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京都らしい風景を満喫!レンタサイクルで巡る京都・洛東エリアおすすめ観光コース

京都らしい風景を満喫!レンタサイクルで巡る京都・洛東エリアおすすめ観光コース

公開日: 2023/03/03

歴史ある神社仏閣をはじめ、老舗やカフェなど、魅力的なスポットがコンパクトにまとまっている京都市内。あちこち巡るなら、公共交通の乗り継ぎや車の渋滞などを気にすることなく、自分のペースで効率よく楽しめる自転車がおすすめです。南北に連なる東山連峰沿いに、南は世界遺産の清水寺から、北は同じく世界遺産の銀閣寺まで、有名社寺が目白押しの洛東エリアは、桜や紅葉の季節はもちろん、昔ながらの街並みなども楽しむことができます。
そこで今回はレンタサイクルを利用して、清水寺や高台寺など観光の定番スポットはもちろん、哲学の道といった「これぞ京都」という風情をじっくり楽しめるコースをご紹介します。

自転車を借りてみよう!

レンタサイクルは、お店によってシティサイクルや電動自転車などから選べます
レンタサイクルは、お店によってシティサイクルや電動自転車などから選べます
道が細く歩行者が多い清水寺周辺などは、自転車を押して歩きましょう
道が細く歩行者が多い清水寺周辺などは、自転車を押して歩きましょう

今回紹介する洛東エリアには、京阪祇園四条駅や清水五条駅、七条駅のほか、地下鉄東山駅などから近い場所にレンタサイクルショップがあります。自転車の種類と利用時間を選び、自転車保険への加入も忘れずに!今回レンタルしたのは3段変速付きのシティサイクルで、料金は1日利用で1000円(半日利用700円)。
自転車は車道の左側を通行する、歩道を走らない、施設に駐輪場がない場合は有料駐輪場に停める、歩行者が多ければ自転車を降りて押す、など注意事項もしっかり確認し、日本のマナーやルールを守って利用しましょう。
特に、京阪電鉄の最寄り駅から清水坂エリアへ向かう場合、東大路通は自動車やバスの交通が多く、歩道が狭いため、自転車での通行が困難です。京阪沿線から清水坂へ向かう場合は、五条通から向かうなど、混雑する経路を避けることが得策です。
特に桜や紅葉の季節は、訪れる観光客の多さから自転車の走行が困難な場合もあります。その場合は自転車を駐輪場に停めて、徒歩での散策を楽しみましょう。

京都市の自転車情報を掲載した下記サイトに、京都市が認定するレンタサイクル店を掲載しています。

さっそく自転車で洛東エリアを観光しよう!

鴨川より東、洛東と呼ばれるエリアの定番名所を回ります。銀閣寺や平安神宮のある左京エリア、清水寺や八坂神社のある東山エリアは観光名所がたくさんあり、京都らしい雰囲気を味わうのにぴったりな、京都初心者におすすめのコースです。今回は地下鉄東山駅近くのショップで自転車を借りてスタートしました。

①約2km続く京都の風情あふれる散歩道 「哲学の道」

「日本の道100選」にも選ばれた風光明媚な散歩道
「日本の道100選」にも選ばれた風光明媚な散歩道

まず向かったのは、東山駅から自転車で約10分の「哲学の道」。ここは銀閣寺と南禅寺の間を結ぶ、約2kmの散歩道で、20世紀初期の哲学者・京都大学教授の西田幾太郎が、毎朝この道を歩いて思想に耽っていたことにちなんで名付けられました。川辺の並木道になっていて、四季折々の風景が美しく、春の桜、夏の新緑、秋の紅葉は必見です。

自転車に乗って走行できますが、のんびり景色を楽しみながら押して歩くのもおすすめです
自転車に乗って走行できますが、のんびり景色を楽しみながら押して歩くのもおすすめです
桜の名所としても有名で、シーズンには多くの観光客が訪れます
桜の名所としても有名で、シーズンには多くの観光客が訪れます

約400本の桜が色付く春がとりわけ美しく、国内外から観光客が訪れます。周辺のお寺や神社に立ち寄って参拝したり、スタイリッシュなカフェでひと息ついたり。京都の歴史と現代のトレンドを楽しんでください。

  • 哲学の道のソメイヨシノ
    • 住所 606-8406 京都府京都市左京区浄土寺石橋町~若王子町
      地図をみる
    • 最寄駅 京都 駅 (JR 東海道本線 / JR 琵琶湖線 / JR 東海道新幹線 / JR 京都線 / JR 嵯峨野線 / JR 山陰本線 / JR 奈良線 / 京都市営地下鉄 烏丸線 / 近鉄京都線)
      バス40分
    • 電話 075-761-3863

