季節を問わずに観光客でにぎわう京都屈指の観光地・嵐山。桂川と山々に囲まれた自然豊かなこの地は、春は桜、初夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と四季折々の表情を見せます。美しい自然の風景はもちろん、寺社やおみやげ店も多く、見どころたくさん。
今回はレンタサイクルを利用して、中心地から離れたスポットも巡るコースをご紹介します。駅からもアクセスのいいお店から、静寂を感じられる奥嵯峨のお寺まで、ゆっくりと嵐山を満喫してください。
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1鮮やかな色と模様が魅力の京友禅が立ち並ぶ「キモノフォレスト」
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2上皇も見とれた嵐山のシンボル「渡月橋」
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3歴史ある日本家屋で味わう自家製パン「パンとエスプレッソと 嵐山庭園」
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4美しい庭園を有する世界遺産「天龍寺」
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5嵯峨の竹林に囲まれた縁結びの神様「野宮神社」
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6涼しげな緑が頭上に広がる竹林の散策路「竹林の小径」
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7静けさに包まれた自然の中にある山寺「二尊院」
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81200年以上の歴史を持つ美しい寺「旧嵯峨御所 大本山 大覚寺」
やってきたのは嵐電からすぐの「らんぶらレンタサイクル」
今回自転車を借りたのは、嵐電「嵐山」駅構内にある「らんぶらレンタサイクル」。嵐電を降りてすぐ借りられるため、嵐山観光の拠点にぴったりです。
まずは自転車の種類と利用時間を選び、レンタサイクル利用券を券売機で購入して、受付に渡します。
自転車は歩道を走らない、施設に駐輪場がない場合は有料駐輪場に停める、歩行者が多ければ自転車を降りて押す、など注意事項もしっかり確認しましょう。
自転車の種類は3種。3段変速付きのシティサイクルタイプは、2時間600円(税込)、1日1,100円(税込)とお手ごろです。1日1,600円(税込)で利用できる電動タイプもおすすめです。
さらにアクティブな人には、電動式自転車のE-bike(写真)を用意。長距離でも疲れにくいロードバイクは、モーターが踏む力をアシストしてくれるのでこぎ始めや上り坂も楽々。ディスクブレーキを採用しているため、ブレーキの効きも抜群です。こちらは1日2,000円(税込)です。
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らんぶらレンタサイクル
- 住所 〒616-8384 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺造路町20-2
- 電話 075-882-5110
営業時間:9:00〜17:00※貸出〜15:00
定休日:無休
さっそく自転車で嵐山観光へ!今回はこのコースを回ってみた
鮮やかな色と模様が魅力の京友禅が立ち並ぶ「キモノフォレスト」
嵐電「嵐山」駅のすぐそばにある「キモノフォレスト」。京友禅の生地を使ったポールが、駅構内や小径、線路両脇にあるさくらの庭、もみじの庭に約600本並びます。勧進帳や龍、唐獅子牡丹など、色とりどりの柄は全32種。こちらはすべて1919年創業の「亀田富染工場」が手がけるブランド「Pagong」のもの。
駅から続く京友禅の林を抜けると、「龍の愛宕池」が現れます。こちらの水に手を浸し龍に祈れば、幸せが訪れると言われています。夕刻からは毎日ライトアップが行われ、幻想的な世界が広がります。
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キモノフォレスト
- 住所 〒616-8384 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺造路町20-2
- 電話 075-882-5110
営業時間:自由(ライトアップ夕刻〜21:00)
定休日:無休
上皇も見とれた嵐山のシンボル「渡月橋」
続いて向かったのは、桂川にかかる全長155mの「渡月橋」。映画やテレビにもたびたび登場する嵐山のランドマークです。両岸には公園やベンチが整備されていて、自転車を停めての休憩にも一役買ってくれますよ。
渡月橋は、鎌倉時代に亀山上皇が橋の上空を移動する月を眺め、「くまなき月の渡るに似る」と述べたことから命名されたと言われています。桜や紅葉に染まる嵐山を背景にした姿が有名ですが、緑の季節の涼しげな姿も魅力的です。
