広大な面積を擁し、豊かな自然が広がる北海道。北海道の良さを感じるためにも旅のプランは重要です。大切な計画を立てる上で浮かんでくるであろう疑問に、しっかりお答えします。気候や移動距離などの旅の注意点や押さえておくべきスポットなど、これらを知っておけば北海道旅が充実すること間違いなし!
Q.北海道の広さってどれくらい?
A.北海道は日本の約22%を占めるほどの広大さ。想像以上に広いので、旅程を決めるときは注意が必要です。北海道の玄関口・札幌は、新千歳空港から約50㎞。札幌から道内主要都市への距離と、車での移動時間は以下の通りです。
札幌~小樽 約40㎞/約45分
札幌~富良野 約115㎞/約2時間
札幌~旭川 約140㎞/約1時間20分
札幌~函館 約305㎞/約4時間15分
札幌~帯広 約215㎞/約3時間
札幌~釧路 約342㎞/約4時間40分
札幌~知床(ウトロ) 約377㎞/約5時間44
Q.北海道観光のベストシーズンは?
A.札幌の観光ベストシーズンは7~8月ごろ。平均気温は20~23℃で、爽やかで過ごしやすい気候です。ただし、北海道の緯度は北緯41〜45度。フランス中南部~スペイン北部、イタリア中~北部、アメリカ・ニューヨーク、カナダ・トロントなどとほぼ同緯度の寒冷地です。一日の気温差が大きく、朝晩は20度を下回る日も多くありますので、カーディガンやパーカーなど羽織るものを常に持っておくことをおすすめします。
スキーやスノーボードなど、ウィンタースポーツを楽しみたいなら1月~2月がおすすめ。北海道では、11月頃には平野でも初雪が降り、道内のほぼ全域で雪が積もります。最も寒い1月は、平均気温がマイナス3.6℃(気象庁データより)。暖かいアウターはもちろん、帽子や手袋、マフラーなどの防寒小物も用意しましょう。
また、冬期間は路面が凍るなどして滑りやすいので、靴底にしっかり溝が入った冬靴を履いていくのがおススメです。駅や空港などで、靴に装着する滑り止めも販売しています。
広い北海道は、場所による気温差も激しく、冬はマイナス20〜30℃に達するところも。行く場所の気候を必ず調べて着るものを用意しましょう。
Q.北海道の主な観光地ってどこ?何ができる?
A.広大な北海道は観光スポットが多数あり、都市部では買い物やグルメを楽しんだり、都心から離れて雄大な大自然を満喫したり、多彩な体験 ができるのが特徴です。主要都市やエリアによって異なる楽しみ方をご紹介します。
札幌…北海道の中心都市。道内各所のグルメが味わえるほかショッピングや絶景、温泉など幅広い楽しみ方が可能。さっぽろ時計台や羊ヶ丘展望台など、北海道を代表する観光スポットも多数あります。
ニセコエリア…羊蹄山の麓にあり、世界屈指のパウダースノーでウィンタースポーツが満喫できます。夏場もラフティングなどアウトドアアクティビティが楽しめます。
函館…道南観光の中心地。美しい夜景や歴史的建造物、和洋折衷の街並みが堪能でき、市場の海鮮や人気の洋菓子など美味しい楽しみも充実。
旭川・道北エリア…旭川市の旭山動物園のほか、層雲峡温泉やラベンダー畑が有名な富良野、美しい丘陵の風景が楽しめる美瑛から近く周遊が楽しいエリアです。
道東エリア…大自然を堪能したい人にピッタリ。世界自然遺産の知床半島や神秘的な風景も楽しめる釧路湿原があります。冬場には流氷の海を体感できるアクティビティも。
ほかにも、運河が美しい小樽、温泉を満喫できる登別などまだまだ魅力的な観光地があるので、目的に合わせて訪れるスポットを選んでみて。
Q.おすすめの移動手段は?
A.移動手段は車のほか、バスや電車、飛行機もあります。バスは所要時間が長いですが、リーズナブルで本数も比較的多め。深夜の便もあるので朝からアクティブに動きたい人にはおすすめです。電車はゆったり車窓からの景色を楽しめるのが魅力的。路線によっては本数が少ないところもあるので事前準備が重要です。
また、バスや電車には、広範囲に使えるお得なフリーパスもあるので、さらに交通費を節約できる可能性も。あわせてチェックしておくと良いでしょう。
遠距離で、空港のある目的地なら飛行機がなんといっても早くて楽ですが、料金は比較的高く便数も限られるので注意して。移動時間を考慮して、余裕のあるプランを立てるのが大切です。
Q.レンタカーを借りるにはどうしたらいい?
A.移動距離が長いので、北海道での車移動は大変便利です。ファミリーなら特に、周囲を気にせずゆったり移動できるというメリットがあるほか、エリアによっては公共交通機関の運行本数が少ないのが理由です。
車で北海道巡りをする計画を立てるなら、事前のレンタカー予約は必須。 夏や日本の連休期間は希望の車種が満車のことも少なくないので、旅行が決まり次第予約する方が安心です。各社WEBでの予約ができ、ほとんどが多国語対応のHPになっているので安心です。カーナビがあるとかなり便利なので、予約の際に付いているのかも確認して。
Q.北海道で車を運転する場合の注意点は?
