一番札所でもあります。
約100品種1万株のあじさいが美しく咲き誇り、白・青・紫、ピンクで埋めつくされる風景は「花浄土」と呼ばれるほど。6~7月になると、仁王門から続く参道や七観音めぐりの小道が、あじさいの道へと変わります。
例年の見頃は6月初旬から7月初旬。毎年6月第4日曜(2024年6月23日(日))にあじさいまつりを開催しています。
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丹州華觀音寺
- 住所 〒620-0803 京都府福知山市観音寺1067
- 電話 0773-27-1618
拝観時間:9:00~16:00
拝観料:あじさい期間のみ500円 ※その他期間は無料
アクセス:JR山陰本線「石原」駅から徒歩約15分
5.静寂につつまれる大原の里「三千院」【京都府】
京都市の北部、自然あふれる大原に立つ天台宗の門跡(もんぜき/皇子・皇族が住職を勤めた寺院)寺院、「三千院」。JR京都駅、地下鉄国際会館駅などからバスに乗り換え、大原バス停下車、徒歩約10分です。金色不動堂の手前に広がるあじさい苑には、1,000株以上のあじさいが例年6月中旬から7月初旬に見頃を迎えます。6月中旬に早咲きのコアジサイが咲きはじめ、星のような形の花を咲かせる珍しい品種のシチダンカ、ヤマアジサイ、ガクアジサイと続き、7月を過ぎても楽しむことができます。
【拝観料】一般700円、中学生・高校生400円、小学生150円
緑が美しい境内では、池泉観賞式庭園の聚碧園(しゅうへきえん)や有清園(ゆうせいえん)も見どころ。「わらべ地蔵」と名付けられた優しい表情のお地蔵さまにも癒されます。
6.カラフルなあじさいが境内を彩る「久安寺(きゅうあんじ)」【大阪府】
大阪府の北摂エリア、池田市にあり、阪急池田駅からバスで約15分の「久安寺」。2万坪を超える境内には、あじさいをはじめ、四季折々に美しい花を咲かせるボタンやツツジ、ハスなどを楽しむことができます。
広大な境内のいたるところで咲き誇るあじさいは、ガクアジサイ、カシワバアジサイ、スミダノハナビなど、5種1,000株。例年6月から7月にかけて見頃を迎えます。6月中旬から末頃には、本坊前の具足池で「あじさいうかべ」を開催。たくさんのあじさいが水に浮かび、色とりどりの可憐な姿を堪能できます。
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久安寺
- 住所 〒563-0011 大阪府池田市伏尾町697
- 電話 072-752-1857
拝観時間:9:00~16:00
拝観料:300円
アクセス:阪急池田駅から阪急バス「伏尾台方面」行きまたは「牧・希望ケ丘方面」行きでで「久安寺」下車すぐ
7.花とダルマが境内を埋めつくす「勝尾寺(かつおうじ)」【大阪府】
大阪北部、箕面山周辺に位置する「明治の森箕面国定公園」にあり、千里中央駅からバスで約30分、阪急箕面駅から車で約10分の「勝尾寺」。1300年続く勝運信仰の寺として知られ、境内には願いがかなった勝ちダルマが所狭しと奉納されています。四季折々の花で彩られる「花の寺」としても有名で、あじさいは例年6月上旬から7月上旬が見頃です。ヤマアジサイ、ガクアジサイ、タマアジサイなど約1,000株が、8万坪の広大な境内に美しく花を開かせます。特に観音池周辺の静かな水辺、本堂に向かう参道や石段に沿って咲く風景は必見です。
【入山料金】大人(高校生以上)500円、小・中学生400円、未就学児100円、2歳以下無料
8.湖とあじさいが美しい「余呉湖あじさい園」【滋賀県】
琵琶湖の北側にあり、8人の天女が白鳥の姿となって舞い降りたという「天女の羽衣伝説」などで知られる湖北八景の一つ「余呉湖」。山に囲まれた静かな湖畔に、例年6月下旬から7月上旬にかけて約1万株のあじさいが咲き誇ります。約600メートルにわたって咲くあじさいと湖のコントラストが美しく、初夏の爽やかな風景が広がります。