②京都を代表する紅葉の名所 「永観堂」

京都で一、二を争うほどの紅葉の名所
京都で一、二を争うほどの紅葉の名所
放生池に映り込むもみじと極楽橋の競演が楽しめます※紅葉時期は極楽橋の通行不可
放生池に映り込むもみじと極楽橋の競演が楽しめます※紅葉時期は極楽橋の通行不可

続いては、哲学の道を南に抜け、鹿ヶ谷通りを3分ほど南へ進んだ「永観堂」へ。昔から多くの和歌などに詠まれるほどの紅葉の名所。11月中旬〜下旬には、境内一帯が約3,000本の木々で深紅に染まります。顔をななめ後ろに向けた「みかえり阿弥陀」と呼ばれる本堂の阿弥陀如来像などにも注目を。

紅葉時期には、北門を入ってすぐに臨時駐輪場が設けられます
紅葉時期には、北門を入ってすぐに臨時駐輪場が設けられます

境内で最も高い場所にある多宝塔からは、京都市内を一望できたり、「永観堂七不思議」という不思議な言い伝えが残されるスポットが7か所あったり、広大な境内には見どころがたくさん。紅葉時期以外は近隣の駐輪場に自転車を停めて、ぜひゆっくり参拝してみて。

③禅宗建築の美に彩られた 「南禅寺」

三門の上、楼上と呼ばれる部分に上がることもできます
三門の上、楼上と呼ばれる部分に上がることもできます

永観堂を後にして次に向かったのは、自転車で2分ほどの場所にある「南禅寺」。こちらは京都の観光スポットとして一、二の人気を誇る名刹。重厚なお堂が並び、春の桜、初夏の青もみじ、秋の紅葉はもちろん、境内を流れる琵琶湖疏水の水音も爽やかで、夏の“涼スポット”としても人気があります。高さ約22メートル、日本最大級の高さを誇る三門は、別名「天下竜門」とも呼ばれ、日本三大門の一つとして数えられています。

中門周辺の駐輪場。歩行者・車の通行が多いので気をつけて自転車を停めましょう
中門周辺の駐輪場。歩行者・車の通行が多いので気をつけて自転車を停めましょう
TVドラマや映画のロケ地としても登場することが多い水路閣
TVドラマや映画のロケ地としても登場することが多い水路閣

国宝に指定される仏間や応接間などを兼ね備えた方丈、江戸時代初期(1603〜1710年ごろ)の名作庭家・小堀遠州作と伝わる国名勝の枯山水庭園なども必見ですが、ぜひ訪れて欲しいのが「水路閣」。明治時代に造られた全長約93m、幅約4mのレンガ造りの建築物で、古代ローマの水道橋を思わせるレトロなアート建築が見事。参拝者専用駐輪場があるので自転車で訪れるのにも便利です。

④ノスタルジックな雰囲気の廃線跡を歩く 「蹴上インクライン」

春には満開の桜並木の中、線路内を歩くことができますよ
春には満開の桜並木の中、線路内を歩くことができますよ

続いて訪れたのは、南禅寺から西に3分ほどの場所にある、全長582mの世界最長(完成当時)の傾斜鉄道跡「蹴上インクライン」。高低差約36メートルの琵琶湖疏水の急斜面に、船を運航するために敷設された傾斜鉄道のレールが形態保存されています。インクラインの中は自由に歩くことができ、観光名所としても親しまれています。ここは自転車での通行は禁止され、専用駐輪場もないので、近隣の駐輪場に自転車を停めましょう。

⑤美しい庭園を有する 「平安神宮」

大極殿の前庭には向かって右に「左近の桜」、左に「右近の橘」が配置されています
大極殿の前庭には向かって右に「左近の桜」、左に「右近の橘」が配置されています

琵琶湖の水を京都へ送るため造られた、琵琶湖疏水沿いの美しい道を進むこと約3分。1895年に創建された市民の総社「平安神宮」へ到着しました。平安京の正庁(朝堂院)を模した朱塗りの社殿が美しく、訪れた人は約1200年前の京都の風景を体感できます。朱色に彩られた平安神宮の社殿を言い表すならば、まさに豪華絢爛。自然豊かな境内の光景も相まって、季節によって変化する色彩豊かな情景が楽しめますよ。

明治の有名な造園家、7代目小川治兵衛らが作庭した神苑
明治の有名な造園家、7代目小川治兵衛らが作庭した神苑
著名な日本画家・望月玉渓による襖絵を見られる尚美館(貴賓館)
著名な日本画家・望月玉渓による襖絵を見られる尚美館(貴賓館)

およそ6万6000平方メートルの広さの境内のうち、約3万3000平方メートルが「神苑(庭園)」。東・中・西・南の4つの庭からなる広大な池泉回遊式庭園で、春夏秋冬さまざまに姿を変える自然美の情景は、この神苑でしか味わうことができません。また、自転車の駐輪スペースは、応天門前の手水舎の裏手にあります。