A.北海道の道路を走るときに注意したいのは野生動物の飛び出し。郊外でエゾシカやキタキツネなどが道路に出てくることもしばしばです。目撃頻度の多い場所は標識が出ています。
冬の運転には特に注意。路面状況や天候が変わりやすく、冬道に慣れた人でも運転が難しいうえ、移動時間も読めないので、なるべく公共交通機関を利用するのが無難です。
Q.北海道のご当地グルメ、どんなものがあるの?
A.北海道のご当地グルメは、バラエティー豊富。エリアによって地域色豊かな名物料理 があります。
●海鮮…北海道全域で楽しめる毛ガニやタラバガニ、函館のイカ、小樽のシャコやウニ、釧路のサンマ、道東のサケなど各地に名物が。ゴッコやカジカ、ホッキガイなど北海道特有の魚介もあり、海鮮丼やお刺身、炭火焼き、鍋など素材に合わせた料理で味わえます。石狩鍋やちゃんちゃん焼きなど魚介の郷土料理もあります。
●肉…外せないのは羊肉のジンギスカン。タレを後付けするタイプと、肉にしっかり味の染み込んだ漬け込みタイプがあります。また、鶏肉を揚げた「ザンギ」は専門店があるほか、居酒屋メニューでも一般的で、店によってオリジナルの味が楽しめます。白老和牛や十勝和牛、かみふらのポークなど各地にブランド肉も。
●乳製品…牧場が多い北海道は新鮮牛乳のほか、チーズやソフトクリームなど乳製品も各地で名産となっています。特に名高いのは酪農王国・十勝エリアです。
●野菜…アスパラ、トウモロコシ、ジャガイモ、玉ネギ、豆類など季節ごとにおいしい野菜もいろいろ。ジャガイモはシンプルにじゃがバターで素材の美味しさを満喫して。また、米や小麦など穀物の生産も多い北海道。美瑛や富良野、十勝は小麦栽培が盛んで、地元産小麦を使ったパンやパスタが人気です。十勝の新得や幌加内(ほろかない)など日本屈指の蕎麦の名産地もあります。ゆめぴりかやななつぼしなど評価の高い銘柄米は、全国的にも人気です。
●果物…代表格はメロン。夕張メロンが有名ですが、富良野やらいでんなど道内各地で生産されています。また、爽やかな酸味のハスカップも北海道ならではの味。生で食べるのもよし、果汁を使ったお菓子もいろいろあります。サクランボやリンゴ、プルーンは果物狩りでも人気です。
各地の美味しいものを事前にチェックして、北海道の味覚を満喫してください。
Q.北海道のおすすめ土産といえば?
A.大きくお菓子、加工食品、乳製品、お酒類、雑貨の5つに分けてご紹介します。
●お菓子…北海道土産の王道といえば、やはり石屋製菓の「白い恋人」でしょう。そのほか六花亭の「マルセイバターサンド」、ロイズの生チョコレート、柳月の「三方六」、北菓楼の「開拓おかき」なども人気です。「ドゥーブルフロマージュ」で有名なルタオは、お土産に最適な焼き菓子やチョコレートも評判です。
●加工食品…インバウンドの観光客に支持されているのが珍味です。鮭トバやホタテの貝柱などはスーパーでも手軽に手に入れられます。
●乳製品…チーズやバターだけでなく、アイスクリームも人気。牧場ブランドや乳業メーカーなど多種多様な商品が揃っています。
●お酒類…道内各地に地酒もあり、増毛町の国稀、札幌の千歳鶴、栗山町の小林酒造などが有名。個性的なクラフトビールもあり、中でも爽やかな青色の流氷ビールは、見た目のインパクトもさることながら味わいも深くてビール好きに定評があります。
●雑貨…おすすめは富良野のラベンダー製品。オイルやせっけんなど幅広い商品があります。同様に北見のハッカ商品も爽やかな香りで喜ばれそう。また近年は北海道コスメの種類が増え注目を集めています。
いずれも、各種専門店や、デパート、駅・空港のショップ、お土産店のほか、観光地のコンビニで扱っている商品もあります。
Q.北海道でおすすめのお祭りを教えて!
