北海道の大自然は、時に深い感動を与える美しい光景を生み出します。短い夏には溢れるように花が咲き、冬には雪と氷が見せる不思議な現象が。また、山に登れば眼下を雲の海が埋め尽くし、海に出れば澄み渡った水が空の青を映し出します。中には失われつつあり、いつかは見られなくなり幻の風景になるかもしれない、そんな貴重な景色も。ぜひ目に焼き付けておきたい、四季折々の絶景スポットをご紹介します。
1.壮麗な羊蹄山(ようていざん)の絶景「羊蹄パノラマテラス」(留寿都村)
ホテルや遊園地のほか、ゴルフ場、スキー場などがある留寿都村(るすつむら)のリゾート施設「ルスツリゾート」。冬にスキーコースとなるウエストMt.(そりおい山)には、春から秋にかけて山頂に「羊蹄パノラマテラス」がオープンします。
その名の通り名峰・羊蹄山をはじめ、山麓地域や洞爺湖などの大パノラマが一望できるスポットです。風水でも、ウエストMt.は、尻別岳から発するエネルギーのパイプライン(龍脈)上にある縁起の良いスポットだとされているそう。
6月から8月にかけては運が良ければ早朝に雲海を見ることができます。壮大な雲海から顔を出し、朝日に照らされる羊蹄山は荘厳な空気を放っています。夏の夕日もまた美しく、夏休み期間中はゴンドラを日没まで特別運行しています。
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羊蹄パノラマテラス
- 住所 〒048-1711 北海道虻田郡留寿都村字泉川13 ルスツリゾート内
電話:0136-46-3331(代表)、0136-46-3111(総合予約センター)
アクセス:新千歳空港から宿泊者専用有料送迎バス(要予約)、札幌からルスツリゾート利用者専用無料送迎バス(要予約)で約2時間、または車で約1時間半
2.雲海を楽しみ尽くす「星野リゾート トマム 雲海テラス」(占冠村)
占冠村(しむかっぷむら)にある北海道最大級の滞在型リゾート「星野リゾート トマム」は、5月中旬から10月中旬にかけて雲海が発生しやすい場所です。その雲海を、自然と一体化したような気分で、特別な体験をしながら鑑賞できる展望スポットが「雲海テラス」。滞在客の人気を集めています。
例えば、雲の上にいるような浮遊感を感じられるハンモック「Cloud Pool(クラウドプール)」や、高さ3mの椅子の上から眼下に雲海を見下ろす「Cloud Bar(クラウドバー)」など。雲海テラスでの9つの過ごし方を提案する「Cloud9(クラウドナイン)計画」に基づいた6つの施設がすでに登場しています。
雲海の発生率は約40%で、星野リゾート トマムの公式ホームページでは、翌日の雲海予報を確認できます。
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雲海テラス
- 住所 〒079-2204 北海道勇払郡占冠村中トマム 星野リゾート トマム内
電話:0167-58-1111(星野リゾート トマム代表電話)
料金:大人 1,900円、小学生 1,200円、ペット 500円(宿泊者、日帰り客ともに利用可)
※ペットは要ケージ
アクセス:JR「トマム」駅から送迎バスで約10分
3.世界の果てを感じる「トドワラ・ナラワラ」(別海町)
知床半島と根室半島のちょうど中間ほどに、大きくかぎ状に突き出した日本最大の砂嘴(さし)が野付半島。その先端で、海水に侵食され立ち枯れたトドマツが広がる、荒涼とした大地を「トドワラ」と呼んでいます。北の大地の厳しさを感じる風景は「この世の果て」とも例えられ、今も侵食は進みいずれは見られなくなる風景です。
また、野付半島の道道950号線のほぼ中央あたり、夏には花が咲き乱れフラワーロードと呼ばれる場所に、同じく海水に侵食され立ち枯れたミズナラなどで形成された「ナラワラ」もあります。生命力豊かな花畑と死にゆく林のコントラストは、きっと心に何かを残す風景となることでしょう。
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野付半島
- 住所 北海道野付郡別海町野付
電話番号:0153-82-1270(野付半島ネイチャーセンター)
4.澄みきった海「積丹ブルー」(積丹町)
北海道の北西に突き出した積丹半島は、断崖絶壁や奇岩の続くダイナミックな海岸線の眺めで人気です。特に晴れた日には、透明度の高い海水が北国の海とは思えないほど澄んで明るい青に見えるため、この海水の色を「積丹ブルー」と呼びます。
この美しい青を楽しむ絶景ポイントが、半島の西側で海に突き出した神威岬(かむいみさき)。ややスリリングな遊歩道を片道20分かけて先端へ進むと、周囲300度のパノラマで丸みを帯びた水平線を見ることができます。
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積丹半島
- 住所 北海道積丹町神岬町
電話番号:0135-44-3715(積丹観光協会)
5.鏡面のような神秘的な湖「オンネトー」(足寄町)
阿寒摩周国立公園にあるオンネトーは、周囲2.5kmの小さな湖です。季節や天候、そして見る時間帯や角度によって、明るいエメラルドグリーンから深いブルーまで刻々と色を変えていくことから「五色沼」の別名を持っています。
湖畔に設置された展望スペースは、湖の背景に雌阿寒岳と阿寒富士を見ることができるビューポイントです。
オンネトーを見るのに最もふさわしい時間は早朝です。風の止まる朝は湖面が凪いで鏡のように周囲の景色を映します。特に10月上旬の紅葉のころは、色鮮やかに染まった木々の姿が湖面にも映し出され、いつにも増して美しいことでしょう。
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オンネトー
- 住所 北海道足寄郡足寄町茂足寄
電話番号:0156-25-6131(あしょろ観光協会)
6.幻の橋を秘めるダム湖「糠平湖(ぬかびらこ)」(上士幌町)
糠平湖は、周囲約34km、北海道で2番目に大きい人造湖です。夏の間は発電用ダムとして豊かな水をたたえ、釣り客に親しまれる自然豊かな湖。しかし、季節が冬になりだんだんと貯水量が下がってくると、姿を表すものがあります。
それが「タウシュベツ川橋梁」。かつては国鉄士幌線が通っており、タウシュベツ川を渡るために架けられたコンクリートづくりのアーチ橋です。12月ごろから結氷する湖の氷を割って、1月ごろから姿を表し、雪原にそびえます。
毎年水没を繰り返した橋梁は、まるで古代遺跡のような佇まい。その後雪が解けた5月上旬が最も水位が下がるときで、6月からだんだんと水位は上がり、8月にはまた完全に水没して姿を潜めます。
また、冬に結氷した糠平湖でもう一つ見られる光景が「アイスバブル」と呼ばれる現象です。湖底から上がってきた気泡が湖面近くで氷に閉じ込められたもので、表面に大小の水玉模様が浮かびます。
湖面は12月から凍り始めますが、降雪があると雪の下に隠れてしまいますから、雪の少ない年に出合えるチャンスのある絶景です。
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糠平湖
- 住所 北海道河東郡上士幌町ぬかびら源泉郷
電話番号:01564-4-2224(上士幌町観光協会)
雲海や鏡面のような湖水などは、天候や気象条件が関わるものですから必ず見られるという保証はありませんが、その光景に出合えたときの感動もまたひとしおでしょう。標高の高い場所は気温が低いので、夏でも寒さ対策は忘れずに。また、冬の散策をするときは、靴や防寒着などしっかりとした準備をして、時間をかけてたっぷり絶景を堪能しましょう。
Text by:みんなのことば舎
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