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渡月橋
- 住所 〒616-8383 京都府京都市右京区嵯峨中ノ島町
電話番号:なし
営業時間:自由
料金:無料
定休日:無休
歴史ある日本家屋で味わう自家製パン「パンとエスプレッソと 嵐山庭園」
ここで少し休憩をしましょう。訪れたのは、国内に13店舗を展開する「パンとエスプレッソと」の京都初進出店。手入れの行き届いた庭園を有する広い敷地に、カフェ「エスプレッソと」とパン工房兼販売所「パンと」があります。
お店の前には駐輪スペースも用意されていますよ。
茅葺屋根や土間、畳敷きが日本らしさを感じさせるカフェは、築210年の府指定有形文化財の邸宅を改装したもの。自家製パンやここ限定の抹茶トーストを味わえます。
人気のパニーニセット¥1,300(税込)は、カフェラテやエスプレッソなど選べるドリンク付き。ちょっとしたランチにも、カフェ休憩にもぴったりです。自家製のパニーニには昆布とカツオのダシが使われていて、ほのかな和の風味を感じます。
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パンとエスプレッソと 嵐山庭園
- 住所 〒616-8385 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町45-15
- 電話 075-366-6850
営業時間:10:00〜18:00
定休日:不定休
美しい庭園を有する世界遺産「天龍寺」
嵐山の中でも必見の場所が「天龍寺」。嵐電の駅からすぐですが、参拝者用に無料の駐輪場が用意されているので、自転車でも安心です。
「天龍寺」は足利尊氏を開基とし、夢窓国師によって1339年に創建された寺院。夢窓国師が作庭した「曹源池庭園」は、日本初の史跡特別名勝に指定されています。紅葉が見事な秋や約200本の桜が咲く春の景色が特に有名ですが、夏の新緑や冬の雪景色と、四季を通じて美しい姿を見せてくれます。
嵐山の雄大な自然を借景にした庭園を座って眺める
夢窓国師が作庭した曹源池庭園は、王朝文化の優美さと武家文化の荒々しさを巧みに融合させています。方丈の正面にある巨岩は「龍門の瀧」と呼ばれ、真ん中左側の石は鯉魚石といって、龍になることを目指し、滝を登る途中の鯉の姿を表しています。どの方向から見ても美しい庭園ですが、坐禅をするときのように座れば、この「鯉魚石」や周りの風景をちょうど目線の位置で眺めることができます。自然が織りなす景色や音を、心を落ち着けて感じてみてください。
庫裏に置かれる達磨図や特別参拝で公開される法堂天井の雲龍図など、ほかにも広大な境内には見どころがたくさん。ぜひゆっくり参拝してみて。
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天龍寺
- 住所 〒616-8385 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68
- 電話 075-881-1235
営業時間:庭園8:30〜17:30(受付終了17:20 )、諸堂8:30〜17:15(受付終了17:00)、北門8:30〜17:00※10/21〜3/20は各30分前に受付終了
料金:庭園500円(諸堂参拝+300円)、法堂500円(別途要)
定休日:無休
嵯峨の竹林に囲まれた縁結びの神様「野宮神社」
続いては、竹林の中にたたずむ、縁結び、学問の神様「野宮神社」へ。平安時代に天皇の代理で伊勢神宮に仕えた「斎王」が身を清めた地であり、源氏物語に登場することでも知られています。
クヌギの木の皮をむかずに使う、日本最古の鳥居の様式である「黒木鳥居」や祈りを込めてなでることで願いごとが叶うという「神石」など、緑豊かな境内に見どころが点在しています。また、一年中青々とした表情を見せる苔の庭園は緑のじゅうたんを敷き詰めたようで、苔の豊かさと美しさは京都随一と言われています。
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野宮神社
- 住所 〒616-8393 京都府京都市右京区嵯峨野宮町1
- 電話 075-871-1972
営業時間:自由(社務所9:00〜17:00)
料金:無料
定休日:無休
涼しげな緑が頭上に広がる竹林の散策路「竹林の小径」
天龍寺の北側、野宮神社を西に抜けた先にあるのが、外国人観光客に絶大な人気を誇る「竹林の小径」。青々とした竹が植えられた道が大河内山荘庭園まで約400mにわたって続く、嵐山屈指の景勝地です。坂道が続くので、電動アシスト付きの自転車に乗って行くと、楽に進めておすすめです。
緑の幹と葉の間から木漏れ日が差し込むさまは特に美しく、写真を撮るなら少し見上げる角度が定番です。初冬にはライトアップも実施され、嵐山の風物詩となっています。平常時に訪れるなら、人が少なく、涼しい空気を感じられる早朝の散策がおすすめ。
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竹林の小径
- 住所 〒616-8394 京都府京都市右京区嵯峨小倉山田淵山町