北へ4キロメートルのところには「あじさい寺」ともよばれる全長寺(ぜんちょうじ)があり、車の場合は両方まわっても。余呉駅から余呉湖あじさい園まで徒歩35分ほどなので、駅でレンタサイクルを借りて湖畔をサイクリングするのもおすすめです。
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余呉湖あじさい園
- 住所 〒529-0523 滋賀県長浜市余呉町余呉湖畔
電話番号:0749-82-5909(長浜観光協会 北部事務所)
開園時間:終日
入園料:無料
アクセス:JR余呉駅から徒歩35分
9.あじさい越しに海を望む「淡路島国営明石海峡公園」【兵庫県】
三宮からバスで約45分、広大な敷地に多彩な眺望スポットがそろう「淡路島国営明石海峡公園」。淡路島のあじさいは種類・本数ともに関西でも有数の規模を誇り、「淡路島国営明石海峡公園」では、20品種約14,000株が例年6月中旬から7月上旬に見頃を迎えます。
園内のあじさいおすすめスポットは、海と空を一望する「空のテラス」で、周辺ではてまり咲きのアジサイやガクアジサイを中心に、純白で大輪のアナベルや八重咲のスミダノハナビなどが美しさを競います。ほかにも園内では多種多様なあじさいが見られ、シーズンにはトラムカー「夢ハッチ号」があじさいルートを走ります(1日乗り放題300円・税込)。
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淡路島国営明石海峡公園
- 住所 〒656-2306 兵庫県淡路市夢舞台8-10
- 電話 0799-72-2000
開園時間: 9:30~17:00(7月1日~8月31日は~18:00、11月1日~3月31日は~16:00、発券は閉園の1時間前まで)
休園日:2月第2月曜~金曜、年末年始
入園料: 大人(15歳以上)450円(税込)、中学生以下無料
アクセス:JR「三ノ宮」駅「三宮バスターミナル」から西日本JRバス・本四海峡バス「大磯号」で「夢舞台前」バス停下車徒歩約3分、または「聖隷淡路病院前」バス停下車徒歩約5分
10.多種多様な品種を誇るあじさいの名所「神戸市立森林植物園」【兵庫県】
六甲山地の一角にあり、神戸の市街地から車で約25分の「神戸市立森林植物園」は、国内有数のあじさいの名所。例年6月上旬に開花するコアジサイから始まり、中旬頃には幻の花といわれた六甲の名花シチダンカ、下旬頃からヒメアジサイと続き、アナベルの丘では6月下旬から7月中旬頃に純白のアナベルが一面を埋め尽くします。7月上旬に森林植物園オリジナルのマヤベニガク、下旬から8月にかけてピンポン玉のような蕾がはじけて咲くタマアジサイが開花。6月から8月上旬にかけて、25種350品種・約5万株のあじさいを堪能することができます。
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神戸市立森林植物園
- 住所 〒651-1102 兵庫県神戸市北区山田町上谷上字長尾1-2
- 電話 078-591-0253
開園時間:9:00~17:00(入園は16:30まで)※「森のあじさい散策」「森のもみじ散策」の各期間中は早朝・延長開園あり
休園日:水曜(祝日の場合は翌日)、年末年始 ※「森のあじさい散策」「森のもみじ散策」の各期間中は無休
入園料:大人(15歳以上)300円、小・中学生150円 ※全て税込
アクセス:神戸電鉄「北鈴蘭台」駅から無料送迎バスで約10分
梅雨の時期に咲くあじさいは、土壌の酸性度によって色を変えます。同じ場所でも植えられている場所によって微妙に色が違うのも見もの、古刹めぐりととともに楽しむのもおすすめです。
※花の開花・見頃時期やイベント日程・内容等は変更になる場合があります。
※本記事の情報は2021年5月時点のものを2024年5月に更新しています。最新の情報は公式サイト等でご確認ください。
松田きこ、木村桂子、都志リサほか、関西に精通した女性ライターチーム。食べること、飲むこと、旅することが大好き! 自ら体験した楽しい情報を発信しています
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