A.世界的にも有名なさっぽろ雪まつりをはじめ、四季を通して個性的なお祭りが道内各地で開催されます。おすすめしたいお祭りの時期と場所を紹介します。
●5月上旬 箱館五稜郭祭(函館市) 観光地・五稜郭公園を中心に開催。維新パレードが圧巻
●6月上旬 YOSAKOIソーラン祭り(札幌市) 参加チームが札幌市内各所で演舞。躍動的な踊りが特徴。
※2021年は開催中止。
●7月下旬 北海へそ祭り(富良野市) お腹を顔に見立ててペインティングし、腹を出して踊る楽しい祭り。
●7月下旬 おたる潮まつり(小樽市) 踊って街を練り歩く「潮ねりこみ」がメインイベント。最終日に花火大会あり。
●8月9~11日 姥神大神宮渡御祭(江差町)北海道無形民俗文化財にも指定される伝統的な祭り。
●8月下旬 登別地獄まつり(登別市) 閻魔大王の山車が温泉街を練り歩く様子が迫力満点。
●9月釧路さんま祭り(釧路市) 炉端焼きした地元産のさんまを堪能できるほか、さんまのつかみ取り大会も。
他にもさまざまなお祭りがあるので、訪れる時期や場所で開催されるものをチェックして立ち寄ってみては?
Q.北海道を満喫するのにツアーを利用するのはあり?
A.オススメはネイチャーツアー。アウトドアに不慣れな人や、見どころをしっかり解説してもらいたいという人には最適です。ニセコや道東を中心に、道内各地でガイド付きのツアーがあり、HPなどでツアーの詳細や用意するものなどを事前にチェックできます。多くのHPは多国語に対応しており、予約もできるので、ネイチャーツアーへの参加を中心に旅の計画を立ててみても楽しいです。
また、定番の観光地を巡るバスツアーは、効率よく有名スポットを巡ることができ、移動手段の下調べも不要なので便利です。旅行会社で企画しているもののほか、各地のバス会社などで用意しているプランなどが多種あります。
Q.アイヌ民族の文化と触れ合える場所は?
A.日本列島北部周辺、とりわけ北海道の先住民族・アイヌ。自然をはじめとするあらゆるものを敬い、共生するアイヌの人々の暮らしや文化は、北海道の文化にも影響を与えています。道内はアイヌ文化を触れられるエリアやスポットが各所にあります。
2020年にオープンしたウポポイ(民族共生象徴空間)は、アイヌ文化の復興・発展のための拠点となるナショナルセンターとして、アイヌの歴史や文化などを展示で分かりやすく紹介するほか、ムックリ(口琴)の演奏や古式舞踊など、伝統芸能の上演や、食文化体験や伝統工芸品の製作体験等を通じて総合的にアイヌ文化を体感できます。
Q.夜景を見るならどこがおすすめ?
A.北海道には、夜景が見どころのスポットがいくつもあります。もっとも有名なのは函館。日本三大夜景にも数えられる函館山から望む夜景は、地形が浮かび上がる美しい景色です
札幌の夜景も日本新三大夜景に選ばれており、絶景スポットも多数あります。抜群にアクセスのよいJRタワーやさっぽろテレビ塔の展望台のほか、もいわ山や大倉山の展望台からは街を一望する夜景が楽しめます。他にも旭山記念公園、すすきのノルベサ屋上にある観覧車・ノリアもおすすめ。JRタワーホテル日航札幌に宿泊すれば、客室の窓からの夜景を独り占めできます。
小樽・天狗山からの夜景や、幻想的な工場夜景が人気の室蘭もぜひ訪れてほしい夜景スポットです。
Q.札幌は地図がなくても歩けるって本当?
A.格子状で分かりやすい街並の札幌。住所も南3条西4丁目というように、東西南北の番地が付いています。それを把握しておくと、住所を見るだけで目的地がだいたいどこにあるのかが分かります。
このような街並ができあがったのは、札幌が明治に入って建設された街だから。1869年に京都の街並を見本にして都市構想が練られ、格子状に道を整備しました。現在の南1条通りと創生川を境に、街を東西南北に分け、北を官庁街、南を住宅・商業地、東を工場地区として、南北の間に防火線として大通公園を配置。こうして、今の札幌が発展してきました。
Q.これって日本語?いえ、北海道弁です。
A.北海道ではイントネーションも含め、比較的標準語に近い日本語が使われていますが、会話の中には意外と北海道弁が紛れ込んでいます。代表的なものは以下の通りです。
【なまら】(namara)
「とても」、「すごく」、「非常に」という意味で使われます。「なまらうまいっしょ」はとても美味しいという意味です。
【あずましい】(azumashi)
心地よい、居心地がいい。「落ち着かない」という意味で「あずましくない」という言葉も使います。
【なんもなんも】(nanmo nanmo)
人にお礼を言われたときに「気にしないで」「ちっとも」という意味を込めて「なんもなんも」と言います。
【めんこい】(menkoi)
かわいい。否定形は「めんこくない」
【(ゴミを)投げる】(nageru)
共通語では、「投げる」は「ものを投げる」、「ボールを投げる」という場合にのみ使われますが、北海道弁では「捨てる」という意味でも使われます。
【とうきび】(tokibi)
トウモロコシのことを北海道ではとうきびと言います。
このほか、語尾に「だべ」「だべさ」を付けるのも北海道弁の特徴。「~でしょう」というニュアンスで使われます。旅行中に使ってみると、現地の人が笑ってくれるかも。
Text by:みんなのことば舎
※本記事の情報は2021年4月時点のものです。
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