電話番号:なし
営業時間:自由
料金:無料
定休日:無休
静けさに包まれた自然の中にある山寺「二尊院」
小倉山のふもとにある天台宗の古刹。その名のとおり、「釈迦如来」と「阿弥陀如来」の二尊を祀っています。馬が駆け抜けられるほど広いという「紅葉の馬場」と呼ばれる参道をはじめ、広い境内に豊かな自然が広がり、紅葉や桜の名所としても有名です。天皇の使いが出入りする際に使われていた勅使門や本堂など、重厚な建造物を自然が彩ります。
また、京都の中でも西に位置するため、仏教における理想の世界・西方極楽浄土を思わせるお寺です。嵐山の中心地から外れた静けさの中で、自然と仏教の調和を感じてください。
緑あふれる小倉山のふもと
自由につくことができる「しあわせの鐘」や、山道を登った先にあり市街地を一望できる小倉百人一首選定の地「時雨亭跡」など、自然豊かな境内からはカエルや虫の音も聞こえてきます。
嵐山駅界隈からは北西に上がり、小道を入った先にあるため、紅葉や桜の季節以外は人がまばらなのも魅力です。駅からは少し離れていて、自転車置場も整備されているので自転車でのアクセスが便利です。
総門前は、落柿舎周辺から平坦な道がほぼまっすぐ続き、周りを囲む豊かな自然を見ながらゆっくり走るのにおすすめです。日曜・休日の10:00〜19:00は車が通行禁止のため、より安全に走行できます。
また、二尊院から北へ進めば、「祇王寺」や「あだし野念仏寺」など自然に囲まれた静かな場所にお寺が点在しています。それぞれに距離がありますが、自転車なら楽々巡れます。「あだし野念仏寺」の周辺、嵯峨鳥居本と呼ばれる地区では、茅葺き屋根の建物など風情ある建物が並ぶ古い町並みが楽しめます。嵐電「嵐山」駅からは徒歩だと30分以上と離れているため、人が少ないのも魅力的。坂道が続くため、電動アシストの自転車が活躍します。
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二尊院
- 住所 〒616-8425 京都府京都市右京区嵯峨二尊院門前長神町27
- 電話 075-861-0687
営業時間:9:00〜16:30
料金:500円
定休日:無休
1200年以上の歴史を持つ美しい寺「旧嵯峨御所 大本山 大覚寺」
真言宗大覚寺派の本山に行ってみましょう。嵯峨天皇の離宮として建立され、1200年以上という歴史を持つ門跡寺院です。時代劇を始めとする、テレビや映画のロケ地としても有名であることに加え、いけばな発祥の寺としても知られ「いけばな嵯峨御流」の家元でもあります。
境内には勅使門や宸殿、心経前殿(御影堂)、五大堂(本堂)など、歴史的にも価値のある建造物を多数見ることができます。宸殿と心経前殿(御影堂)を結ぶ廊下は、縦の柱を雨に、直角に折れ曲がった回廊を稲光にたとえ、村雨の廊下と呼ばれています。
天井が低いのは、防犯の意味で刀などを振り上げられなくするため。床はあえてきしむように作られた鶯張りになっています。心経前殿(御影堂)の南正面、石舞台の向こうに見えるのが勅使門。天皇陛下の行幸、もしくは勅使が来たときのみ開門します。
大覚寺の本堂となるのが五大堂です。その東側には日本最古の人工の林泉である大沢池が。五大堂の観月台から見る大沢池はまさに絶景です。周囲約1kmの池には天神島、菊ヶ島、庭湖石、池の北側には名古曽の滝跡など、見どころもたくさん用意されています。
さらに大覚寺では一年を通じて様々な催しが行われることにも注目したいところ。なかでも秋には、嵯峨天皇が中秋の名月に舟遊びしたことから始まった「観月の夕べ」、風情ある嵯峨菊を愛でる「嵯峨菊展」、大沢池周辺が幻想的な光に包まれるライトアップ「真紅の水鏡」などの催しが数多く用意されていて、毎年たくさんの人が訪れます。
嵐電「嵐山」駅からは徒歩だと30分以上と距離があるため、自転車で気軽に楽しむのがおすすめです。こちらにも参拝者用に無料の駐輪場が整備されています。
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旧嵯峨御所 大本山 大覚寺
- 住所 〒616-8411 京都府京都市右京区嵯峨大沢町4
- 電話 075-871-0071
参拝時間:9:00〜17:00(最終受付16:30)
定休日:無休 ※お堂エリアは寺内行事により内拝不可日あり
参拝料金:お堂エリア/大人500円、小中高300円、大沢池エリア/大人300円、小中高100円
徒歩やバスでは味わえない景色!豊かな自然の中をサイクリングするもの◎
大覚寺から1kmほど東に行けば、日本3沢のひとつでもある広沢池の周りにのどかな田園風景が広がります。歩くには少し大変な距離で、大通りを走るバスではなかなかアクセスしにくい場所でも、自転車なら自分のペースで移動できて便利。公共交通機関では見つけられない裏道を通ることもできます。
せっかく嵐山を訪れるなら、駅周辺だけでなく足を伸ばしてさまざまな寺院やお店を巡ってみては。自転車を走らせれば、雄大な自然や落ち着いた街並みなど、いつもとは違う景色が見えるはずです。
Text by:株式会社エフィール
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