⑥平安神宮に来たならぜひ記念撮影を 「大鳥居」

朱塗りが鮮やかな大鳥居は、このエリアのシンボルになっています
朱塗りが鮮やかな大鳥居は、このエリアのシンボルになっています

平安神宮からまっすぐ延びる神宮道には、高さ24m、幅18m、京都の鳥居でもっとも大きい大鳥居があります。1929年に竣工し、2002年には国の登録有形文化財にも登録されました。写真を撮影する際は、あまり近づき過ぎず、遠目から撮影すると鳥居全体が入りますよ。

⑦美しい石畳の道が続く 「ねねの道」

石畳の道を自転車で進む、京都ならではの体験をぜひ
石畳の道を自転車で進む、京都ならではの体験をぜひ

左京エリアを後にし、次に向かったのは東山エリア。まず訪れたのが、高台寺の西側の道路で、北政所の幼名「ねね」にちなみ、「ねねの道」と名付けられています。道幅いっぱいに御影石を敷き詰めた石畳の道に整備され、京都らしい風情ある景色が存分に楽しめます。寺院や甘味処、趣ある旅館などが建ち並ぶので、立ち寄ってみるのもおすすめです。

⑧きらびやかな建築と壮麗な庭園の共演 「高台寺」

高台寺の創建当初から残る開山堂は、重要文化財に指定されています
高台寺の創建当初から残る開山堂は、重要文化財に指定されています

ねねの道からすぐ、「高台寺」の駐車場内にある駐輪スペースに自転車を停めます。有料ですが高台寺の拝観チケットの半券提示で返金してもらえますよ。高台寺は、戦国時代(15世紀末〜16世紀末ごろ)の武将・豊臣秀吉の正室である北政所(ねね)が、秀吉の魂を弔うために建立しました。伏見城から移築された「観月台」、高台寺蒔絵が施された「霊屋(おたまや)」など、数多くの重要文化財があり、安土桃山文化を体感できます。また、境内は自然にあふれていて、京都屈指の紅葉・桜の名所としても有名です。

1本のシダレザクラが生える波心庭
1本のシダレザクラが生える波心庭
洛東エリアでは貴重な竹林もあります
洛東エリアでは貴重な竹林もあります

本堂の方丈には「波心庭」と呼ばれる枯山水庭園があり、春夏秋の夜間拝観では趣向を凝らしたライトアップが楽しめたり、様々な意匠が凝らされている庭園です。また、春には桜が開花し、色鮮やかな桜と白い砂のコントラストを楽しむことができます。

⑨京都でもっとも有名な寺院の一つ 「清水寺」

釘を一本も使わずに組み上げた木造建築「清水の舞台」
釘を一本も使わずに組み上げた木造建築「清水の舞台」

最後に訪れたのは、世界遺産に登録される、京都を代表する名刹「清水寺」。高台寺からは京都らしい風情ある道を通りますが、人が多く、道も狭いので、必ず自転車を押して歩いて向かうようにしましょう。清水寺で最も有名なのは、別名「清水の舞台」と呼ばれる、崖からせり出した本堂の舞台。その美しさのあまり言葉を失ってしまうほどの景色が見渡せます。約1,500本の桜が咲き誇る春、さらに約1,000本とも言われるモミジが紅葉する秋は、さらなる絶景が楽しめます。

清水寺の入口は重要文化財に指定される「仁王門」
清水寺の入口は重要文化財に指定される「仁王門」
清水寺への道は坂が続くので、電動自転車がおすすめです
清水寺への道は坂が続くので、電動自転車がおすすめです

音羽山の山裾一帯に広がる13万平方メートルの境内には、国宝、重要文化財を含む30以上の伽藍や碑が建ち並びます。ほかにも3筋に分かれて流れ落ちる清水からパワーを授かることができる「音羽の滝」、暗闇の中を廻り生まれ変わることで心願成就する「随求堂」の胎内巡りなど、清水寺ならではの見どころも満載。専用駐輪場には数台しか自転車を停められないので、近くにある市営清水坂観光駐車場内の駐輪場を利用しましょう。

京都を代表する観光地・洛東には訪れたい名所がたくさん。歩くには少し大変な距離でも、自転車なら自分のペースで移動できて便利。一瞬で通り過ぎ見落としがちだった裏路地や名所など、自転車だからこそ発見できる新しい魅力もたくさんあります。せっかく洛東を訪れるなら、駅周辺だけでなく足を伸ばしてさまざまな寺社やお店を巡ってみてくださいね。
交通ルールやマナーを守り、安全運転で一生の思い出に残る旅行にしましょう。

※この記事は、外国人観光客等への自転車ルール・マナー啓発を推進するため、京都市からの依頼を受け、作成しました。
※この情報は2022年11月の記事執筆時のものです。最新の情報は公式サイト等をご確認ください。

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